中谷防衛大臣が記者会見 国連南スーダン派遣の期間延長ほか(6月13日)
- 日本の防衛
2025-6-17 10:00
令和7(2025)年6月13日(金)09時21分~09時58分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は防衛省A棟10階会見室において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)への自衛官の派遣期間延長
国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)でありますが、現在、司令部要員として自衛官を派遣をいたしております。本日、13日の閣議におきまして、国連安保理決議に準じた派遣期間の延長、並びに派遣人数及び業務内容の一部変更、これが決定をされました。UNMISSは、現在、我が国の要員を派遣する唯一の国連PKOであり、国連による平和のための努力への関与の継続のため、また、国際人材の育成機会の確保、並びに国際平和協力分野に関する知見、経験の蓄積からも、要員派遣を継続をしていく意義があると考えています。引き続き、自衛官の派遣を通じて、南スーダンはもとより、周辺アフリカ諸国、ひいては国際社会の平和と安定に貢献をしてまいります。
記者との質疑応答
6月7日・8日の海自P-3C哨戒機に対する中国海軍J-15戦闘機の特異な接近について
記者 :
今月7日と8日に、太平洋上の中国軍の空母から発艦した戦闘機が、警戒監視中の海上自衛隊の哨戒機に特異な接近をしたことに関連して伺います。まず1点が、今回の事案を受けた大臣の受け止めというのを教えてください。2点目がですね、2014年に同種事案が発生した際はですね、2回とも当日中に防衛省は発表をしていましたが、今回の公表は最初のそういった特異な接近の発生日から4日後で、外交ルートで中国に申入れをしてからも1日後となりました。前回に比べて遅くなっているわけですけれども、公表のタイミングに問題がなかったかどうか、大臣の考えを教えてください。最後に、大臣は今回の事案について、いつ、どのように報告を受けられ、この件について総理と意見を交わす機会があったのかどうかも伺います。
大臣 :
6月7日(土)午前10時半頃から、11時頃の約40分間及び8日(日)14時頃から15時頃の約80分間、太平洋上の公海上空におきまして、警戒監視を行っていた海上自衛隊のP-3C哨戒機に対して、中国軍の空母「山東」搭載のJ-15戦闘機が追従をいたしました。この際、J-15戦闘機は、P-3C哨戒機に対して高度差がない状態で水平距離約45mまで近づいて飛行をするとともに、8日には、P-3C哨戒機の針路前方約900mを高度差のない状態で横切るという事案が発生をいたしました。このような中国機の特異な接近は、偶発的な衝突を誘発する可能性があり、深刻な懸念を表明をし、再発防止を厳重に申入れをしました。私がこの件で総理と直接意見を交わしたことはありませんが、この事案につきましては、発生後、私と総理は速やかに秘書官を通じて報告を受けております。また公表につきましては、事案発生後、特異な接近を受けた自衛隊航空機クルーからの聞き取り、データの解析を含む事実関係の確認、外交及び防衛ルートを通じた厳重な申入れを行った上で、公表を行ったものでありまして、公表の時期は適切であったと考えております。
記者 :
関連してお伺いします。今回の接近についてですね、中国外務省は、国際法と国際慣例に完全に合致するですとか、日本側に原因がある趣旨の主張をしましたが、この件に関して大臣の見解をお伺いします。
大臣 :
今回の事案につきまして先ほど申し上げましたけれども、7日と8日に、中国のJ-15戦闘機が我が国のP-3C哨戒機に対して、高度差のない状態で水平距離約45mまで近づいて飛行するとともに、8日には、P-3C哨戒機の針路前方約900mを横切ったというものでございます。先ほども申しましたが、このような飛行は、偶発的な衝突を誘発する可能性がある特異なものであることから、中国側に対して、深刻な懸念を表明し、再発防止を厳重に申入れをしたところでございます。自衛隊の航空機が、公海上空において他の航空機に45mもの距離まで接近をすることはありません。今般の事案について日本側に原因があるかのような中国側の発言には受け入れられず、このような日本の立場は中国側にもしかるべく申入れをしているところでございます
