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荒井陸幕長が定例会見 仏陸軍との実動訓練や現地情報隊に関する報道など(7月28日)

  • 日本の防衛

2026-7-30 15:17

 防衛省 陸上幕僚監部は令和8(2026)年7月28日(火)、公式サイトにおいて、同日に実施された荒井正芳(あらい・まさよし)陸上幕僚長による定例記者会見の内容を公表した。
 陸幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

陸幕長からの発表事項

 本日は私から1点、令和8年度フランス陸軍との実動訓練「ブリュネ・タカモリ26」についてお知らせをいたします。
 陸上自衛隊は、8月25日から9月5日までの間、王城寺原演習場において、フランス陸軍との実動訓練であるブリュネ・タカモリ26を実施をいたします。
 本訓練は、第6師団第20普通科連隊等約120名及び仏陸軍ニューカレドニア海兵歩兵連隊約40名が参加し、対ゲリラ・コマンドウ作戦に係る訓練を主体に実施して、作戦遂行能力及び戦術技量の向上を図ります。
 また、本訓練間、エレン駐日仏大使と私による共同視察を計画しております。
 陸上自衛隊は、欧州大西洋地域とインド太平洋地域の安全保障は不可分との認識の下、引き続き欧州の同志国との相互理解の促進及び信頼関係の強化を図ってまいります。私からは以上です。

記者との質疑応答

自衛隊員の行き過ぎた募集活動について

記者
 沖縄県内の県立高校で自衛隊員が募集の際にLINEを個人で交換しまして、繰り返し説明会や入隊の案内をした件で、これまで陸幕長は、7月7日の記者会見において、事実確認中というお答えだったと思いますが、その後何か明らかになったことはございますでしょうか。
陸幕長
 先日の報道があった以降、それから私が記者会見でお話した以降、西部方面隊において事実関係の確認を行ってまいりました。事実確認の結果、学校側から募集活動のあり方について注意を受けていたこと、行き過ぎた募集活動と受け取られかねない事象があったことを確認をいたしました。
 陸上自衛隊としては、募集や広報活動は、募集対象者やその保護者、学校関係者の理解と信頼を得ながら適切に実施することが重要であると考えております。このため、再発防止策を具体化するとともに、各地方協力本部に対し周知・徹底を図り、今後とも適切な募集・広報活動の実施に努めてまいります。
 その再発防止策でありますが、陸上自衛隊の再発防止策として、説明会等を実施する際は、実施先の学校や主催者と十分に調整し、理解を得た上で募集・広報活動を行うこと。2つ目は、募集対象者との連絡先の交換や連絡については、相手方の意思を十分尊重し、適切に実施すること、特に未成年者の方に対しては保護者の同意を得た上で、連絡先を交換すること。3つ目ですが、一度参加を辞退する意思が示された場合などには、相手方に過度な負担を与えることのないよう配慮をすること。4つ目、最後ですが、地方協力本部の地域事務所長等による、担当の広報官に対する指導監督をしっかりと実施するということであります。
 この件については、先週7月24日、陸上幕僚監部で募集を所掌する募集援護課から、全国の方面総監部及び地方協力本部に徹底をいたしました。以上です。
記者
 今、一部行き過ぎた募集活動が確認されたということなんですけども、具体的にどういったところが行き過ぎたと判断されたのか、もし詳細あれば教えていただけますでしょうか
陸幕長
 大きなところは2つ、大きな括りでありまして、一つ目はですね、令和7年6月に部外団体が主催する説明会において、沖縄地方協力本部の担当者が、主催者側の規約に反しまして、参加者と連絡先の交換を行ってしまったということ。それからもう一つは、令和7年6月、同じ月ですが、沖縄地方協力本部の担当者が、学校側から「生徒から『何度も連絡が来る』あるいは『怖い』という相談があった。」ことを伝えられたということが確認されました。
 我々としてはこの二つをもって、我々としては行き過ぎた募集・広報活動ではなかったかということで、しっかりと反省をし、原因究明をし、さきほど出たような再発防止策、こちらをお話したところであります。
記者
 今回対象となった県立高校では、本年度自衛隊の説明会が中止になるなどですね、当該生徒も不安を感じたということで、高校と生徒さん達に、陸幕長から何か一言、コメントをいただけたらと思います。
陸幕長
 今回ですね、募集・広報活動というものに対してはですね、やはり募集の対象者、それからその保護者の方、そして学校関係者の理解と信頼を得ながら適切に実施することが重要であるということを改めて認識をしたところであります。
 今回のように説明会が中止に至ったということ等についてはですね、やはり募集対象者、その保護者の方、そして、学校関係者との信頼関係の重要性を改めて認識したところでありますので、前回の記者会見で申し上げた通り、よろしくないと思われることがあったということで、先ほど申し述べたような件について、各方面総監部、それから地方協力本部、こちらの指導を徹底をしたところであります。

