GCAPエンジン開発 企業間の国際パートナーシップを拡大(9月10日)
- 日本の防衛
2025-9-12 13:15
株式会社IHIは令和7(2025)年9月10日(水)、日英伊の航空エンジン企業からなるGCAP(グローバル戦闘航空プログラム)エンジン・コンソーシアムが、GCAPの機体を開発する日英伊の合弁会社、エッジウイング社と協力協定を締結したことを発表した。
英国のロールス・ロイス社も、9月9日(火)付でほぼ同内容のリリースを公表している。
IHIの公表内容を以下に転載する。
GCAPエンジンコンソーシアム、初飛行に向けてパートナーシップを拡大
IHI、ロールス・ロイス社(英国)、アビオ・エアロ社(イタリア)で構成されるコンソーシアムは、GCAP(※1)(グローバル戦闘航空プログラム)向けの次世代エンジンシステム開発を加速するため、GCAPの機体を開発するBAE System社、レオナルド社、日本のJAIEC(日本航空機産業振興株式会社)からなる新たな合弁会社であるエッジウィング社との直接的な連携を可能にするための協力協定を締結しました。
このパートナーシップの大幅な拡大は、今後、各国ごとの契約から、一元的な国際契約に移行していくことを意味しており、GCAP の新機軸の戦闘機エンジンの設計の深化と開発の礎が築かれていくことになります。
この開発は、新機軸を盛り込んだGCAPのエンジン実証機(XFP30)(※2)の順調な進捗を基盤としています。
コンソーシアムとしてIHI、ロールス・ロイス、アビオ・エアロ、の3社は、GCAP初飛行を見据え、継続的なイノベーションを実現し、エンジン技術を進歩させるための変革に取り組んでいます。
【各社のコメント】
アビオ・エアロ社 マーケティング & セールス担当上級副社長 Pierfederico Scarpa 氏
アビオ・エアロ社は、高度なエンジン技術の設計、開発、製造における当社のこれまで確立してきた専門知識と知見を、この重要な国際パートナーシップに提供できることを誇りに思います。ロールス・ロイス社および株式会社IHIと緊密に連携することで、GCAP向けエンジンの開発に留まらず、欧州と日本の航空宇宙産業の発展を担っていきます。
ロールス・ロイス社 将来戦闘機ディレクター Philip Townley 氏
この新たな合意は極めて重要な一歩であり、この合意により、国内プログラムから、真の“ワンチーム”として国際プログラムへ移行されることになります。お互いの専門知識を補完し合うことにより、材料、製造、設計における技術革新を加速させ、GCAPを牽引し、英国、イタリア、日本における防衛産業基盤の強化を図っていきます。
IHI 取締役常務執行役員 航空・宇宙・防衛事業領域長 佐藤 篤
この3カ国の共同開発は、戦闘機用エンジンの新たな時代を象徴するものです。先進的な日本の革新技術と、英国およびイタリアのパートナー企業の強みを組み合わせることで、GCAPに比類のない性能をもたらすエンジンを開発するとともに、3カ国での産業基盤を強化していきます。
現在、ロールス・ロイス社、アビオ・エアロ社、株式会社IHIの3社は、エンジン実証機(XFP30)の開発を急速に進めており、積層造形(ALM)、冷却システム、高圧コンプレッサー設計の技術を発展させています。コンソーシアム3社のエンジニアリングチームは、共同での設計活動を進めるとともに、各設計段階の完了ごとに数度にわたり3社合同での設計レビューを実施し、ハードウェアの調達を開始しています。
本エンジン開発における最近のマイルストーンの一つとして、独特な幾何学的冷却経路の成形を実現可能な、最新鋭の積層造形(ALM)技術を用いて開発された革新的な燃焼器の試験に成功したことが挙げられます。この燃焼器は、次世代の高度な冷却技術により、タービンの作動温度を高く設定することを可能にすると同時に、部品温度の低減を実現し、エンジンの運用期間全般にわたって耐久性と持続可能性を向上させます。
今後も、3社は各社の豊富なグローバルな経験を活かし、コンソーシアムとして継続的なイノベーションと戦闘機用エンジン技術の進歩に貢献してまいります。
※1 GCAP Global Combat Air Programme:日本とイギリス(英)、イタリア(伊)による第6世代戦闘機共同開発プログラム
※2 XFP30:GCAPの搭載用エンジンに適用を目指す新たな技術を組み込み実証するとともに,GCAPの搭載用エンジンのリスク低減を図るためのエンジン
(以上)
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