現在我が国唯一のPKO、国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)について
記者 :
冒頭のUNMISSの関係でお伺いします。今、大臣からも御紹介ありましたとおり、PKO活動で派遣しているのは南スーダンだけとなっておりますけれども、改めてその意義や重要性についてお聞かせください。
大臣 :
冒頭申し上げましたが、UNMISS国際連合南スーダン共和国ミッションにつきましては、現在、司令部要員として自衛官を派遣しておりますが、本日の閣議で国連安保理決議に準じた派遣期間の延長、そして、派遣人数、業務内容の一部変更が決定されました。このUNMISSは、現在、我が国が要員を派遣する唯一の国連PKOであり、国連による平和のための努力への関与の継続のために、国際人材の育成機会の確保、そして、国際平和協力分野に関する知見、また、経験の蓄積からも、要員派遣を継続をするという意義があると考えておりまして、こういった自衛官の派遣を通じまして、南スーダンはもとより、アフリカ諸国、ひいては国際社会の平和と安定に貢献をしてまいるということで、この意義、重要性についてこう考えております。
6月13日早朝未明(現地時間)、イスラエルが実施したイランへの軍事攻撃について
記者 :
今入ってきた情報なんですけれども、イスラエルがイランを攻撃したと発表しまして、全土で非常事態宣言を出しました。イランの国営テレビによりますと、首都テヘランで複数の爆発音が聞こえて、防空システムが作動したと伝えてます。テヘランには邦人も多く居ますけれども、発生したばかりで、なかなか対応策を検討されている状況ではないと承知しているんですけれども、受け止めと邦人退避のオペレーションなどで御想定されていることがあれば教えてください。
大臣 :
関係した報道があったということは承知しておりまして、現在、情報を収集しております。これまでの経過としましては、現地時間の11日、米国国務省が地域の緊張の高まりを理由としまして、在イラク米国大使館の緊急要員以外の職員の退避、これを命じたと発表しております。中東地域においては、情勢が大きく変動し、流動的かつ緊迫した状態が継続をしております。政府としましては、中東地域の情勢を、今後とも懸念を持って注視をしており、現在、在外邦人の保護に万全を期すとともに、防衛省・自衛隊としても、外務省を始めとする関係省庁と緊密に連携をしつつ、情勢の推移に応じて適切に対応をしております。
5月開催「DSEI Japan 2025」へ防衛省が後援したことについて
記者 :
先月行われたDSEI Japanについてお尋ねします。大臣も会場で、かなりの時間かけて視察をされたということだと思うんですけれども、こういう軍事見本市が日本で行われること自体、非常に防衛省・自衛隊、そして防衛産業にとってもいい刺激になるのではないかと思います。ただその一方でですね、防衛省が後援をしているわけですが、それがふさわしいのかという問題があるかと思います。というのは、主催がDSEI Japan実行委員会という組織なんですが、ホームページにはどういう組織なのか、誰がトップなのかも書いていないし、例えば実行委員会が株式会社なのか任意団体なのかも分からないわけです。実質的にオペレーションをやっているのは、DSEI Londonのイベントですけれども、イギリスのクラリオン社がやってると思うんです。そうすると本当にどっちが責任があるの、ということがあると思うんですが、そういうことは後援に際してですね、きちんと把握されていたんでしょうか。
大臣 :
このDSEI Japan、これについては、この展示会、これはテーマがですね、先端技術によるインド太平洋地域の安全保障の強化ということでありまして、これは諸外国との防衛装備・技術協力のより一層の推進に資するものだと考えております。その上で、防衛省における後援等の名義の使用に関する内部規則に照らして、防衛省の所掌事務の円滑な遂行、そして国民の理解の増進に寄与するためのものであることを踏まえまして、後援等の基準を満たすということで、後援をしたものでございます。主催をしてるところは各ホームページを見れば書いておられるんじゃないかと思いますので、御確認ください。
記者 :
そのホームページに何も書いてなく、実行委員会としか名前が入ってないんです。
大臣 :
この点も含めまして、後ほど事務方に確認してください。
記者 :
