中谷防衛大臣が記者会見 ウクライナ戦争終結後の自衛隊の支援部隊派遣の有無や北朝鮮の非核化に向けた日米韓3か国の連携などついて回答(2月18日)
- 日本の防衛
2025-2-20 12:00
令和7(2025)年2月18日(火)09時27分~09時34分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室で閣議後会見を行った。
内容は、以下のとおり。
大臣からの発表事項
なし。
記者との質疑応答
ウクライナ戦争終結後の自衛隊の支援部隊派遣の有無について
記者 :イギリスのスターマー首相が16日、ウクライナ戦争終結後の平和維持軍の一員としてですね、ウクライナにイギリス軍を派遣する用意があると発言しました。かつて日本は金を出すが人は出さないなどと批判されたこともありますけれども、日本政府の対応として、戦争終結後、ウクライナ支援の一環として自衛隊をウクライナに派遣する考えというのはあるのでしょうか、またこうした検討を省内でしたことはあるのでしょうか。以上2点を伺います。
大臣 :ロシアによるウクライナ侵略は、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、このような行為は断じて許されないと思います。ウクライナ支援としては、我が国としまして、これまでUNHCRからの要請を受けて、自衛隊機による人道支援物資の輸送を行っております。自衛隊が保有する防弾チョッキ、ヘルメットをはじめとした装備品の提供ですが、先日、追加提供として車両30台程度を送るということになりまして、2月の2日に第1便として発送をいたしました。また、自衛隊中央病院へのウクライナ負傷兵の受け入れ、また欧州等の有志国が参加しますITコアリション及び地雷除去コアリションの活動への参加、これにつきましては、多国間の地雷除去コアリションというのは、多国間の枠組みでありまして、リトアニア、アイスランドが主導しております。また、ITコアリッションにおきましても、IT支援のための多国間の枠組みで、エストニア、ルクセンブルク、ウクライナの3か国が主導しております。このようなITコアリッション及び地雷除去コアリッションの活動への参加など、様々な取組を行ってまいりました。また、昨年10月に実施した日ウクライナ防衛相会談におきましては、私から、引き続き可能な限りの支援を行っていく旨の伝達をしたところでございます。現時点で戦争終結後の自衛隊の部隊派遣については、予断をもってお答えをする段階にありませんけれども、防衛省・自衛隊として、困難に直面するウクライナの方々を支えるために、国際社会や関係省庁と連携をしながら、状況を注視をし、適切に対応してまいりたいと考えております。
北朝鮮の非核化に向けた日米韓3か国の連携と日本のイニシアチブについて
記者 :アメリカのトランプ政権発足後、初めてとなる日米韓3か国の外相会談がドイツで開かれ、安全保障環境が厳しさを増す中、3か国の結束を強化し、北朝鮮の非核化に向けて連携して対応する方針で一致しました。これについて、防衛分野では、北朝鮮の非核化に向けて日米韓3か国でどう取り組み、対応していくお考えか教えてください。また、3か国の枠組みが重要視される中、ヘグセス氏を巻き込みながらどのように日本のイニシアチブを発揮していくお考えか教えてください。加えて、韓国の政情が不安定で国防相の後任が未だ決まらない中、3か国の閣僚レベルの対話は、代行も含めてどのように進めていく必要があるとお考えでしょうか。
大臣 :我が国としましては、アメリカ、韓国とともに、北朝鮮の核・ミサイル問題にともに対処する必要性や、国連の安保理決議に沿った北朝鮮の完全な非核化に対する確固たるコミットメントを累次の機会に確認をしてきております。今回の3か国の共同声明につきましては、防衛省としては、北朝鮮の非核化に向け、関係国とも連携をしながら警戒・監視活動などを通じて、国連安保理決議の実効性の確保に取り組んでまいります。また、このような北朝鮮による核・ミサイル開発をはじめ、我が国が戦後最も厳しく、複雑な安全保障環境に直面する中、日米韓3か国の連携は地域の平和と安定にとって不可欠であります。これまで防衛省としましては、北朝鮮のミサイル警戒データのリアルタイム共有、また、複数領域における3か国共同訓練の「フリーダム・エッジ」、この実施をはじめ具体的な協力を進展をさせてきたということでございます。また、先月の日米防衛相電話会談におきましても、私から、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため、日米及び韓国を含む地域のパートナーが、引き続き緊密に連携することの必要性を確認をしたところでございます。お尋ねの日米韓防衛相会談につきまして、現時点で具体的なことは決まっておりませんが、防衛省としては、引き続き様々なレベルでの意思疎通を継続をするとともに、3か国協力強化のための取組を継続をしていくということで、地域の平和と安定に貢献をしていく考えであります。
(以上)
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