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石破総理大臣、第30回日・EU定期首脳協議に参加(7月23日)

  • 日本の防衛

2025-7-25 10:51

 外務省は7月23日(水)、同日に行われた第30回日・EU定期首脳協議について以下のように公表した。

第30回日・EU定期首脳協議

日・EU定期首脳協議 写真提供:内閣広報室
日・EU定期首脳協議 写真提供:内閣広報室
共同記者発表 写真提供:内閣広報室

 7月23日、午後5時15分から約60分間、石破茂内閣総理大臣は、訪日中のアントニオ・コスタ欧州理事会議長(H.E. Dr. António Luís Santos da Costa,President of the European Council)及びウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長(H.E. Dr. Ursula von der Leyen, President of the European Commission)との間で、第30回日・EU定期首脳協議を行いました。

 また、定期首脳協議後の共同記者発表に続いて、午後6時55分から約60分間、ワーキング・ディナーを行ったところ、定期首脳協議及びワーキング・ディナーの概要は以下のとおりです。また、今回の定期首脳協議に際し、日・EU共同声明、「付属書Ⅰ:成果と優先事項」及び「付属書Ⅱ:日・EU競争力アライアンス」が発出されました。

1.冒頭

(1)冒頭、石破総理大臣から、コスタ議長及びフォン・デア・ライエン委員長の訪日に歓迎の意を示しました。

(2)石破総理大臣から、日本とEUは、互いにとって欠かせない、強固な志を同じくするパートナーである旨述べました。また、国際情勢が激動する中で、同志国間の協力がこれまで以上に重要であり、グローバル・ガバナンス、多国間主義及び法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、EUと緊密に協力していきたい旨述べました。

(3)コスタ議長及びフォン・デア・ライエン委員長は、大阪・関西万博を視察し、日本館を始め大変感銘を受けた旨述べました。さらに、EUにとって日本はインド太平洋地域において最も緊密な戦略的パートナーであり、変化の大きい国際情勢において価値を共有するパートナーは重要であり、日・EU経済連携協定(EPA)は協力の基盤である旨述べました。

2.日・EU関係

(1)日本とEUは、欧州とインド太平洋の安全保障が不可分であり、日・EUの安全保障協力の重要性が一層増しているという認識の下、昨年11月に公表した日・EU安全保障・防衛パートナーシップに基づき、サイバー、防衛産業、海洋安全保障、宇宙、情報等の分野での協力を着実に実施していくことで一致しました。

(2)双方は、日・EU防衛産業対話の立上げに向けた協力の進展を歓迎しました。

(3)双方は、日・EU情報保護協定の正式交渉開始で一致したことを歓迎しました。

(4)双方は、国際経済秩序が不確実性を増す中、信頼できるパートナーである日・EUが、日EU・EPAも活用しながら経済面でも連携を強化していくことで一致しました。

(5)双方は、国際貿易や経済安全保障について議論し、WTOを中核とする多角的 貿易体制を守ることを含め、安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持・強化に共に取り組むことで一致しました。

(6)双方は、「日・EU競争力アライアンス」の立ち上げ、経済安全保障、産業政策、イノベーション政策、エネルギー等の幅広い分野で具体的な協力を推進することで一致しました。

(7)双方は、本日議論した経済上の様々な課題について日・EU間の戦略的な協力を強化していくため、日・EUハイレベル経済対話の参加閣僚を拡大することで一致しました。

3.国際場裏における連携

 双方は、気候変動等の地球規模課題について議論し、日・EU間でこれらの分野においても協力を推進することで一致しました。

4.地域情勢

 双方は、ウクライナ情勢、中東情勢、東アジア情勢等の地域情勢についても意見交換を行い、コスタ議長及びフォン・デア・ライエン委員長は、ロシアのウクライナ侵略に関する我が国のウクライナ及び欧州への連帯に感謝する旨述べ、両者は引き続き日・EUで緊密に連携していくことを確認しました。また、石破総理大臣は、拉致問題の即時解決に向け、引き続きのEUの理解と協力を求め、支持を得ました。

(以上)

(参考1)第30回日EU定期首脳協議 共同声明 骨子

冒頭:戦略的パートナーシップの強化

日本とEUは、価値と原則を固く共有。複雑化する地政学的状況を背景として、より緊密な協力がこれまで以上に重要。
日EU・戦略的パートナーシップ協定(SPA)、日EU経済連携協定(EPA)を法的基盤として、パートナーシップを強化。
国連憲章を中核とする国際法を尊重しつつ、効果的、包摂的、公平かつ安定したグローバルガバナンス、多国間主義、法の支配に基づく国際秩序への強いコミットメントを維持。有志国とも協働。

安全保障・防衛協力

欧州とインド太平洋の安全保障は不可分。日EU安全保障・防衛パートナーシップを基に安全保障・防衛協力を強化。(サイバーセキュリティ、ハイブリッド脅威、海洋安全保障、宇宙安全保障、軍縮・不拡散、女性・平和・安全保障(WPS)等)
日EU防衛産業対話の立ち上げに向けた協力。
日EU情報保護協定の正式交渉開始。

ルールに基づく国際経済秩序への貢献、経済安全保障・経済強靱性の深化、競争力の強化

安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持と強化に貢献。経済安全保障面では、重要鉱物を含むサプライチェーンの強靱化や戦略的依存の低減、経済的威圧及び非市場的政策・慣行への対応、重要・新興技術の促進・保護、エネルギー分野等の協力を推進。
日EUの競争力強化と成長のため競争力アライアンスを立上げ。戦略的な経済協力強化のためハイレベル経済対話を拡大

国連中心の多国間主義の支持

国連80周年:国連憲章と基本原則を支持。
気候変動・環境問題:パリ協定、昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施を支持。気候変動COP30の成功にコミット。

地域情勢

ロシアのウクライナ侵略:公正かつ永続的な平和実現へのコミットメントを強調。ウクライナ支援へのコミットメントを確認。制裁を含め露への圧力を継続。ロシアに対する継戦能力支援を非難、ロシアへのあらゆる支援を直ちに停止するよう要求。露朝軍事協力の増大を強く非難。
東シナ海・南シナ海:力又は威圧による一方的な現状変更の試みに引き続き強く反対。南シナ海における係争地形の軍事化、威圧と脅迫に対し深刻な懸念を表明。
台湾:台湾海峡の平和と安定の重要性を強調。力又は威圧による一方的な現状変更の試みに反対。
北朝鮮:朝鮮半島の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な非核化に対するコミットメントを改めて確認。暗号資産窃取に対し深刻な懸念及び共に対処する必要性を表明。拉致問題の即時解決を強く要求。
イスラエル・イラン:敵対行為の停止を歓迎。全ての当事者に対し、国際法の遵守、自制、エスカレーションに繋がりうる行動を控えることを求める。イランがIAEAとの協力を再開することを求める。

(参考1)第30回日EU定期首脳協議 共同声明(仮訳)