問題はですね、何かあった時に、例えば会場でテロがあって死傷者が出てしまったとか、そういう時にですね、誰が責任者なんだと、責任者出てこいと言ったときに誰が責任者で出てくるのか。これ西元次官が実行委員長というふうに、今月の月刊軍事研究の市ヶ谷レーダーサイトにはですね、西さんが会長で、元統幕長の岩崎さんが副会長だというふうに書いてるんですけれども、実際それで、今回プレスに関してはすごく不手際が多かったんですね、当日になるまで参加できるかできないか分からない。実際ここにも書いてますけれども、NHKも入れなかった、当日入れなかったと、僕も個人的にそういう、いや清谷さん入れないんですよ、という専門誌とかですね、一般メディアの記者さんから連絡があったということもあるんですけれども、普通は国際的な見本市ですと、1か月以上前にはもうパスの発行する、・しないは通知があるわけです。当日になって発行しない、行って発行しないと分かると、じゃあ例えば海外から取材に来た人が入れなかったら航空券とかホテル代全部丸損しますよね。そういうことがあるんですけれども、2年前にはアメリカの出展社が呼んでいた日本の防衛省納入業者がパスの発行を拒否されたんですよ。何でと言うと、心当たりがない。どうも実行委員会のメンバーの商売敵だったからじゃないかという話があったわけです。その件は、装備庁の然るべき防衛省の方何人かに、こういうこと問題なんじゃないかというふうに申し上げたらですね、その年の9月にあったDSEI Londonで僕、パスの発行を拒否されたんですよ。この仕事30何年間やってますけれども、DSEI含めてパスの発行を拒否されたこと一度もないわけです。思い当たるとするならば、そういうDSEI Japanでのパスの発行がなかったということを装備庁の方に申し上げただけでね、たまたま僕の書いている雑誌がDSEIのメディアパートナーだったんで、編集長の方から抗議をしてもらったら入れたわけです。ということは、もともと本来入れる人間が入れなかったという嫌がらせをされたっていう可能性があるわけですよね。こういう組織を後援して大丈夫なのか、ということがあるんですが、大臣いかがお考えでしょうか。
大臣 :
今回は3回目の開催と聞いております。確かに防衛省が後援をいたしておりますけれども、この入場の可否とか、運営等につきましては主催団体の事務局であります、クラリオン社が主催事務局でありますので、防衛省としてはお答えする立場にはないわけです。このクラリオン社における審査基準については、来場申込書を平等に審査してるというふうに聞いておりますけれども、これ以上の詳細につきましては、クラリオン社にお尋ねいただきたいと思います。
3月に高知龍馬空港に予防着陸、42日間駐機した米軍機に関する法的根拠について
記者 :
高知龍馬空港に米軍機が42日間駐機した件についてお伺いをします。今月5日の参議院の外交防衛委員会で外務省と国交省は、駐機と予防着陸の法的根拠について、予防着陸は民間機と同様に航空法に基づく通常の航空管制の枠組みで、着陸後の駐機は民法に基づく空港管理規則として、いずれも国内法を根拠に示しています。一方、大臣は4月18日の閣議後会見で予防着陸とか、駐機の根拠を尋ねた質問に対して、日米地位協定に基づいて我が国の飛行場に出入りすることが米軍機は認められているといったお答えをされています。外務省や国交省と防衛省の見解、大臣のお答えに食い違いがあるように思うんですけれども、お考えを改めてお伺いします。
大臣 :
これは国会でも委員会でですね、議論をされまして、委員会の理事会でもですね、正式文書をもって問題点を整理されたと思います。この予防着陸をめぐる法的整理につきましては、外務省、国土交通省、防衛省の連名で国会、そして高知県に文書をもちまして御説明してきたところでありますので、外務省及び国交省、防衛省の見解に違いがあるという御指摘は当たりません。なお、私の会見で地位協定のお話をいたしましたけれども、これは各省との見解をですね、合わしたことでも分かりますようにですね、この認識の下で、米軍機の地位協定に基づいて、我が国の飛行場に出入りすることが認められているという一般論、米軍機の米軍のですね、航空機につきましては地位協定に基づいて、我が国の飛行場に出入りすることが認められているという一般論について述べたものでございます。
記者 :
