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木原防衛大臣、7月19日の記者会見 英国、スウェーデン訪問と一連の不祥事などについて

  • 防衛省関連

2024-7-20 14:14

 令和6(2024)年7月19日(金)11時23分~12時16分、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室において閣議後会見を行った。

大臣からの発表事項

7月22日~26日の海外出張について

 冒頭1点申し上げます。出張についてであります。7月22日、来週の月曜日から7月26日金曜日の日程で英国及びスウェーデンを訪問いたします。
 英国では次期戦闘機に関する日英伊防衛相会合を実施いたします。更に、ファンボローエアショーを視察する予定です。エアショーの開催地である英国のプライム企業4社及び英仏の代表的企業とのトップ会談による装備品製造の方向性を確認するとともに、出展する日本企業の製品技術を世界に向けてアピールすることは、意義あるものと考えております。
 スウェーデンでは、ヨンソン・スウェーデン国防大臣との日スウェーデン防衛相会談を実施する予定です。非同盟を続けてきたスウェーデンがNATO同盟参加へと大きく舵を切った背景について等、意見交換をしたいと考えています。
 本訪問を通じまして、次期戦闘機の開発、配備に向けた日英伊3か国の協力を改めて強化するとのコミットメントを確認するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた同志国との強い結束を確認してまいりたいと考えております。

記者との質疑応答

海自の潜水手当不正受給事案で逮捕者が出ていた問題について

記者 :海上自衛隊の潜水士による手当不正受給問題についてなんですけれども、昨日、逮捕者がこの件で出ていたことが明らかになりました。12日の処分公表時にこのことを公表しなかった理由をお聞かせください。
 また、12日の処分の公表は、不正受給総額など事実と異なる内容がありましたが、この内容が事実と異なることを大臣は認識していたのではないでしょうか。加えて、この話題のほかにも特定秘密の不適切管理や潜水艦修理に絡む接待問題も含めて、野党から大臣の資質を問題視し、進退を問う声が出ています。御自身の責任についてどのようにお考えかお聞かせください。

大臣 :まず、指摘されています事実関係についてですが、7月12日に私がこの場で公表しました海上自衛隊員による潜水手当不正受給事案においては、4名の逮捕者が出ております。
 当該4名は、虚偽有印公文書作成、虚偽有印公文書行使、詐欺の罪により昨年11月に警務隊が逮捕し、横浜地検横須賀支部に身柄付き送致した結果、不起訴処分とされております。また、同事案については、一部調査が継続中であり、今後、不正受給額の合計額が現時点のものより増える可能性があるということです。更に、同事案と不正喫食事案の懲戒処分日については、一部7月12日以前に行われた事実がございます。
 本来であれば、7月12日の公表時において、これらの事実も含め把握できた内容をできる限り詳しく公表すべきであったにもかかわらず、不十分な内容の公表をしたことは、本件の取りまとめに当たったのは人事教育局ですが、前日に皆様方にはブリーフィングをさせていただいたと思いますが、その時点で適切に報告をすべきだったと、その場での適切な判断が行われていなかったというふうに考えております。また、その結果として国民の皆様に対して適切な情報発信ができていなかったことにつきまして、防衛大臣としては深くお詫び申し上げます。
 逮捕や不起訴処分の事実につきましては、私自身、昨夜報告を受けました。今回の不正受給事案の重大性に鑑みれば、逮捕した事実を含め把握できた内容はできる限り詳しく公表すべきであったと考えています。つきましては、本件に関する事実関係や経緯をしっかりと把握した上で、今後の公表の在り方については、可及的速やかに報告するよう事務次官には先ほど指示をいたしました。
 その上で、海上自衛隊における不正な手当の受給については、防衛省・自衛隊への国民の信頼を損なうものであり、決してあってはならないものであります。
 その後の私自身の対応ということですが、防衛省・自衛隊は、まとめて先週7月12日にですね、ある意味これまで抱えてきた様々な問題を一度に公表させていただき、そして、処分いたしました。
 防衛省・自衛隊にとって、何が最善かということを考えたときに私は、やはり再発防止策をしっかりと採るということ、そして、今、防衛省・自衛隊の隊員一人一人にですね、意識の改革を行ってもらうということ、そういったことを私自身がしっかりと伝えていくということ、これが防衛省・自衛隊にとって一番良い選択だというふうに私は考えております。防衛省・自衛隊にとって何が一番ベストな判断かということを私自身は考えてこれから行動していきたい、そういうふうに思っております。

