小泉防衛大臣が記者会見 装備移転三原則改定、三陸沖地震対応などに言及(4月21日)
- 日本の防衛
2026-4-23 12:32
令和8(2026)年4月21日(火)08時46分~08時56分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項はなく、以下のように記者との質疑応答が行われた。
記者との質疑応答
防衛装備移転三原則の改定と5類型撤廃の意義
記者 :
防衛装備移転三原則の改定について伺います。政府は近く、5類型の撤廃を柱とする防衛装備移転三原則と運用指針を改定する見通しですが、意義と大臣の受け止めについて改めてお伺いします。また、防衛装備移転は、長年、国際紛争を助長しないという平和国家の基本理念に基づいて制限されてきた経緯もあり、今後も厳正な事前審査や輸出後の管理の徹底はより重要になるかと思いますが、その点について大臣のお考えをお聞かせください。
大臣 :
防衛装備移転三原則の改正について、先ほど閣議が終わりましたが、後ほど官房長官から発表があると思いますので、現時点で、私から見直しの内容について、お答えすることは控えておきます。その上で、今般の5類型撤廃を含む防衛装備移転三原則の運用指針の見直しの意義について申し上げれば、同盟国・同志国の抑止力・対処力の強化に資するとともに、いわば防衛力そのものと位置づけられる我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化につながるものと認識しています。
政府としては、引き続き、防衛装備移転三原則に基づいて、国連憲章を遵守するとの平和国家の基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを堅持しつつ、より厳正かつ慎重に移転の可否を判断していきたいと思います。
三陸沖地震・津波に対する自衛隊の対応
記者 :
昨日の地震による津波に関してですね、防衛省・自衛隊の最新の対応状況について伺います。
大臣 :
昨日、20日の16時53分頃、岩手県三陸沖を震源とする最大震度5強の地震があり、北海道、青森県、岩手県の太平洋沿岸で津波警報が発表されました。地震発生後、直ちに私から、16時55分に発出された内閣総理大臣指示事項を踏まえ、早急に本地震及び津波による被害状況を把握できるよう、関係府省庁及び自治体と緊密に連携し、情報収集に努めること、今後の状況の推移に的確に対応するとともに、各部隊等が緊密に連携しつつ、対応に万全を期すことについて、指示をしました。
これを受け、自衛隊は、航空機17機により、北海道、青森県、岩手県の沿岸部等や揺れの強かった地域について、上空から情報収集を行うとともに、初動対応部隊(ファスト・フォース)も揺れの強かった地域を中心に地上から情報収集を行いました。さらに、北海道庁、青森県庁、岩手県庁をはじめとする25か所の自治体へ連絡員を派遣し、自治体と緊密な連携体制を確保しました。
加えて、安全が確保されるまでの間、海上自衛隊八戸航空基地を一時的な避難所として開放し、最大約210名、車両約120台を受入れ、昨夜のうちに全員が帰宅をされております。防衛省・自衛隊としては、引き続き、緊張感をもって、今後の対応に万全を期してまいります。
普天間飛行場移設に伴うTVR道路整備について
記者 :
一部報道にある、普天間飛行場移設に伴い、政府が米軍キャンプ・シュワブと米軍キャンプ・ハンセンを通る道路整備を想定しているとの件について伺います。防衛省は、この「タクティカル・ビークル・ロード(TVR)」という道路の整備計画を把握していますでしょうか。もし把握していましたら、この道路工事の具体的な着工時期はいつでしょうか。工事発注は沖縄防衛局が担うことになるのでしょうか。また、この道路が整備されない場合、普天間飛行場が返還されないことになるのか、あるいは道路整備が遅れた場合、普天間の返還時期も遅れることになるのでしょうか。
大臣 :
「沖縄統合計画」においては、辺野古への移設、及びこれに関連する諸条件を合わせた8項目が普天間飛行場の返還条件として示されており、地元住民の生活の質を損じかねない交通渋滞及び関連する諸問題の発生の回避、これがその一つとされています。
この点については、普天間飛行場の移設に伴うキャンプ・シュワブ周辺における交通渋滞などを回避するため、同基地に入場するゲートの位置などを含め、日米間で協議を進めているところです。いずれにせよ、この返還条件の達成を困難にするような特段の問題は生じておらず、この条件が満たされないため、辺野古への移設完了後も普天間飛行場が返還されないという状況は全く想定しておりません。
日本の防衛装備品に対する各国の評価とニーズ
記者 :
大臣は、先般、オーストラリアの共同記者会見で、日本の防衛装備品に対する高い評価とニーズもあると言及されました。この高い評価とニーズというのは具体的にどのような内容なのか伺います。また、どのような国から、どのような装備品について関心が寄せられているかもあわせて、こちらは可能な範囲で伺いたいです。
大臣 :
我が国の防衛装備品に対しては、既に各国から様々なニーズや期待が寄せられております。例えば、退役予定の護衛艦の調達に関心を示している国もありますが、相手国との関係もありますから、詳細はお答えできないことも御理解いただきたいと思います。
