中谷防衛大臣が記者会見 C-17の購入意欲報道やF-35Bの新田原基地での垂直着陸訓練についてなど(2月28日)
- 日本の防衛
2025-3-3 12:22
令和7(2025)年2月28日(金)08時38分~08時47分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、参議院 本会議場議員食堂前で閣議後会見を行った。
内容は、以下のとおり。
大臣からの発表事項
ブレークスルー研究のプログラムマネージャ募集について
大臣 :ブレークスルー研究のプログラムマネージャについて話します。
防衛省は、昨年10月に防衛イノベーション科学技術研究所を新設をいたしました。この研究所では、リスクを取りながら挑戦的な目標に果敢に挑戦をする、いわゆるブレークスルー研究を実施をしてきております。今年度公募によって選ばれた十数人のプログラムマネージャの下で研究が進んでおります。
この度、令和6年度に引き続き、令和7年度においても、先ほど述べたブレークスルー研究の企画、また進捗管理を行っていただくプログラムマネージャを募集することにいたしました。募集期間は、2月27日から3月26日までを予定をいたしております。防衛省としては、様々な先端技術に関する高度な専門的知識を有し、かつ、従来の常識にとらわれない柔軟な発想ができる意欲にあふれる人材に、プログラムマネージャに就任をしていただき、独創的・革新的な研究を力強く進めていただくことで、防衛省発のイノベーション技術の創出を目指していきたいと考えております。
募集の詳細につきましては、防衛装備庁のホームページに掲載しておりますので、将来の防衛省・自衛隊、そして社会全体を大きく変えるような新たな技術創出に、果敢に取り組んでいただける方の御応募をお待ちをしております。
記者との質疑応答
「石破総理がC-17輸送機の購入に意欲」との報道について
記者 :日米首脳会談の関係で伺います。石破首相がC-17を念頭に米国製輸送機の購入に意欲を示したとの一部報道ございますけれども、この件の事実関係と経緯を教えてください。またですね、C-17に関して、自衛隊のニーズとマッチしていないのではないかとの声も聞きますが、導入する場合のメリットを大臣御自身としてはどのように考えるか、2点伺います。
大臣 :報道があったことは、承知しておりますけれども、日米首脳会談の内容の詳細に関しましては、外交上のやり取りでありますので、お答えすることはできませんが、御指摘は米国製の輸送機の購入でありまして、これについては現時点で何ら決まっているものはありません。
記者 :自衛隊にはC-2とかですね、輸送機がいろいろあると思うのですけれども、C-17、これを購入するメリットというのは大臣御自身の見解で構わないです。その点を伺えますでしょうか。
大臣 :現時点で、このことにつきましては、何ら決まったことはありません。
新田原基地に導入されるF-35Bについて
記者 :26日に九州防衛局が、航空自衛隊新田原基地に導入されるF-35Bに関して、これまで「緊急時を除き」としていた垂直着陸訓練を夜間を含めて同基地で実施すると発表しました。これを受けて町内からは不満や不安の声が上がっています。大臣の受け止めと今後、不安を解消するために防衛省はどのように取り組むのでしょうか。説明会などを開くなど計画がありましたら教えてください。
また、機体の導入時期や訓練開始の時期のめど、それと本年度新設される臨時F-35B飛行隊について、発足時期、もし具体的なスケジュールが決まっていれば、隊長名や、人員の配分、例えば、約110人というふうにお聞きしていますが、パイロットが何人で、例えば整備担当が何人など、もしそういうものが具体的にあれば教えてください。また、実機が配備されるまでの訓練内容も教えてください。
大臣 :F-35Bについて、これまで、配備先であります新田原基地においては、緊急時などを除いて垂直着陸、これは行わずに、馬毛島において垂直着陸訓練を実施するということを想定をしている旨を説明してまいりました。ところが、馬毛島の施設整備の状況を見てみますと、今のところ令和11年末になることを目指しておりますけれども、このことを踏まえますと、垂直着陸訓練の一部を新田原基地で実施をさせていただきたいとの意向を、26日の水曜日、九州防衛局を通じまして関係自治体等にお伝えをいたしました。
地元の皆様に様々な御意見があることは承知しておりますが、今後、住民の説明会の開催等も含めまして、関係自治体等と必要な調整を行いまして、防衛省としましては、真摯に対応させていただく考えでございます。
今後の予定に関しましては、臨時F-35B飛行隊、これ仮称でありますけれども、これについては、機体の納入に先立ちまして、令和6年度末に新田原基地において約20名の新編を予定をしております。臨時のF-35Bの飛行隊の詳細な新編時期や人員の配置の詳細、機体の納入時期、訓練開始の時期といった事柄につきましては、現在調整中であります。
今後も引き続き、関係自治体等と緊密に連携しつつ、検討・調整の進展も踏まえながら、地元の皆様に対して、丁寧な御説明と適切な情報提供をしっかり行ってまいりたいと考えております。
防衛産業の事業継続について
記者 :防衛産業の事業継続について伺います。ダイキン工業が白リン発煙弾の製造から撤退することが分かりました。人道面を問題視した欧州の投資家が同社株を相次ぎ売却したことが一因とも言われています。投資家の動向を見て事業撤退する企業が今後も出てくると自衛隊の継戦能力に問題が出てくると考えますが、防衛省として投資家から企業への圧力をどのように守っていくお考えでしょうか。
大臣 :御指摘の個別事案については、ダイキン社から正式に発表された情報はないと承知をいたしております。御指摘のですね、陸上自衛隊が使用している白リン発煙弾、これは煙幕を発生させたり、目標を指示するために使用する弾薬でありまして、煙幕の発生には白リンを用いるものを言いますが、その上で強調しておきたいのはですね、我が国の防衛産業というのは、我が国の平和と独立、そして自由と民主主義を守るために大変重要な役割を負っているということであります。投資家による防衛産業への投資の拡大は、そうした防衛産業の成長をより持続可能なものとして、防衛産業の技術基盤の強化にも資すると考えております。
防衛省としましても、こうした防衛産業の持つ社会的な意義と役割、投資家も含めた幅広い層に御理解をしていただけるように積極的に広報をしてまいりたいと考えております。御指摘のヨーロッパにおける動向を見ましても、例えばEUの防衛産業戦略においては、金融セクターを巻き込みつつ、防衛産業に対する投資、これを確保することの重要性が明確に打ち出されているわけでございます。また、投資家側においても、ロシアのウクライナ侵略を契機といたしまして、防衛産業は民主主義や人権を守る手段になり得るとして、防衛産業の役割に注目が集まっているという見方もあると承知をしております。
いずれにしましても、引き続き、防衛産業との間で、現状や課題につきまして率直な意見交換、そして丁寧な意思疎通を行いつつ、防衛省としましては、防衛生産基盤強化法に基づく措置をはじめとして、防衛生産・技術基盤の強化に向けた各種取組を強力に進めてまいりたいと考えております。
(以上)
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