 我々、日本と欧州連合(EU)の首脳は、2025年7月23日、日本・東京において、第30回日EU定期首脳協議を開催し、以下のとおり決定した。

1. 日EU戦略的パートナーシップは、今日ほど強固になったことはなく、これまで以上に重要である。日本とEUは、法の支配、基本的自由、民主主義、人権、開かれた自由で公正な貿易を含む価値と原則を固く共有している。我々は、日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)及び日EU経済連携協定(EPA)を法的基盤として、あらゆる面でパートナーシップをさらに強化していく。

2. 変化し、複雑な世界の地政学的状況、特に、ロシアのウクライナに対する侵略戦争、自由で開かれたインド太平洋に対する深刻な挑戦並びにその他の地域及び国際的な問題を背景として、我々のより緊密な協力はこれまで以上に重要になっている。

3. 我々は、これらの課題に対処するために志を同じくする国際的パートナーと協力にコミットし、これにより、国連憲章を含む国際法を尊重しつつ、効果的、包摂的、公平かつ安定したグローバルガバナンス、多国間主義及び法の支配に基づく国際秩序への強いコミットメントを堅持する。

安全保障・防衛協力

4. 欧州とインド太平洋の安全保障は相互に連関している。我々は、防衛力を強化するための日本とEUそれぞれの取組を評価し、特に、外相戦略対話及び日EU局長級安全保障・防衛対話を通じ、安全保障・防衛分野における日EU間の更なる協力を模索することで一致している。

5. 日本とEUは多くの共通の課題に直面しており、サイバーセキュリティ、外国による情報操作及び干渉(FIMI)を含むハイブリッド脅威、海洋安全保障、宇宙安全保障、軍縮・不拡散、女性・平和・安全保障(WPS)等の分野において、日EU安全保障・防衛パートナーシップを実施するために協力することにコミットしている。

6. 我々は、防衛産業基盤を強化することが日本とEUにとって共通の優先事項であることを認識しており、日EU防衛産業対話の立ち上げ及び防衛産業分野における更なる協力を期待する。

7. 我々は、国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に従った、航行及び上空飛行の自由の確保や、重要な海底インフラの保護を含む海洋安全保障の重要性を認識する。

8. 我々は、日EU情報保護協定の正式交渉の開始を歓迎する。

ルールに基づく国際経済秩序への貢献、経済安全保障及び強靱性の深化、競争力の強化

9. 過去50年間にわたり育んできた経済的パートナーシップに基づき、日本とEUは、安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序の維持と強化に引き続き貢献する。我々は、世界貿易機関(WTO)を中核とする自由でルールに基づく多角的貿易体制を堅持するための日EUの協力及び我々の連携した取組を通じたとりわけ公平な競争条件を確保することを目的としたその他の多数国間協力の取組の促進の重要性を再確認する。

10. 我々は、強靱で持続可能な経済成長を維持するため、増大する共通の経済安全保障上のリスクに共同で対処すること及びG7やOECDなどの国際的なフォーラムにおける議論を共同で主導することの重要性を再確認する。

11. 我々は、重要鉱物のサプライチェーンの強靱化と多角化を含む、サプライチェーンの強靱性の向上と戦略的依存関係の低減に関する協力を強化し、経済的威圧と非市場的政策及び慣行に対処する。我々は、重要技術及び新興技術の促進及び保護のための協力を強化する。我々はまた、ネット・ゼロに向けた多様な道筋の重要性を認め、エネルギー分野における緊密な協力を確認する。

12. この文脈において、我々は、日EU間の協力を通じて双方の競争力を戦略的に一層強化し、共に成長するために、日EU競争力アライアンスを立ち上げる。

13. 我々は、日EU・EPAの完全かつ効果的な実施が、我々の貿易・投資関係の強靭性の強化及びEPAがもたらす機会から市民及びビジネス界が十分に利益を得ることの確保のために重要であることを認識する。我々は、2025年5月8日に東京で開催された第6回日EUハイレベル経済対話における議論を歓迎し、特に、投資機会の促進を含む、経済安全保障、貿易及び産業政策等の重要な分野における日EU間の戦略的な経済上の協力を強化するため、日EUハイレベル経済対話の拡大を承認する。

14. 我々は、日EUグリーン・アライアンス、持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ並びに日EUデジタルパートナーシップに基づく強化された協力を引き続き推進する。

国連中心の多国間主義の擁護

15. 国連へのグローバルなコミットメント及び国際法の尊重を強化することは不可欠である。今日の多国間秩序の中核である国連は、2025年に80周年を迎える。日本とEUは、国連憲章とその中に定められた基本原則を堅持し続ける。我々は、より効果的で、費用対効果が高く、透明性があり、対応力のある国連を実現するためのUN80イニシアティブの推進を含め、強く、予測可能で、信頼できる国連のパートナーであり続ける。

16. 我々は、平和・安全保障、貿易、人権・ジェンダー平等、軍縮・不拡散、宇宙、気候・環境、人道援助、開発、テロ・国際組織犯罪との闘い、サイバー・AI、研究、教育・文化、労働、運輸等、多国間主義に基づく様々な分野における日EU協力の継続的な拡大を高く評価する。

17. 我々は、気候変動、生物多様性の損失及び汚染という三重の地球規模危機が存亡に関わる脅威であることを認識し、パリ協定、生物多様性条約第15回締約国会議で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組及びその他の関連する多国間環境協定及び枠組と断固として共にある。我々は、グローバルで、公正かつ包括的なグリーン移行を加速するために、すべてのパートナーと協力する。我々は、COP30の成功
に貢献することに引き続きコミットしており、この決定的な10年間及びその後において、世界的に更なる緩和の野心が求められることを強調する。

地域情勢

18. 我々は、国際法、特に国連憲章の明白な違反を構成する、ロシアのウクライナに対する侵略戦争への断固とした非難を改めて表明する。

19. 我々は、ウクライナにおける包括的で公正かつ永続的な平和を確保するための我々のコミットメントを強調し、これは、国際的に認められた国境内におけるウクライナの独立、主権、領土一体性を尊重するものである。我々は、必要とされる限り、ウクライナに政治、財政、経済、人道、安全保障・防衛、外交に関する継続的な支援を提供するという揺るぎないコミットメントを再確認する。我々は、ロシアの侵略戦争を終結させ、国連憲章の諸原則に基づく包括的で公正かつ永続的な平和を回復する目的で、完全で無条件の停戦及び真の平和のための意義のある対話を求めるウクライナ及び国際的なパートナーに加わる。

20. 進展がない間、我々は、制裁及び制裁迂回策に対処するための措置を通じたものを含め、ロシアに対し、引き続き圧力をかける。我々は、全ての適用可能な法令及びそれぞれの法制度と整合的に、ロシアがウクライナに対する侵略戦争をやめ、ウクライナに対して自らが生じさせた損害に対してロシアが支払い行うまで、我々の管轄下にあるロシアの国家が有する資産を引き続き動かせないようにしておくべきことを確認する。我々は、ウクライナに対する侵略犯罪に関する特別法廷の設立への支援を含め、ロシアの侵略戦争に関連して犯された戦争犯罪及びその他の重大犯罪について、完全な説明責任を確保することにコミットしている。我々はまた、ウクライナドナープラットフォームや2025年7月のローマにおけるウクライナ復興会議を通じた、ウクライナの復旧、復興及び再建への支援に引き続きコミットする。

