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内倉統合幕僚長が定例会見 2代目JJOC司令官となる俵海将の経歴や中東情勢などについて(3月6日)

  • 日本の防衛

2026-3-11 08:40

 防衛省 統合幕僚監部は令和8(2026)年3月6日(金)14時01分~14時17分、内倉浩昭(うちくら・ひろあき)統合幕僚長は防衛省A棟10階会見室で定例会見を行った。
 統合幕僚監長からの発表事項はなく、記者との質疑応答が行われた。内容は以下のとおり。

1.発表事項

 なし。

2.質疑応答

俵海将の経歴や人柄について

記者
 本日の閣議で、新たなJJOC司令官に副司令官の俵千城海将を充てる人事が承認されました。1年間、内倉統幕長、南雲司令官をお支えする立場であったと思いますが、内倉統幕長から見た俵海将の人柄などについて教えて下さい。
 また、海自ご出身で、潜水艦隊司令官などの経歴もございますが、そういったことも踏まえて期待される働きについて教えてください。

統幕長
 お尋ねのありました俵海将ですが、昨年3月24日の統合作戦司令部の新編以来、初代司令官の南雲空将と共に、統合作戦副司令官として、自衛隊の統合運用の中核を担ってきました。今後も、陸・海・空自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令官として、これまでの経験や培った見識を活かし、統合運用の実効性の向上、米国や同志国との連携の促進にリーダーシップを発揮されることを期待しています。
 人柄というご質問がありましたが、10年前の俵海将補時代、彼は運用をつかさどるJ3副部長でした。その時私は、防衛計画をつかさどるJ5の副部長、同じ副部長として、階級は将補という立場で一緒に仕事をしてきました。それから10年後、それぞれ、私は戦略・作戦レベルの統合幕僚長として、そして彼は作戦レベルでの司令官として、一緒に統合運用の実効性の向上に当たれることは、私としても大変栄誉であり、そして喜びとしております。
 彼自身の人柄は、見ていただくと分かるとおり、とてもつぶらな瞳で、笑顔が素晴らしく、性格が温厚で、知見も高く、大変人望が厚い人間だと思っています。加えて、出身の職種の話がありましたが、私が空、そして俵海将が潜水艦乗りということで、文字どおりオールドメイン・クロスドメインで、領域横断的に、一層統合運用の実を上げていければと考えています。
 いずれにしても、前任の今次退官いたします南雲現司令官の功績と尽力に心から敬意と感謝を表するとともに、俵新司令官と共に一層、統合運用の実効性の向上、そして最適化を追求してまいりたいと考えています。

中国首相の「台湾を念頭に独立勢力に打撃を与える」発言について

記者
 話題が中国なのですが、中国の全人代で李首相が「台湾を念頭に独立勢力に打撃を与える」と、これまでの抑止だとか反対するという表現から、かなりきつい、踏み込んだ表現をしたというふうに伝わっています。
 来月、習近平がアメリカのトランプ大統領と会談予定ですし、日本の高市首相とトランプ大統領も会談を控えていると、また時期的には、たまたまかもしれませんが、米軍によるイランの攻撃の後での発言だということも踏まえて、今回の「打撃を与える」ということの意味をどのように分析されていますか。

統幕長
 お尋ねの件ですが、報道については承知しております。しかしながら、中国の政策判断に関し、お答えする立場にありませんので発言を差し控えたいと思います。とりわけ、「打撃」ということに着目してのご質問でしたが、そこも含めてお答えは差し控えたいと思います。
 その上で申し上げますと、中国は国防費を継続的に高い水準で増額させ、十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強させています。さらに東シナ海、南シナ海等における力、又は威圧による一方的な現状変更の試みを強化し、我が国の安全保障に影響を及ぼす軍事活動を拡大・活発化させています。
 このような中国の軍事的動向は、我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、引き続き注視してまいります。そして、情報収集・警戒監視活動に万全を期してまいりたいと思います。
 中東情勢に関連付けてのご質問でありましたが、地球上で何が起ころうとも、この地域、そして我が国周辺で隙を作らないように情報収集・警戒監視活動に万全を尽くしてまいりたい、このように考えております。

記者
 打撃を与えるというのは、普通に考えれば、武力侵攻のハードルが下がったのではないかというイメージがあるわけです。それから先ほどあえて中東の話やアメリカのトランプ大統領との会談などの話を持ち出したのは、米中による世界分断ではないですが、イランのことに口は出さない代わりに、台湾のことには口を出すな、みたいな裏取引のような思惑があるんじゃないかということも一部言われています。そういうことも踏まえた上で、どうお考えでしょうか。

統幕長
 ご質問いただいている背景、そしてお考えはよく理解できますが、私の立場上、外国の指導者の方が言われたことの一言一言についてコメントをすることは差し控えたいと思います。ご理解ください。