手当不正受給問題に関して大臣が事前報告を受けていたかについて

記者 :今の質問に関連して、海自の手当の不正受給に関しては、昨年の11月に2人が免職処分になっております。懲戒免職は事務次官通達で事前に大臣への報告をされることになっていると思いますけれども、2人の処分について、大臣は事前に報告を受けましたでしょうか。受けたのであれば、いつ受けたのか教えてください。
 また、処分の事前報告がされていたのであれば今回の12日に海自が行った、全員を12日付で処分をしたという発表が誤っていることにレクの段階などで気付けた可能性があるかと思いますけれども、大臣が、今回の一連の処分について説明を受けられた際には事実ではない可能性があるのではないかということには思い至らなかったということでしょうか。

大臣 :まず、逮捕や不起訴処分という事実、警務隊によって逮捕、そして、検察庁に送致をする。そしてそれが、検察で判断されて今回不起訴処分になったという一連の事実については、昨夜といいますか、日付は今日ですけれども、深夜に大臣秘書官を通じて報告を受けました。
 そして、12日のときの処分が前日に行われていたということ、その件については12日の時点で不正受給と、喫食の不正喫食の件もそうですが、複数の者が処分を受ける際にはですね、一人一人処分の日は違っていても、最終的にその一連の事案がまとまった段階で最後公表するということは、今までの事例でもあるかと思います。
 私自身は7月12日に、その日に処分を受けて公表したものと、それ以前に処分を受けたけど公表が7月12日になったのと、そういうのをまとめて7月12日にこの場で公表をさせていただいたというつもりでお話をさせてもらいました。
 ですので、その内の何人かにおいては、事前に処分を受けたということは、私は知っておりました。しかし、当然、私は前日の記者ブリーフィングでそういったことはお伝えしているものだろうというふうに思っておりました。つまり、公表はまとめて公表はするけれども、大層はその日に公表だとしても事前に何人かについては、既に処分済みだということも含めてですね、そういのは記者ブリーフィングを通じて皆様方には、国民の皆様にはお伝えしているだろうというふうには思っておりました。
 当然、私のこの会見というのは限られた時間ですので、200人、多くの人数一人一人について解説をするということは、そういう場ではないと思っておりますから、そういうものは記者ブリーフィングの場で説明をしているだろうと、そこはコミュニケーションができていなかったと言われても仕方ないのかもしれません。

2023年11月の免職処分および懲戒処分について

記者 :関連で確認ですけれども、昨年11月の免職処分については、昨年11月の近い事前の段階で既に報告はされていたというふうに理解してよろしいですか。

大臣 :逮捕や不起訴処分の事実というのは、結局11月の時点で逮捕の事案ですよね。

記者 :逮捕された方は、11月に懲戒免職に、逮捕の前にされてらっしゃるんですけれども、その件については、懲戒免職の件を事前に報告は受けたのでしょうか。

大臣 :逮捕、不起訴処分、先ほど申し上げたように、不起訴処分の事実、そして、懲戒処分が行われたという、その正確な日付については昨夜というか今日の深夜ですね、報告を受けました。

記者 :事務次官通達では懲戒免職については処分を、事前に大臣に報告をされることになっておりますが、その報告は受けましたでしょうか。

大臣 :ですので、昨夜報告を受けました。

記者 :事務次官通達は実行されてなかったということですか。

大臣 :繰り返しますけども、私が知り得たのは昨夜ということになります。したがって、今後の公表の在り方については可及的速やかに、通達があるということであればですね、これはしっかりとそれを遵守するように事務次官には指示をしたということも先ほど申し上げたとおりであります。

一連の不祥事を受けて大臣の監督責任やリーダーシップについて

記者 :12日の会見で、大臣はこの一連の不祥事を受けて、引き続き、私のリーダシップの下で防衛省・自衛隊を早急に立て直すというふうに語られました。
 隊員の逮捕に至っていたことを知らされていなかったというふうに伺っておりますが、把握すべき事実を把握できていないと言わざる得ないと思います。報告するべき側が報告しないというふうな判断をしているので、難しい面もあるのは理解しますけども、監督責任含めて大臣のリーダシップに疑問符が付くのではないかと思いますが、御自身のリーダシップで防衛省全体を立て直すことができるというふうにお考えでしょうか。