21. 我々は、ロシアのウクライナに対する侵略戦争を継続させることを可能にする第三者及びその中の行為者や団体による支援を非難し、全ての当事者に対し、制裁迂回支援やロシアへのデュアルユース製品の提供を含む、ロシアへのあらゆる直接的又は間接的な支援を直ちに停止するよう強く求める。我々は特に、ロシアの北朝鮮との拡大する軍事協力を強く非難する。我々は、ロシアから北朝鮮へのいかなる支援も、朝鮮半島の既に緊迫した状況を悪化させる可能性があるという懸念を共有している。我々は、ロシア及び北朝鮮に対し、全てのそのような活動を直ちに停止し、国連憲章及び全ての関連する国連安保理決議を遵守するよう強く求める。

22. 我々はまた、モルドバ共和国の主権と領土の一体性に対する継続的な支持を再確認し、ロシアによるウクライナ侵略戦争の影響や、特に、議会選挙を控え、外国勢力やその代理人によるモルドバの民主主義に対する干渉の試みへの対処における、モルドバの強靱性を強化する。

23. 日本とEUは、自由で開かれたインド太平洋における平和と繁栄を促進するために国際法を堅持することの重要性を確認する。我々は、東シナ海及び南シナ海における状況に関する深刻な懸念を改めて表明し、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも引き続き強く反対する。我々は、南シナ海における係争地形の軍事化、威圧と威嚇に対し、深刻な懸念を表明する。我々は、航行及び上空飛行の自由の堅持、国際法、特に国連海洋法条約(UNCLOS)に従った紛争の平和的解決の重要性を再確認する。我々は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する。我々は、台湾に関する基本的な政策に変更はないことを再確認する。我々は、両岸問題の平和的解決を促す。我々は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも反対することを改めて表明する。

24. 我々は、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の進展を強く非難し、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な非核化へのコミットメントを再確認する。我々はまた、全ての国連加盟国に対し、全ての関連する国連安保理決議を完全に履行するよう求める。我々は、暗号資産の窃取を含む北朝鮮の悪意あるサイバー活動に対する深刻な懸念及びこれに共に対処する必要性を表明する。我々は、北朝鮮に対し、人道援助機関に対するアクセスの許可、人権の尊重、そしてとりわけ拉致問題の即時解決を強く求める。

25. 日本とEUは、中東における地域の平和と安定の促進にコミットしている。我々は、ガザにおける即時かつ恒久的な停戦の実現、全ての人質の解放及び人道的行動の原則に沿った、ガザへの人道援助の妨げのない流入へのコミットメントを再確認する。我々は、全ての当事者が常に、人道支援従事者を含む全ての民間人の保護を確保しなければならないことを想起する。我々は、二国家解決に基づく永続的で持続可能な和平を追求することの重要性を強調する。我々は、西岸地区の情勢の更なる悪化を強く非難する。我々は、平和で包摂的で安定した政治的な未来に向けて努力するシリアの人々への支援を表明する。我々はまた、レバノンの安定化、復興及び改革に向けた努力への支援を表明する。

26. 我々は、イスラエルとイランとの間の敵対行為の停止を歓迎し、全ての当事者に対し、国際法を遵守し、自制を示し、新たなエスカレーションにつながり得る行動を控えるよう強く求める。我々は常に、イランによる核兵器の獲得は決して許されてはならないこと、及び、イランは同国の包括的保障措置協定を含む、核兵器不拡散条約(NPT)の下での法的拘束力のある原子力保障措置義務を遵守しなければならないことを明確にしてきた。我々はイランに対し、イランの核不拡散に関する義務及びコミットメントの遵守を検証する責任を負う唯一の公平な国際機関であるIAEAとの完全な協力を再開するよう求める。これは、この問題の外交的解決にとって重要となる。さらに、我々は、国際的な核不拡散体制の礎としてのNPTの中心的な役割を強調し、イランがNPTの締約国であり続け、NPTの下での義務を完全に履行することが不可欠であると考えている。我々は、緊張を緩和するための、また、交渉によってのみ達成され得る、イラン核問題の永続的、包括的で検証可能な外交的解決をもたらすためのあらゆる外交努力に引き続き貢献していく。我々は、また、ロシアとイランとの間の軍事協力に対する懸念を表明する。

27. 日本とEUは、アフガニスタンにおける悪化する人道・人権状況を重大な懸念をもって留意する。我々は、タリバンがアフガニスタンの全ての国際法上の義務、特に人権に関する義務を完全に遵守することを確保する責任及びアフガニスタンがテロの安全な避難所にならないようにする責任を強調する。

結論

28. 我々は、大阪・関西万博の成功裏の開催を歓迎する。

29. 我々は、二国間関係において達成された実質的な進展を認め、戦略的パートナーシップの更なる強化へのコミットメントを再確認する。

(参考2)第30回日EU定期首脳協議(2025年7月23日) 共同声明付属書Ⅰ(仮訳):成果と優先事項

 日本とEUは、共に以下を達成する。

Ⅰ.安全保障・防衛協力

・日EU安全保障・防衛パートナーシップに基づき、以下の分野における二国間協力と対話を強化・深化させる。

a)防衛産業
・防衛産業基盤を強化することが日EUにとって共通の優先事項であることを認識し、双方の防衛産業が主催する日EU防衛産業対話を立ち上げること、及び安全保障・防衛パートナーシップ実施の文脈を含め、防衛産業分野における更なる協力を期待する。

b)サイバーセキュリティ
・サイバー関連脅威の状況認識に関する意見交換、及び共同での外交対応における調整を強化するとともに、第三国とのサイバー能力構築促進に協力する。

・EUのサイバーレジリエンス法及び日本のIoT製品に対するセキュリティラベリング制度(JC-STAR)の基準策定における専門家間の協力を歓迎し、G7においても議論されたように、IoT製品のサイバーセキュリティにおいてサイバー脅威の技術的および非技術的な側面の両方を考慮する重要性を認識する。

・サイバー空間における国家の責任ある国家の行動に関する国連枠組み、及び将来の恒久的な国連メカニズムとしての国連サイバー行動計画(PoA)の立ち上げを促進する。

・日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)の枠組みにおいて、協力のためのパイロット・プロジェクトの機会を特定する。

