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防衛省、第5回防衛力変革推進本部を開催 スタンドオフ能力など議論(3月4日)

  • 日本の防衛

2026-3-9 10:15

 防衛省は令和8(2026)年3月5日(木)、公式サイトにおいて、3月4日に開催した第5回防衛力変革推進本部について報告した。
 以下に、開催内容と小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣の冒頭発言を転載する。

第5回 防衛力変革推進本部

年月日

 令和8年3月4日

議題

 防衛力の変革の方向性等について

大臣冒頭発言

 小泉大臣冒頭発言

小泉大臣冒頭発言

 本日の第5回「防衛力変革推進本部」の議題は、「防衛力の変革の方向性」です。
 ウクライナで見られる新たな戦い方、また、これまでの議論を踏まえ、海洋国家としての我が国独自の新しい戦い方・戦略を実現するためには、防衛力をどう変革させるべきか。
 本日は、①スタンド・オフ防衛能力、②統合防空ミサイル防衛能力、③太平洋防衛・シーレーン防衛の3点について方向性を議論します。

 1点目のスタンド・オフ防衛能力。
 これについては、東西南北、それぞれ約3000キロに及ぶ我が国の領域を守り抜くためには、我が国に侵攻してくる敵の艦艇や航空機を可能な限り遠方で阻止・排除することが不可欠です。
 この際、人口減少下にある我が国において、自衛隊員の命を守り、人的被害を局限することは至上命題です。「世界で最も隊員の命を大切にする組織」である自衛隊は、「侵攻への対処は敵の脅威の外から行う」ことが基本となります。この意味で、スタンド・オフ防衛能力は無人アセットと並ぶ重要な位置を占めます。
 また、敵の侵攻は我が国のどの地域に対しても行われる可能性があります。これに対して、我が国の様々な地点から、侵攻を重層的に阻止・排除するために十分な能力を保有することが、抑止の観点から重要です。速やかに我々自身のスタンド・オフ防衛能力を確保するため、今月中に最初の部隊配備を行いますが、今後も迅速に体制を整備していく必要があります。

 2点目は、統合防空ミサイル防衛能力です。
 ロシアによる侵略に対して、ウクライナは防空アセットの分散配置等により緒戦で戦力の大半を航空攻撃から守ることができました。これが、ウクライナが粘り強く戦うことのできている理由の1つです。また、現在、イランから周辺国にミサイル等による攻撃が行われていますが、各国は米軍とも協力し、防空システム等により国民への被害の局限を図っています。
 我が国周辺では、ミサイルやドローンを含む空からの脅威が深刻化し続けています。
 北朝鮮は、極超音速ミサイルと称するものや低空を変則軌道で飛翔する弾道ミサイルを発射しています。中国は、射程3百km以上の地上発射型ミサイルを3千発以上や対艦弾道ミサイルを保有しているほか、ロシア含め、迎撃がより困難な極超音速滑空兵器HGVの導入を進めています。
 これらの新たな空からの脅威を迎撃する能力を備え、分散・欺瞞も含めた防空能力を大幅に強化しなければ、自衛隊は敵の侵攻の初期の段階で我が国を防衛する能力を喪失することになりかねません。また、それにとどまらず、国民の命や日常生活にも深刻な影響が出かねません。統合防空ミサイル防衛能力の死活的な重要性はこの点にあります。

 3点目は、太平洋・シーレーン防衛です。
 四方を海に囲まれた我が国は、衣食住の原材料のほとんどを海上交通路を通じた輸入に依存しており、シーレーンの安全は我が国の経済活動の生命線です。そして、国家としての経済活動が継続されなければ、自衛隊が長期戦を戦い抜くことも不可能です。
 我が国のシーレーンの多くは最終的に西太平洋に収束していますが、近年、太平洋における周辺国の軍事活動が活発化しています。
 昨年12月には、中国空母が初めて、沖縄本島東方から奄美大島東方の太平洋上にかけて航行しました。また、中国とロシアによる爆撃機の共同飛行も活発に行われています。
 こうした中、太平洋側の防衛体制の強化と、我が国のシーレーンを守るための取組を進めていくことが急務です。
 同時に、シーレーンの重要性を共有する同盟国・同志国等との連携も深めていかなければなりません。
 前回も述べたとおり、現在の厳しい安全保障環境を踏まえれば、ここ1、2年という短期間で成果の出る抑止力の強化も必要です。本日議論する分野についても、できることから速やかに進めてください。

 本日の3点は、いずれも、自衛隊員、そして、国民の命を守り抜くために不可欠の能力です。本日も、防衛力の変革に向け、幹部の皆様の知見と経験を活かしつつ、従来の発想にとらわれない率直な議論を期待します。
 最後になりますが、今日は事前に皆さん資料を読み込んで出席してくれていると思いますが、今回の資料も素晴らしい内容でした。
 準備、作成に当たった職員の皆さんに感謝を申し上げ、冒頭のご挨拶に代えさせていただきます。

(以上)

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