内倉統幕長が定例会見 日出生台演習場の戦車訓練中に3名が死亡する事故などに言及(4月24日)
- 日本の防衛
2026-4-30 10:45
令和8(2026)年4月24日(金)16時00分~16時12分、内倉浩昭(うちくら・ひろあき)統合幕僚長は防衛省A棟10階会見室で定例会見を行った。
統合幕僚長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。
内倉統合幕僚長 定例記者会見
本日は、私からの発表事項はありません。
4月21日、日出生台演習場において、戦車射撃訓練を実施中、砲弾が破裂する事故が発生しました。この事故により、10式戦車に搭乗していた隊員4名のうち、3名が死亡し、1名が負傷しました。このような痛ましい結果となり、まさに断腸の思いでありますが、亡くなられた隊員のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご家族の皆様に対し、謹んでお悔やみを申し上げます。また、負傷された隊員の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
この度は、本事故により、地元をはじめとする国民の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことにつきまして、深くお詫び申し上げます。
防衛装備移転三原則の改定と防衛への影響
記者 :
先日21日に政府は「防衛装備移転三原則」及び「防衛装備移転三原則の運用指針」を一部改定し、殺傷可能な武器の輸出を原則可能としました。これによる我が国の防衛への影響をどのように受け止めておられるか、お聞かせください。
幕僚長 :
政府においてお尋ねの件が改定されたことは、承知しております。しかしながら、統合幕僚長としてコメントする立場にはありません。その上で申し上げますと、今回の見直しは、国際情勢が一層厳しさを増す中で、同盟国・同志国等との安全保障協力をより実効的に進める観点から行われたものと理解しております。統合幕僚長としましては、防衛大臣を適切に補佐しつつ、我が国の平和と安全の確保に万全を期していく考えであります。
共通装備品の相互運用性メリットについて
記者 :
今の質問の関連で、統幕長もこれまで各国との共同訓練等を指揮されてきていらっしゃると思いますが、同じ装備品を、海外の他の部隊が使うメリットについては、どのようにお考えになってますでしょうか。
幕僚長 :
相互運用性、あるいは互換性という言葉がよく用いられますが、英語では「Interoperability」と「Interchangeability」という言葉が最近よく使われております。まず、初期の段階の相互運用性につきましては、同じ装備品を持っているということが大変重要でした。例えば、航空自衛隊を例にとりますと、F-15とF-15を米国が持っている、他の同志国が持っている。そのことだけでも意味がありましたが、現在は、ネットワークを駆使して戦う時代になりまして、ネットワークの接続性というものが重要視されるようになってまいりました。その観点におきますと、装備品が異なっていても、緊要なネットワークがつながっていれば高度な訓練ができる。実戦的な訓練ができる。といった事実もあります。しかしながら、装備品の共通化の重要性というものは、いささかも揺るがないものです。そういった観点から、同じ装備品を持っていることにつきましては、お互いにそれぞれの装備品の機能・性能が分かりますし、後方、ロジスティクスの観点からは、部品を融通できるといったもの、そういった運用・後方両面で大変有益だと考えております。
岩手県林野火災への自衛隊対応状況
記者 :
岩手県で発生している林野火災の件ですが、今朝、小泉大臣は自衛隊のヘリコプターの機数等の発表をされてましたが、その後の自衛隊としての対応状況と、この鎮火・鎮圧の見通し等が現時点で分かっていれば教えてください。
幕僚長 :
午前中の大臣の記者会見から、更新されたものをお伝えします。今16時ですので2時間前のものとなりますが、散水の実績は、本日が103回となります。そして水の量に直しますと約440トンというところです。鎮火の見通しについては、私どもは地元の消防と連携してやっており、主体的に申し述べる立場にありませんので、引き続き、地元の消防の皆様と協力を図りながら最善を尽くしてまいりたいと思います。現場の部隊は、早朝から懸命に消火活動に当たっております。
東南アジアとのミニラテラル防衛交流の方針
記者 :
