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小泉防衛大臣が記者会見 自衛隊員への救命処置の追加や英仏主催の国防大臣オンライン会合など(5月15日)

  • 日本の防衛

2026-5-19 12:59

 令和8(2026)年5月15日(金)08時53分~09時05分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において、閣議後会見を行った。
 大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

大臣からの発表事項

 冒頭1点あります。昨年12月と今年1月に、私が習志野駐屯地を視察した際に、陸上自衛隊の特殊作戦群と第1空挺団の隊員から、隊員が負傷した場合に現場で行うことができる救命処置には制限があるので、いざというときには自分たちで救命できるようにしてほしいと、こういった要望を受けておりました。これを受け、即日私から衛生監に対して、本件について検討するように指示をしていたところです。
 その後、救急医療に関する有識者の方々を交えて、省内で議論を重ねてきた結果、5月の13日に防衛省メディカルコントロール協議会において、部隊からの要望に基づいて、6つの救命処置を新たに追加することが決定いたしました。これによって、現場において今まで可能であった救命処置では対処できないような、激しい出血を止める手立てや、銃創により肺が傷ついた隊員への救命処置などを行うことが可能となり、隊員の命を守るための態勢が新たに整備されることとなります。今後は隊員への安全を確保するため、新たに追加する6つの救命処置の具体的な処置要領を定めるとともに、関連する教育を実施するなど、安全対策を講じてまいります。
 私は防衛大臣として、これからも自衛隊員の命を守るためなら前例にとらわれることなく、必要な判断をし、厳しい任務に当たる自衛隊員とその御家族を守るための取り組みを実行してまいります。今回、現場の隊員たちの切なる思い・要望を実現するために、御尽力をいただいた日下衛生監をはじめ、関係部署の皆さんに心から感謝したいと思います。冒頭、私からは以上です。

記者との質疑応答

ホルムズ海峡における多国籍ミッションに関する国防大臣オンライン会合について

記者
 13日にあった、英仏主催のホルムズ海峡の航行の安全確保に関する国防大臣オンライン会合について伺います。会合の中で、米国とイランの停戦後の自衛隊派遣に関して大臣がどのような発言をし、他国からどのような反応があったか教えてください。また現時点で自衛隊のホルムズ海峡への派遣について、想定される活動内容や意義、課題をどうお考えか教えてください。

大臣
 13日に行われた、イギリス・フランス共催のホルムズ海峡における多国籍ミッションに関する国防大臣オンライン会合において、私からは、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝であり国際公共財である、そういったことを発言をしたことに加えまして、ホルムズ海峡の安定が一刻も早く回復し、全ての国の船舶の自由で安全な航行が確保されることが不可欠であると、そういったことを強調しました。
 さらに私から、ホルムズ海峡における多国籍ミッションへの幅広い支持を確保する観点から、アメリカ・イラン間の停戦合意、イランとの意思疎通、現場での脅威の低下、これらが必要であると考えている旨、また、本ミッションを成功させるためには、現実的に考えれば、アメリカともしっかり意思疎通をすることが重要である旨述べました。会合における他国からの具体的な反応につきましては、外交上のやり取りでありますので、詳細についてはお答えすることは差し控えます。
 また本会合を踏まえて、26か国の賛同を得て、共同声明が発出されました。ホルムズ海峡における全ての国の船舶の航行の自由及び安全の確保に向けた国際社会の決意を支持し、後押しする観点から、日本として共同声明に参加しました。
 なお、これは、多国籍軍事ミッションへの参加を予断するものではなく、この点は私から会合の場において各国にお伝えをしています。また自衛隊の派遣については、現時点で何ら決まっておりません。今般のイランをめぐる情勢は、時々刻々と変化していることから、自衛隊の派遣について、現時点で予断をもってお答えすることは困難です。今後も、関係国、そして関係機関を含む国際社会と緊密に連携しながら、我が国として国際法及び国内法の範囲内で必要な対応をしてまいります。

武器関連事業の金融面での課題解決について

記者
 武器関連事業への投資などをめぐってですね、大臣、国会などの場で繰り返し政府系金融機関について触れられていますけれども、その意図と狙いについてお聞かせください。

大臣
 私、今までも防衛装備庁などとも協力をしながら、スタートアップの皆さん、ベンチャーキャピタル、そしてインキュベーターの皆さんと意見交換などの場を持ってきました。そして関係の皆さんからは、やはり繰り返し述べられることは、この金融面での課題があるということであります。私からは、政府系金融機関も含めてですね、この経営の資源に制約があって、資金繰りの問題を抱えやすい傾向のあるスタートアップにとっては、金融機関等からの資金供給がタイムリーにやられることが、非常に重要だというメッセージは、常に発出をしています。
 この思いというのは、私はスタートアップの皆さんやベンチャーキャピタルの皆さんを含めて、同じような問題意識を持っていますので、今、政府としてこの装備移転の政策の見直しがあった中で、やはりこの環境の変化も含めて、協力を得られるような、そういう後押しを私としてもやっていきたいというふうに思いますので、今後も、これは政府系の金融機関に限らずですね、民間の金融機関、そして業界団体、その関係者の皆さんと私が直接お話をさせていただくような機会も含めて、この金融面での課題解決が間違いなく防衛産業を後押しをしていくことにつながりますので、積極的に取り組んでいきたいと、そんな思いから発言をさせていただいております。

