小泉防衛大臣が記者会見 統幕長発言、中東情勢、在沖米海兵隊報道などに見解(3月17日)
- 日本の防衛
2026-3-19 10:54
令和8(2026)年3月17日(火)08時42分~08時49分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、国会議事堂本館閣議室前で閣議後会見を行った。大臣からの発表事項はなく、以下のように記者との質疑応答が行われた。
記者との質疑応答
統幕長発言と地元理解・装備展示に関して
記者 :
今月13日の統合幕僚長会見に関して伺います。発射拠点が狙われるリスクが拭えない中で、地元の不安や懸念をどう考えるのかと問われて、御指摘のようなことよりも、スタンド・オフ能力を具備することによりまして、より一層抑止力・対処力を高めることにつながる。その効果の方が大だと発言しました。
同日深夜に防衛省・自衛隊のXでは、誤解が広がっているとして、会見の該当箇所の全文と動画を公開し、小泉防衛大臣は、この投稿を引用した上で全体を見れば全く問題ない。切り取られた部分だけでなく、全体を見てほしいとの認識を示されました。
統幕長の発言は、地元の不安や懸念を軽視していると捉えられかねず、防衛省・自衛隊が全文とあわせて、投稿した内容を踏まえても、標的とされるリスクを抱える地元に、リスクと比較して抑止力・対処力を高める効果が大きいと説明することが、理解や納得につながるとお考えなのでしょうか。
改めて、発言に関する大臣の認識と、今日、九州防衛局が装備展示を行いますが、改めて住民説明会を開く予定がないか、また、今月29日には健軍駐屯地の春まつりで装備品展示がありますが、配備予定の長射程ミサイルは展示されるのかも伺います。
大臣 :
御指摘の3月13日の統幕長会見の統幕長の発言については、同日の報道官の会見、また同日に防衛省から発信したXでお伝えしたとおり、統幕長が述べた「御指摘のようなこと」が示すものは、「ミサイル発射拠点は狙われるのではないか」という部分についてであり、「地元の方々の不安や懸念について」ではありません。このことははっきりと申し上げておきたいと思います。
その上で、統幕長の発言の趣旨は、これまで防衛省として繰り返し申し上げているとおり、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に我が国が直面している中、侵攻する敵の艦艇や上陸部隊を早期かつ遠方で阻止し、排除することが可能なスタンド・オフ防衛能力を保有することは、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力を高めるものであり、我が国に対する武力攻撃そのものの可能性を低下させるというものです。
防衛省としては、地元の皆様の様々な意見や声を真摯に受け止めています。熊本県知事や熊本市長からいただいている御要望を踏まえて、本日、展示会を行い、住民や地域の代表である首長、議会、自治会の皆様が御理解を深めていただく機会を持つこととしたものです。現時点において、住民説明会を実施する予定はありませんが、熊本県知事から一般向けの展示会の開催について御要望をいただいております。防衛省として、これを真摯に受け止めて検討してまいりますが、その具体的な実施時期については、部隊配備や運用開始に向けた準備を優先する必要があることも踏まえつつ、適切に判断してまいります。
防衛省としては、引き続き、熊本県、熊本市と緊密に連携しつつ、丁寧な御説明や適切な情報提供にしっかりと努めてまいりたいと思います。
米国との電話会談と艦船派遣要請の有無
記者 :
一昨日夜のアメリカヘグセス長官との電話会談について伺います。艦船派遣に関するやり取りはあったのでしょうか。また、トランプ大統領はですね、イラン情勢をめぐり、約7か国に護衛の艦船を派遣するよう要求していますけれども、この7か国にですね、日本は含まれているのか、またそれに対する大臣の受け止めもお願いします。一方、日本と同様に名前が挙がっている国々との連携について、今後の対応方針について伺います。
大臣 :
御指摘のトランプ大統領による発言・発信は承知をしています。一昨日のヘグセス長官との電話会談を含め、アメリカ側から、我が国に対して具体的な派遣要請があるわけではありませんが、相手国との関係もあることから、アメリカとのやり取りの逐一についてお答えすることは差し控えます。引き続き、アメリカを含む関係国ともよく意思疎通をしながら、対応していきたいと思います。
在沖米海兵隊の中東派遣と日本へのリスク認識
記者 :
在沖米海兵隊の中東派遣についてお聞かせください。イランでの軍事作戦をめぐって、米国防総省が在沖米海兵隊の中東派遣を決定したと米メディアが報じました。中東地域ではイラン周辺各国の米軍基地が攻撃を受けています。沖縄を含む日本が攻撃拠点として同様に標的になるのではないかなど、防衛省は在沖米軍基地を含め日本に対するリスクをどう見ているのでしょうか。事前に情報提供があったかも含めて見解を伺いたいと思います。また、日米安全保障条約は自国防衛や極東における脅威が発生した際への対応であり、それ以外の基地使用となる今回の中東派遣は日米安保の対象外ではないのでしょうか。条約違反に該当するか否かも含めて教えてください。
大臣 :
まず日米安全保障条約の解釈に係る詳細については、外務省にお尋ねいただきたいと思います。そして御指摘の報道は承知していますが、米軍の運用に関することでありますので、お答えする立場にはありません。アメリカとの間では、平素から様々な事項についてやり取りを行っていますが、これ以上の詳細は相手国との関係もあることからお答えできないことを御理解いただければと思います。
その上で、まず何よりも重要なことは、事態の早期沈静化を図ることであります。我が国としても、そのために必要なあらゆる外交努力を行っているところ、こうした我が国の立場は明確であり、リスクを伴うものとは考えておりません。
ホルムズ海峡の有志連合・共同声明に関する報道
記者 :
ヘグセス長官との電話会談について重ねてお伺いします。電話協議の中で、ヘグセス長官からですね、ホルムズ海峡の安全航行について有志連合への賛同を求められたというような報道があります。その上で、関係国で近く航行の自由の重要性をうたった共同声明の支持を表明することも要請があったと報道ありますが、事実関係について教えてください。またそれを受けての、防衛省・自衛隊としての検討状況について教えてください。
大臣 :
アメリカとの間では平素から様々な事項についてやり取りを行っていますが、相手国との関係もあることから、やり取りの逐一についてお答えすることは差し控えます。いずれにしても、アメリカ側から我が国に対して具体的な派遣要請があるわけではありません。その上で、日本政府としてホルムズ海峡をめぐる情勢については、重大な関心を持って鋭意情報収集を行ってきているところですが、自衛隊の派遣につきましては、何ら決まっていることはありません。
(以上)
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