小泉防衛大臣が陸上総隊司令部視察後に臨時会見 「隊員とその家族を守り抜く覚悟」を語る(10月23日)
- 日本の防衛
2025-10-27 13:10
令和7年10月23日(木)15時17分~15時25分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は上自衛隊陸上総隊視察後に司令部庁舎エントランスで臨時記者会見を実施した。
内容は以下の通り。
大臣からの発表事項
陸上総隊司令部を視察 「迅速な部隊運用が不可欠」
本日、陸上総隊司令部を視察しました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、我が国の領土・領海・領空を断固たる決意で守り抜くためには、迅速で円滑な部隊運用が不可欠です。陸上総隊は、こうした重大な任務の一翼を担う我が国防衛の中枢です。本日の視察では、一人一人の隊員が士気高く、ひたむきに取り組んでいる姿を直接確認できました。
また、今現地には派遣隊長として八丈島でですね、活動している隊員がいます。派遣隊長と今日はオンラインで繋がせていただいて、そしてその場には八丈町の山下町長も参加をいただく形で今の隊員の支援活動内容なども話を聞いた上で、山下町長に対しても引き続き自衛隊として、防衛大臣として、必要な支援は全力でやりますと、こういったことを直接、陸上総隊からこの場所から伝えることができたことも大変意義のある、現場の隊員が、士気高く活動している、そんなことも感じることができました。
防衛大臣として、こうした隊員の先頭に立って、国民の命や平和な暮らしを守り抜く。そして任務に当たる隊員一人一人とその御家族を守り抜く。こういう強い覚悟の下、直面する課題に全力で取り組んでいきたいと思います。
記者との質疑応答
初視察の理由と所感 「自衛官の活動をもっと伝えたい」
記者 :
今回どういった施設を視察されたのか、具体的に教えてください。また視察された感想も併せて教えてください。またですね、就任後初めての視察先にこの朝霞駐屯地を選んだ理由も併せて教えてください。
大臣 :
先ほど申し上げたとおりですね、この陸上総隊司令部は陸自の部隊運用の要であります。今回初めての視察が陸上総隊となりましたけども、今後できる限り早い時期に航空総隊、そしてまた自衛艦隊、こういった運用の要となる現場を行きたいと思っています。司令部内の視察を通じて、今日は部隊運用における課題や、災害派遣任務などへの理解が深まりました。
そして今日は隊員の皆さんとも言葉を交わしながら、私が訓示の中で、高等工科学校にも触れたこともありまして、今日は隊員の中で、高等学校の卒業生、こういった方々ともお話を直接させていただいて、改めて、学生時代から国防を担おうという決意の下で、そして今、その現場に立って、この日本を守ろうと、日々昼夜を問わず、正に24時間働いている皆さんとも、その状況を直接言葉を交わすことができたことは、多くの国民の皆さんに日頃感じることはないかもしれませんが、北海道から沖縄まで、どこかで毎日の生活の中で24時間日本を守るために働いている自衛官がいる、そのことを1人でも多くの方に伝えたいというふうに思いました。
ややもすると自衛隊というのは、自らの功績は言わないでいい、それはいつか分かってもらえると、こういった形で、あまり積極的な発信をしなかった部分もあるかもしれませんが、私はそれを変えていこうと思っています。能登の地震の時の災害対応もそうですし、今の八丈島もそうですけども、こういった現場でいかに厳しい現場で、隊員の皆さんが活動しているか。今後、可能な範囲で、そういった現場の映像なども含めてですね、隊員の活動ぶりを1人でも多くの方に見ていただきたいというふうに思っています。その思いも改めて強くした。
士気高く働いている隊員の姿が、私としては今日、改めて心強く、頼もしく思いました。是非国民の多くの皆さんには、日本の防衛を担う自衛隊の皆さんに対して、そんな思いをもっていただけるように、防衛大臣としての職責を全力で尽くしていきたいと思っています。
防衛費・戦略三文書改定の報道に言及 「総理の指示に基づき対応」
記者 :
話題変わりまして防衛費についてお伺いしたいと思います。一部報道でですが、防衛費をGDP比2%にする目標を当初2027年度というふうにしていたのを今年度内に前倒しして達成すると、それから安保三文書に関しては来年末までの改定を目指すという報道が出ております。この次の整備計画の財源もそうですし、GDP比目標の前倒しもそうなんですけれども、当初の予定よりも財源を議論する時間というのが短くなります。
こうした短い期間で財源を議論しなければならならなくなる、このスケジュール感についての大臣のお考えについてお聞かせください。
大臣 :
今一部の報道でというふうに話がありましたけども、総理の所信表明は明日を予定されていますので、その中身に基づくことについて、防衛大臣である私が申し上げることではないと思っています。
スケジュール感につきましても、そのスケジュールはやはり遅すぎるという批判があったとしても、早すぎるという批判は当たらないというのは昨日申し上げた通りでありますから、日本を取り巻く安全保障環境が日増しに厳しくなっている状況を受けて、必要な見直しを行うことは当然のことだと思っています。
また高市総理が総理就任記者会見において、戦略三文書の見直しの作業に取りかかる指示を出したいという発言をしたことはその通りでありますし、その見直しの方向に向けて思いを同じくしているのは間違いないことであります。具体的にどのように検討作業や議論の深化をしていくかということは、まさに総理から正式にそういった話や指示があって動きたいと思います。
陸上総隊の役割 「陸・海・空の統合運用の要」
記者 :
陸上総隊についてお伺いします。陸上総隊は武力攻撃事態において、どういった役割を果たすのか。また、大臣は有事において陸上総隊に期待されることを教えてください。
大臣 :
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくためには、今御指摘のありました、武力攻撃事態を含め、あらゆる事態において、陸・海・空の3自衛隊が統合運用により、全国レベルで機動的に対応することが一層重要になっております。
陸上自衛隊においては、平成30年に陸上総隊を創設し、各方面隊を一元的に指揮するとともに、統合幕僚監部、海上自衛隊の自衛艦隊及び航空自衛隊の航空総隊との調整を一元的に担えるようにして、これらにより、迅速かつ的確に防衛体制を構築することが可能となりました。本日の視察を通じ、陸上総隊の下、陸上自衛隊の部隊を一元的に運用できる体制が構築されていることが確認できました。
我が国を取り巻く環境は一層急速に厳しさを増す中、武力攻撃事態のみならず、大規模災害等を含め、あらゆる事態に即応し、適切に対応できるよう、引き続き取り組んでいくことを期待をしています。
(以上)
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