その一般論の件なんですけれども、あの時のお答えでもですね、個別の質問に対して、日米地位協定という文言を大臣自ら挙げられていて、一般論で言えばという前置きもですね、特にはありませんでして、一般論で言えばという今のお答えにちょっと違和感もあります。4月18日の同じ日に、中国四国防衛局にも本紙の記者が取材をしているんですけれども、根拠について中国四国防衛局は日米地位協定が正式な回答だというふうに説明しています。当時、本当に一般論としてお答えになったのかということと、そもそも防衛省としては、法的根拠日米地位協定というふうに当初お考えになっていたんじゃないかというふうに思われますけれども、改めて御見解をお願いします。
大臣 :
日米の地位協定、第5条に、我が国の飛行場に出入りすることは認められているということが明記されております。したがいまして、私の発言におきましても、日本国内で予防着陸した米軍機には地位協定が適用されるという認識の下にですね、米軍機の地位協定に基づいて、我が国の飛行場に出入りすることが認められているという一般論について述べたものでございます。その上で、航空機の運航に伴う安全確保の手段であります予防着陸、それに伴う必要な滞在、これは米軍機に限らず、幅広い航空機について生じるものであるということで、この米軍機が予防着陸する場合も、日米地位協定の規定があるから、予防着陸が認められるという、あるいは日米地位協定の規定があってはじめて予防着陸が認められるということではございません。こういった認識に基づいて発言をしたわけでございますので、当初から変更することはございません。
中谷防衛大臣の「沖縄戦は『捨て石作戦』の認識ない」との発言について
記者 :
大臣は昨日の衆院安保委員会で赤嶺政賢議員の質問に対して、沖縄戦は捨て石作戦ではなかったという認識を示しましたが、捨て石作戦ではなかったとする理由を教えてください。
大臣 :
昨日も答弁をさせていただきました。沖縄ではですね、先の大戦におきまして、県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われて、県民あわせて20万人もの尊い命が失われました。特に本島南部の一帯においては、多くの住民の方々が犠牲になられたと認識をしております。防衛大臣としては、沖縄の人々の筆舌に尽くしがたい困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないと考えております。そして、陸上自衛隊の幹部候補生学校におきましては、こうした認識の下に、嘉数高地などの史跡研修、ひめゆりの塔や平和記念資料館等において現地教育を行っており、沖縄戦において多大な犠牲が払われたこと及び住民の避難の実態についても理解をさせており、国民の生命と財産を守る幹部自衛官としての使命感、責任感の涵養に努めているところでございます。私もこの幹部候補生であった時に、同様の教育を受けていた記憶がありまして、今もこの沖縄戦における戦争の惨禍を二度と繰り返してはいけないという思いを強く抱いております。御指摘の昨日での私の発言や答弁は、こうした考えを述べたものでございます。
記者 :
改めてで申し訳ないんですが、捨て石作戦ではなかったという、そういう認識を一切持っていないとした、その部分の理由を教えていただけませんか。
大臣 :
認識としましては、沖縄の人々の筆舌に尽くしがたい困難と癒えることのない深い悲しみ、これらを胸に刻みながら、戦争の惨禍を2度と繰り返してはならないというふうに考えておりまして、先の大戦の末期にですね、県民を巻き込んだ凄惨な地上戦が行われて、軍民あわせて20万人もの尊い命が失われたと。特に南部一帯においては、多くの住民の方々が犠牲になったというふうに認識をいたしております。そういうことが、出来事があったということを私なりに受け止めております。そして、もう二度とですね、そういうことが起こらないように、大臣としては今後、最大限にですね、努力をつけてまいりたいと、そういう思いです。
中国海軍空母「遼寧」「山東」の活動について
記者 :
中国空母の活動に関して伺います。空母「遼寧」と「山東」が、これまでに日本の海洋権益を維持する上でも重要な南鳥島と沖ノ鳥島のEEZ内を航行したことについて、大臣はどのようにお考えかお聞かせください。
大臣 :
中国は現在、運用している2隻の空母の運用能力向上、また遠方の海空域における作戦行動能力の向上を企図しているというふうにみております。今回の「遼寧」、「山東」の活動もその一環であるとみられます。中国海軍の空母が硫黄島より東の海域で活動したことを確認をし、公表するのは初めてのことであります。また、空母2隻が同時時期に太平洋上で活動していることを確認をし、公表したというのも今回が初めてになります。中国は近年、我が国周辺における軍事活動をますます拡大、そして活発化をしているところ、防衛省・自衛隊としては、引き続き、これらの2隻の空母の行動を含む中国軍の動向を注視をするとともに、警戒監視活動を万全に期して、力による一方的な現状変更、その試みを抑止すると、そういう我が国の意思と能力を示してまいりたいと考えております。
