第6回防衛力変革推進本部を開催、資料を公表 「防衛力の変革の方向性/同志国との連携」について(3月19日)
- 日本の防衛
2026-3-31 12:57
防衛省は令和8(2026)年3月27日(金)、公式サイトにおいて、3月19日(木)に開催した第6回防衛力変革推進本部について報告した。
以下に、開催内容と公表された資料、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣の冒頭発言を転載する。
第6回 防衛力変革推進本部
年月日
令和8年3月19日
議題
「防衛力の変革の方向性」及び「同志国との連携」について
大臣冒頭発言
小泉大臣冒頭発言
関連資料
防衛力の変革の方向性②/同志国との連携
関連資料 防衛力の変革の方向性②/同志国との連携































小泉大臣冒頭発言
第6回「防衛力変革推進本部」における防衛大臣冒頭御発言
本日の議題は「防衛力の変革の方向性」と「同志国との連携」です。
まず、防衛力変革の方向性として5点、①無人アセット、②宇宙、③サイバー、④電磁波、⑤指揮統制・情報通信について議論します。
1点目の無人アセットは、相手の脅威圏の中でのリスクを取った活動や、低コストで大きな打撃を与える活動を可能とするものであり、自衛隊の能力を高めると同時に、隊員の生命に対するリスクを局限するものです。
自衛隊は「世界で最も隊員の命を大切にする組織」でなければなりません。そのためにも、自衛隊を「世界一無人アセットを駆使する組織」に変革します。特に前線での徹底した無人化・自動化・省人化を、トップ・プライオリティで進めてください。
その際、スタートアップや最新技術を迅速に活用するため、最初から100%の性能を求める完璧主義をやめ、とにかくまず部隊で使ってみるというマインドに変革することも重要です。
また、迅速に構想、戦術や装備を改善するラピッド・イノベーション・サイクルの取組を実現できるよう、そのための演習を今の時点から行い、課題を洗い出してください。
2点目は宇宙です。周辺国の対衛星兵器をはじめとする脅威が拡大している中、防衛省・自衛隊は、来年度、航空宇宙自衛隊の発足や宇宙部隊のさらなる人員拡大を行う予定です。また、画像衛星コンステレーション等により、迅速かつ的確な戦況把握を行い、迅速な意思決定を実現するための取組を進めてください。
宇宙は、防衛のみならず、GPSなど国民生活にとっても大変重要な分野です。また、RPO(接近・近傍技術)など、我が国が優位を持つ技術を活用し、同盟国・同志国にとっての我が国の不可欠性を高める取組を加速させてください。
3点目のサイバーについては、国家の関与する高度な攻撃や、重要インフラを狙った攻撃が発生しており、ウクライナでは、地上侵攻前から衛星通信網などを標的にした同時多発的な攻撃が発生しました。
平素から潜在的脅威を排除する、有事の同時多発的攻撃にも耐え得る態勢を構築するといった取組を進めてください。
4点目の電磁波は、レーダー、ミサイル誘導などの軍事機能を直接支えるものです。また、電子戦装備は、無人機への有効な対抗手段でもあります。
電磁波の利用と妨害は相互に絶え間ない進化を続けています。大量の無人機に同時対処する電子妨害や、GPSによらずともミサイルや無人機を正確に誘導するための取組を進めてください。
また、周波数帯を効率的に活用するためには、陸・海・空・宇宙といった領域を横断して電磁波作戦を実施することが必要です。電磁波の作戦環境の把握、周波数割当の自動化といった取組についても検討を進めてください。
5点目は、指揮統制・情報通信です。リアルタイムの高速・大容量通信や高度なデータ処理・分析が可能になり、データとAIを駆使した戦いが繰り広げられています。
意思決定のスピードで敵を上回るため、抗たん性の高い通信ネットワークや、大量の情報を蓄積・処理可能なデータ基盤を構築してください。このために、データの「安全」と「主権」が確保されたクラウドの導入を進めてください。
また、AIについては、「AI導入推進チーム」を立ち上げ、全省庁に先駆けて霞が関におけるAI活用の事例を打ち立てましたが、さらに進んで日本におけるAI活用の先駆者となるため、必要な人材確保も含めて速やかに検討を進めてください。
そして、以上の5つの分野について、その重要性を踏まえ、敵による利用を如何に妨害するか、また、万が一これらの分野で劣勢に追い込まれた場合に如何に対応するかといった点も十分に議論し、速やかに取組を進めてください。
もう1つの議題は、「同志国との連携」です。
北朝鮮の兵士や弾薬がロシアのウクライナ侵略の継続を可能としているように、今やインド太平洋と欧州大西洋の安全保障は一体不可分です。また、宇宙、サイバー、情報戦といった、地理的制約のない戦いがますます重要になっています。
同志国との間で、訓練、部隊運用、装備品、産業基盤などのあらゆる面で相互連結性を高め、有事への対応を含む、一歩進んだ安全保障協力を進めてください。
私自身、着任以来、マレーシア、アメリカ、スイス、ドイツなどを訪れるとともに、オーストラリアのマールズ副首相や韓国のアン長官などを日本にお迎えし、つい先日も多数の太平洋島嶼国との会合JPIDDを主催しました。このようなリーダー間の信頼関係を基盤としつつ、同志国との協力を単なる友好親善から如何に変革していくべきか、率直なご議論をお願いします。
(以上)
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