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森田空幕長が定例会見 日仏共同訓練や令和9年度概算要求など(9月1日)

  • 日本の防衛

2026-9-3 16:30

 令和8(2026)年9月1日(火)14時30分~14時45分、森田雄博(もりた・たけひろ)航空幕僚長は記者会見を行った。
 空幕長からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

空幕長からの発表事項

日仏共同訓練について

 9月14日から9月20日までの間、日本、フランスの2か国で実施する日仏共同訓練のためフランス航空宇宙軍の戦闘機等が百里基地に飛来します。本訓練は、日仏2か国の空軍種で実施する共同訓練としては3回目の訓練となります。訓練を通じまして、2か国間の相互理解の深化、部隊の戦術技量の向上、相互運用性の強化が期待できるものと考えております。
 共通の価値と原則を共有する日本とフランスは、特別なパートナーとして、防衛協力・交流を着実に深化させてまいりました。安全保障環境が一層厳しさを増す中、本訓練は、「欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は一体不可分である」との認識の下、日仏空軍種が具体的な協力を通じて連携を強化する取組であります。航空自衛隊は、本訓練を通じてフランス航空宇宙軍との防衛協力・交流を一層強化し、地域の平和と安定に向けた取組を推進してまいります。

記者との質疑応答

日仏共同訓練を実施する経緯と百里基地で行う理由について

記者
 冒頭でご発言がありました、日仏共同訓練について、訓練を実施することになった経緯と百里基地で実施する理由についてお聞かせください。
空幕長
 近年、ヨーロッパ各国は戦闘機や艦艇等の派遣を通じて、インド太平洋地域への関与を着実に強化してきております。この度、フランス航空宇宙軍が戦闘機、空中給油機及び輸送機を日本へ展開する機会を捉えまして、航空自衛隊は、フランス航空宇宙軍との相互理解の深化、部隊の戦術技量の向上及び相互運用性の強化を図るべく、本訓練を計画することといたしました。
 2つ目の実施基地の選定理由といたしましては、航空自衛隊の各基地における訓練等のスケジュールや、フランス航空宇宙軍を円滑に受け入れるための受け入れ能力等を踏まえまして、同空軍と調整を行い、総合的に検討した結果、百里基地において共同訓練を実施することとした次第であります。

ASM-3改の空対空ミサイルとしての使用について

記者
 昨日発表されました来年度概算要求について伺います。その中で、弾薬の確保という概算要求資料の27ページにあったんですけども、ASM-3改について今回初めて、対空、空に対する対空という用途が明記されました。これまでASM-3系列は対艦ミサイルとして整備されてきたと認識しておりますが、空自としてなぜ今ASM-3改に対空能力が必要だと考えているのでしょうか。
 また、この対空は、戦闘機との空対空戦闘というよりも、早期警戒管制機や空中給油機など、相手の航空作戦を支える高価値航空目標への対処を念頭に置いたものになるのでしょうか。差し支えない範囲で運用上の狙いを教えてください。
空幕長
 ただ今御質問がありましたとおり、ASM-3改につきましては、これまで我が国の戦闘機の残存性を確保しつつ、戦闘艦艇等に対しまして、脅威圏外から有効に攻撃するため、超音速飛翔により高い残存性を有する空対艦誘導弾であるASM-3の射程延伸を図った新たな空対艦誘導弾として、令和2年度から開発を行ってきたところであります。また、今般、企業との調整によりまして、プログラム改修によりまして、ASM-3改の長い射程を生かしつつ、空対空ミサイルとして使用することが可能となることを確認いたしました。
 このため、令和9年度概算要求においては、ASM-3改を空対空ミサイルとしての機能を付加しつつ取得するための経費について、事項要求したところであります。ご質問のなぜ今といったところになるんですが、細部については申し上げられませんが、一般論といたしまして、近年、AAM、空対空ミサイルの射程は非常に伸びてきている状況であります。そのため、相互、彼我の関係からいって、より長射程のミサイルが必要だと判断をしたところであります。運用の詳細に関しては、我が方の手の内を明らかにするといったところになりますので、回答を控えさせていただきたいと思います。
記者
 空幕長、なかなかおっしゃられにくいと思うので、一般に近年、中国軍が早期警戒管制機とか空中給油機などを含めて、より遠方で継続的に航空作戦を行う能力を強化しています。そのため、今回のASM-3改の対空能力付与は、こうした相手方の航空作戦を支える目や航空支援の機能を遠方から無力化するための必要性があるんじゃないかと、狙いがあるんじゃないかっていうように、すでに海外のメディアは書いてるんですけども、どうでしょうか。
空幕長
 私の口からですね、どの国やどの地域がどうだといったようなところについては申し上げにくいところでありますが、様々な要素が含まれていると思います。その要素については、一般論としては否定をするところではございません。ただ、繰り返しになりますが、詳細については我が方の手の内をさらすことになりかねませんので、私の方から詳細については回答を控えさせていただきたいと思います。