現地情報隊の活動に関する報道について

記者
 陸上自衛隊の部隊による情報収集の件についてお尋ねします。熊日新聞の取材では、陸上自衛隊中央情報隊の対外情報部門が、国内の大学教授やNPO関係者ら民間人を対象に、愛国心や性的嗜好といった思想・信条に関わる情報や極めて私的な情報を隊員が自らの身分を隠して組織的に調査、収集しているとみられることが、複数の防衛省関係者への取材で明らかになっています。
 まず陸幕としてどのようにこの事実を把握しているかということと、部隊がこういった国民の愛国心や性的嗜好の情報を集めることが適切な情報活動だと思われるかどうか、まずこの点からお尋ねします。
陸幕長
 まず報道については承知しております。現地情報隊は、自衛隊が海外に派遣される際、部隊の任務遂行及び安全確保に必要な現地の情報収集を行う部隊です。あくまで海外での任務に必要な情報を収集する任務の部隊であり、一般市民の思想・信条等に関する情報を収集することを目的とした活動は行っておりません。
 なお、現地情報隊の活動については、現時点で不適切な活動を行ったことは確認をされておりません。いずれにしましても、情報業務については、関係法令等に基づき適切に実施をしているという認識であります。
記者
 確認なんですけども、陸上自衛隊の組織が民間人の思想・信条について、自らの身分を隠すような組織的な調査、情報収集という事実は全くない、あり得ないということでよろしいでしょうか。
陸幕長
 報道については、承知をしているところであります。その上でですね、その報道の前提となっているその文書の真正性あるいはその出所が不明、という観点から、それを前提とした質問に対しましてはですね、お答えは差し控えさせていただきます。
 その上でですね、さきほど来繰り返しております通り、現地情報隊の任務、目的、それから現時点で確認をした内容からですね、そのようなことは行っておりません。
記者
 一般論として陸自のトップから見て、はたしてそういった情報活動が適切であるか、一般論としてはどのように考えられますか。
陸幕長
 一般論としてということでありますが、さきほどの報道の前提となっている文書、こちらを前提としている質問というふうに私は認識しておりますので、お答えの方は差し控えさせていただきたいと思っております。

自衛官が在京中国大使館に侵入し、逮捕された事案について

記者
 えびの駐屯地に所属する自衛官が中国大使館に刃物を所持して侵入した事件についてお伺いします。昨日、東京地検が被告を建造侵入、銃刀法違反、脅迫の罪で起訴されたとの報道がありましたが、陸幕長の受け止めお伺いさせてください。
陸幕長
 ご指摘のご質問の件ですが、本年3月に当該隊員が在京中国大使館の敷地内に侵入し逮捕された事案について、検察当局が、7月27日、当該隊員を東京地方裁判所に起訴したものと承知をしております。
 実力組織である自衛隊において、規律の維持は大変重要であるにも関わらず、法と規律を守るべき自衛官が、在京中国大使館の敷地内に侵入し、起訴されたことについては誠に遺憾であります。陸上自衛隊としては、判明した事実関係に基づき、厳正に対処してまいりたいと思っております。

現地情報隊の報道の前提となる文書について

記者
 現地情報隊の件で関連でご質問です。報道に出ております報告書等の文書の存否のことなんですけども、現時点でですね、陸自としてどういった形で確認作業を行ったかどうかですとか、部隊への照会等、具体的に実施されたかどうか、その辺の現状をお聞かせください。
陸幕長
 報道の前提となっている文書につきましては、陸上自衛隊として公表した文書ではありません。その出所、真正性を確認できないため、当該文書の内容を前提としたお答えは差し控えをさせていただきます。
 その上でですね、必要な現地情報隊の活動についての事実関係の確認を行いました。その詳細については情報収集能力等を明らかとすることからお答えすることは、差し控えますが、現時点で不適切な活動を行ったことは確認をされておりません。
記者
 確認を行ったというところなんですが、確認をした結果、そういったものに関して出所、真正性を含めて明確なものが得られなかった、そういった理解でよろしいのでしょうか。
陸幕長
 現時点でですね、不適切な活動がなかったということと、その文書に関しましては、繰り返しになりますが、陸上自衛隊として公表した文書ではありませんので、その件についてはお答えを差し控えさせていただきます。