中東情勢と派遣海賊対処行動水上部隊の安全確保について

記者
 中東情勢についてお伺いいたします。海自が活動している海域の情勢認識について教えてください。

統幕長
 情勢認識でありますが、現在の中東情勢の悪化は、私自身深刻に懸念しておりまして、事態の早期鎮静化が重要であると考えております。

記者
 現在派遣されている海上自衛隊の護衛艦と哨戒機の装備で、安全は十分確保できるのか、見解を教えてください。

統幕長
 現在、海賊対処行動に従事している派遣海賊対処行動水上部隊等の各部隊、総計約390名は現在も部隊及び隊員の安全を確保しつつ、平常どおりそれぞれの任務に従事しております。細部については、装備も含めまして自衛隊の運用に関することであり、部隊の安全にも関わることから、お答えを差し控えさせていただきます。
 いずれにしましても、安全を確保しながら任務は遂行可能だというふうに考えております。

在外邦人輸送のための自衛隊機派遣について

記者
 防衛大臣が先日Xで、邦人輸送のための自衛隊機派遣について具体的な準備を進め、出国に向けた調整に入ると発信しました。情勢については、緊迫な状態が続いておりますが、現在の派遣の見通しについて教えてください。

統幕長
 現在、外務省を中心に政府を挙げて現地の状況把握に努め、邦人の方々のニーズを踏まえた対応を検討するなど、邦人の安全確保に必要な、あらゆる努力を継続しています。
 現時点で、邦人輸送のための自衛隊機の派遣を決定したという事実はありません。まだ依頼はないところではありますが、防衛省・自衛隊は、今般のイランにおける事案の発生以降、在外邦人等の安全確保に万全を期すこと、日々必要な検討・対応を行ってまいりたいと思います。
 防衛省・自衛隊として、いついかなる時にも万全の態勢で任務を遂行できるよう準備を行ってきておりまして、引き続き必要があれば部隊を速やかに派遣する態勢を整えてまいりたい、このように考えております。

記者
 関連して、邦人輸送で今回のイラン情勢特有の難しさがあれば、検討段階ではあると思いますが、課題等があれば教えて下さい。

統幕長
 仮定の話については、予断をもってお話しすることは差し控えたいと思います。行き先によって様々な事情がありますので、これまでにも複数回、色々なミッションをレバノン、イスラエルそれから準備だけで終わりましたが、ジブチにも行っておりましたので、依頼された場合においては、その経験値を最大限生かせるように最善を尽くしたいと考えております。

記者
 関連して、イラン情勢の悪化が長期化することで、米軍が中東に注力する期間が長くなると思いますが、裏返しでインド太平洋地域での日米の対処力・抑止力に、影響があるとお考えかどうか併せて教えてください。

統幕長
 米軍の態勢については、お答えする立場にありませんが、平素から米軍のカウンターパートと緊密な連絡調整を行っております。それを総合的に申しますと、我が国周辺及びインド太平洋地域の態勢については、日米同盟における抑止力・対処力については、万全だと、盤石だと考えております。

太平洋側の防衛体制について

記者
 太平洋防衛についてお伺いします。先日一部報道で、防衛省が小笠原諸島上空に防空識別圏の設定を検討しているという報道がありましたが、まず事実関係等々いかがでしょうか。
 また、太平洋側を巡っては中国軍の活動も活発化していると思いますが、太平洋側の防衛力強化の重要性についても統幕長のお考えをお聞かせ下さい。

統幕長
 お尋ねの報道は、承知しています。我が国周辺の海空域において、周辺国等が活動を拡大・活発化させている中、太平洋側の防衛体制の強化は喫緊の課題であると認識しており、警戒監視体制の在り方も含め、様々な検討を行っておりますが、その一つ一つについてコメントすることは差し控えたいと思います。
 ご指摘の小笠原諸島等の太平洋側の島嶼部には、現時点では警戒監視に任ずる部隊を設置しておりませんが、防衛省自衛隊としましては、太平洋側を含む我が国周辺の海空域において、情報収集・警戒監視に取り組んでおります。例えば、領空侵犯のおそれのある航空機の接近に対して、早期警戒管制機等を活用することによって、防空識別圏の外側で、これを探知することも可能であります。
 いずれにしましても、太平洋側の防空体制の強化については、防衛省自衛隊として、不断に検討してまいりたいと思います。

邦人輸送における他国との連携について

記者
 先ほどの邦人輸送に関連して1つお尋ねします。実績を重ねてきている邦人輸送ですが、先日も「コブラ・ゴールド」がタイで行われたかと思いますが、統合運用という意味からも非常に重要なオペレーションかと思います。
 これまで数を重ねてきた中で、こういう点が他国との連携を含めて連携がスムーズになった、熟練した、こういう点で国民に安心して使ってもらえるのではないか、という部分について、統幕長の目からご覧になってありましたら教えて下さい。

統幕長
 これまで数回やってまいりました。その時々によって事情が異なりますし、お乗せした国民の方々の数も年齢も随分差がありますので、ある意味色々な経験値が積み上がってまいりました。こういった時の教訓、反省を踏まえ、命令があれば最善を尽くしてまいりたいと考えております。
 諸外国との連携におきましては、2023年の4月だったかと思いますがスーダンから邦人が退避する必要があった際、カナダの軍用機を使って退避した例があったかと思います。そういったことも踏まえまして、国をまたいだ連携というのが一般化しておりますので、しっかりと各国と連携しながら自衛隊レベルでも私のカウンターパートレベルで情報収集・連携に努めてまいりたいと思います。

記者
 統合運用という面からいかがでしょうか。

統幕長
 運用・後方両面でありますが、細部については差し控えたいと思います。

(以上)

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