・「日米EU産業制御システムサイバーセキュリティウィーク」等を通じて、インド太平洋地域におけるサイバーセキュリティ技能の向上に向けた協力を模索する。

c)海洋安全保障
・日EU海賊対処共同訓練に係る取決に基づく協力を含む、具体的な海軍種間の協力を促進することにコミットする。

・ソマリア沖アデン湾における海賊対処共同訓練を実施し、第三国を含む更なる合同訓練を模索することに誓約する。

・「アジア及びインド太平洋における安全保障協力の強化」(ESIWA+)の枠組みにおける海洋安全保障分野における能力構築協力を歓迎し、特にEUが資金提供する関連プロジェクトとの相乗効果を高めることで、インド太平洋全域における更なる協働の機会を模索する。

d)外国による情報操作及び干渉(FIMI)
・外国による情報操作及び干渉(FIMI)に関する脅威の評価、方法論、対応に関する情報を共有し、一層の調整と運用協力の機会を模索するため、外国による情報操作・干渉に関する日EU対話を開始する。

e)宇宙安全保障
・国連を含む多国間及び二国間の場において、宇宙空間における責任ある行動の規範、ルール及び原則を共同で促進するために調整する。

・宇宙空間における軍備競争の防止のあらゆる側面に関するオープンエンド作業部会(OEWG)において、調整と協力を継続する。

f)軍縮・不拡散
・様々な地域・国際フォーラムにおいて、軍縮、不拡散、通常兵器(小型武器・兵器を含む)、及びAIの責任ある利用に関する協力を深化させる。

・国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石として、核兵器不拡散条約(NPT)の重要性を再確認する。

・包括的核実験禁止条約(CTBT)、化学兵器禁止条約(CWC)、生物兵器禁止条約(BTWC)、その他の主要な多国間文書、並びに輸出管理体制における協力を促進する。

・80年間の核兵器不使用の記録、核軍縮・不拡散教育の重要性を強調する。

g)情報保護協定(SIA)
・日EU情報保護協定の正式交渉の開始を歓迎する。

h)気候、平和と安全保障
・気候変動が国際の平和及び安全に及ぼす影響の認識促進にコミットする。

・気候安全保障上の脅威の認識と対応に関する協力を深化させる。

i)女性・平和・安全保障(WPS)
・女性・平和・安全保障に関するコミットメントの実施におけるベストプラクティスの共有を行い、国連安全保障理事会決議1325を遵守することに対するコミットメントを強調する。

・女性・平和・安全保障分野における連携を模索する。

j)制裁
・制裁及びその迂回に対する闘いにおける二国間協力を強化することで一致する。

Ⅱ.経済

a)経済連携協定(EPA)
・ルールに基づく自由で公正な国際経済秩序の強力な推進者である日本とEUの間のEPAの完全かつ効果的な実施の重要性を強調する。

・貿易及び投資関係の強靭性を強化するためのEPAの着実な実施を歓迎し、また、我々の市民及びビジネス界がEPAがもたらす機会から十分な利益を得られるよう確保する。

・データの自由な流通に関する規定を含む日EU・EPA改正議定書の発効を歓迎し、これを信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を前進させる上での更なる一歩として認識する。

・地理的表示(GI)に関し、我々の良好な協力が継続していること、特に、保護されるGIのリストに日本及びEUのGIを新たに追加するための現在の取組を歓迎する。

・EPAにおける衛生植物検疫措置(SPS)のコミットメントを完全に尊重し、不当に遅延することなく実施することにコミットし、EUレベルで統一された要素についての重複した評価を避けつつ、双方にとって迅速で簡素化された輸入手続を確保する。

・地域主義の相互承認プロジェクトの完了に向けて加速し、特に高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)に関して、2025年末までの円滑な履行を確保し、豚疾病(アフリカ豚熱及び豚熱)に関する地域主義の相互承認に関して、不当な遅延なく完了することを念頭に、地域主義の相互承認プロジェクトの枠組み内で、議論を継続する。

・植物製品に関し、これまでのコミットメントに沿って、リンゴに関するグルーピング・パイロット・プロジェクトに係る進展があったことに留意する。果物に関する未解決の輸出要請を、科学的根拠に基づき、不当な遅延なく最終化し、また、リンゴに関するパイロット・プロジェクトに係る緊密な協力を継続する。

・気候及び開発目標を支援するプロジェクトの展開を促進することを念頭に、特に、その建設及び維持を促進することに関し、洋上風力エネルギーに関する協力を継続する。

・EPAにおける政府調達規定の効果的な実施を確保する。

・EPAの付録二-C-2における関連する国際連合規則を適用する日付を確認する。

b)WTO
・WTOを中核とした自由でルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化を目指す。

・ガバナンス並びに交渉、監視、審議及び紛争解決を含むWTOの全ての機能を改善することにより、現在の貿易関連の課題に効果的に対応できるよう、WTOの必要な改革に向けた作業を続ける。

・電子商取引協定及び開発のための投資円滑化協定をWTOの法的枠組みに迅速に組み込むようWTO加盟国に働きかけるとともに、当該協定への更なる参加と実施を促進するために緊密な協力を続ける。

・公平な競争条件の確保に向けて引き続き協調する。

c)経済安全保障
・拡大された様式を含む日EUハイレベル経済対話、日EUデジタルパートナーシップ及びG7等の関連する対話や枠組みの下での取組をもとに、サプライチェーンの強靭性、経済的威圧並びに非市場的政策・慣行及びこれらに起因する過剰生産への対処に関する協力を通じたものを含む、広範な経済安全保障上の課題に取り組む。重要・新興技術の促進及び保護に関する協力を強化する。

・透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性からなる、G7の強靭で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則を考慮した基準を部門ごとに策定するための共同作業に向けて、戦略的物品及び部門を特定することを通じたものを含め、透明、強靭で持続可能な戦略的物品のサプライチェーンの構築に向けた共同の取組を加速する。

・経済安全保障と強靭性の強化に向けた取組において、持続可能で安定した成長を確保しつつ、新興市場及び途上国とさらに連携する。

・重要鉱物及び材料並びに低炭素エネルギー産業サプライチェーンの特定国による支配が、日EU双方に経済安全保障上のリスクをもたらすとの認識を共有し、世界的なサプライチェーンの重大な混乱につながり得る、とりわけ重要鉱物及び永久磁石等の派生品の輸出管理措置に対する懸念を表明する。

d)投資、ビジネス及び産業協力
・安全で持続可能な低炭素エネルギー製造や重要原材料を含む戦略的物品及び部門の特定等、サプライチェーンの強靭性及び競争力に関連する事項に関し、拡大されたハイレベル経済対話を通じたものを含め、日EU間の経済協力を強化する。

・前述の部門におけるものを含む産業政策協力の深化及び特に日EU産業政策対話を通じた投資及びビジネス協力の促進によって競争力を促進する。

・日・EUビジネス・ラウンドテーブル(BRT)を通じたものを含むビジネス協力を促進する。

・日欧産業協力センターとの連携を継続する。

・高い基準を堅持し、経済、社会及び環境に関する目標を達成しつつ、規則を簡素化し、日本及び欧州の企業及び市民の行政上の負担を軽減することを念頭に、より良い規制と簡素化に関する意見交換を深化させる。

e)競争
・発展する市場及びイノベーションに対応した公正な競争を確保するため、競争政策に関する対話を強化する。

Ⅲ.デジタル

・2025年5月12日の日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合で発表された共同声明及び成果を歓迎する。

