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[国会答弁]高市総理大臣の「台湾有事」答弁における「戦艦」の意義等に関する質問答弁

  • 日本の防衛

2025-12-4 14:16

 防衛省は令和7(2025)年12月2日(火)14時02分、第219回国会における閣議資料のうち、『高市内閣総理大臣の「台湾有事」答弁における「戦艦」の意義等に関する質問に対する答弁書』を報道に公開した。
 その質問主意書と答弁書を以下に転載する。

質問主意書

令和7年11月20日提出
質問第49号

高市内閣総理大臣の「台湾有事」答弁における「戦艦」の意義等に関する質問主意書

提出者 辻元清美

 高市早苗内閣総理大臣は、2025年11月7日の衆議院予算委員会において、岡田克也委員の質疑に対し、「先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられる思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。」と答弁した(以下「高市内閣総理大臣答弁」という。)。これを踏まえて、以下質問する。

一 答弁の作成者
 高市内閣総理大臣答弁について、答弁の原稿は存在するか。存在する場合、答弁の原稿を作成した担当府省はどこか。

二 高市内閣総理大臣答弁の「戦艦」
 1 増田甲子七防衛庁長官(当時)は、1968年10月22日の衆議院内閣委員会において、「戦艦というものは全世界にもうございません。一隻くらいありましても、これは何かひな形みたいなものでございまして、軍事博物館に陳列されるべきものであって、結局巡洋艦以下のものでございまして、大艦巨砲が日本の防衛に役立ってはいないのである。」と答弁した。また、「この最後の「戦艦」4隻を保有していたのは米海軍で(アイオワ級)、それも湾岸戦争後に相次いで退役させてしまったから、1998年前半現在で、世界に現役の戦艦は一隻もない」(江畑謙介「兵器の常識・非常識(上巻)―陸軍・海軍兵器篇―」(1998年、並木書房)132頁)とされている。
 現在、世界に「戦艦」という艦種は存在するか。存在するのであれば、世界に何隻存在し、保有している国又は地域はどこか。いずれも、軍事博物館等における展示用のものについては、答弁は不要である。

 2 中華人民共和国及びアメリカ合衆国は、高市内閣総理大臣答弁の「戦艦」を保有しているか。軍事博物館等における展示用のものについては、答弁は不要である。

 3 高市内閣総理大臣は、2025年11月7日の衆議院予算委員会において、岡田克也委員の質疑に対し、「台湾に対して武力攻撃が発生する。海上封鎖というのも、戦艦で行い、そしてまた他の手段も合わせて対応した場合には武力行使が生じ得る話でございます。」と答弁した。
 この答弁及び高市内閣総理大臣答弁にいう「戦艦」は、中華人民共和国の「戦艦」か。そうでなければ、どこの国又は地域の「戦艦」か。

 4 高市内閣総理大臣は、現在、軍事博物館等における展示用のものを除き、世界に「戦艦」という艦種の軍艦が存在するかどうかを知っていたか。

 5 高市内閣総理大臣答弁における「戦艦」は、言い間違いか。言い間違いであれば、答弁の修正をしないのか。

右質問する。

答弁書

参議院議員辻元清美君提出高市内閣総理大臣の「台湾有事」答弁における「戦艦」の意義等に関する質問に対する答弁書

一について

 令和7年11月7日の衆議院予算委員会における岡田克也委員の存立危機事態に関する質問について、主に内閣官房において答弁資料を作成した。

二の1及び4について

 御指摘の「「戦艦」という艦種の軍艦」については、一義的に確立された定義があるとは承知しておらず、文脈によってその意味するところが異なり得るため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
 なお、「戦艦」の意味は、例えば、広辞苑(第7版)によれば、「①戦争に用いる船。軍艦。戦闘艦。②軍艦の一種。最も卓越した攻撃力と防御力とを有する大型艦で、第二次大戦までは水上兵力の中心。」とされているものと承知している。

二の2及び3について

 お尋ねについては、事柄の性質上、お答えすることは差し控えたい。

二の5について

 「戦艦」の意味は、例えば、広辞苑(第7版)によれば、「①戦争に用いる船。軍艦。戦闘艦。②軍艦の一種。最も卓越した攻撃力と防御力とを有する大型艦で、第二次大戦までは水上兵力の中心。」とされているものと承知しており、文脈によってその意味するところが異なり得るため、「言い間違い」との御指摘は当たらない。

(以上)

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