齋藤海上幕僚長が定例会見 海上自衛隊の部隊新編やオーストラリア出張など(3月24日)
- 日本の防衛
2026-3-30 13:02
防衛省 海上幕僚監部は令和8(2026)年3月24日(火)、同日13時30分~13時49分に防衛省A棟10階会見室において行われた齋藤聡(さいとう・あきら)海上幕僚長の記者会見の要旨を以下のように発表した。
海幕長定例記者会見要旨
海幕長 :
私から、海上自衛隊の部隊新編について発表します。3月23日に、創設以来、約65年にわたり、海上自衛隊の中核として海の守りを担ってきた「護衛艦隊」が廃止され、新たに「水上艦隊」として新編されました。また、認知領域を含む情報戦という新たな戦い方への対応能力を強化し、迅速な意思決定が可能な態勢を整備するため、海上自衛隊の情報戦に関する諸機能・能力を有する部隊を整理・集約し、情報作戦集団を新編しました。
水上艦隊は、これからも「海上自衛隊の最大の実力部隊」として、情報作戦集団は、「情報のチカラ」で我が国の防衛に貢献します。今回の新編に合わせまして、動画を作成しましたので、今から紹介したいと思います。水上艦隊の分のみ放映します。(動画放映)
水上艦隊と情報作戦集団の発足について
記者 :
水上艦隊と情報作戦集団の発足について、海幕長としての受け止めについて改めて教えてください。
海幕長 :
私ども海上自衛隊は、従来から、安全保障環境等の変化に柔軟に対応して、組織の実効性を高めるために、絶え間なく体制を検討しております。令和4年に閣議決定された防衛力整備計画に基づき、この度、水上艦隊を新編しました。
この整備計画の中では、「統合運用体制のもと高い迅速性と活動量を求められる部隊運用を持続的に遂行可能な体制を構築する」ということが謳われておりまして、このことを目的として今回新編を行いました。また、認知領域を含む情報戦への対応力を強化し、正確かつ迅速な意思決定が可能な体制を整備するため、情報に関する諸機能・能力を有する部隊を整理・集約して、作戦情報群及びサイバー防護群からなる情報作戦集団を新編しました。
今回の部隊改編は、現下の安全保障環境と将来にわたる「任務の質、量」の変化を見据えた上で、海上自衛隊として最も効果的に任務への対応能力を発揮するための取組の一つです。これからも不断の努力を重ねていきたいと思っております。
記者 :
情報戦作戦集団についてなんですけども、情報作戦集団を新編した背景をもう少し詳しく教えていただきたいのとですね、海上自衛隊として情報戦にはどのように対応していくのか改めて教えてください。
海幕長 :
質問の内容については、新編する意義についてと認識しました。近年、国際社会におきましては、紛争が生起していない段階から偽情報等により、他国の世論や意思決定に影響を及ぼすとともに、自らに有利な安全保障環境の構築を企図する情報戦に重点が置かれていると認識しております。
しかし、今まで改編前の状態におきましては、情報の収集分析、そしてそれに基づく迅速な対処と情報戦に係る機能が各部隊に分散していたというのが現状でありまして、これらを横断的に担う部隊が存在しておりませんでした。そのため、この情報戦への対応能力を強化し、迅速な意思決定が可能な体制を構築するため、それらの各部隊を整理集約して、新しい部隊を新編したという状況となります。
オーストラリアへの出張について
記者 :
オーストラリアへの出張について伺います。オーストラリア側から「もがみ」型能力向上型の導入に向けての何か期待っていうのは改めて示されたりしたのでしょうか。
海幕長 :
オーストラリアに出張しまして、海軍創設125周年記念の国際観艦式等に参加してまいりました。また、海軍のトップであるマーク・ハモンド中将との懇談を実施してまいりました。
その内容につきましては、幅広い安全保障環境や、各国、オーストラリア海軍、そして海上自衛隊が取り組んでいる内容等を議論してまいりました。FFMについても様々な観点で、議論というよりも意見交換を行いましたが、その細部については、非常に重要な時期ですので、控えさせていただきたいと思います。
記者 :
