中谷防衛大臣、オーストラリアでの日米豪防衛相会談、日豪防衛相会談及び日米防衛相会談後の臨時記者会見(11月17日)
- 日本の防衛
2024-11-21 10:30
令和6(2024)年11月17日(日)18時00分~18時14分(現地時間)、オーストラリアを訪問中の中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、ダブルツリー バイ ヒルトンホテルにおいて、日米豪防衛相会談、日豪防衛相会談及び日米防衛相会談後の臨時会見を行った。
内容は、以下のとおり。
発表事項
大臣 :本日、日豪防衛相会談でも話が及びましたけれども、マールズ国防大臣から、次期汎用フリゲート艦について、前向きな御発言がありました。そのことは歓迎したいというふうに思います。そして、冒頭発言でございますが、本日実施をしました、日豪防衛相会談及び日米防衛相会談につきましてお話をさせていただきます。
まず、日豪防衛相会談におきまして、本日午後3時15分から約30分間、リチャード・マールズ豪州副首相兼国防大臣と防衛相会談を行いました。マールズ大臣とは、今回が初めての対面での会談となりました。日米豪防衛相会談に引き続き、本会談においても、日豪円滑化協定(RAA)も活用しながら、更に複雑かつ高度な運用協力、そして共同訓練、これを行っていくということで一致をいたしました。また、間もなく統合幕僚監部からオーストラリア国防軍統合作戦本部への連絡官派遣を開始をするということを歓迎をし、日豪の統合司令部間の連携を強化をしていくということを確認をいたしました。さらに、強化された運用面の協力の範囲、目的及び形態に関する議論の進展を歓迎するとともに、我が国のスタンド・オフ防衛機能、そして、その能力、これを活用した反撃能力と豪州の長距離打撃力の協力、そして、新たに立ち上げる審議官級の装備当局間協議、これを通じた防衛装備・産業協力などについて議論をいたしました。今後とも、日豪防衛当局間であらゆるレベルで緊密に連携をしまして、自衛隊とオーストラリア軍の実効的な連携の強化をはじめ、日豪防衛協力の更なる進展を図ってまいります。
そして、日米防衛相会談について申し上げます。日米に関しましては、午後5時5分から約30分間、ロイド・オースティン米国防長官と防衛相会談を実施をいたしました。今回の会談におきましては、指揮・統制枠組の向上、そして南西における日米の共同プレゼンスの拡大、そして防衛産業・技術協力を含め、あらゆる分野で引き続き協力を拡大をしていくということで一致をいたしました。そして、それを確認しました。また、本年12月の在日米宇宙軍の新編を歓迎をしまして、日米の宇宙領域の協力を一層深化をさせていくということで一致するとともに、日米豪をはじめとする地域のパートナーを含めた多国間協力、これを一層強化をしていくということを確認をいたしました。本日の会談の成果を踏まえまして、引き続き、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化及びインド太平洋地域の平和と安定に向けて、日米防衛協力の取組を加速をしてまいります。
質疑応答
豪海軍の新型艦、日本が共同開発の最終候補に残ったと明かした豪国防相の発言について
記者 :大臣冒頭でも少し触れられましが、オーストラリアのマールズ国防大臣が日米豪防衛相会談後の共同記者会見で、オーストラリア政府が導入を計画する新型艦について、共同開発国の候補を日本を含む2カ国に絞り込んだという旨の発言がありました。日豪防衛相会談でも関連するやり取りがあったというふうに伺ってますが、具体的にどのようなやりとりがあったのか、また入札に参加する考えはあるのか受け止めを伺います。
大臣 :日豪防衛相会談においても話が及びました。マールズ国防大臣から、次期汎用フリゲート艦について、前向きな御発言がありました。そのことを歓迎をしたいと思います。その上で、オーストラリア側から、オーストラリア政府の正式な発表はまだ行われていないということを確認をいたしており、オーストラリア政府の正式な発表をお待ちしたいと思います。もし最終選考に正式に残れば、良い提案ができますように、官民一体となって取り組んでいきたいと考えております。
記者 :オーストラリアはですね、準同盟国というような非常に深い関係のところであります。これまでも、今回もですね、豪軍と自衛隊の運用協力を高めていくということでしたけれども、今後、自衛隊の部隊をこちらにですね、ローテーションで展開をしたりといったような考えはありますでしょうか。また、その場合、具体的にどういったものを検討していらっしゃいますでしょうか。