・国連グローバル・デジタル・コンパクトを含む、国際法と基準に根ざした効果的な多国間主義を保護及び促進し、世界的なデジタル変革を進めるために取り組む。

・イノベーション並びに重要及び最先端技術に関する協力を継続し、データガバナンス、AI、オンラインプラットフォームなどの分野において、デジタルソリューションの相互運用性及び政策の整合性に向けて、デジタルパートナーシップの下で協力を拡大する。

・広島AIプロセスを推進するための協力を継続し、このイニシアチブに世界中のより多くの企業が参加することを奨励するために協力する。

・データスペース及びより強靭で信頼できるサプライチェーンを含め、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を強化するために、データガバナンスに関する協力を継続する。

・DFFTの促進に資する、EUによる日本への十分性認定の対象範囲を学術研究分野及び公的部門に段階的に拡大するための継続中の協議が迅速に妥結することを期待する。

・DFFTの実施に貢献するため、デジタル・アイデンティティ及びトラストサービスに関する協力覚書を継続して実施する。これには、パイロット・プロジェクトを通じた学修歴証明の相互運用及び相互承認に向けた取組が含まれる。

・OECDにおけるパートナーシップのための制度的アレンジメント(IAP)を通じたものを含むDFFTの推進などを目的として多国間フォーラムでの協調を強化するため、二国間協力での成功を基盤とすることにコミットする。

・量子科学技術分野における協力強化に関する協力趣意書への署名を歓迎する。

・昨今の海底ケーブル損傷事件に関する増大する懸念を共有し、この問題への対処における協力を検討する。

・海底ケーブルの安全性及び強靭性の向上並びに北極圏の接続性を含むグローバルな接続性の強化のための政策課題について、海底ケーブルプロジェクトの商業的な実現可能性を考慮しつつ議論するための合同作業部会を設置する。合同作業部会の成果は、2026年の日EUデジタルパートナーシップ閣僚級会合でレビューされる。その結果は、次回の日EU定期首脳協議に報告される。

・スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律及びEUデジタル市場法に関し定期的な意見交換を行うことにより、公正で競争可能なデジタル市場の促進のために協力する。公正取引委員会(JFTC)並びに欧州委員会通信ネットワーク、コンテンツ・技術総局及び競争総局との間の協力取決めへの署名を歓迎する。

・研究開発及び経済安全保障を含む既存の協力覚書に基づき半導体に関する協力を拡大する。

Ⅳ.気候変動、生物多様性、エネルギー、環境

a)日EUグリーン・アライアンスの下での協力
・日EUグリーン・アライアンスの重要性を再確認し、2050年までに経済の脱炭素化を追求する。

・EUが資金提供する「日EUグリーン・アライアンス・ファシリティ」によるものを含む、日EUグリーン・アライアンスの下で実施される気候、エネルギー、環境政策に関する政策開発及び協力を歓迎する。

・可能な限り早期の次期グリーン・アライアンス省庁間会合を期待し、随時に他の省庁間会合を開催することによるものを含め、グリーン・アライアンスが網羅する全てのトピックのもとでの協力を更に強化することで一致する。

b)COP30に向けて
・1.5℃目標達成を視野に入れたパリ協定の効果的な実施を支持するため、COP30の成功に向けたコミットメントを再確認し、野心と実施のギャップに対処することの重要性を強調する。

・国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(UNFCCC COP29)における、気候資金のための新たな新規合同数値目標(NCQG)と、パリ協定第6条に関連する決定を歓迎する。

・能力のある全ての国に対し、NCQGへの貢献を呼びかけ、全ての資金の流れを動員しパリ協定の目標達成に整合させることの重要性を認識する。

・1.5℃目標達成を視野に入れ続けるためには、この決定的な10年間とそれ以降において、世界全体の更なる緩和の野心向上と実施が必要であることを強調する。

・パリ協定の5年間の野心サイクルは、最良の科学的知見とパリ協定の温度目標に沿った世界的な排出量削減を達成するために不可欠であることを再確認し、現行の新たな国が決定する貢献(NDC)を実施し、その後、隔年透明性報告書(BTR)を通じて進捗状況を報告することに引き続きコミットする。

・1.5℃目標達成を視野に入れ続けるためには、特に主要排出国を含む全ての国による更なる具体的な行動を、第1回グローバル・ストックテイクの結果に沿って呼びかけ、2025年はパリ協定締約国がNDCを提出する義務のある年であることを想起する。

・グローバルエネルギートランジション・フォーラム(GETF)の下でのイベントなどを通じて、第1回グローバル・ストックテイクのフォローアップを行う。

・脱炭素化の更なる加速と資金手当、イノベーションの刺激、経済の競争力の支援を通じて、効果的な政策メカニズムとしてのカーボンプライシングをCOP30で促進することを目指す。

c)エネルギー
・ドバイでのCOP28におけるグローバル・ストックテイクで採択された、2050年までのネットゼロを達成するため、気候中立への道筋におけるエネルギー部門の脱炭素化の重要性を認識するとともに、2030年までに世界の再生可能エネルギー容量を3倍にし、世界のエネルギー効率の改善率の年間平均を2倍にするという目標及びエネルギーシステムにおける、それぞれの国の異なる状況、経路、アプローチを考慮した化石燃料からの転換を再確認する。

・エネルギー安全保障及びエネルギーの低廉性が引き続き重要であることを認識し、天然ガスとLNGの役割を支持し、サプライチェーンの信頼性と強靭性、供給の安全保障の向上に向けた投資を支援するとともに、LNGの世界的な早期警戒メカニズムを通じた協力、及び日EU間の政府間ガス対話を開始するための継続的な協議を歓迎する。

・「メタン削減パートナーシップ・ロードマップ」及び「LNGバリューチェーンからのメタン削減のためのLNG輸入者イニシアティブ・アライアンス」の実施を支持し、日本が支援するCLEANイニシアティブとEUメタン規制の互換性の確保を追求するための協力を継続する。

・双方は、安全で持続可能な低炭素エネルギー技術の開発と展開における価格以外の要素に焦点を当てた、強靭で信頼性のあるサプライチェーンと安全で持続可能な低炭素技術に関する日EUクリーンエネルギー産業政策対話の取組を歓迎し、この分野における協力を引き続き強化する。

・国際電気標準会議(IEC)において、次世代太陽電池、特にペロブスカイト太陽電池の性能評価及び関連事項に関する国際標準化に向けた共同の取組を継続する。

・脱炭素化に向けた水素の重要性を再確認し、再生可能、安全で持続可能な低炭素水素とその派生物の需要創出の促進及び強靭かつ信頼性のあるサプライチェーンの構築の必要性を認識する。

・IAEAによって規定されている原子力安全及び放射線防護のための国際的な法的枠組みへの双方のコミットメントを再確認しつつ、原子力エネルギー事業における既存の産業連携を継続する。

・EUのネット・ゼロ産業法や日本のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の取組等の政策手段を活用し、プロジェクトを支援するための新たな共同プログラムを検討する。