記者 :
もう1点関連しまして、沖ノ鳥島については、中国の調査船が日本政府の同意を得ずに、EEZ内で活動した経緯もあるわけですが、ここに空母が入るということは、将来的に力による現状変更の試みも懸念されるところですが、この点についてはいかがでしょうか。
大臣 :
中国の空母がですね、硫黄島より東の海域で活動したいうことを確認して公表するのは初めてのことであります。また、2隻の空母が同時に太平洋上で活動していることを公表するのも初めてのことでありまして、今回公表したのも、中国側の意図も含めてですね、こういったことが起こっているということを発表したわけでもありますし、更に、この件につきましては詳細にわたってですね、分析を進めてまいりたいと考えております。
前出の海自P-3C哨戒機に対する中国海軍J-15戦闘機の特異な接近に関する中国側への申し入れについて
記者 :
先ほど、中国軍機の特異な接近について、中国政府の日本側に原因があるという発言についてですね、大臣は、受け入れられず、日本の立場をしかるべく申入れをしているというふうに御説明していただいたのですけれども、この申入れをしている部分というのは、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか。外交、防衛どちらのルートで、いつ、どのような形で行っていらっしゃるのでしょうか。お教えください。
大臣 :
申入れにおきましては、外務省と連携を取りまして、双方で実施をしているわけでございますが、外務省は外務省のルートがありまして、この特異なですね、接近、また、偶発的な衝突を誘発する可能性があるということで、深刻な懸念を表明をして申し入れたところでございます。外交ルート・防衛ルートともにですね、強くですね、懸念を表明をしておりますが、これ以上のやり取り等につきましての詳細については、お答えを差し控えますが、しかるべく厳重に申入れを行ったというのは事実でございます。ルートについて説明いたしましょうか。まず、外交ルートにおきましては、外務省の事務次官から在京の中国大使に12日に、そして前日ですけれども、11日に外務省のアジア大洋州局参事官から在京中国大使館公使参事官に、10日に外務省の中国・モンゴル第1課長から在京の中国大使館の公使参事官に、そして同日、在中国日本大使館参事官から中国外交部辺境海洋事務司処長に行っております。防衛ルートにつきましては、有馬防衛政策局次長から在京の中国大使館皇甫国防武官に対しまして、申入れをですね、行ったということです。
陸自の「ヒートマネジメント」について
記者 :
陸自のですね、ヒートマネジメントについてお尋ねしたいのですが、つい先日、レンジャー訓練で死者が出たためにレンジャー訓練が中止になったとか、その原因がやっぱり熱中症だったというふうに伺っております。全般的に聞いて取材してみると、どうも熱中症に対する意識が陸自低いんじゃないかと。特に上の階級の方々が、俺が若いころは、みたいな感じで根性論で水を飲ませるなみたいな話をされていることが多いと。また実際問題として、今の気温の温暖化が進んでですね、かなり気温が上がっている状態で、それをやると水不足、熱中症になってしまう。そして、陸自ではですね、経口補給水を作るためのパウダーっていうのが、実は存在するという話聞いております。ところが、部隊に行くと、ほとんどこれが知られていない。普通に水を飲むと飲んでから吸収するまで6時間くらいかかるそうなんですね。そういう経口補給水を飲むと早めに吸収されるということがあってですね、こういうものが、なぜ、ちゃんと使われて、適切にですね、水分が補給されないのか。こういうことやってると、やっぱり辛くて辞めてしまうという隊員さんも多いんじゃないかと思うのですけれども、大臣、陸自のこういうヒートマネジメントをどういうふうにお考えですか。
大臣 :