退職自衛官に対する教育について

記者
 先ほどの現地情報隊の件で、追加で伺いします。記事を拝見するとですね、元隊員という方の証言のようなものが出てくるんですけども、その陸自としての、一般的にですが、そういう退職した後も含めた情報保全の教育というか、指導というのはどのように行っていらっしゃるのでしょうか。
陸幕長
 報道で元自衛官等というふうなことが出ていると思います。お尋ねのありました件ですが、自衛官は、自衛隊法第59条などにより、退職した後も、在職中に知った職務上の秘密を漏らしてはならない守秘義務が続くことから、仮に本報道の情報源が元自衛官であり、守秘義務違反にあたるような場合については、誠に遺憾だというふうに思っております。
 また、退職自衛官に対しましては、防衛省として、退職予定隊員に対する情報保全教育を実施するとともに、秘密情報を漏えいしない旨の誓約書を提出させることとしております。
 いずれにせよ、国、あるいは国民の安全を守り、組織の重要な財産や信用を失わないようにするためにも、現職の隊員、それから退職予定隊員含めまして退職後を含めた秘密保全について徹底してまいりたいと思っております。
記者
 さきほどの退職予定隊者に対する教育という部分では、退職が近くなった段階で実施するというふうな理解でよろしいですか。
陸幕長
 退職予定が近づいてきてですね、そういう時期になりますとまず一つは退職後を含めた秘密保全の義務等の教育を実施します。それから先ほど申し述べました誓約書、こちらの提出をするというふうになっております。
記者
 教育というのは座学のような形になるんでしょうか
陸幕長
 そうですね、部隊の退職者の方の状況等にはよると思うんですが、基本的には座学、しっかりと情報保全の責任者がですね、退職予定自衛官に対して、ほぼマンツーマン、あるいは何人かまとめて、何人か退官予定者がいる際は、その方々に対してしっかりと教育しているということであります。
記者
 基本的に退職される方は、一人も漏れもなく、そういう教育を実施している。退職前にですね、漏れなく実施しているという理解でよろしいですか。
陸幕長
 全ての階級ですね、全退職隊員に対して実施しております。

行き過ぎた募集活動があったとされる自衛隊員への対応について

記者
 今回、LINEで繰り返し勧誘をされた自衛隊員の方に対して何らかの処分であったり、口頭、注意とかそういったものって、実施されていますでしょうか。
陸幕長
 事実確認の結果ですね、先ほど来申しましている通り、学校側から募集活動のあり方についてご意見をいただいたり、行き過ぎた活動と受け取られかねない事象があったことがありましたので、こうした事実が懲戒処分の対象となるか否かについては、現在、さらに詳細を確認しているところであります。
 現時点で予断をもってお答えすることは差し控えたいところではありますが、その上でですね、詳細な事実確認の結果、判明した事実に基づき、規律違反が認められる場合については、規則等に則って適切に対応してまいりたいと思っております。
記者
 今回、ある程度事実関係が明かになったところで、陸幕長として今回の募集活動全体、不適切だったのか、それともそうじゃなかったのか、今の陸幕長の思いというか、認識教えていただけますでしょうか。
陸幕長
 繰り返しになりますが、やはりですね、募集対象者、保護者、学校関係者ですね、地方協力本部が活動の対象としている方々からですね、ご意見をもらうということはですね、しっかりと我々受け止めて、そういうことがないようにしていきたいというふうに思っております。

現地情報隊の報道に関する事実確認について

記者
 中央情報隊の関連で確認ですが、報じられている有識者を対象に思想・信条などの調査をしたことがあるのかどうかについて、陸幕として、現在の中央情報隊から直接話を聞いて事実関係を確認されたのかどうかを教えてください。
陸幕長
 現地情報隊ですね、中央情報隊ではなくてですね。今回の報道等を受けてですね、事実確認を陸上幕僚監部の方で実施をいたしました。
記者
 それは陸上幕僚監部として直接隊員の方から話を聞いて、事実関係を確認したという理解でよろしいでしょうか。
陸幕長
 そこの確認要領についてはですね、我々の情報業務の一環として捉えておりますので、その詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。
記者
 ただ形としては、陸幕として事実関係を確認したという理解でいいですか。
陸幕長
 はい、事実関係は確認をしております。

