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小泉防衛大臣が記者会見 防衛省設置法、自衛隊法施行令等一部改正について発表(3月6日)

  • 日本の防衛

2026-3-10 12:30

 令和8(2026)年3月6日(金)8時45分~9時02分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において閣議後会見を行った。
 大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

大臣からの発表事項

防衛省設置法等一部改正案などの閣議決定について

◯ 今日は法律案関係二つあります。まず最初に、本日、「防衛省設置法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。これは防衛省・自衛隊が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応できるよう、その組織を変革させ、自衛官の処遇を改善させるために必要不可欠なものです。具体的には、防衛副大臣を一人体制から二人体制に強化をすること、航空自衛隊の航空宇宙自衛隊への改編、第15旅団の師団化など、組織改編を行います。また、若くして定年退職した自衛官に支給する給付金の給付水準の引き上げ、再就職支援の拡充など、人的基盤の抜本的強化を引き続き行います。今後、国会で御審議されることになりますが、多くの国民の皆様に御理解いただけるよう、法案の内容や必要性について丁寧に説明していきたいと考えています。

◯ そして二つ目が政令の関係です。本日の閣議において、令和7年度の主要な部隊新編等に係る「自衛隊法施行令等の一部を改正する政令」等を決定いたしました。部隊編成日は3月23日となります。主なものとして、まず、陸上自衛隊に後方支援学校を新編します。武器、需品、輸送の三つの学校を一つの学校として新編し、後方支援に関する教育訓練や研究を横断的に行うことが可能となります。海上自衛隊に水上艦隊と情報作戦集団を新編します。水上艦隊は、護衛艦、掃海艇等が所属し、高い迅速性と活動量を持続的に発揮できる体制を構築します。また、情報作戦集団は、情報戦の機能を有する部隊を集約し、情報戦への迅速な対応能力を強化するものです。最後に、航空自衛隊に宇宙作戦団を新編します。現在約310名規模で宇宙空間の監視等に当たる宇宙作戦群を強化し、宇宙の専門部隊を約670名に拡充します。令和8年度の航空宇宙自衛隊への改編を見据えて、宇宙作戦能力の強化に取り組んでまいります。これらは、いずれも我が国の防衛上、大変重要な意義を有するものです。いかなる事態においても、国民の皆様の命や暮らしを守り抜くことができるよう、引き続き、防衛力の変革を推進してまいります。冒頭は2点以上です。

記者との質疑応答

イラン情勢、邦人輸送のための自衛隊機派遣の見通しについて

記者
それでは中東情勢に関して伺います。大臣は、昨日未明に、御自身のXで、邦人輸送のための自衛隊機派遣について、具体的な準備を進め、出国に向けた調整に入ると発信されました。情勢緊迫が続いていますが、現地にどの程度のニーズがあるのかも含めてですね、現時点での派遣の見通し、それから政府内の検討状況を教えてください。

大臣
現在、外務省を中心に政府を挙げて現地の状況の把握に努め、邦人の方々のニーズを踏まえた対応を検討・実施するなど、邦人の安全確保に必要なあらゆる努力を継続しています。防衛省・自衛隊は、今般のイランにおける事案の発生以降、「在外邦人等の安全確保に万全を期すこと」との私からの指示を踏まえて、日々必要な検討・対応を行ってきています。防衛省・自衛隊として、いついかなるときにも万全の体制で任務を遂行できるように準備を行ってきており、部隊を速やかに派遣する態勢を整えてまいります。

東日本大震災発生から15年、自衛隊施設の強靱化と経費について

記者
2点お伺いします。1点目が自然災害対策です。東日本大震災の発生からまもなく15年となります。東北地方の自衛隊施設、基地などもですね、津波の被害を受けたりしていますが、その3.11の発生から現在までで、自衛隊施設、基地・駐屯地含めてですね、強靱化にどれだけの予算を計上してきたかっていう数字があれば教えてください。また、その中で具体的にどういった対策をとってきたか、何か紹介できる例があればあわせてお願いします。そして、政府全体として国土強靱化の取組を進めてますけれども、特に防衛省として、その自衛隊の駐屯地・基地の災害対策にかける大臣の思いについてお伺いします。

大臣
まず、1点目が、どれだけの経費だったかということですが、東日本大震災が発生した平成23年3月11日以降、現在までに災害対策や津波対策を含む自衛隊施設の整備のために計上してきた予算額は、令和8年度予算案も含めると、約5兆円となります。これまで実施してきた災害対策については、被災した松島基地において、防潮提の設置や格納庫の高台化、そして、避難階段の設置などがあり、また、その他の駐屯地や基地においても、地盤のかさ上げや漂流物対策など、必要な災害対策に取り組んできております。自衛隊施設は災害時において、人命救助や生活支援など様々な活動の拠点となる極めて重要な役割を担うものであり、その強靱化は最優先で取り組んでいかなければならないものと考えています。今年の話で言えば、青森県の地震の際も、自衛隊の青森県の中の駐屯地が市民の皆さんにとっての生活の、また、避難場所にもなったということもありますので、防衛省としては、引き続き、国民の皆様の安全な暮らしを守るために災害対策を含む自衛隊施設の強靱化に取り組んでいきたいと思います。

