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JA2024速報──エアバス[W2-090]

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2024-10-17 08:04

2024年10月16日から19日まで開催されている「2024国際航空宇宙展」(JA2024)。主要出展ブースの展示内容を、短い記事にまとめてお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 A350旅客機のJAL、ANA導入により、旅客機メーカーとして日本でもますます勢いを増すエアバス。それが意外にも、JA2024では民航機に関する展示を前面に出さず、代わりに無人機を持ってきた。回転翼無人機の「VSR700」と垂直離着陸が可能な固定翼無人機の「フレックスローター」である。

「VSR700」はヘリコプターみたいな外見をしていて、人が乗っていないだけだからわかりやすい。

無人ヘリのVSR700。こうしてみると案外と大きい機体だ 写真:井上孝司

 一方の「フレックスローター」はちょっと変わっている。まず、円筒形の胴体の真ん中から主翼が生えていて、水平飛行のときはこれが揚力を発揮する。その直前に大径のプロペラが付いていて、これが回転する。離着陸の際には機体は真上を向き、このプロペラが揚力を発揮する仕組みだ。いわゆる「テイルシッター」である。
 有人機のテイルシッターだと、離着陸の際にパイロットが地面を見ることができないという大問題があるが、パイロットが乗っていなければ関係なくなる。実はテイルシッター形式の垂直離着陸機は、無人機にこそ向いているのではないか。
 そして垂直離着陸が可能なら、ちょっとした空き地や艦艇のヘリ発着甲板からでも運用できる。そういう用途を狙って売り込むために、「フレックスローター」を持ってきたのではないだろうか。

フレックスローター。先端部にセンサー・ターレットが付いていて、その後ろにプロペラが組み込まれている 写真:井上孝司

 その他の展示品として、水素を燃料とするエンジンの模型が置かれていた。

(以上)

井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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