いずれにせよ、政府として、同盟国・同志国の抑止力・対処力の向上とともに、我が国の安全保障に資するかとの観点から、各国のニーズも踏まえつつ、厳格な審査を行った上で、防衛装備移転を進めていきたいと思います。
防衛産業の生産基盤強化と同志国との連携
記者 :
防衛装備移転三原則の関連で伺います。これまで国内の防衛産業はですね、納入先が自衛隊に限られていて、装備移転に向けた生産体制やノウハウなどが不十分だという指摘があります。政府として今後どのように防衛産業の支援、生産基盤強化へ取り組んでいくか伺います。また、装備品の移転を通じた同志国との連携の強化について、今後どのように取り組んでいかれるお考えか伺います。
大臣 :
防衛装備移転は、同盟国・同志国の抑止力・対処力を強化するとともに、国内向けにのみ生産を行う場合に比べ、企業がより高い生産能力を維持することにつながります。特にロシアによるウクライナ侵略の教訓として、継戦能力の確保は喫緊の課題となる中、平素から国内の防衛生産・技術基盤を強化する手段として、装備移転は大変有効です。
同時に、国内の生産能力については、これを強化するための新たな施策を防衛省において関係省庁と連携しながら検討しています。一例として申し上げれば、民需が見込めず、安定供給確保が困難となる重要装備品の製造設備を国が保有することも含めた官による直接的な関与の強化、そして、状況に応じて装備品にも転用可能なデュアルユース物資の供給力の強化、こういったものが挙げられますが、自衛隊の装備品の供給能力強化を目指し、生産基盤の強化等に向けて、関係省庁、関係企業と緊密に連携して検討を進めていきたいと思います。
また、防衛装備移転を通じた同盟国・同志国との連携強化を通じて、共通の装備品を運用することにより、相互運用性の向上、強靭なサプライチェーンの構築や生産維持・整備基盤の共有を通じた相互支援の環境構築などの実現を目指してまいります。
東南アジア訪問予定と装備移転の安全保障上の利点
記者 :
装備移転の関連で質問一つ伺います。大臣は国会などの状況が許せば、来月の大型連休にあわせて東南アジアのフィリピンとインドネシアを訪問する予定だと承知しています。この2か国への訪問が本格的に決まりましたら、5類型撤廃後の日本の防衛装備移転について、どのようにアピールしていくつもりか、意気込みを教えてください。また、東南アジアという地域に日本の武器を移転することが日本の安全保障上どのような利点があるかもあわせて教えてください。
大臣 :
私の出張について、状況が許せば、今後、フィリピンやインドネシアに訪問する機会があり得ますが、現時点ではまだ決まっておりません。
その上で、防衛装備移転については、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するための重要な政策的手段として、実効的かつ戦略的に推進してまいります。このため、インド太平洋地域の同盟国・同志国との連携強化といった観点から、意義のある防衛装備移転を進めていく必要があると考えています。
防衛省として、今般の防衛装備移転三原則及び運用指針の改正を契機に、同盟国・同志国の抑止力・対処力の強化に資するとともに、いわば防衛力そのものと位置づけられる、我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化などの観点から、各国のニーズも踏まえつつ、防衛装備移転を更に推進していく考えです。私自身、地域や国際社会の平和と安定のため、防衛装備品について各国に対するトップセールスを一層強化していきたいと思います。
Xへの「軍人同士の友情」表現の真意
記者 :
もう1点、ちょっと恐縮ですが、別件で伺います。大臣は19日にオーストラリアを訪問した様子をXに投稿しましたが、ハモンド海軍中将と齋藤海幕長の親しい間柄について触れた一文で「軍人同士の友情」という表現をお使いになられました。自衛隊は国内法において軍隊ではないとされていますが、なぜ、海幕長を「軍人」と表現したのか、投稿の真意を教えてください。
大臣 :
自衛隊は憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものというのが従来からの政府の見解です。同時に、国際法上の軍隊というものの概念があり、自衛隊は基本的に国際法上の軍隊としての属性を備えているとも答弁をしています。
その上で、自衛隊は平素から各国の軍隊との間で幕僚長級会談などのハイレベルの会談、艦艇や航空機の相互訪問や共同訓練、防衛装備・技術協力等の防衛協力・交流を深化させてきているところです。今回の発信においても、これまで海上自衛隊とオーストラリア海軍の間において、海幕長とオーストラリア海軍本部長とのトップレベルの交流、艦艇の相互訪問や共同訓練といった部隊間の協力・交流等を通じて積み上げられてきた、Military to Military、これもよく使う言葉ですけれども、この関係をより分かりやすく国民の皆様に伝える観点から、軍人同士と表記したものであります。
(以上)
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