統合作戦司令官人事について

記者
2点目になるんですけれども、本日の閣議で新しく統合作戦司令官に俵海将が承認されました。俵さんを起用された理由と、それから海自出身の司令官に期待する役割について、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣
俵海将は、昨年3月24日の統合作戦司令部の新編以来、初代司令官の南雲空将とともに、統合作戦副司令官として自衛隊の統合運用の中核を担ってきました。今後も、陸・海・空自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令官として、これまでの経験や培った見識を活かして、統合運用の実効性の向上、アメリカや同志国との連携の促進にリーダーシップを発揮されることを期待しています。

防衛省でのAI導入の推進について

記者
防衛省におけるAIの活用について伺います。米軍のイラン攻撃をめぐっては、アンソロピックのAI「クロード」が使われたとの報道があります。防衛省もAI導入推進チームを立ち上げていますが、業務改善より踏み込んで、作戦の立案などにAIを活用することも進めているのでしょうか。また、米軍のように、アンソロピック社やオープンAI、また、日本のAI企業などと連携する可能性はありますでしょうか。

大臣
防衛省においては、これまでも、指揮統制や無人アセット、事務処理業務の効率化といった分野でのAI活用を進め、意思決定の迅速化、隊員の負担軽減や省人化・省力化を図ってきました。その上で、私自身、1月にヘグセス長官とお会いをした後に、米軍におけるAI活用について戦争省からブリーフィングを受けて、AIが現代の戦闘の帰趨を左右する重要な要素になっているということを改めて認識したところであります。先日、1月26日に立ち上げましたAI導入推進チームは、こうした問題意識を踏まえた私の直轄のチームであって、行政運営の効率化にとどまらず、高度なデータ処理・分析を背景とした戦い方に対応した防衛力の強化のための取組についても、スピード感をもって取り組んでいます。また、AI導入の推進に当たっては、優れた民生技術を有するスタートアップ企業等との連携も重要だと考えています。ただ、ここはもう海外だけではなくて、やはり、国内の企業の皆様にも頑張ってもらいたいですし、我々もその思いがありますので、国内の防衛産業やスタートアップ企業との連携も深めているところです。防衛省としては、引き続き、様々な企業・技術の強みを生かして、AIの活用を進めて、防衛力の強化と行政運営の効率化をしっかりと進めていきたいと思います。

陸自 健軍駐屯地への長射程ミサイルの配備について

記者
陸上自衛隊健軍駐屯地への長射程ミサイルの配備時期について伺います。本年度内と現状ではされていますが、具体的な配備の日程については防衛省として発表されるのでしょうか。発表する場合は、事前なのか、事後なのかも含めて教えて下さい。また、ミサイルの製造は国内で行われていると思いますが、搬出はどのように行われるのでしょうか。配備に伴う一連の動きには地元住民も高い関心を寄せています。配備の前後で住民説明会を行うお考えはないか、改めてお尋ねします。

大臣
健軍駐屯地への12式地対艦誘導弾能力向上型の配備については、以前も申し上げたとおり、3月末までに行う予定ですが、現在、調整中であり、必要な準備が整いましたら、事前に九州防衛局からお知らせしたいと考えています。お尋ねのあった、装備品の搬出や搬入については、部隊運用の保全や輸送の安全を確保する観点から、お答えを差し控えます。また、住民説明会の実施については、個々の案件ごとに検討した上で、判断しているものです。現時点において、住民の方々を対象とした説明会を行う予定はありませんが、自治体等からの御意見も踏まえつつ、九州防衛局のウェブサイトにQ&Aを掲載しており、問い合わせ窓口も設置して、質問に逐次お答えするなど、我が国の安全保障上の意義や重要性について、既に積極的な発信に努めているところであります。防衛省としては、引き続き、しっかり情報提供も進めて、適切に対応していきたいと思います。

核を含む日米拡大抑止の信頼性と強化について

記者
フランスのマクロン大統領が、2日に保有する核弾頭数を増やすと表明しました。大臣の受け止めをお願いします。米国の核抑止力への信頼が低下していることが背景にあるとの指摘もありますが、これまで日米同盟の核を含む抑止力を強化するとしてきた日本政府として、今後、抑止力をどのように担保していく考えですか。また、今月には日米首脳会談も予定されていますが、会談で核抑止力の強化やトランプ政権のアジアへの関与強化を確認する考えはありますか。