・研究開発と技術革新のための政策措置と財政支援について議論し、政府間協力に関するこうした考えについて既存の作業部会において議論可能なことを認識する。

・イーター(ITER)計画、幅広いアプローチ(BA)活動、IFMIF-DONES計画といったフュージョンエネルギー・イニシアティブにおける協力を想起する。

・二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)における協力を検討することで一致する。情報とベストプラクティスの共有は、日本とEUそれぞれの炭素回収・貯留(CCS)目標達成に資する可能性がある。

d)脱炭素化
・日本の義務的排出量取引制度の導入を踏まえたカーボンプライシングに関する協力と炭素国境調整措置を含むカーボン・リーケージ対策に関する議論を継続する。

・体化排出量の測定における透明性の向上、ニアゼロ及び低炭素の材料並びに脱炭素化技術のための先導市場の創出並びに特にニアゼロ及び低炭素の鉄鋼並びにセメントの導入加速のため、気候クラブ、OECD炭素緩和アプローチに関する包摂的フォーラム(IFCMA)、WTO貿易と環境委員会(CTE)等の複数国間及び多数国間枠組みを含む協力を継続することで一致する。

・日EU産業政策対話のクリーンテクノロジーに関する作業部会において決定される範囲の下、脱炭素化産業協力及び持続可能なサプライチェーンの強化を探求する。

・資金調達の動員を増加させるための債券などの方法を含む移行ファイナンスに関する専門家対話を設立することで一致する。

・国際海事機関で達成されたネットゼロ枠組みの結果を歓迎し、10月の海洋環境保護委員会特別会合におけるその採択及び 2027 年の実施に向けて協力することにコミットする。

e)循環経済とバイオエコノミー
・大臣級又はその他のハイレベル対話を含め、関係当局間において、循環経済の各分野、持続可能なバイオエコノミーに係る意見交換と協力を継続及び強化する。

・グリーン・アライアンスの枠組みの下、循環経済に係る協力の重要な要素として、循環経済に関するワーキンググループを実働化する。

f)生物多様性
・生物多様性条約の効果的な実施と、昆明・モントリオール生物多様性枠組のゴール目標とターゲットの達成に向けて協力する。

・野生生物の保全と持続可能な管理を促進するために協力する。

g)持続可能な森林経営
・関連する多国間対話に引き続き参加し、主要なパートナーや国際機関と協力して、森林減少を2030年までに阻止・反転させ、持続可能な森林経営と持続可能な農業生産、及び透明で持続可能なサプライチェーンへの世界的な転換を促進する。これらの目標を達成するための需要側と供給側の措置の重要性を認識する。

h)BBNJ協定
・海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(BBNJ協定)の早期発効の促進に向けて共同で取り組むことにコミットし、締約国会議の第1回会合に向けた準備委員会の作業の重要性を強調する。

i)プラスチック汚染
・プラスチックのライフサイクル全体に対処する包括的なアプローチに基き、海洋環境を含むプラスチック汚染に関する野心的で効果的な法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた交渉を、2025年8月のジュネーブにおける第5回政府間交渉委員会の再開会合(INC5.2)で完了させるというコミットメントを強調する。

・上記国際文書の採択を積極的に支援することにコミットする。

Ⅴ.新ヨーロッパ・バウハウス(NEB)

・大阪・関西万博での既に活気のある関与を育んできた新ヨーロッパ・バウハウス(NEB)に関する協力拡大を歓迎する。私たちは共に、環境政策を目に見える地域行動に変えることを目指す。日本でNEBアカデミーハブの立ち上げに向けた対話を開始し、日本のプロジェクトのための国別NEB賞を設ける。

Ⅵ.国連を中心とした多国間主義

a)国連改革
・分裂と対立が激化する国際社会を効果的な多国間主義と協力強化に向けて導くため、国連安全保障理事会改革を含む国連改革の推進に取り組む。

b)防災対策
・「仙台防災枠組」の目標を達成し、防災、災害への備え、対応に関する協力を強化するというコミットメントを改めて表明する。

c)人道援助
・国際人道法の尊重を含む人道援助に関する日EU間の協力を強化し続け、パートナー国における強靭性の構築と、伝統的なドナーを超えた人道行動のための資源基盤の拡大を呼びかける。

d)開発のための資金調達
・2030年アジェンダと17の持続可能な開発目標の効果的な実施へのコミットメントを再確認し、第4回国連開発資金国際会議(FfD4)で採択された開発のための資金調達に関する新たなグローバル枠組みを歓迎し、「セビリアの約束」の実施に期待する。

Ⅶ.持続可能な連結性の促進

・パートナー国に永続的な利益をもたらし、持続可能で包摂的な成長を創出する、信頼できる、安全で、持続可能で、ルールに基づいた連結性の促進に向けた共同コミットメントを再確認する。

・EUのグローバルゲートウェイと持続可能な連結性と質の高いインフラに関する日EUパートナーシップの下で、具体的な投資提案を継続する。

・持続可能な連結性と質の高いインフラに関するパートナーとの協力における既存の日EUの補完性を示す多くのプロジェクトがあり、将来、インド太平洋地域およびそれ以外の地域のパートナー国との更なる連結性プロジェクトで相乗効果が求められることを確認する。

Ⅷ.研究

・科学技術における相互に有益な協力を強化するという共通の目的をもって、ホライズン・ヨーロッパ・プログラムへの準参加に係る協定の交渉を誠実に加速させる。

・先端材料に関する強化された対話の開始と進展、及び欧州委員会共同研究センター(JRC)と高圧ガス保安協会(KHK)との間の水素安全に関する情報共有に関する協力覚書の今後の署名を歓迎する。

Ⅸ.宇宙

・宇宙は競争力の源泉であり、安全保障を確保するために不可欠であることを再確認する。

・宇宙利用に関する日EU協力の強化につながり得る衛星コンステレーションの構築を加速することを目指す。

・コペルニクスに関する行政取決めの下、2025年6月3日に支持された技術的運用取決めに基づき、コペルニクス計画とGOSAT衛星コンステレーションとの間の潜在的な協力を含む、地球観測データの活用に関する更なる協力を目指す。

・衛星と宇宙デブリの急増に対応するための自律的な宇宙活動を確保するために、ルール作りに貢献するとともに、宇宙デブリの低減と改善、宇宙状況把握のためのデータ取得等の民間部門における主導的な活動を推進する。

・科学、低軌道活動、探査及び地球観測における民間宇宙機関間の先進的な協力ミッションに関する研究について前向きに留意する。

・日EU宇宙政策対話や官民対話を通じて、日本のシステムとEUのシステムIRIS²の構築の文脈を含む協力を継続する。

X.教育・文化

・高等教育を含む、日本とEU間の人的交流を強化することを目指し、日本とヨーロッパ間の大学間交流の促進と、大学間交流プロジェクトや、エラスムス+や国費外国人留学生制度による奨学金を含む学生モビリティへの継続的な支援を歓迎する。

・日本が2027年までに日EU政策対話を開催することを決定する。

・イノベーション、持続可能な成長、相互理解を促進する文化・創造部門の可能性を認識し、文化外交と異文化間対話への共通のコミットメント、バルセロナでのMONDIALCULT 2025会議の成功裏の成果への共通の関心を再確認する。