大臣 :昨年着任したのが9月の半ばだったと思います。11月にその事件が起こったわけですね。2か月後程度だと思います。もう既に防衛省・自衛隊は私が着任した直後からそういう体質であったということなんだろうと思います。
 ですので、今回10か月がたちまして、いろんなことが防衛省内部のことが、私自身が防衛大臣を務める中で色んな事案、あるいは事故等を通じて、あるいは調査手法、あるいは公表の方法、だんだん私自身、防衛省・自衛隊の体質というのが分かってきたわけですね。
 ですので、先週7月12日、それ以前にですね、特定秘密の漏えい、その前の2件があった時点で類似の事案がないかということも併せて、それ以外のも色々ありましたので、防衛省・自衛隊の中で色んなものをですね、ある意味、膿(うみ)があれば全てこの際、全部出せという、そういう指示を出した結果として7月12日、先週の金曜日の、ああいった大量処分というふうなことになったわけであります。
 ある意味私自身としては、昨年9月に着任してですね、11月にそういう事案が早速あったけど、それも報告されていない。監督責任ということであればその通りだなと思いますけれども、リーダシップをしっかりとって、そして、これまでたまっていたものをですね、一度に、これは出したというふうにも言えるかと思います。
 ですので、私は引き続き、まだ、防衛省・自衛隊の体質改善、あるいは隊員一人一人の意識改革というのはこれからやらなきゃいけないことだと思っておりますから、私自身はそれが先ほど申し上げました、防衛省・自衛隊にとって何がベストな選択かということを考えた上でですね、行動していきたいと、そういうふうに思っております。

大臣給与の自主返納について

記者 :先週の12日の会見で、大臣は国民の信頼を損なったという趣旨で大臣給与の1か月自主返納されていますが、これ先ほどの質問でありましたが、大臣自身の監督責任は、大臣の監督責任がある、自分の監督は不適切な部分もあるというふうに、特定秘密だとか不正受給だとかパワハラの事案全て含めて、御自身の監督責任はあったと考えるのかどうか教えてください。

大臣 :私の場合は自主返納ですので、私自身の判断でということでありますから、先週は、ですから国民の信頼を損なったというふうに申し上げたわけですが、その結果としてそういうふうになったということであり、今おっしゃったようなことも総合的に含めましてですね、10か月とはいえ、そして事案が発生したのは2か月後だったとはいえですね、それはもちろん言い逃れはできませんから、様々な監督責任を含めましてですね、そういうことも含めて総合して最終的に国民の信頼を損ねた結果、私自身の自主的な判断として自主返納をしたという、そういう思いであります。

ハラスメント事案に関する防止対策について

記者 :関連なんですけれども、例えば指定職級のパワハラ事案などは大臣が就任されて以降に起きている事案ですが、こういった事案が深刻化する前にパワハラを防げなかったのか、大臣自身の責任、この辺はいかがですか。

大臣 :私自身は、いわゆるハラスメントですね、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、それはあってはならないと、厳しい指導とハラスメントの違いは何かということも随分私も考えておりましたし、私が就任直後から、前の浜田防衛大臣から引き継いだ時から、浜田防衛大臣の最後の離任の挨拶の中にもハラスメントの問題を言われたと、いうことだったと思います、ですから、それを私は引き継いだ中において、いわゆるハラスメントというのは根絶しなければいけないという中で、ハラスメントの、例えば防止月間を作るだとか、あるいは隊員一人一人に向けたメッセージを、管理職向けと隊員向けと2種類のメッセージを発出したり、あるいは陸・海・空自衛隊の300の基地、駐屯地等にですね、4種類のポスターを作って、今までは1種類だけだったものを、例えば4種類にして、それぞれ陸上自衛隊の駐屯地には陸上自衛官の制服を着た職員を写真に使ってですね、ハラスメント防止をやったり、海には海、空には空、内局には内局、そのようなきめの細かいハラスメント防止対策を私なりにですね、着任当初から、やってきたつもりもあります。
 全国の基地、駐屯地を視察して、訓示をやりますけれども、その際には必ずハラスメント根絶ということを言ってきました。昨日ですね、奄美大島の奄美駐屯地においても訓示でハラスメントのことは話をしました。そのように類似の機会を通じてですね、ハラスメント対策をやってきた、しかしながら結果として、私の着任後もそういうことが続いている、でもひょっとしたら、それをやらなかったらもっと事案はたくさんあったかもしれない。いきなりゼロというふうにはなりませんでしたけれども、しかし、場合によってはそういうこともあるのかもしれない、しかしながら、厳然としてまだハラスメント事案があるということはですね、たらればの話はできませんけれども、しかし、私は類似の機会を通じて、ハラスメント対策をこれからもしっかりやっていこうと、そのことによってこの問題を根絶したいという考えです。

