[国会答弁]自衛官の階級呼称の変更に関する質問答弁
- 日本の防衛
2026-5-19 13:01
防衛省は令和8(2026)年5月15日(金)08時44分、第221回国会(特別会)における閣議資料のうち、「自衛官の階級呼称の変更に関する質問に対する答弁書」を報道に公開した。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
令和8年5月1日提出
質問第41号
自衛官の階級呼称の変更に関する質問主意書
提出者 石垣のりこ
令和8年4月25日公開の読売新聞ウェブサイトは、「政府は、自衛隊幹部の階級の呼称を変更する方針を固めた。」(以下「階級呼称の変更」という。)と報じた。「自由民主党・日本維新の会連立政権合意書」(2025年10月20日)では、自衛隊の「階級」等の国際標準化を実行するとされている。しかし、国際任務や各国との共同訓練等において、自衛官の階級は、従来、英語表記が用いられていると承知している。このため、階級呼称の変更をしなければ国際的な活動に支障が生ずるとの指摘は確認されていない。
政府は、平成18年11月28日の衆議院安全保障委員会において、「自衛隊というものが旧軍とは連続していない組織であるということを示すために、例えば旧軍において用いていた大佐というような表現を用いず、一佐というような形にしたと理解をしております。」と、「旧軍と同じ呼称にしなかった理由」を答弁した。
また、一佐、二佐等の呼称ではどちらの階級が高いか分かりにくいとの指摘があるが、当該呼称は自衛隊内部及び関係機関において既に定着しており、実務上支障が生じているとの具体的事例は承知していない。一方、階級呼称の変更に伴い、自衛隊における教育、規則改正、広報等に係るコスト及び自衛隊の活動の現場における混乱が生ずる可能性も考えられる。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 今回、政府が階級呼称の変更を検討するに至った理由を示されたい。特に、国際標準化は理由に含まれているか示されたい。
二 前記委員会において、政府は、「国際的なといいますか万国共通というようなお話もございましたけれども、いわゆる大佐と一般に言われるカーネル、自衛隊においては一等陸佐。一等海佐はキャプテンと言う場合が多いと思いますが、一等空佐もカーネルと言った場合があろうかと思いますけれども、例えばこれにつきましても、英国系の軍隊では空軍の大佐についてはグループキャプテンというような言い方でありまして、必ずしも万国的な、国際的にも同じような呼び方があるというわけではないと承知しております。」と答弁した。「必ずしも万国的な、国際的にも同じような呼び方があるというわけではない」場合、階級呼称の国際標準化が指す内容を具体的に示されたい。
三 自衛官の階級呼称を「旧軍と同じ呼称」に変更することが、国際標準化であるとする根拠を示されたい。また、政府は、大佐等の日本語が国際標準と認識しているか示されたい。
四 前記委員会において、「海外の現場で何か不都合な点というのが今までございましたでしょうか。」との質疑に対し、政府は、「自衛官というのはまさに階級で生活をしておる方々でございますので、当然、海外に行って海外の方とお話しするときに階級を説明しなければいけないということでございますけれども、少なくとも日本語で言うわけではございませんので、まさに一等陸佐であれば、通常アメリカ系の方に理解されるカーネルというものであるというふうに説明すれば問題はないかと思っておりますし、海上自衛隊の一等海佐については、通常海軍系であればキャプテンと言えば通るというふうに理解しておりますので、その点について特に問題があるとは承知しておりません。」と答弁した。自衛官の階級の英語表記について、国際任務、各国との共同訓練、指揮命令系統等において支障が生じた具体的な事例は存在するか示されたい。存在する場合、その内容を示されたい。存在しない場合、階級呼称の国際標準化を図る理由を具体的かつ論理的に示されたい。
五 階級呼称の変更と併せて、自衛官の階級の英語表記も変更するか示されたい。変更する場合、対象となる階級及び変更内容を具体的に示されたい。変更しない場合、階級呼称の変更との関係をどのように整理するか示されたい。
六 自衛隊が発足した際、「旧軍と同じ呼称にしなかった理由」について、現在の政府の認識を示されたい。また、自衛官の階級呼称を「旧軍と同じ呼称」に変更する場合、前記委員会における政府答弁との整合性をどのように説明するか示されたい。
七 一佐、二佐等の呼称ではどちらの階級が高いか分かりにくいとの指摘について、これにより自衛隊の業務上又は国内外における活動上、具体的な支障や不都合が生じた事例は存在するか示されたい。存在する場合、その内容を示されたい。存在しない場合、階級呼称の変更の根拠をどのように説明するか示されたい。
八 階級呼称の変更に伴い、自衛隊における教育、規則改正、広報その他の対応等に係るコストが発生すると考えるが、政府の見解及びコストの試算を示されたい。また、自衛隊の活動の現場における混乱の可能性について、政府の評価を示されたい。
九 階級呼称の変更は、前記連立政権合意書に基づくものか示されたい。前記連立政権合意書に基づくものである場合、防衛上又は行政上の必要性との関係をどのように整理しているか示されたい。
右質問する。
答弁書
参議院議員石垣のりこ君提出自衛官の階級呼称の変更に関する質問に対する答弁書
一及び九の前段について
御指摘の「「自由民主党・日本維新の会連立政権合意書」(2025年10月20日)」において「現在の自衛隊の「階級」、「服制」及び「職種」等の国際標準化を令和8年度中に実行する。」とされたことを受けて、自衛官の階級の変更について検討を進めているところである。
二及び四の後段について
お尋ねの「階級呼称の国際標準化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛官の階級の変更については現在検討中であるため、お尋ねについて現時点においてお答えすることは困難である。
三について
お尋ねの「旧軍と同じ呼称」に変更することが、「国際標準化」及び「大佐等の日本語が国際標準」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛官の階級の変更については現在検討中であるため、お尋ねについて現時点においてお答えすることは困難である。
四の前段及び中段について
お尋ねの「自衛官の階級の英語表記について、国際任務、各国との共同訓練、指揮命令系統等において支障が生じた具体的な事例」については、現時点において把握していない。
五、六の後段、七の後段及び八について
自衛官の階級の変更については現在検討中であるため、お尋ねについて現時点においてお答えすることは困難である。
六の前段について
お尋ねについては、平成18年11月28日の衆議院安全保障委員会において、政府参考人が「私が理解する限り、旧軍と同じ呼称にしなかった理由は何かという意味であるとすれば、それはやはり、自衛隊というものが旧軍とは連続していない組織であるということを示すために、例えば旧軍において用いていた大佐というような表現を用いず一佐というような形にしたと理解をしております。」と答弁したとおりである。
七の前段及び中段について
お尋ねの「自衛隊の業務上又は国内外における活動上、具体的な支障や不都合が生じた事例」については、現時点において把握していない。
九の後段について
お尋ねの「防衛上又は行政上の必要性との関係」の意味するところが必ずしも明らかではないが、自衛官の階級の変更については現在検討中であるため、お尋ねについて現時点においてお答えすることは困難である。
(以上)
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