令和9年度概算要求におけるAARGM-ERの取得要求について

記者
 もう一つ、今、空自関連で話題になっていることが、概算要求の中で、対レーダーミサイル、アーガム、AARGM-ERの取得要求についてです。これは相手のレーダーが発する電波を捉え、レーダーや地対空ミサイルなどの防空システムを攻撃するミサイルとされています。航空自衛隊が今回このミサイルの取得を求めた狙いは何でしょうか。
 また、相手の防空網を一時的に機能を低くするSEAD、敵防空網制圧や防空システムそのものを破壊するDEAD、敵防空網破壊の能力を今後の航空作戦で、空自はこれまで以上に重視していくということでしょうか。
空幕長
 ご質問のありました、AARGM-ER、概算要求パンフレットでは、27ページに記載されているものであります。これにつきましては、F-35A、そしてF-35Bに搭載可能な、相手艦艇の防空能力の減殺を可能とする、超音速の空発型対レーダーミサイルであります。対艦攻撃を効果的に実施することに資するアセットとなります。今回は、令和9年度概算要求におきましては、このAARGM-ERを取得するための経費について事項要求としているところであります。
 ご質問のどういった場面で、どのようなというようなところについては、繰り返しになりますが、具体的な運用に係る事項であるため、私の方から詳細については回答を差し控えさせていただきたいと思います。
記者
 最後にまとめて伺いたいんですけども、このASM-3改の対空能力とそのアーガムERを含めて合わせてみると、その相手の早期警戒能力と地上の相手の防空網の双方に対処して航空優勢を確保する能力を空自は強化する方向に見えるんですけども、空自の航空作戦の考え方に、そのものがちょっと変わりつつあるんでしょうか。これまでなかったものがね、二つともその取得するってことですから。
空幕長
 航空自衛隊の航空作戦に関する考え方そのものが変わってきているかというふうにご質問されましたが、今、現在、新たな戦い方といったところが非常にクローズアップされています。我々としてはこの新たな戦い方も踏まえて、我々として何ができるのかということを真剣に考えて、様々な検討を行いつつ、引き続きですね、この防衛力整備の方に活かしていきたいと考えております。具体的なところについては、これ以上申し上げにくいところでありますので、大変申し訳ございません。

宇宙領域における活動の意義について

記者
 概算要求についてお尋ねします。今年の概算要求の中で宇宙領域における能力強化について様々な項目が挙げられていたと思うのですけれども、これまでの会見でもお答えいただいているかと思うのですけれども、今年度中の航空宇宙自衛隊への改編を控える中で、改めて宇宙領域での活動における意義についてお聞かせください。
空幕長
 ご指摘のように、今年度中に航空宇宙自衛隊への改編を予定をしているところであります。宇宙領域が作戦行動を行う領域となった今、空及び宇宙の領域において国民の命と平和な暮らし、我が国の領土、領海、領空を守るという使命を果たすべく、この航空宇宙自衛隊の名に相応しい組織として、更なる能力の強化に努めてまいりたいと思っております。
 この宇宙につきましては、いかなる状況においても宇宙空間の安定的利用を確保することを、我々防衛省・自衛隊は目指していきたいと思っております。このため、令和2年度以降の宇宙作戦隊の新編以降、累次にわたり増員を続けておりまして、今年度末に宇宙作戦集団を新編することになります。
 こうした取り組みをしまして、宇宙は単に監視活動の対象ではなくて、作戦行動を行う領域ということになりまして、先ほど申し上げたとおり、航空宇宙自衛隊にするといったところになります。厳しい安全保障環境の中、宇宙空間の安定的利用を確保するとの我が国の決意を引き続き内外に示して、我が国の抑止力・対処力を向上させていきたいと考えております。

那覇基地で発生したF-15の事故に関する調査の進捗について

記者
 8月に発生した那覇基地でのF-15の事故に関して調査の進捗はいかがでしょうか。
空幕長
 現在も事故調査中であります。現時点で、前回も申し上げたとおりではあるのですが、公表時期を含めて何ら確定的に申し上げられる段階にはないといったところであります。併せまして、可能な限り速やかに調査を進めてまいりたいと考えております。
(以上)

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