現地情報隊の報道で問題になっている文書について

記者
 現地情報隊に関連してお伺いなんですけど、問題となっている当該の文書が陸自が公開した文書ではないというのは、分かったんですけれども、公表はしていないが、組織内部に存在した文書かどうかというのは確認できているのでしょうか
陸幕長
 まず我々が公式に発表したあるいはそういう文書ではない、それから出所、それから真正性を確認できないため、ということであります。この文書についてはですね、その部分も含めて、我々としては、陸上自衛隊が公表したものではありませんので、それの評価とかですね、そういうものについては、お答えを差し控えをさせていただきます。
記者
 関連して伺いです。組織内部に文書がなかったとまでは分からない、その公表はしてないというは分かるんだと思うんですけども、組織内部に過去あったかどうかというのは正直わからないということですか。
陸幕長
 その部分についてもですね、ご質問の前提が出所不明、真正性がない文書でありますので、お答えを含めて差し控えをさせていただきます。

現地情報隊の情報収集活動について

記者
 関連して伺いです。現時点で不適切な行為が確認できないというのはよくわかったんですけども、適切、不適切かは別にして情報部隊が愛国心、自衛隊感情、思想・信条の部分であったり、性的嗜好や異性関係などのプライベートな部分を一般人を対象として調査することはあるのでしょうか。
陸幕長
 現地情報隊を含めましてですね、一般的に思想・信条とかそういうものを情報収集することを目的とした活動というものは行っておりません。
記者
 目的としなくても付随して情報収集の過程で入ってきてしまうということはあるのでしょうか。
陸幕長
 そこの部分はですね、情報収集活動の細部とか手段とかその内容にかかわる事項ですので、お答えは差し控えさせていただきます。
記者
 関連して伺います。不適切な活動を行ったことは確認されていないと教えていただいたと思うですけども、不適切な活動という言葉の意味をもう少し教えていただきたいんですけども、内部で様々な確認をされたと思うんですけども、その結果、報道にあるような調査自体が行われていなかったということなのか、それとも、ある一定の情報収集活動をしていたけれども、その中で法令に触れるような内容ですとか、やり方では収集していなかったということなのかをはっきり教えていただきたいんですけど。お願いいたします。
陸幕長
 現地情報隊の任務、先ほど申し述べましたけど、ここの部隊については、海外での任務に必要な情報を収集する部隊であります。一般市民の方々の思想・信条等に関する情報を収集することを目的とした活動は行っておりません。他方ですね、今申しました任務のところでですね、部外の有識者等にお話をお伺いをするというようなことは実施をいたします。
記者
 その中で先ほど言った法令に触れるというような内容ですとか、やり方で調査していたという実態はなかったという理解でよろしいのでしょうか。
陸幕長
 はい、ありません。

現地情報隊に対して指導を行う予定があるか

記者
 現地情報隊が任務で行う情報収集のやり方とかあり方について、今後、何か陸幕として指導される予定はあるのでしょうか。
陸幕長
 現地情報隊の活動については、現時点で不適切な活動を行ったことは確認されてないということに関しては繰り返しお話をしているところでありますが、この現地情報隊に限らず、我々陸上自衛隊の部隊、あるいは機関等に対してはですね、それぞれが持つ所掌事務あるいは任務遂行要領に関してですね、不断の見直し、それから不断の指導ですね、こちらを行っておりますので、そのような形で各部隊に指導をしていきたいと思っております。

実動訓練「ブリュネ・タカモリ26」と攻撃型ドローン運用について

記者
 冒頭、発言がありましたブリュネ・タカモリについて、今回共同訓練として初めて攻撃型ドローンが使用されると伺いました。防衛省は今年度から初めて取得を始めていると思うんですが、改めて攻撃型ドローンを運用する意義について教えてください。
陸幕長
 本訓練ではですね、敵ゲリラ・コマンドウを捜索・撃滅する状況下において、陸上自衛隊の訓練部隊が小型攻撃用UAVⅠ型を用いて、これを撃破する行動を演練をいたします。近年、やはり無人アセットの普及や技術革新が急速に進展する中、このような攻撃用UAVを含む各種無人アセットの運用能力向上というのは陸上自衛隊にとっても極めて重要な課題であると認識しているところであります。
 また、防衛省・自衛隊としてSHIELD構想、この構築に向け、陸上自衛隊としても、必要な能力を高めていかなければいけないという意義の一環の中でですね、今回、この攻撃用UAVⅠ型を用いた訓練を実施する、かつ仏陸軍と共同でこのような訓練をしますので、お互いの情報交換、それから戦術技量、情報交換とか、そういうものを見合って能力向上する意義というのは十分あるというふうに認識しております。
(以上)

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