今から40年前ですけど、私が28歳ぐらいの時にレンジャー訓練を富士で受けておりました。その時は、非常に湿度が高くですね、暑い日でありましたが、ハイポートというですね、坂道を登る、銃を持って訓練中に途中で意識が無くなりまして、病院に運ばれましたが、やはりこれ、熱中症という診断でありまして、入院をした経験もございます。したがいまして、こういった訓練につきましては、天候や気候や、また体調とかですね、全てを勘案しながら隊員の健康状態をよく注視しながらですね、行っていかなければなりませんので、さらにこういった指導体制も含めてですね、安全管理の面でいかにあるべきか、現在、訓練をめぐって富士学校、先日も訪問しましたけれども、真摯に検討がされておりまして、事故が発生しないように、また、効果的な訓練が行われるようにという観点で、課程の見直しをしながらですね、新しい時代におけるレンジャー教育をということを遂行するために、今、検討しているという状況です。
記者 :
関連してなんですけれども、最近の陸自の新型装甲車に関していうと、24式とか、そのあたりは、新しく導入されたものにはクーラーが初めから搭載されていて、16式も途中からクーラーが追加されるようになりましたけれども、既存の例えば装甲車両にクーラーを追加していくというか、ほかの車両に関してもクーラーを追加していくような予定というのはあるのでしょうか。
大臣 :
装備の在り方につきましては、専門家も含めてですね、様々な御意見や考えがあるところでございます。現在、開発を進めているところでございますが、そういった色んな御意見、またお考えを踏まえながらですね、総合的な観点をもちまして、政策を進めていくということが大切でございますので、今日の御意見、お考えもですね、事務方にも共有したいと思っております。細部につきましては、今、この場でですね、資料も持ち合わせておりませんので、後ほど事務方にですね、確認をいただきたいと思います。御意見どうもありがとうございました。
海外との装備品の選定・開発・調達について
記者 :
DSEIに絡むわけではないのですけれども、非常に最近海外からの装備の調達とか、逆に言うと今度輸出ということで海外とのやり取りが増えてきている中でですね、先日大臣にもお尋ねしたんですけれども、T-6の採用に関して特に問題はなかったというふうに書類上、書類審査だけで問題ないとおっしゃったんですけれども、実際問題、航空自衛隊はT-6でアメリカで訓練しているわけですよね。ということは非常に機体に対して熟知していると、他の2つの機種に関しては触ったこともない。これを同列にこう書類審査で、全部書類審査で同じだよっていうふうにね、選ぶというのは非常にフェアなやり方なのか。それからもう一つ小型装甲車に関して言うと、候補にあったハーケイとイーグルが両方ともこれ落ちたというふうに聞いています。これに関して、なぜ落ちたのかというようなアナウンスというのは、寡聞にして聞いたことがないんですけれども、こういう採用にならなかったら、なぜ採用にならなかったのかということをきちんとアナウンスして、その理由を述べないと、海外からそういう提案をされなくなってくるんじゃないかと。それは非常に防衛省、そして日本国としてもですね、やっぱり日本に話をしても、どうせ当て馬だからっていうふうに思われてしまうと提案をされなくなってしまうと思うんですけれども、そこら辺は防衛省ではそういう意識はあるんでしょうか。
大臣 :
装備品につきましては、どのようなものが良いのかですね、今現在は幅広い観点でですね、検討をいたしておりますので、先ほど御意見を言われましたけれども、皆様のこういったお考えをですね、またお知らせください。そして、そのような観点から、良い装備を選び、開発していくということが重要でございますので、事務方にもそのような考えを共有したいと思いますので、後ほどまたお考えをお寄せください。
イスラエル軍がイランの核関連施設を空爆したとの情報について
記者 :
イスラエル軍がイランの核関連施設を空爆したとの情報があるのですが、大臣の受け止めを一言いただければと思うのですが。
大臣 :
会見が始まる前にですね、あの第一報を受けたところでございますけれども、先ほど、その前の状況についてはですね、米国の大使館が、イラクの大使館の緊急要員以外の職員の退避を命じたという状況でございました。その後、新しい情報が入っておりますが、また適時適切にですね、対応できますようにですね、防衛省としましては、必要な手続きや体制は、採っておりますので、新しい情報に対しましても、的確に対応してまいりたいと考えております。
(以上)
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