小泉防衛大臣が臨時記者会見 第3回 日・太平洋島嶼国国防大臣会合の本会合について(2月23日)
- 日本の防衛
2026-2-27 10:30
令和8(2026)年2月23日(月祝)19時16分~19時26分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、京王プラザホテルにおいて、第3回 日・太平洋島嶼国国防大臣会合出席後の臨時会見を行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣・副大臣からの発表事項
大臣 :
先ほど、太平洋島嶼国やパートナー国、ASEAN諸国等の28か国と1機関が集う、「第3回 日・太平洋島嶼国防大臣会合(JPIDD)」の本会合を終えました。終始和やかな雰囲気に包まれ、率直な意見交換を通じて、太平洋島嶼国地域の国防大臣等との信頼関係を築くというJPIDDの目的を果たすことができました。
午前中に実施したトンガ、フィジー、パプアニューギニアとの防衛相会談では、今後の防衛協力・交流をより強固なものとするため、それぞれの国と防衛協力・交流の覚書を作成することで一致しました。
午後からの本会合では、私から基調講演を行い、日本と太平洋島嶼国を繋ぐ太平洋を「平和の海」として共に守り抜くため、結びつき・連結を強化し、自律的で強靭な地域を共に築き上げていくことを呼びかけました。そのために、「人と人」、「危機対応」、「強靭性」の3つの分野で連結を強化していく決意を表明しました。
特に、人と人の連結に関して、新たなイニシアチブとして「次世代リーダーシップ安全保障プログラム」を提案し、各国から賛同を得ました。これは、太平洋島嶼国と太平洋島嶼国地域の域内協力を担うPIF事務局において、将来の安全保障の政策立案を担う若手中堅職員を防衛省に招へいするものです。相互理解の人的ネットワークの強化に資するものだと考えています。
また、本会合では、宮﨑副大臣が議長を務め、日本と太平洋島嶼国の共通の関心事項である「海洋安全保障」、そして「気候変動と人道支援・災害救難」の二つをテーマに、参加国の取組や課題等について、自由闊達な意見交換が行われました。宮﨑副大臣からもし一言何か会議のことあれば。
副大臣 :
まず海洋安全保障につきましては、各国からこの限られた人的・物的資源の中で、この広大な海をどうやって守ったらいいんだということについての指摘や現状の報告があり、多くの国からファミリーという言葉を使う国が多かったですけれども、家族ということで、みんなで協力をして守っていこうというような声が上がりました。また気候変動については、これ環境の問題ではもうもはやないと、安全保障上の問題になっているという指摘も繰り返し出されました。
私の方から、最後にラグビーの言葉で、「One for all, All for one」と、要するに「一人はみんなのために、みんな一人のために」という言葉を比喩で使って、これからや私達がやるべき方向性を発言したんですけれども、多くの皆さん、うんうんうんとうなずいていたことが非常に印象的でありました。以上です。
大臣 :
素晴らしいまとめを。以上ですって言いたいところなんですけど、もう少しあるんで続けさせていただきます。副大臣、ありがとうございました。
今回の、このJPIDDを通して、これまで培った「キズナ」を確認し、共に平和な太平洋を守るという思いを共有することができました。明日は、皆さんを私の地元の横須賀に御案内し、護衛艦「ひゅうが」の視察を通して、我が国の災害対応や海洋安全保障への取組に対する理解を深めていただく予定です。
太平洋島嶼国は、自由、民主主義といった基本的価値や法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を共有する重要なパートナーです。本日の会合も踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、引き続き、太平洋島嶼国との防衛協力・交流を進めていきたいと思います。
最後になりますけれども、特に私としては今日、防大の4人の留学生を招きましたけども、改めて地元の防大が担っている価値、そして重要性というものを痛感をする時間にもなりました。特に、今回タイから参加をされているスラ陸軍大将は、防大36期生ということで、防大を卒業して、陸軍大将、四つ星として、また日本に帰ってくると、こういった人と人との繋がりが世代を超えて、引き継がれていく。きっと今日の留学生の4人は将来、第何回のJPIDDになっているか分かりませんけれども、きっと将来の我が国と太平洋島嶼国の架け橋として活躍してくれるだろうと思います。
また、これだけ多くの参加国がある中で、この会議のロジ、事務局として頑張った職員の全ての関係者に、参加国からも日本のホスピタリティに対する賛辞が寄せられました。大臣としても、この極めて多くの国々、関係機関が参加をする、この場を取り仕切った職員に対しても、心から労いの言葉をかけたいと思います。本当に誇りに思います。お疲れ様でした。
記者との質疑応答
JPIDDに太平洋島嶼国とASEAN諸国を招待した意義などについて
記者 :