内局のハラスメント事案や当該事案の調査について

記者 :関連なんですけれども、内局の課長、指定職以上のパワハラ事案について、先週公表された3件以外に木原大臣に直接職員からのパワハラ被害の相談というのはありましたか。

大臣 :なるべく私は細かい事案でもですね、報告をするように、上げてくるように指示を出しておりますので、私のところに上がったものはですね、それはございます。
 しかし、ハラスメントというのはなかなか難しくて、ハラスメントをした側、あるいはされた側の双方の言い分というのが、これが非常に大事になってきますので、一方的な、一方当事者の話だけではなかなか難しいと思いますが、その段階でですね、私はその状況をですね、なるべくつぶさに自分なりに分析をするなり、あるいは関係者に話を聞くなどしながらですね、結果として今回の3件の公表に至ったということであります。

記者 :関連なんですけれども、大臣がその把握した事案について、秘書課など担当の、調査を担当する部局がちゃんと調査を行ったのかどうかはいかがでしょうか。

大臣 :調査を行わせました。しっかり私は指示を出しています。

記者 :その結果、パワハラとは認定できないというふうに、その公表された3件以外のものについては、パワハラとは認定できないと判断されたということでしょうか。

大臣 :先ほど申し上げたように、双方の言い分をしっかりと聞かなければいけませんし、間違った処分を下してもいけませんので、恐らくパワハラだけでなくですね、いろんなハラスメントがありますが、正に職員の家族にも影響してくる、あるいはプライバシーの問題も発生してくる、そして職員の正に、防衛省職員としてのですね、これからのキャリアにも大きく影響してくるということで、慎重に判断しなければいけませんが、やはり駄目なものは駄目というような判断の下でですね、私の基準の下で、判断をさせてもらいました。

7月12日の会見における大臣の発言および会見録の訂正について

記者 :大臣、御自身の責任について先週の12日の会見では、私のリーダシップの下で国民の信頼を回復することが責任だと考えられているとおっしゃられいたかと思います。
 今日冒頭は、防衛省・自衛隊にとって何が一番ベストなのか判断して、再発防止策をしっかり採ることが良いことだというふうな御発言されていましたが、先週との違いは何か、大きな意味などありますでしょうか。

大臣 :先週12日と考えは一緒です、同じ考えです。先週の12日からそのように思っておりました。違いはありません。ただそのことを言ってなかったのは、今日は少し補足をしたということになります。

記者 :先週12日の会見での大臣の発言についてお伺いします。特定秘密漏えい事案についてですね、大臣は会見で、海自が特定秘密を取り扱う隊員に限定して適性評価を受けさせていたことを内部部局は知っていたかなどと問われて、当然知っている。私は知っていたなどと答弁されましたが、その後防衛省のホームページにアップされた会見録では、大臣や内部部局は把握していなかったが、事案発生後は当然把握していると答弁するべきだったとしています。
 大臣の会見時の認識や発言から訂正に至る経緯を教えてください。

大臣 :前回の金曜日の会見において私は、今般の事案発覚後においては、海上自衛隊における特定秘密の運用についても当然把握しているとの趣旨で御指摘にお答えをしました。
 しかしながら、その後、文字に起こしてみるとですね、質問もその時の趣旨もですね、あんまりこう趣旨が分からないというか、ケース・スタディーのような感じで、こういう場合にはどうでしたかみたいな、あまり私自身も質問の本質が分かっていなかった部分もあったかもしれないというふうに思いまして、その質問の趣旨が、今般の事案が発覚する前から把握していたかを問うものであったというふうに認識に至りまして、誤解を招くことがないように発言を訂正させていただきました。
 訂正の経緯は、「今般の事案が発覚するまでこのような運用を海上自衛隊が行っていることについては、私は無論のこと、内部部局も把握していませんでしたが、事件発覚後は当然把握しております。」というのが、12日金曜日の会見時から変わらない私の認識です。
 ちょっと詳しく申し上げるとですね、確かあの時、質問とやり取りの中で、艦艇の狭い、潜水艦とか護衛艦の中、艦艇の中で、当然秘密たくさん扱われるけれども、適性評価を得ている者はもちろん、適性評価を与えられた者だけが特定秘密を管理できることになってますか、という質問だったから、私は当然だと、それはイロハのイですと。
 しかし、狭い、例えば指揮所ですね、CICなどでは、潜水艦に乗ったことある方は分かりますように、指揮所に頻繁に適性評価を得てない人が出入りをしたり、通路になってたりですね、そこを通らないと向こうに行けないとか、そういう場所も実際これあるんですよね。ですので、ドアで仕切ったり、出ていってくれとかというのはなかなか難しいというのは私は知ってました。
 しかし、そういう時には、私の認識としてはですね、当然クリアランスを持っている隊員が、何か、持っていない者がそこを通行したりする場合にはですね、映像とか画像であったらそれを切ったり消したり、紙のこういうデータであればそれを伏せたり、そういう作業は行われているものだと思っていた、当然そういう教育をされているものだというふうに思っていたところが、実際にそうではなくて、それが、見ようと思えば見られるといいますかね、遠目から、あるいは角度によったら、あるいは通行するときに、横を通るときにちらっと見ようと思ったら見られるような状態にあったということは知らなかった、という趣旨で話をしたので、そういう誤解がないように今回ちょっと、何もかも知らなかったとか、何もかも知ってたとかというわけじゃなくて、知ってた部分と知らなかった部分を、ちょっと整理をしなきゃいけないので、その際、文字で誤解があったらいけないと思ってこういう訂正をしました。