大臣
現地時間の2日に、マクロン大統領が核抑止に関する演説を実施した上で、フランスの保有する核弾頭の増加を指示したと述べたことについては承知しています。第三国の政策について、コメントすることは差し控えますが、今回公表された方針の背景や問題意識について、フランスと緊密に意思疎通を行っていくとともに、事実関係の確認を含めて、関心を持って注視してまいります。また、今後の日米首脳会談における個別の議論を予断をすることは差し控えますが、アメリカは累次の機会に、拡大抑止を更に強化していくことや、日米安全保障条約の下での自国の対日防衛義務を確認してきています。政府としては、アメリカが核を含むあらゆる種類の能力を用いて日米安保条約上の義務を果たすことに、全幅の信頼を置いており、拡大抑止は機能していると考えています。引き続き、日米拡大抑止協議や、2024年7月に実施した拡大抑止に関する日米閣僚会合を含む様々なハイレベルでの協議を通じ、また、2024年12月に作成した拡大抑止に関するガイドラインも踏まえ、拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化するために取り組んでまいります。

防衛装備移転三原則運用指針の見直しについて

記者
本日は、防衛装備移転をめぐる5類型撤廃に関する与党のワーキングチームが政府に提言を提出します。提言では、防衛装備移転の意義について、同盟国・同志国との防衛協力の拡大・深化及び防衛生産・技術基盤強化を掲げています。こうした面を含めた5類型撤廃の意義について、改めて大臣の見解を伺います。また、提言はですね、政府に対して官民連携の強化や政府全体の体制整備を求めていますが、こうした指摘を踏まえた今後の対応方針を伺います。

大臣
今日、自民党、日本維新の会、もう既に提言出されているんですけど、この提言が近く、総理に手交される予定と承知しております。我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中で、政府として防衛装備移転を更に推進し、地域の抑止力・対処力を向上させることが必要です。そして、この防衛装備移転は地域の抑止力・対処力を向上させる、我が国の安全保障上重要な政策であり、また、防衛装備移転の推進は、同盟国・同志国への販路拡大やサプライチェーン協力の拡大を通じて、防衛産業も含めて、国内経済の成長にも繋がる重要な政策的な手段であります。今や、どの国も1か国のみでは自国の平和と安全を守ることはできません。これも前回もお話したことですが、私は重要なことだと思ってるので、もう1回申し上げますけれども、我が国の状況を振り返れば、戦闘機やミサイルをはじめとする装備品について、その全てを自国のみで開発・生産できているわけではなく、他国からの購入に頼っている面も大きいというのが現実です。我が国は、自国の防衛に必要な装備品の提供を他国から受ける一方、他国から日本の装備品の高い技術力に対する期待が示されているにも関わらず、我が国から他国には装備品を提供できない、このような現状でいいのか、同盟国・同志国の連携強化という観点から、本当にこれが適切なのか、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出できるのか、こういった点を不断に検討していく必要があると考えています。また、平素からの装備移転の取組等を通じて、共通の装備品を運用することによる相互運用性の向上、強靱なサプライチェーンの構築や地域における維持、整備基盤の向上などの実現に向けて、いざというときに同盟国・同志国とともに助け合うことができる関係を築かなければならない、そのように強く考えています。こうした観点を踏まえて、防衛省としては、この防衛装備移転三原則運用指針の見直しを早期に実現すべく、近く、与党からいただく提言も踏まえながら、関係省庁とともに具体的な検討を加速していく考えです。また、官民挙げた体制についても、御指摘・御質問ありましたけれども、官民連携の強化を含む政府全体の体制整備についても、オーストラリア向けの次期汎用フリゲートの移転に際して、官民一体となって取り組んだ経験なども踏まえて、今後、三文書の改定に向けた議論の中で検討してまいります。

普天間飛行場負担軽減推進会議について

記者
本日ですね、官邸で第16回目となる普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会が開催されます。一方でですね、しばらく本体の会議自体が開かれていません。沖縄県は、本体の会議開催も求めていますが、開催しないのは成果を出せないなどの理由からなのでしょうか。開催の是非について、大臣の見解を伺いたいと思います。

大臣
今、御質問があったとおり、本日の午後に、総理大臣官邸において、露木官房副長官と池田沖縄県副知事、和田宜野湾市副市長を中心に、第16回目の普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会が開催されると承知しています。防衛省からは、森田地方協力局長が参加します。本日の作業部会においては、沖縄県や宜野湾市から、普天間飛行場に起因する各種の問題や、返還後の跡地利用等についての要望をお聞きした上で、政府側から取組状況を説明する予定と承知しています。その上で、普天間飛行場返還までの間の危険性除去については、これを議論する場として、普天間飛行場負担軽減推進会議、そして、作業部会が、引き続き活用されているものと認識しており、今後の開催については、内閣官房において検討されるものと承知しています。引き続き、防衛省として、内閣官房等の関係省庁と連携し、今後とも地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、そして、基地負担軽減を図るため全力で取り組んでまいります。

(以上)

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