その関連で、オーストラリア海軍と非常に相互運用性の高いニュージーランド海軍もこれまで「もがみ」型能力向上型に関心を示してきたと思うのですが、今回ニュージーランド海軍の方とも何らかの話し合いなり、対話なり、接触なりがあったのでしょうか。
海幕長 :
ニュージーランド海軍からも海軍のトップであるゴールディングさんが来られておりましたので、個別の懇談はありませんでしたけども、国際観艦式の席上やレセプション等でお会いした時に様々な意見交換を行っております。昔から関心を示されていますし、彼自身も横須賀を訪問して、私が「もがみ」型を案内したこともありますので、そういった意見交換を実施しました。細部については、控えさせていただきます。
海自の機雷掃海能力について
記者 :
「海上自衛隊の機雷掃海能力は世界的に見て高い」と言われ、そうした政治家の言及やメディアの報道も最近目立ってきているかと思います。一方、ネット上では、そうした評価について、「何か根拠があるのか」といった声もあります。
海幕長から見て、海自の機雷掃海能力についての評価、海自ならではの強みといったものがあれば教えてください。
海幕長 :
私も報道について承知しております。茂木外務大臣のお言葉についても報道を通じて承知しております。海上自衛隊員としては、とても誇らしく感じておりますし、その高い評価をいただいたことに心から感謝したいと思っております。
どういったレベルにあるかということを定量的に測ったことというのは、過去にも国際的にもないと思っておりますけども、恐らくそういった評価に至ったことについては、過去に戦後からかなり多くの実機雷等を処分しているという実績、あるいは1991年にペルシャ湾に派遣されましたけども、そのときに残っている機雷は非常に難しいところの機雷を、30数個だったと思いますけども、安全に処分できたという実績、あるいは年間に数多くの機雷掃海訓練を実施しております。
大規模なものとしては年に3回、陸奥湾と伊勢湾と日向灘沖ですけども、そこに活動する掃海艦艇全て集まって、しっかりと訓練をやっている。あるいは年に1回硫黄島沖で実機雷の処分訓練を行っている。これは諸外国の同種の部隊に確認したところ、なかなか実機雷を処分する機会はなく、各国海軍からもオブザーバーとして参加していると認識しております。
そういった積み重ねをもって総合的に評価された言葉だと思っておりますし、私もいろいろな立場で掃海訓練を見学しました。元々私も船乗りですけども、掃海艇乗りではないので、その分野をしっかり見るという意味で様々な配置の時に陸奥湾の機雷掃海訓練を見たり、硫黄島での実機雷処分訓練も視察しました。その場での隊員の活動を見る限り、私自身も高い評価を与えていいんじゃないかと思っております。
記者 :
関連して部隊再編で昨日、佐世保で水陸両用戦機雷戦群が新編されたと思います、このねらいや意義があれば教えてください。
海幕長 :
関係する能力を集約して、しっかりと実運用に使えるような形にまとめたというのが実際であります。プラス、(陸上自衛隊の)水機団が佐世保にありますので、今まで横須賀と佐世保で離れており、十分連携を取っておりましたけれども、これ以上に緊密な連携をするには、やはり近場にいた方がいいだろうということで、そちらに移したということであります。
海自の情報作戦集団について
記者 :
情報作戦集団の関連でお尋ねしたいんですけども、陸自も情報作戦隊を作ったりですね、自衛隊全体として情報戦に力を入れていると思うんですが、各幕レベルでやれることと、例えば省全体とか政府全体でやれることとかいろいろあると思うんですが、海自の情報作戦集団として、他幕の情報部隊とか、そういった他のところとどのように連携して行くべきとお考えでしょうか。
海幕長 :
当然我々の活動する部隊としては海の上ですので、そこの情報が主として我々が担当するところになると思います。陸空ともそれぞれ同じような部隊を持っておりますので、それぞれのドメインで情報等を収集し、分析し、それを作戦に活用されるというふうに認識しております。そういったそれぞれの陸海空では強みがあると思いますので、それらを統合するのが情報本部だと思っております。