今回のJPIDDでは、初めてASEAN諸国がオブザーバーとして参加しました。これまで日本は、太平洋島嶼国とASEANは、それぞれ個別に関係を深めてきてますけれども、今回同じ枠組みで防衛協力を考えたその意義について改めてお伺いします。
また、日本の太平洋側の防衛という観点から、太平洋島嶼国と良好な関係を持つメリットについて、大臣はどのようにお考えか教えてください。
最後ですが、あわせて、島嶼国には軍を持つ国も持たない国もあります。軍を持つ国については人的交流というのを進めてきていますけれども、持たない国というのはどのように支援するのでしょうか。日本が支える狙いとあわせて教えてください。
大臣 :
いくつか質問がありましたので、最初の点からお答えしますと、太平洋島嶼国とASEANはどちらも、地域の平和と安定を実現するための不可欠なパートナーです。また、太平洋島嶼国が抱えている海洋安全保障、自然災害といった課題は、ASEAN諸国も直面しているものであり、日本、太平洋島嶼国、そしてASEANがその知見を共有することで、より効果的な対応ができると考えています。
このため、防衛省は、太平洋島嶼国とASEAN諸国を招へいし、様々な事業を実施しています。例えば、昨年の乗艦協力プログラムでは、太平洋島嶼国やASEANから19か国の海軍士官、海洋警察官等20名が参加して、佐世保港からフィリピンのマニラ港まで護衛艦「いせ」で8日間にわたる航海を共にしています。その中で、海上自衛官と共同生活をしながら、海洋法セミナーやディスカッションを実施する等、海洋安全保障に関する知見を高めるとともに参加国間の相互理解と人的ネットワークを構築しました。今年も太平洋島嶼国とASEAN諸国を招へいし、関係国のニーズに沿った乗艦協力プログラムを実施していく予定です。こうした取組を更に進める観点から、今回の日・太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)に、初めてASEAN諸国をオブザーバーとして招待しました。
また、太平洋島嶼国は、最後の点になりますけれども、軍を持つ・持たないに関わらず、自由、民主主義といった基本的価値や、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を共有する重要なパートナーです。防衛省・自衛隊は、軍を持たない国との間でもJPIDD等の機会を通じて相互理解を深めるとともに、共同訓練や乗艦協力プログラム等を通じて協力を実施してきています。また、今回、私も様々な国と意見交換をする中で、軍を持たない国のニーズなどにも丁寧に耳を傾けて、必要に応じて防衛省の案件というよりも他の省庁の案件だというケースも中にはある中で、関係省庁に防衛省を通じてニーズ等を共有すると。こういったことも、政府全体で日本と太平洋島嶼国との関係を強化していく上で、重要な意義を防衛省が果たしているというふうに考えています。
太平洋島嶼国との防衛協力・交流などについて
記者 :
3つ伺います。太平洋島嶼国は第二列島線の付近に位置して、中国による違法な漁業や強引な海洋進出などへの懸念があります。今後の海洋秩序の維持に向けて、参加国とどのように連携を深めていくお考えでしょうか。
また、中国が資金援助などを通じて影響力を強める中、日本として中国との差別化をどのように図っていくお考えか伺います。
最後に「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化の実現に向けて、太平洋島嶼国の地政学的な意義をどのように捉えていらっしゃるか伺います。
大臣 :
太平洋島嶼国は、我が国のシーレーンの要衝に位置し、太平洋島嶼国との防衛協力・交流の強化は、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、そしてまた、今最後の点で進化という話がありましたが、そのためにも大きな意義を有するものです。
太平洋島嶼国との防衛協力・交流は、中国を含め、特定の国を念頭に置いたものではありませんが、防衛省・自衛隊は、太平洋島嶼国が抱える多様な課題やニーズに丁寧に耳を傾け、お互いを尊重し、対等な関係で協力を進めています。例えば、自衛隊が経験と高い能力を有する災害対処に関する能力構築支援では、相手国のニーズに応じ、自衛隊員を現地に派遣して、相手国の立場に立った事業を行っております。
また日本は、自由、民主主義といった、基本的価値や法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を、太平洋島嶼国と共有しています。その観点から、乗艦協力プログラムでは、海洋法セミナーを実施するなど、国際法の知見の共有を進めています。防衛省・自衛隊としては、引き続き、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、太平洋島嶼国が抱える多様な課題やニーズに丁寧に耳を傾けて、太平洋島嶼国との連携を一層強化していきたいと思います。
(以上)
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