潜水手当不正受給問題に関する大臣への報告について

記者 :潜水手当の不正受給で逮捕者が出ていた点について、1点お伺いします。先ほど大臣、昨夜報告を受けられたとおっしゃいました。
 一方、私も人事教育局のレク出ていましたが、公表する事案しか大臣に報告をしていなかったと人事教育局言ってまして、そもそも逮捕者を公表するかどうかという議論も当然あるとは思うんですけれども、一連の不祥事として、少なくとも大臣には事前にやっぱり情報を入れるべきものではないのかなと考えるんですが、シビリアン・コントロールの観点からもですね、大事な情報が自分に上がってきてなかったと、こういうことについて大臣はどう受け止めていらっしゃいますか。

大臣 :そうですね、もちろん、私に対してはしっかりと報告をするというのが文民統制の要諦だというふうに思います。
 なぜこうなってしまったのかということを、このことはやはり早急に調査をし、そして確認をし、そのことも含めて先ほど次官に指示を出したところでありますから、正にシビリアン・コントロールの要諦が守られていないと、そういう恐れもあるということで、これは由々しきことでありますから、その部分もしそういう予兆などがみられるということであれば、しっかりと是正をしていく、それもまた私の責任であろうかと思います。

記者 :逮捕については、昨夜、今日の未明に御報告あったということなんですけれども、海自のこの潜水手当の関係で調査を、こういう問題があって調査をしていること、もしくはその進捗状況についての説明というのは大臣には上がっていたんでしょうか。

大臣 :質問の意図は、処分結果の内容でなくて、随時。

記者 :じゃなくて、その前の過程でですね、また、御着任された時点で調査が始まっているということですし、こういう問題がありまして現在調査していますという事実の御説明であるとか、もしくは、今こういう状況になって調査状況も公表に至る前のステップでですね、今はこういう調査状況になっていますといった報告というのは、大臣に上がっていたんですかという質問です。

大臣 :まだ、不正かどうか分からないような段階において、こういう恐れがあるので調査に入りますというようなことはですね、それが結果として必要なかったとかということもありますけれども、そういうことについては、報告はありました。ただその結果がどうなったかというのは報告を受けていない。

記者 :要するに、調査結果を12日に公表する直前まで、その中間報告というようなものはなかったということでしょうか。

大臣 :質問は、私が防衛大臣に着任したときにそういう情報が上がってきたかということですか。

記者 :でなくて、大臣在任中で、いつという指定はないんですけど、在任期間の中で、こういう問題がありますですとか、今、こういう調査状況になっていますというような報告はどのようにありましたか、ということです。

大臣 :着任当初はもちろんそういうのはありませんけれども、そういった様々なレクを受ける過程の中でですね、まだその段階では、恐れといいますかね、もちろん今審査中のものがあると言いましたけれども、本人は否定してるようなので、否定してる者については推定無罪でありますから、そういうことも含めてですね、それはセクハラもパワハラもそうなんですけれども、こういう恐れがある、こういうような、いわゆる内部の通報があるとか、そういうのはレクの段階では、いろんなものも含めて聞いておりますが、最終的な中間報告などは当然なくて、逆に、この際、最終的に私が全部出しなさいと言った時に、初めて最終的な結果というのがいきなり出てきたというような感じです。

