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艦艇の後ろに付ける“リアウイング”──技術シンポジウム2024

  • 日本の防衛

2024-11-20 16:30

今年も11月12、13日(火・水)に開かれた、防衛装備庁が主催する「技術シンポジウム2024」。注目のパネル展示を毎日1本、お届けします。

 防衛装備庁の「技術シンポジウム2024」において、艦艇装備研究所は「水上艦艇の艦尾付加物に関する取り組みについて」という展示を行った。

写真:編集部(以下同じ)

 こちらは護衛艦「あきづき」型以降の艦艇で採用されている、「スターンフラップ」や、それを発展させた「艦尾水中翼」についての研究である。

スターンフラップ(左)と艦尾水中翼(右) ※展示資料から切り抜き
3Dプリンタで出力した艦尾水中翼

 スポーツカーやレーシングカーでは、車両の後端に設けた縁で空気の整流による燃費向上や操作性向上を狙う「リアスポイラー」や、取り付けた板で下向きの空気力を発生させ安定性とタイヤのグリップを良くする「リアウイング」というものがある。これはそれに似た効果を狙ったものだ。

 高速水槽の実験では、スターンフラップでは航行中に抵抗の低減が認められ、艦尾水中翼では抵抗低減による推進性能向上加えて、波に揺られて発生する動揺の抑制が認められたという。乗艦者の船酔いを減らしたり、航空機の発着艦を容易にするなどの効果がありそうだ。

高速水槽での艦尾水中翼装備/非装備モデルの比較実験
比較実験でモデルの艦尾に発生した波の様子

 海上自衛隊で採用されるかどうかはわからないが、オランダ海軍では艦尾水中翼を取り付けた艦艇がすでに就航しているという。

(以上)

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