齋藤海上幕僚長、着任の挨拶(7月19日)
- 防衛省関連
2024-7-24 16:01
令和6(2024)年7月19日(金)、同日付けで新たに海上幕僚長に着任した齋藤聡(さいとう・あきら)海将は、海上自衛隊公式サイトの「海上幕僚長ご挨拶」を更新した。
齋藤海将は、自衛艦隊司令官からの昇任。海上幕僚長の職を酒井良(さかい・りょう)海将から引き継いだ。
挨拶の内容はこちらのとおり。
海上幕僚長ご挨拶
このたび酒井海将から重責を引き継ぎ、第36代海上幕僚長として着任した齋藤です。
我が国周辺のみならず、世界的な安全保障環境が激しく揺れ動く最中、また、自衛官の採用状況が厳しい中、海上自衛隊の隊員は、今この瞬間も我が国の防衛に加え、世界の平和と安全のため、それぞれの活動海域や持ち場において任務や教育・訓練等に実直に取り組んでいます。
その一方、4月にはヘリコプター墜落事故を生起させ、国民の皆様に多大なご心配をおかけしました。8名もの優秀な隊員を失ったことは痛恨の極みです。
また、情報保全に関する不適切な取り扱い、手当の不正受給等、国民の皆様の期待と信頼を大きく損なう不祥事を生起させたことに対しまして、心から深くお詫び申し上げます。さらに、潜水艦修理契約に関し規律違反疑いが生じていることを非常に深刻に受け止めております。現在実施している一般事故調査委員会による調査で判明した事実関係に基づき、厳正に対応していくとともに、特別防衛監察に対し全面的に協力してまいります。新たな態勢の下、これらの問題に誠実に向き合い、全力で問題解決に当たってまいります。
その上で、海上自衛隊は、格段に速いスピードで変化する安全保障環境に適合すべく、安全保障関連3文書に示された防衛力の抜本的強化という政府方針に従い、人的基盤の強化を含む必要な取り組みを着実に進めてまいります。
海上自衛隊は、これまでと同様、「我が国の領域及び周辺海域の防衛」、「海上交通の安全確保」、「望ましい安全保障環境の創出」という3つの目標を達成すべく、自らを鍛え、米海軍及び同志国海軍との関係を強化していく所存です。また、これらの取り組みに当たっては、これまでの概念にとらわれない新たな発想とスピード感をもって、各種機能を充実させ、激変する情勢に柔軟に対応してまいります。
国民の皆様の信頼を損ねる事案が複数生起している今、そして、激変する安全保障環境の中で一時の足踏みも許されない中にあって、海上自衛隊は改めて、私たちが国家・国民のためにあるという原点、そして、海上防衛への奉仕者であるという原点を見つめ直し、自らの使命に誠実に向き合い、誠実に持ち場を守り、一丸となって海上自衛隊に任された責務を果たしてまいります。私は、海上幕僚長として勤務するに当たり、「精強」、「誠実」を方針として掲げ、全隊員とともにこの海を護り、我が国の平和と独立を守り抜く所存です。
今後とも海上自衛隊に対するご支援を賜りますようお願い申し上げ、私の着任のご挨拶といたします。
令和6年7月19日 第36代 海上幕僚長 海将 齋藤 聡
なお、本挨拶文の掲載をもちまして着任に伴う挨拶状の送付に代えさせていただきますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
(以上)
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- 人事発令 10月21日付け、1佐人事(海自2名、空自1名)
- 人事発令 8月1日付け、1佐職人事(陸自191名、海自56名、空自34名)
- 日米共同統合演習「キーンソード25」10月23日から実施予定
- 新設部隊「自衛隊海上輸送群(仮称)」に配備予定の小型級船舶の命名式・進水式を10月29日に予定
- 防衛省、近年の中国の日本周辺における活動状況をまとめた短い文書を公開