記者 :要するに、タイミングは置いておいてもですね、職員の中で隊員に逮捕者が出るというのはかなり重大な局面なり進捗だと思うんですけど、これが報告にそもそも入ってこない制度とか、体制になっていたことをどのように。改めて伺います。

大臣 :大変遺憾でございます。

記者 :実際にですね、リーダシップを発揮しようにもですね、手駒がない、要するに、本来であれば国民に情報を知った上でどう回復のために、どれだけの内容を公表するかというところを大臣がグリップして初めてリーダシップを発揮できると思うんですが、なぜそのような体制になっていなかったと、今御自身お考えですか。

大臣 :正にその指摘の通りですね、そういう体制になかったので、今回私が指示をして、洗いざらい出すようなことに指示をした結果、ようやく結果が出てきたということなんだろうと思いますから、その途中の過程もなければ、逮捕あるいは不起訴処分ということも途中の段階で出てこなかったと思いますから、そういう体質を改めなければいけないというのは、先ほど申し上げましたし、なぜそういうことになってなかったのかということも、事務次官を通じてですね、少し詳細に現場の、あるいは各部局、課のですね、在り方というのもこれ見直さなければいけないなというのは、深刻に考えています。

潜水手当不正受給事案の逮捕・不起訴の公表時期について

記者 :先ほど御説明があった、逮捕、不起訴について知ったタイミングなんですけれども、本日日付が変わってからの未明なのか、それとも昨日夜遅く、深夜なのか、どちらかをまず確認させてください。

大臣 :ちょうどその夜の12時の前後、何度かやり取りをしているんですが、第1報は日付変わる前に秘書官が今電話の着任を確認をして、その後、日付が変わった後、私とやり取りする中で、秘書官も知らないわけですから、やり取りをしていく、あるいは私が逆質問をして、やり取りをしていく中で最終的に知ったのは日付を跨いでからということ。第1報は日付を跨ぐ前です。私は、昨日は奄美大島と馬毛島等の視察に行っておりましたから、東京に戻ってきてから後ということになります。

記者 :関連して、先ほど12日以前に処分をされているケースがあったことを発表以前で大臣が認識をされていたとおっしゃいましたが、報道の出方等を見て、12日に一斉の大量処分を行ったと、正に大臣が意図された膿を出し切るというような報道が出ていたことについて、処分は12日付でないことと照らし合わせて違和感、事実関係に齟齬があるというふうには気づかれませんでしたでしょうか。

大臣 :12日に処分をして発表した者もいれば、12日の前に処分をした者もいる。最終的に一連のまとまり、グループの公表は7月12日にするということは、これまでの様々な不祥事、あるいは事故の案件でも、これは最終的にまとめて発表するということはあり得ることだというふうに思っております。
 今回の件もですね、そういう点で言うと、一連のものについては12日に最終的にお尻を切って報告をするということを決めて、そしてその時点で確定したもの、まだ争っている、本人が認めていないものもありますから、そういうものは公表できませんけれども、その時点で確定していたものは公表するということなので、私自身にとっては、既に処分をした者の日付というのは、その細かくは、一人一人は把握はしておりませんでしたけれども、しかし一連のものをまとめて7月12日に公表するということについてはですね、一定の合理性があるのではないかと思いますが。

記者 :合理性ということと、事実関係に齟齬があるということはまた別かと思うんですけれども、事実関係が誤っていた、仮にも12日の表をして記者説明をしている、それについてどこに責任の所在があるかっていうのを現時点でどうお考えでしょうか。

大臣 :仮定の話ですけど、もし私が逮捕、不起訴処分というものまで報告を受けていたならば、その時点で公表をしたと思います。ところがそれを受けておりませんでしたから、そこは内部の処分をまとまって7月12日に公表するという、そういう判断、ただこれは仮の話なので、仮定の話なので、言い訳はできませんが、しかし、結果としてそういうことであります。

西之表市馬毛島の自衛隊基地整備について

記者 :話題変わりまして、西之表市馬毛島の自衛隊基地整備についてお尋ねいたします。昨日大臣は、現地を視察されましたが、この時期に視察した理由、目的と、工事の進捗を含めて視察を終えての所感をお願いします。
 加えて、防衛省としては、早期の運用開始を目指していると思いますが、運用開始時期の見通しもお願いいたします。