大臣 :非常にオーストラリアは広大な面積もありまして、良好な訓練環境を活かして共同訓練の拡大・強化の充実につきましては、これまで日米豪防衛相会談の機会などに確認をしてきております。お尋ねのローテーション展開につきましては、昨年8月に、将来のローテーション展開を見据えて、航空自衛隊F-35A戦闘機の豪州展開訓練を実施をいたしております。今後も、2025年には、米国で行う「コープ・ノース」及び日本で行います「武士道ガーディアン」、また、2026年には、豪州で行う「ピッチ・ブラック」における日米豪の間のF-35の相互派遣を念頭にいたしまして、詳細を検討していくということとしております。いずれにしましても、豪州において自衛隊が共同訓練等を行うということは、部隊間の相互運用性を向上をし、日豪防衛協力の実効性を高める上で極めて重要でありまして、今後とも米国及び豪州と更に検討を進めてまいりたいと思っております。このローテーションの展開につきましては、豪州におけるローテーションの展開の在り方につきましても、引き続き、日豪間で検討をしていきたいと考えております。
AUKUS(オーカス:米英豪三カ国の安全保障の枠組み)に日本が水中無人機で技術協力することについて
記者 :AUKUSについて、日本が関わる先端技術分野での協力では、水中無人機を最初の協力分野としました。こちらについて、参画する企業ですとか、タイムライン、開発地といった詳細の協議はどの程度進んでおりますでしょうか。
大臣 :本年の9月、AUKUS首脳共同声明及び国防相共同声明におきまして、我が国との海洋無人機システムに関する協力の機会を模索すると発表されております。その協力の機会を模索をする一環といたしまして、本年10月に豪州主催で開催をされました海洋無人機システム等に関する多国間の実験・演習であります「オートノマス・ウォーリアー24」、これに防衛装備庁の専門家などを派遣をいたしました。そして、海洋無人機システムを含めたAUKUS第2の柱に関する米英豪3か国との協力につきましては、同盟国・同志国との間の連携を先進技術面から支えるものでありまして、我が国と米英豪3か国の共通の能力を強化をいたしまして、地域の抑止力・対処力に、その強化に大きく貢献するものであります。この派遣で得られた経験も踏まえまして、AUKUS関係国と引き続き議論を進めて、今後のより具体的な協力の在り方について検討してまいりたいと思っております。
12月に米軍横田基地に新編される在日米宇宙軍など宇宙分野での国際連携について
記者 :先程も少し大臣おっしゃったんですけれども、中国が宇宙開発技術の軍事利用をかなり進めている中ですね、先ほどもお話になったとおっしゃいまいたけれども、日米防衛相会談においてですね、宇宙分野の協力について、もう少しどのような議論が行われたか少しお話しを伺いたいと思います。そしてですね、また今後、日本はこの宇宙分野で、同盟国・同志国とどのような連携を図っていくべきかとお考えでしょうか。
大臣 :防衛省・自衛隊といたしましても、宇宙領域における能力、これを強化をして、我が国の安定的な宇宙利用を確保するに当たっては、国際連携、これが不可欠であると考えております。先ほど実施をしました、日米防衛相会談におきましては、本年12月に在日米宇宙軍、これが米軍横田飛行場に新編をされるということにつきまして、オースティン長官との間で、これを歓迎をいたしました。また、ミサイルの関連技術が我が国の周辺で飛躍的に今向上しておりまして、ミサイル戦力が質・量とも著しく強化をされる中で、極超音速滑空体(HGV)等のミサイルのための地球低軌道の探知・追尾コンステレーションの協力を含め、日米で議論しながら宇宙領域の協力を一層深化をさせていくということでも一致をいたしました。同盟国・同志国との連携につきましては、防衛省は、昨年12月から、宇宙安全保障に関する議論を実施する多国間枠組みである、CSpOイニシアチブに参加しています。この枠組みには、米国や豪州も参加をしておりまして、参加国との情報共有によりまして、効果的・効率的な我が国の能力強化にも資すると考えております。今後とも、同盟国・同志国との協力を更に強化をしつつ、宇宙空間の安定的な利用の確保のための国際的な取組に積極的に貢献をしてまいりたいと考えております。
米軍再編における自衛隊の訓練基盤の確保、米軍との相互運用性などの検討状況について
記者 :自民党の小野寺政調会長がですね、自衛隊の海外駐留に関連して、北マリアナ諸島のテニアンにですね、米軍再編で日本が一部整備するところに、そこについてもですね、検討の余地があるという旨、言及されました。防衛省・自衛隊としてですね、こういった内容について、検討状況はいかがなものなのか、この発言についての受け止めをお聞かせください。
大臣 :自衛隊の能力や練度の維持・向上のために必要な訓練基盤の確保、また、自衛隊・米軍の相互運用性の向上などの在り方につきましては、日米同盟の抑止力・対処力を強化するとともに、その強靱性・持続性を高めていくとの観点から、政府としては不断に検討をしてまいります。その上で申し上げれば、日米地位協定の改定については、石破総理御自身が、一朝一夕で実現するとは思っておらず、まずは喫緊の外交・安全保障上の課題に取り組んでいく必要があると、そして党の中で検討するよう指示したと述べております。そのような感想をもっております。
(以上)
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