小泉防衛大臣が記者会見 ブルーインパルスで宮城・福島の復興状況を上空視察(3月8日)
- 日本の防衛
2026-3-10 12:31
令和8(2026)年3月8日(日)16時27分~16時38分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、航空自衛隊 松島基地視察後の臨時会見を同基地で行った。
大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
大臣からの発表事項
松島基地視察、ブルーインパルス体験搭乗、宮城・福島の復興状況の上空視察について
本日、航空自衛隊松島基地を視察いたしました。松島基地は、航空自衛隊で唯一アクロバット飛行を行うブルーインパルスの本拠地です。また、将来の航空自衛隊を担うF-2戦闘機のパイロットを育成する教育部隊が所在し、我が国の防衛にとって極めて重要な役割を果たしている基地でもあり、航空自衛隊にとって復興のシンボルの基地でもあると承知しております。私は、今回ブルーインパルスに搭乗し、宮城県と福島県の復興状況を上空から視察しました。私は、東日本大震災、そして原発事故発生後、復興にライフワークとして取り組んできました。東日本大震災から15年を迎えるに当たり、被災者の皆様に改めて哀悼とお見舞いの意を表するとともに、復興への願いを込めたところです。また今回の搭乗では、福島第一原発の近くまで飛行しました。原発事故への対応では、強い放射線リスクの下、正に命を懸けて、これまでの積み重ねてきた過酷な訓練の成果をただ黙々と発揮して、国のため、国民のために放水等の任務に従事した自衛隊員がいました。私は昨年、大宮駐屯地を視察した際に、給水作業開始前の水素爆発で負傷した隊員らと意見交換を実施しましたが、本日改めてその献身と勇気を決して忘れてはならないと感じました。飛行に際しては、パイロットの高い操縦技術と整備員のプロフェッショナルな機体点検、そしてT-4練習機の高い性能に感銘を受けました。皆さん、本当にありがとうございました。そして、東日本大震災では、ここ松島基地も甚大な被害を受けたことを忘れてはなりません。隊員たちは、自ら、あるいは御家族が被災している困難な状況にあっても、危険を顧みず、被災者救援、復旧活動、支援物資の輸送など与えられた任務に全力で当たりました。東日本大震災から15年、改めて困難な状況にあっても、使命を全うした自衛隊員一人一人の献身に敬意を表するとともに、その経験と教訓を今後の防災・減災、そして我が国の安全保障に確実に生かしていかなければなりません。先ほど協力団体の方々と意見交換を行い、改めて基地と協力団体の皆様との関係の良さも感じました。この後は、隊員の御家族の皆さんと交流をさせていただく予定であります。日頃からお世話になっている皆様に防衛大臣として感謝をお伝えし、率直な意見をお伺いしたいと思います。冒頭私からは以上です。
記者との質疑応答
東日本大震災発生から15年、災害対策への取り組みについて
記者 :
まず1点目ですが、改めて東日本大震災から15年を前にですね、今日空から被災地を御覧になられての御所感と、今後の自衛隊の災害派遣など、防衛省・自衛隊として災害対策にどのように取り組んでいくお考えかお聞かせください。
大臣 :
今日はルートを見ていただいても分かるとおり、この松島基地から南下して、福島第一原発の近くを、周囲を約2周回らせていただきました。その時にはスモークも出して、我々からは、今もなお廃炉に向けた作業をしている、そこの作業員の皆さん、そういった皆さんに対しても、思いをお伝えをしたかったと、感謝と敬意を表したいと、そんな思いと受け取っていただければと思います。そして、この15年間今まで、先ほどの冒頭でも触れましたが、防衛省・自衛隊が国民の皆様にとって最後の砦として、その役割を確実に果たさなければなりませんし、それを果たすために、高い使命と、そしてモチベーションで日々の任務と訓練に当たっているということを改めて私も実感をしましたし、お伝えしたいと思います。今後も、これまでの災害派遣で得た教訓を踏まえて、自治体や関係機関との平素からの連携強化や情報共有を進めるとともに、災害対応も含めた装備品の充実、隊員の教育訓練の強化、そして何よりも厳しい訓練をいざという時のために、決して緊張感を緩ませることなく当たっている隊員や御家族の皆さんにとって、安心して自衛隊員としての任務を、そして生涯設計を充実できる、そんな環境を作るためにも、引き続き、処遇の抜本的な改善、そして自衛官独自の俸給表の改定、これに向けて作業をしっかりと進めていきたいと思っています。
イラン情勢、邦人退避のオペレーションの最新状況と対応方針について
記者 :
2点目になります。話題変わりまして、イラン情勢についてです。自衛隊機による邦人退避のオペレーションについての最新の調整状況と今後の対応方針について伺います。
大臣 :