大臣 :戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している我が国であります。特に、南西諸島地域の防衛体制強化というものが喫緊の課題となっている中において、非常に重要な役割を担うことになります馬毛島の施設整備状況というものを自らの目で確認する必要があるという風に感じました。
 そのような認識の下で、昨日、馬毛島を視察いたしました。で、上陸もいたしました。外海に位置をし、社会インフラというものが全く整っていない離島です。その離島で大規模な工事を行うという、これまで防衛省・自衛隊もあまり経験をしたことがないような特殊な条件の下で、馬毛島の施設整備は進められておりました。
 このような中で、今、夏のシーズンですので、高温多湿の非常に厳しい作業環境において、多くの関係者が懸命に作業に従事をし、また、多数の大型建設機械が絶え間なく稼働するなど、大規模な工事が着実に進んでいる様子を確かめることができたこと、これは非常に有意義な視察だったと思います。
 また、現在の工事の進捗状況と運用開始の見通しについて申し上げると、現在、陸上工事では、造成や建築物の基礎工事等を行っているところであり、海上工事では、係留施設等のための基礎捨石工事及び本体工事を行っていますが、この施設整備は、先ほど申し上げたような特殊な条件において行われていることから、運用開始の時期を確定的にお答えすることは現時点で困難であるということは、ぜひ御理解賜ります。
 その上で、施設整備が全体として最適な状態で進捗するよう作業を進めているところであります。防衛省としては、引き続き、住民の方々の期待の声に応えるとともに、不安を解消するため、種子島の1市2町、そして鹿児島県とより一層緊密に連携しながら、施設整備に取り組んでまいります。

記者 :重ねてなんですけれども、今のところ工事の方は予定通り順調に進んでいるという理解でよろしいでしょうか。

大臣 :大幅に遅れているとかという話は聞いておりません。しかし、非常に、先ほど申し上げたように、高温多湿な環境であったり、不測の事態、例えば台風だとかですね、いろいろな前線、九州には線状降水帯なんかもつい先週ありました。
 そういう中においてですね、晴れ間には多くの建設機械が本当にこう絶え間なく動いている姿、工事というのは確実に進んでいるというふうに報告も受けておりますので、まだ今後はどうなるか分かりませんが、現時点ではなんとか着実に進んでいると、そういう認識を持っています。

日米「2+2」(ツープラスツー、外務・防衛閣僚会合)の開催予定について

記者 :日米「2+2」についてお伺いいたします。つい先ほど、参議院の与野党国会対策委員長会談というものが行われました。その後のですね、記者向けのブリーフィングの場で、日米「2+2」が28日と29日、2日間に分けて行われますと防衛省から説明を受けているというお話があったそうです。28、29に「2+2」を行うという事実関係もしあれば教えていただけますでしょうか。

大臣 :日米「2+2」は行う方向で調整をしております。相手国のあることですから、これはですね、確定的な日付など申し上げることは差し控えたいと思います。

記者 :関連でなんですけれども、一般論で「2+2」を2日間に分けて開催するということは有り得るんでしょうか。そのあたりを教えていただけますでしょうか。

大臣 :「2+2」という外務省と一緒になってやる会議自体は、一般論として、私の経験でいうと、いくつかの「2+2」の中では1回、つまり1日の会合だと思いますが、当然、せっかくの4人の閣僚が揃うわけですから、それぞれ外務は外務の外務大臣会合とか、あるいは、防衛は防衛、私はオースティン(米国防長官)との会合であるとか、そういったことを踏まえると、一連の流れでいうとですね、2日間というのは過去にもあったかと思います。

特定秘密漏えいについて

記者 :特定秘密漏えいについてお伺いいたします。17日の衆院情報監視審査会の勧告の中で、不適切な運用が常態化するそもそもの背景として、防衛省の秘密区分が「特定秘密」と「秘」の2区分のために、特定秘密の対象範囲が過度に広がって、特定秘密の認識が希薄化しているのではないかという指摘がありました。他省庁や旧防衛庁では3区分で運用してきたということを念頭に置いた指摘と思われますけれども、この指摘の受け止めをお願いいたします。
 また、実際に防衛省の特定秘密指定件数というのは他省庁と比べて突出して多いわけですけれども、指定の線引きがあいまいになって、他省庁でいう極秘などまで特定秘密に指定してしまっているという状況はないのかどうか、お尋ねいたします。