防衛交流の在り方についてお尋ねします。昨今の安全保障環境を踏まえて、統幕長として、東南アジアの国々とのミニラテラルな交流を、どういうふうに展開するのかお考えをお聞かせください。また、東南アジアの場合では、経済や軍事的なバランスといいますか、アメリカと中国との関係は均衡を図りたい、というお考えも見受けられるのですが、こうした東南アジアの状況を踏まえて、例えば、アメリカを除いたというか、そういった別枠でのミニラテラルな交流の仕方、ということも考えられるのでしょうか。
幕僚長 :
まず、東南アジアという地域の特性でありますが、海上交通の要衝であるとともに、インド洋と太平洋をつなぐ結節点にあります。そういった観点で、我が国及び地域全体の平和と繁栄の確保にとって、重要なパートナーであると認識しております。
そして、ミニラテラルについてお尋ねがありましたが、例えば、日・米・比、日・米・豪・比、こういった枠組みで、頻繁に意見交換や、共同訓練等を実施しているところであります。
そして、先ほどありました、経済、中国を念頭に置いたご質問があったと思いますが、東南アジアの位置付けについて先ほど申し述べました。そういった観点から、各国軍との信頼関係の構築を基礎として、ハイレベル交流や実務者協議、多国間共同訓練・演習、そして人的交流などを重層的に実施し、信頼醸成や相互理解の促進を図っています。また、能力構築支援や防衛装備・技術協力などを推進するとともに、ASEANなど多国間枠組みを通じた協力についても、各国のニーズを踏まえながら実効性のある形で取り組み、地域全体の安定と繁栄に資することを目指しているところであります。
お尋ねの具体的な点に戻りますが、ASEANの中心性・一体性・強靱性、こういう考え方を尊重しつつ、その強化に協力を図りながら、防衛協力・交流を強化していくということは、「FOIP」の実現、そして望ましい安全保障環境の創出につながっていくものと考えております。ミニラテラルという観点につきますと、日・米・比、そして日・米・豪・比、繰り返しになりますが、こういったところを一つの例として、取り組んでまいりたいと思います。そして、経済力と軍事力の観点がありましたが、日米同盟を基軸にして、この東南アジアの国々も巻き込んでいくということが、基本だというふうに思います。その中で2国間、多国間、こういったものを織り交ぜながら、先ほど申し上げたASEANの地域の安定、そして繁栄に資する、寄与できるものは何かということを不断に模索して、それを実践していきたいと考えております。
パパロ・インド太平洋軍司令官の発言と日本周辺の防衛
記者 :
アメリカのパパロ・インド太平洋軍司令官の発言についての関連でお尋ねします。パパロ司令官が先日、議会の公聴会で中国の海軍力増強に対して、アメリカの艦艇が不足しているというような認識を示したとの報道がありました。インド太平洋軍司令官がこのような認識を示す中であっても、日本周辺の防衛は万全と言えますでしょうか。統幕長のご見解をお聞かせください。
幕僚長 :
まず、お尋ねの件につきまして、私もパパロ司令官の発言を通読いたしました。その一つ一つにコメントすることは差し控えたいと思いますが、日本周辺の守りは万全かということにつきましては、この場でも複数回お尋ねがあり、お答えしてきましたが、今回の公聴会におきましても、かねてからパパロ司令官が私に繰り返し言われている、万全な日米同盟、盤石だということ、その考え方、フィロソフィーが出ていたところがあると思います。インド太平洋地域においての日米同盟は、同盟ネットワークの中核だといった趣旨のことをご発言されたと考えております。その言葉から類推しましても、先ほどの海軍力についての言及はございましたが、私自身はいつも聞いている司令官の考え方、フィロソフィー、それが伝わってまいりました。そして大丈夫だということを確信した次第です。
もう一つが、「バリカタン」という現在実施している訓練の重要性についても言及されました。きっと今参加している隊員たちは、大変心強く思ったことと思います。そして一層モチベーションを上げて、今後の訓練に臨んでくれるものだと感じております。
米艦艇の充足性についての認識
記者 :
今のところ艦艇は十分であるというような認識、統幕長はそういうような認識でありますでしょうか。
幕僚長 :
お尋ねの件につきましては、米国の戦力組成について、その多寡についてコメントすることは差し控えたいと思います。
(以上)
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