・エラスムス+・ナショナルフォーカルポイントの設立を歓迎する。

・今年、相互理解、知的関係、学術交流イニシアチブ(MIRAI)開始10周年を迎えるにあたり、日本とヨーロッパ間の相互理解と友好関係促進の重要性を強調する。

XI.運輸

・東京で第19回日EU運輸ハイレベル協議を開催することにコミットする。

・持続可能で革新的な航空、海上、陸上輸送、国際輸送フォーラムにおける協力、輸送部門におけるジェンダー主流化、及びウクライナの復旧・復興支援に焦点を当てたブリュッセルでの第18回日EU運輸ハイレベル協議を歓迎する。

・日EU航空パートナーシッププロジェクトの下で、航空の安全と持続可能性を高めるための技術協力と政策協力を継続することを期待する。

XII.労働・社会福祉

・2025年7月の労働に関する第20回日EUシンポジウムに反映されているように、国際的に認められた労働における基本原則と権利へのコミットメントを繰り返す。

XIII.水産・海洋

・WTO漁業補助金協定の迅速な発効と漁業補助金に関する追加規定の交渉の完了に協力する。

・南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)の下で、利用可能な最良の科学的証拠に基づき、東南極、ウェッデル海、南極半島西岸において海洋保護区を設置する提案を緊急に採択するという南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)の下でのコミットメントを再確認する。

・地域漁業管理機関(RFMO)の枠組みにおいて、IUU漁業との闘い、漁業の持続可能性及び海洋ガバナンスの促進について協力する。

XIV.司法協力

・刑事司法分野におけるユーロジャスト、欧州検察庁、及び日本の当局間の更なる協力を模索する。

(参考3)付属書Ⅱ(骨子):日EU競争力アライアンス(共同声明 付属書)

目的

→日EUは、基本的価値を共有し、安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序、競争力あるビジネス環境の強化にコミット。競争力アライアンスを通じて競争力を戦略的に強化し、共に成長し、国際的な議論を主導。

貿易・経済安全保障

→日EU・EPAの実施、WTO、G7における貿易に関する取組の主導で協力。

→拡大された日EUハイレベル経済対話で、貿易・産業政策・経済安全保障面の協力を強化(戦略的依存関係、経済的威圧、非市場的政策・慣行、過剰生産への対応、重要・新興技術の促進・保護、重要鉱物の輸出管理への対応等を含む。)。

サプライチェーンの強靱性

→G7の「強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則」を考慮した製品のための標準及び基準の策定及び実施について、これらの原則に沿った製品の需要と供給を刺激することを目指し、日EU協力を加速。

→企業とも緊密に協力し、重要原材料、バッテリー等のサプライチェーンの多様化を含む強靱性に関する協力を深化。

脱炭素・循環経済・エネルギー

→グリーン・アライアンスの下、循環経済と脱炭素における協力追求を確認。エネルギー安定供給に向けた天然ガス、投資の役割を支援。

→価格以外の要素に注目し、信頼性のあるサプライチェーン構築に向け協力。ペロブスカイト太陽電池に係る国際標準化、水素等の需要創出及び原子力産業協力の継続と研究開発について議論。

防衛産業

→日EUの産業界が防衛産業に関する協力促進のプラットフォームとなる防衛産業対話を立ち上げるよう奨励。

宇宙・バイオ・イノベーション・民間・規制協力 等

→宇宙に関し、地球観測データの活用に関する更なる協力及び宇宙利用に関する日EU協力の強化につながり得る衛星コンステレーションの開発の加速を目指す。宇宙デブリの低減と改善等、民間部門における主導的な活動を推進

→バイオ政策・戦略に関する情報交換。バイオ材料や製品の導入加速、スタートアップやVC等のマッチングを促進。

→研究・イノベーションに関し、NEDO(日)・JRC(EU)の協力を促進。 NEDO/JETRO(日)・EIC/EIT(EU)による相互のスタートアップのビジネス拡大に関する協力、企業や研究機関等の国際共同研究コンソーシアム形成を促進。

→日EUの企業の負荷軽減の観点から、規制の改善や簡素化に関する意見交換を深化。

→デジタルに関し、日EUデジタルパートナーシップの下で、研究、イノベーション、経済安全保障や規制協力を強化。

→競争政策に関し、発展する市場とイノベーションに対応した公正な競争の確保に向けた競争政策に係る対話を強化。

→日EUビジネス・ラウンドテーブル、JBCE、EBCが主導し産業界の現実的な視点を集約。

→強化された日欧産業協力センターが支援。

(参考3)第30回日EU定期首脳協議(2025年7月23日)共同声明付属書Ⅱ(仮訳):日EU競争力アライアンス

 日本と欧州連合(EU)は、競争力、脱炭素化、経済安全保障及び強靱性を追求すると同時に経済成長を持続させる必要性を含む、基本的な価値と利益を共有する戦略的パートナーである。我々の共通の課題を認識しつつ、日本とEUは、ここに「日EU競争力アライアンス」を立ち上げる。

 安定的で予測可能なルールに基づく自由で公正な経済秩序を維持し、さらに強化しつつ、競争力のあるビジネス環境を強化することへのコミットメントを認識し、我々はこのアライアンスを通じて日EU共同の競争力を戦略的に一層強化し、共に成長し、国際的な議論を主導する。

 このアライアンスにおいて、我々は、協力のための既存の二者間の国際約束及び取決めを認識し、これらの構造と重複することを避け、これらに基づいて取り組むという意図に留意する。

 日本及びEUは、以下の分野で協力を深める。

貿易及び経済安全保障

1. 双方は、二者間、多国間及び複数国間の場における日EUそれぞれの貿易政策及びツールの調整を拡大する。日EU経済連携協定の完全かつ効果的な実施は、引き続き二者間貿易関係の礎である。日本及びEUは、世界貿易機関(WTO)及びG7における貿易に関する取組を主導する上で協力する。

2. 双方は、欧州委員会上級副委員長(繁栄・産業戦略担当)を含む拡大されたハイレベル経済対話において、貿易、産業政策及び経済安全保障に関する協力を引き続き強化する。我々の協力は、サプライチェーンの強靱性に対する脅威、戦略的依存関係、経済的威圧、非市場的政策・慣行及びこれに起因する過剰生産、重要・新興技術の促進及び保護、研究セキュリティ、重要インフラの物理的セキュリティ及びサイバーセキュリティ、並びに特に日本及びEUに経済安全保障上のリスクをもたらすレアアースを含む重要鉱物に関する輸出管理への対応を含む。

サプライチェーンの強靱性

3. 双方は、拡大されたハイレベル経済対話の下、戦略的部門におけるサプライチェーンを監視及び強化し、更なる協力のために戦略的物品及び部門を特定するための共同の取組を加速する。

4. 双方は、(ネット・ゼロ製造部門のバリューチェーンを含む)部門ごとの、透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性からなる、G7の強靱で信頼性のあるサプライチェーンに関する原則を考慮した製品のための標準及び基準の策定と実施に関する協力を加速し、これらの原則に沿った製品の需要及び供給を刺激することを目指す。双方は、このイニシアティブを進めるためにG7等の国際場裡で協力する。