大臣 :改めて、一昨日、衆議院議長額賀議長から私に対して、再発防止に向けた様々な措置の徹底や、実施した措置に関する報告の要請を内容とする勧告がございました。これは、昨年1月の海上自衛隊のOBに対する漏えい事案に関する勧告以来、2年間で2度目のものであり、防衛省として極めて深刻に受け止めています。
 その上で、防衛省においては、特定秘密の指定に当たりまして、特定秘密保護法に基づく指定の3要件について厳格に判断を行っておりまして、他省庁でいう極秘まで指定しているとの事実は無いものと認識しています。
 また、特定秘密の件数について申し上げると、適切な管理の観点から、対象となる情報の範囲について明確化を図っています。具体的には、運用基準に基づき、毎年度収集する情報や継続的に収集する情報など、異なる時期に複数回保有することが想定される情報の場合には、期間を区切って、それぞれ1件として指定することで、厳格な管理を図っているところです。
 さらに、防衛省は我が国の防衛を一義的に担っておりますので、これは特定秘密保護法に定められた指定されるべき4類型の1つであります、防衛に関する事項そのものでありますから、こうしたことを踏まえると、特定秘密の件数というのはおのずと多くなるということは有り得るということです。
 いずれにしましても、我が国の防衛を一義的に担う防衛省において、政策の立案や自衛隊の運用に必要となる秘密情報の厳格な管理・運用は大前提であり、先般公表した一連の事案は、あってはならないものです。今後、今回の勧告の内容も十分に踏まえて、私のリーダシップの下で、再発防止のため取組の一つ一つを速やかに徹底し、防衛省・自衛隊一丸となって信頼回復に全力で取り組んでまいる所存です。

記者 :関連で1点だけお伺いいたします。大臣、先ほど再発防止策をしっかり採ることが防衛省・自衛隊にとってベストだと思っているとおっしゃいました。
 当然、特定秘密漏えいに関してもそうだと思うんですけれども、そうなりますと、今の話を受けますと、勧告を受けてこれからまた再発防止策というのを検討されていく中で、現時点で特定秘密に指定されているものというものの指定が妥当かどうかについて、改めて洗い直すとか、見直す、検証するというお考えはないでしょうか。

大臣 :あくまでも特定秘密保護法という法律に基づいた要件ですね、3要件がありますから、それについて厳格に判断を行っているところです。ですので、このやり方にはもちろん変更は無いわけでありまして、その結果、他省庁にも当然特定秘密が防衛省だけの問題ではありませんので、他省庁によっては特定秘密もあれば、極秘というものもあると思いますが、極秘ということを考えた時に、あるいは特定秘密ということ、その種類、その軽重を考えた時に、私自身の感覚として、他省庁でいう極秘というとこまで防衛省が指定しているというふうには思っておりません。
 あくまでも防衛省が本当に秘密というものが、特定秘密が多いものですから、そこは実際、接している私にとってもですね、確かに防衛省ならではの特定秘密ということ、ほとんどそういうものでありますので、現時点でそのやり方を見直すという考えはございません。

海上幕僚長の交代や海自の状況について

記者 :海幕長、本日交代させて、出直しというところで、情報の出し方で国民の信頼を損なうような状態にまたなっております。
 なかなか膿を出し切れないというところへの率直な受け止めと、海上自衛隊のどのような体質に問題があるとお考えか教えてください。

大臣 :本日、酒井(さかい)海上幕僚長は辞任をし、新しく斎藤聡(さいとう・あきら)海将が海上幕僚長に就任をいたします。その中で、酒井海上幕僚長が幕僚長会見の中でもしっかりとお話をしていただいたようにですね、自らのその職責を果たす中で今回の一連の事案についてはお詫びを申し上げるという言葉もあったかと思います。
 海上自衛隊といいますのが、特に艦艇の乗組員、人員不足、これは陸・海・空それぞれですけれども、特に、海上自衛隊というのは乗組員の人員不足というのが顕著でありですね、構造的な要因というものが極めて深刻である、その一方で、私が昨日視察したように、奄美大島の話をしましたけれども、周辺海域における情報収集とか警戒監視であるとか、あるいは各国との共同訓練など、活動量というのはそれに反比例して増加をしているという、そういう状況にあるんだと思います。それがいわゆる海上自衛隊の特徴だと思います。
 任務が質、量ともに増大しているからこそ、今回生じた事案については厳正に対処して、そして、ちゃんとした再発防止策を講じる、しかもそれは早急に講じる必要があるというふうに考えています。私自身は一層高い緊張感を持ってですね、職責に当たっていかなくてはいけないし、今度着任する斎藤新海幕長においても、その職に当たることを望みたいと思います。

以上

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