フィリピンとの防衛装備・技術協力の推進について

記者
 フィリピンへの装備移転について伺います。88式地対艦誘導弾についてですね、フィリピンが関心を示して日本政府は輸出を検討しているという一部報道があります。大臣は先日フィリピンを訪問されて、「あぶくま」型護衛艦等々の輸出に向けて萬浪局長をトップとする、検討の協議体を作られたと思いますが、こちらでそれも検討していくのか、日本政府の検討状況についてお伺いいたします。

大臣
 先日の日・フィリピン防衛相会談において、防衛装備・技術協力の更なる推進について一致し、新たにワーキンググループを設置し、議論を進めていくこととなりました。そのワーキンググループのトップが萬浪さんということになります。
 お尋ねの88式地対艦ミサイルの件については現時点で決まった事実はありませんが、我が国にとって望ましい、安全保障環境を創出する観点から、同志国から我が国の防衛装備品への高い期待が示されていることも踏まえ、フィリピンとの間でも、新たに設置されたワーキンググループの下で、両国の防衛面での共同に資する防衛装備品を特定していくため積極的に議論をしていきたいと思います。
 ワーキンググループの中ではですね、やはり相手国のニーズをしっかり、意見交換をしながら踏まえた上で、この議論しかしないということではなくて、幅広く声を聞いて、対応していくということは当然だと思います。その上で、その判断可否についても、我々としても判断をするということになりますが、幅広く日本にとっての技術、そして我々の取組に評価があることは事実ですから、そこは胸襟を開いて議論をしていきたいと思います。

南西地域に特化した「陸上総隊演習」について

記者
 2点お伺いいたします。17日から先島地域の各駐屯地などで始まる「陸上総隊演習」についてお伺いします。今回、総隊演習を南西地域に特化して実施する目的を教えてください。また、米軍が参加する理由についてお伺いします。お願いします。

大臣
 この南西の「陸上総隊演習」は今月17日から22日までの間、陸上自衛隊部隊の南西地域への機動展開・物資輸送訓練等を通じた抑止力・対処力の向上、また日米共同の指揮所訓練を通じた日米の連携強化及び共同対処能力の向上を図ることを目的として、今般初めて実施するものです。
 我が国周辺の海・空域において、周辺国等が活動を拡大・活発化させている中、南西地域における抑止力・対処力の向上は喫緊の課題であり、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、島嶼部を含む南西地域において、各種訓練・演習を着実に実施することは、沖縄県民の皆様を含む、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なものです。
 また本年1月の日米防衛相会談では、ヘグセス長官との間で、南西地域における日米の共同プレゼンスの拡大について、同盟の最優先事項の一つとして、より高度かつ実践的な共同訓練の各地、特に南西地域での拡充を含め、一層取り組むことを確認をしました。日米同盟の抑止力・対処力を強化するため、各種訓練・演習を通じて、自衛隊と米軍双方が即応性や相互運用性を更に向上させていく考えです。
 本訓練の実施については、地元の皆様の御理解と御協力を得られるよう、沖縄県民を含む国民の皆様に、一つ一つ丁寧な説明を積み重ねていくことが重要であり、私が先頭に立って、そのために必要なあらゆる努力を継続してまいります。

嘉手納飛行場における旧海軍駐機場の使用について

記者
 米軍嘉手納基地の旧海軍駐機場の使用についてお伺いします。旧海軍駐機場は、住宅地に近く学習や騒音被害を伴うため、住宅地から離れた基地内の別の場所へ移転された経緯があります。しかし移転後も旧駐機場の使用が、特に2026年に入って常態化しています。
 昨日、嘉手納町長と嘉手納町議会議長が、小泉大臣と宮﨑副大臣に、駐機場を今後一切使用しないよう求める要請をしました。大臣として問題解決に向けて、今後米側にどのように働きかけていくのかを教えてください。

大臣
 今、お話ありましたとおり、昨日、當山嘉手納町長、そして石嶺嘉手納町議会議長と面会をして、嘉手納飛行場における旧海軍駐機場の使用に係る御要請がありました。今回頂いた御要請について、防衛大臣としてしっかりと受けとめ、當山町長をはじめ、嘉手納町の皆様の御意見を拝聴しながら、誠心誠意対応してまいりたいと考えています。
 防衛省として、旧海軍駐機場において、本年2月からF-35A戦闘機等が、エンジンを稼働させたまま給油を行う運用等を度々確認しており、アメリカ側に対し、騒音軽減イニシアチブの趣旨を踏まえた運用が行われるよう申し入れてきています。その上で、昨日の嘉手納町からの御要請も踏まえ、旧海軍駐機場の使用に係る問題について、スピード感を持ってアメリカ側との協議を進め、早期解決を図るよう、私から事務方に指示をしたところであり、現在アメリカ側と協議を行っております。
 安全保障環境の厳しさが一層増している現状において、国民の命と平和な暮らしを守り抜くためには、日米同盟の抑止力・対処力をしっかりと維持・強化しなければなりませんが、その中において、いかにして地元の皆様の御負担を軽減し、バランスを保っていくか、このための知恵を絞って、努力を続けてまいりたいと思います。

記者
 要請を受けて指示をしたということでいいですか。

大臣
 要請を受けて、もちろん事務方はですね、継続的に平素から様々なやり取りをしていますが、改めて私と、そして宮﨑副大臣と直接町長、そして議長から思いを、率直にお伺いをしましたので、その思いを受けて改めて事務方に早期解決を図るように、しっかり努力をしてもらいたいと指示をしたところです。

(以上)

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