5. 双方は、まずは重要原材料及びバッテリーに焦点を当てつつ、企業と密接に連携し、拡大されたハイレベル経済対話及び産業政策対話を通じたものを含め、特定の部門のサプライチェーンの多様化を含む強靱性に関する協力を深める。こうした協力は、将来他の部門に拡大し得る。

6. 双方は、相互に決定した部門における戦略的補完性を強化するための投資の機会の促進に向けて取り組む。

規制協力

7. 双方は、高い基準を堅持し、経済、社会及び環境に関する目標を達成しつつ、規則を簡素化し、日本及び欧州の企業及び市民の行政上の負担を軽減することを念頭に、より良い規制及び簡素化に関する意見交換を深化させる。

ビジネス部門との協力

8. このアライアンスの下のイニシアティブの実施を支援する企業の貢献を認識し、双方は、日・EUビジネス・ラウンドテーブル(BRT)が、そのメンバーである在欧日系ビジネス協議会(JBCE)や欧州ビジネス協会(EBC)等と緊密に協力しつつ、産業界からの現実的な視点を統合し、伝える上で主導的な役割を果たすことを期待する。

9. 強化された日欧産業協力センターは、競争力アライアンスの下のイニシアティブの実施を支援する。

競争

10. 双方は、発展する市場及びイノベーションに対応した公正な競争を確保するために、競争政策に関する対話を強化する。

脱炭素化及び循環経済

11. 双方は、循環経済及び脱炭素化に関する双方の協力が、競争力の強化を目的として、グリーン・アライアンスの確立された枠組みの中で追求されることを確認する。

12. 双方は、日EU産業政策対話のクリーンテクノロジーに関する作業部会において決定される範囲の下、脱炭素化産業協力及び持続可能なサプライチェーンの強化を探求する。

13. 双方は、国内及び国際レベルで循環性を向上させ、循環経済活動から生じる廃棄物及び二次材料並びに商品及びサービスの国際取引の促進を探求し、データ流通、リバースロジスティックス及びビジネスを促進しつつ、特に規制アプローチ、定義及び制度に関する共通理解に向けた取組を通じ、循環経済政策に関する見解及び戦略の交換を強化する。

14. 双方は、優良な政策事例の交換や、循環型製品設計、循環型ビジネスモデル、高品質なリサイクル及び日EU間の新たなビジネス連携の促進を通じ、新たな価値を共創することにより、日EU双方の産業の資源効率と競争力を強化するため、民間部門と協力し、循環経済に関する実践的な協力を強化することを目指す。

エネルギー

15. 双方は、エネルギー安全保障及びエネルギーの低廉性が引き続き重要であることを認識し、天然ガスとLNGの役割を支持し、サプライチェーンの信頼性と強靱性、供給の安全保障の向上に向けた投資を支援するとともに、LNGの世界的な早期警戒メカニズムを通じた協力、及び日EU間の政府間ガス対話を開始するための継続的な協議を歓迎する。

16. 双方は、「メタン削減パートナーシップ・ロードマップ」及び「LNGバリューチェーンからのメタン削減のためのLNG輸入者イニシアティブ・アライアンス」の実施を支持し、日本が支援するCLEANイニシアティブとEUメタン規制の互換性の確保を追求するための協力を継続する。

17. 双方は、安全で持続可能な低炭素エネルギー技術の開発と展開における価格以外の要素に焦点を当てた、強靱で信頼性のあるサプライチェーンと安全で持続可能な低炭素技術に関する日EUクリーンエネルギー産業政策対話の取組を歓迎し、この分野における協力を引き続き強化する。

18. 双方は、国際電気標準会議(IEC)において、次世代太陽電池、特にペロブスカイト太陽電池の性能評価及び関連事項に関する国際標準化に向けた共同の取組を継続する。

19. 双方は、脱炭素化に向けた水素の重要性を再確認し、再生可能で低炭素の水素とその派生物の需要創出の促進及び強靱かつ信頼性のあるサプライチェーンの構築の必要性を認識する。

20. 双方は、IAEAによって規定されている原子力安全及び放射線防護のための国際的な法的枠組みへの双方のコミットメントを再確認しつつ、原子力エネルギー事業における既存の産業連携を継続する。

21. 双方は、EUのネット・ゼロ産業法や日本のグリーン・トランスフォーメーション(GX)の取組等の政策手段を活用し、プロジェクトを支援するための新たな共同プログラムを検討する。

22. 双方は、研究開発と技術革新のための政策措置と財政支援について議論し、政府間協力に関するこうした考えについて既存の作業部会において議論可能なことを認識する。

23. 双方は、日本及びEU加盟国のためのエネルギー安全保障及び安全で持続可能な低炭素エネルギーの供給の強化における協力を拡大する。

バイオエコノミー

24. 双方は、バイオエコノミー政策と戦略に関連する情報を共有し、バイオ材料及び製品の導入を加速する方法に関する産業政策に係る意見交換を促進し、バイオテクノロジーのスタートアップ企業、ベンチャーキャピタル企業、最終製品供給者の間のマッチングを促進する。

防衛産業

25. 双方は、双方の産業界が、日 EU 間の先進及びデュアルユース技術を含む防衛産業に関する協力を促進するプラットフォームとして、日EU防衛産業対話(DID)を立ち上げることを奨励する。

宇宙

26. 双方は、宇宙利用に関する日EU協力の強化につながり得る衛星コンステレーションの構築を加速することを目指す。

27. 双方は、コペルニクスに関する行政取決めの下、2025年6月3日に支持された技術的運用取決めに基づき、コペルニクス計画とGOSAT衛星コンステレーションとの間の潜在的な協力を含む、地球観測データの活用に関する更なる協力を目指す。

28. 双方は、衛星と宇宙デブリの急増に対応するための自律的な宇宙活動を確保するために、ルール作りに貢献するとともに、宇宙デブリの低減と改善、宇宙状況把握のためのデータ取得等の民間部門における主導的な活動を推進する。

研究及びイノベーション

29. 双方は、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同研究センター(JRC)間の協力を促進し、日本貿易振興機構(JETRO)/NEDOと欧州イノベーション会議(EIC)間のスタートアップ及びスケールアップ企業のビジネス拡大に関する協力、そしてJETRO/NEDOと欧州イノベーション技術研究所(EIT)の支援を受けた企業と研究機関間の国際共同研究コンソーシアムの形成に関する協力を促進し、この分野における日EU間の、アップデート及び更なる協力の可能性について引き続き議論する。

デジタル

30. 双方は、日EUデジタルパートナーシップの下、半導体、5G/6G、量子、AI、サイバーセキュリティ、オンラインプラットフォーム、デジタルアイデンティティ、データガバナンス、海底ケーブルプロジェクトの商業的な実現可能性を考慮した北極圏の接続性を含むグローバルな接続性の強化といった事項について、研究及びイノベーション、経済安全保障並びに規制協力を一層強化する。

 このアライアンスの進捗は首脳に報告される。

(以上)

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