防衛省としては主として、情報本部が全体的な情報活動については、担われると思っておりますけれども、先ほど申しましたように陸海空それぞれの強みをもって、これまでやってきた実績を持って、その分野の強みを活かして、それを情報本部の方で統合するというような形になると思っております。引き続きこの態勢は続くと思っておりますし、今後も情報本部にしっかりと情報提供するとともに、我々としては陸空とも連携を強化したいと思っております。
オーストラリアの国際観艦式について
記者 :
2つありまして、先立ってご紹介いただきましたオーストラリア出張の関係なんですけども、海幕長も国際観艦式に参加されたと伺っております。
自衛隊のいわゆる観艦式自体が現在中断という形になっているわけですが、国際観艦式については今後やるかもしれないというふうな説明を防衛省の方からは聞いているんですけれども、実際、国際観艦式に参加されて、やはりその日本でやる意義っていうことについては、どのように感じられているのか、まずはお聞かせください。
海幕長 :
オーストラリアの国際観艦式に各国の海軍の代表とともに艦に乗艦して出港しました。そして岸壁に並んでいる他国海軍の艦艇の横を通りながら、そこにオーストラリアの国を代表した方と国防大臣がいらっしゃって、マーク・ハモンド中将がいらっしゃって、最初の方は総督の女性の方と思います。そして国防大臣、そしてマーク・ハモンド中将、そして艦隊指揮官のクリス・スミス少将がいらっしゃった。
そして、各国海軍の横を通る際にはそこに各国海軍の代表が一緒に並んで、そして敬礼を受けられるという形をとりました。当然私も護衛艦「くまの」が参加しておりましたので、「くまの」のときには私がその場に出て一緒に敬礼を受けたというような状況であります。幸いなことにその状況が、オーストラリア海軍が編集した動画に出ておりますので、後で紹介しますので見ていただきたいと思いますけど、「くまの」の乗員の活動する姿も多く出ておりました。非常にいい感じで編集していただいたなと思っております。私の感じですけども、やはり各国海軍の威容とか士気の高さというものは観艦式を通じて感じることができました。
また国際観艦式に出る各国海軍でレセプションがあります。初日には、オーストラリア海軍の艦上でレセプションがありました。そこに各国海軍がおりますので、国際交流も実施することができます。その翌日から、今日はどこどこの海軍がレセプションです。2日目はどこどこの海軍がレセプションですと、それぞれの海軍の艦上で行われますので、そこでの交流もできると思います。
交流が終わったところで洋上に出て、洋上の訓練、今回はKAKADU※ということで実施されると聞いております。その機会を通じて国際交流が深まるし、お互の強みを理解できたりとか相互の意見を交換できたりとか、とても良い場になるんじゃないかなと思っております。
カイジョウジエイタイ君について
記者 :
私だけが気になっているのかもしれないですが、直近2回のですね、すいません3回だったら恐縮なんですが、海幕長の隣に赤いぬいぐるみがですね、置かれていない状況が続いているんですが、先ほどのビデオでもタイ君が非常に親しみやすさを出そうとしてですね、登場していたわけなんですけれども、特に会見から登場してないのは何か理由があるのでしょうか。
海幕長 :
(広報)室長が反省しております。今回、国際観艦式にもカイジョウジエイタイ君を連れて行きました。さすがに私が敬礼を受けるときにはそばに置くことはできませんでしたけども、ある国の海軍のトップの方はとても親しみやすく接していただきまして、一緒にタイ君も含めて記念撮影に応じていただきましたし、公表できるようになったら公表したいなと思っておりますが、他国の海軍との関係もありますので、そこは調整の上、出したいと思います。
最初の質問に戻りますけど、ここにあるのは単に忘れただけだと思います。次回以降また復活させておきます。よろしくお願いします。
記者 :
会見に似つかわしくないというふうな厳しい意見が出てるとかそういうことではない。
海幕長 :
皆さんそのような認識がなければ置かせていただきたいと思っております。
※KAKADU:オーストラリア海軍主催多国間共同訓練
(以上)
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