6日金曜日、外務大臣から私に対する邦人等輸送の実施に必要となる準備行為の依頼を踏まえ、私から統合作戦司令官に対し、自衛隊機をモルディブ共和国まで移動・待機させることを命じました。本命令を受け、部隊において出国に向けた各種調整を進めてきたところ、本日8日未明、KC-767空中給油・輸送機1機が小松基地を出発し、先ほど無事にモルディブに到着したとの報告を受けています。今後、KC-767空中給油・輸送機1機は、万が一、邦人等の輸送が必要となった場合に迅速に対応できるよう、念のため、モルディブで待機態勢をとります。また、本邦においても、航空機に故障等が生じた場合に備え、バックアップとなる航空機や、その運航要員等が待機態勢を維持しています。海外におられる邦人の保護は、政府の最も重要な責務の一つです。防衛省・自衛隊としても、状況の推移を見極めながら、外務省をはじめ関係省庁、関係国と緊密に連携し、邦人の安全確保に万全を期してまいります。
松島基地のF-2退役後の役割、基地機能の強化について
記者 :
松島基地の今後の運用に関して、2点お伺いできればと思います。1点目なんですけれども、2035年でF-2戦闘機の退役が今予定されております。あわせて、日本・イギリス・イタリアの3か国の後継機の開発はこれから進むというふうに聞いております。F-2の退役後の松島基地の役割というのは何か今後変化があるのか、新しく開発される機のパイロット育成に引き続き使われるのか、その点F-2後継機の開発の現状も含めてお聞きできればと思います。2点目は、松島基地で2年連続で日米の共同訓練が行われまして、米軍機が松島基地で、拠点に訓練を行ったということがありまして、地元の中でも今後基地機能の強化に懸念を寄せる声というのが出ておりまして、大臣常々、安全保障環境の厳しさが増しているというのはおっしゃっているところなんですけれども、そういったあたりを今後どのような形で地元に説明して、あるいは自治体の方とかだと交付金の増額を求める声も出ております。そういった声に対して、今後どのように対応されるか、以上、お聞きできればと思います。
大臣 :
まず1点目に松島基地、この在り方や役割でありますが、ここ松島基地は、国民の命と平和な暮らしを守り、我が国の防衛を全うするための活動において非常に重要な役割を果たしています。F-2が退役した後の松島基地の役割については、将来の体制に関わる事項でありますし、現時点で予断することはできませんが、地元の皆様に松島基地は長年お支えいただき、大変良好な関係を築いていることも先ほどの関係団体や市長との意見交換を通じても私も痛感をしています。こういった良好な関係も踏まえつつ、適切に判断をしていきたいと考えています。また、次期戦闘機の開発につきましては、今、GCAPの政府間機関であるGIGO、対応する民側の組織であるジョイントベンチャー「エッジウイング」が設立され、日本・イギリス・イタリア3か国の官民で連携しながら、次期戦闘機の開発に取り組んでいます。私自身も、先日はミュンヘンでイギリスのヒーリー国防大臣や、イタリアのクロセット大臣と協議を行うなど、大臣同士での率直な話し合いを行っており、引き続き、リーダーシップをもって前進させていきたいと考えています。また2点目の質問で、基地の関係の負担だったり、交付金の関係のお話もありました。2024年の6月にアメリカ主催の演習の「ヴァリアント・シールド24」、そして去年7月にはアメリカ主催の訓練「レゾリュート・フォース・パシフィック」において、それぞれアメリカ軍の戦闘機が松島基地に展開し、自衛隊と共同訓練を実施しました。戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえれば、日米同盟による抑止力・対処力の向上は喫緊の課題であり、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、日米共同訓練をはじめとする各種訓練・演習を着実に実施することは、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なものです。訓練の実施については、様々な御意見があると思いますが、東松島市をはじめとする地元の皆様の御理解と御協力を得られるように、国民の皆様に一つ一つ丁寧な説明を積み重ねていくことが重要であり、私が先頭に立って、そのために必要なあらゆる努力を継続していきたいと思います。また、交付金についてもお尋ねありました。これも、これまでも所要額の確保に努めてきたところですが、市長の今日のお話の中にもその点はありました。そして市長からは、私の地元も横須賀ですから、よく横須賀の市長と基地協議会の関係でも、いろいろ交流をしているという話の中も紹介されました。私は今大臣ですけど、大臣になる前は防衛省に私は要望に行く立場ですから、交付金のことについては。こういった運用の実態等を十分考慮しながら、防衛大臣としては、今後とも、そういった思いを理解し受け止めながら、適切に対応していきたいと思います。
大臣 :
先ほど、小松基地と私言ってしまったかもしれませんが、小牧基地ですね。小牧基地からモルディブに到着をしたということです。
(以上)
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