小泉防衛大臣が記者会見 北朝鮮による「重要兵器システム」試験実施などについて(4月10日)
- 日本の防衛
2026-4-14 10:30
令和8(2026)年4月10日(金)8時47分~8時57分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項はなく、以下のとおり記者との質疑応答が行われた。
記者との質疑応答
北朝鮮による6日~8日の「重要兵器システム」試験実施について
記者 :
北朝鮮のメディアは、おとといまでの3日間にわたり、重要な兵器システムの実験が行われたと伝えました。相次いだミサイルの発射も含まれると見られます。このほか、クラスター弾の実験や敵の通信機器を破壊する電磁兵器システムの実験も行われたとしています。改めてですね、政府としての現在の分析状況や受け止め、また、兵器開発や実験を加速化させている北朝鮮への今後の対応について伺います。
大臣 :
御指摘の北朝鮮の発表については承知していますが、その一つ一つにコメントすることは差し控えます。その上で、4月8日午後に発射された弾道ミサイルについては、これまでに得られた情報を総合的に勘案すると、短距離弾道ミサイルであったと推定しています。更なる詳細については、引き続き、日米韓3か国で緊密に連携して分析を行っているところです。今般の弾道ミサイルの発射を含め、北朝鮮による核・ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。また、このような弾道ミサイルの発射は、関連する国連安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題です。また、北朝鮮は核・ミサイル開発を継続するだけでなく、通常戦力の増強にも注力しています。こうした北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっていると認識しています。政府としては、引き続き、必要な情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げていくとともに、アメリカ及び韓国をはじめとする国際社会とも協力しながら、関連する国連安保理決議の完全な履行に向けた取組を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めていく考えです。
日本の新興企業による迎撃無人機の開発・製造を行うウクライナ企業への出資について
記者 :
ロシア、ウクライナに関連して伺います。無人機開発を手がける日本企業が、迎撃無人機を開発・製造するウクライナ企業に出資したと発表したことに関して、ロシア外務省が駐ロシア大使を呼び出し抗議したことを明らかにしました。この件について受け止めがあればお願いします。また、大臣は、新興企業が防衛産業に参画することの重要性を度々指摘されておりますが、この日本企業がウクライナ企業に出資したことを前向きに捉えていらっしゃるか、また、機能が高いとされるウクライナ製のドローンを将来的に防衛省が取得する考えがあるかもあわせて伺います。
大臣 :
報道については承知していますが、外交当局間のやり取りや民間企業の個別具体的な活動について、防衛省として所感を述べることは差し控えます。その上で、一般論として申し上げれば、我が国防衛の喫緊の課題となっている無人アセット防衛能力の強化に当たっては、継戦能力の確保等の面で、国内に無人機の生産・技術基盤が存在することが望ましいと考えており、この観点から、国内企業の無人機に係る生産力や技術力の向上は意義があると考えています。また、ウクライナ製のドローンの将来的な取得についてもお尋ねがありましたが、一般的に、防衛装備品の導入にあたっては、特定の国の装備品の取得を予断することなく、我が国を取り巻く安全保障環境等を踏まえながら、自衛隊として運用する上で必要な要求性能、経費、維持・整備などの様々な要素を総合的に勘案し、調達に関する法令に則って公平・公正な手続きを経て、今後の我が国の防衛に必要な装備品を取得していく、というのが基本的な考え方です。引き続き、あらゆる選択肢を検討しつつ、一方で特定の国の装備品の取得を予断することなく、無人アセットを含む我が国の防衛に必要な装備品を適切に取得していきたいと思います。
イラン情勢に伴う日本所在の米海軍等の中東派遣、日米同盟の抑止力・対処力への影響について
記者 :
中東情勢の影響についてお伺いします。イラン情勢を受けて、これまで沖縄の第31海兵遠征部隊や佐世保の強襲揚陸艦が中東に派遣されるなどの動きがありました。インド太平洋地域に戦力の空白が生じることへの懸念や、日米同盟の抑止力・対処力の影響についてどうお考えでしょうか。
大臣 :
アメリカからは、今般の中東情勢は米軍による我が国周辺の警戒監視態勢に影響しないという説明を受けています。また、これは昨日の国会でも申し上げましたが、ヘグセス長官からも、3月15日に実施した電話会談で、日米同盟の抑止力・対処力の強化及び地域の平和と安定へのコミットメントが改めて示されるとともに、今般の中東情勢は、在日米軍の態勢に変更を与えるものではなく、引き続き、万全の態勢をとっているという発言がありました。いずれにしても、我が国の防衛に責任を負う防衛大臣として、いかなる事態の推移にも対応できるよう、引き続き、同盟国であるアメリカとも緊密に意思疎通をして、我が国周辺の警戒監視等に万全を期してまいります。
防衛省が発表した2026年度の補助金関係の実施計画について
記者 :
昨日、防衛省は2026年度の補助金関係の実施計画を発表いたしました。その中で、先島諸島の地下シェルター整備に関する費用として20億円近くを計上いたしました。大臣として、有事を見越したシェルター整備の意義をお聞かせください。また、今後、本島内にも同様の特定臨時避難施設を整備していく御予定はあるのか教えてください。
大臣 :
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中、国民の安全・安心を確保していく上で、シェルターの確保に関する取組を進めることは重要です。先月末には、より高い水準で、国全体のレジリエンスを向上させ、国民保護体制の強化と実効性の向上を図るため、シェルターの確保に関する基本方針を先月3月31日に閣議決定したところであり、政府一体となって取組を着実に進めています。その上で、特定臨時避難施設については、離島による避難の困難性等の事情に鑑み、先島5市町村において整備することとされており、防衛省としては、防衛施設が所在する与那国町、石垣市、宮古島市における整備を支援してまいりました。現時点で、先島5市町村以外で特定臨時避難施設を整備する計画はないと承知していますが、防衛省としては、引き続き、政府全体の取組に協力していきたいと思います。
3月に米軍が強行した嘉手納基地でのパラシュート降下訓練について
記者 :
嘉手納基地での米軍のパラシュート降下訓練についてお伺いいたします。大臣は、米側に例外的と判断したことについて確認中としていますが、何らかの回答はありましたでしょうか。あと、回答がもしなければ、めどみたいなものはあるのでしょうか。
大臣 :
今回の訓練について、アメリカ側からは、パラシュート降下訓練を行う上では、降下隊員の安全確保が重要であり、訓練を安全に実施できるか、総合的に検証する必要がある。今回の訓練についても、そうした検証を経て、調整を行った結果として、伊江島での実施が困難な状況であったため、嘉手納飛行場で実施した。パラシュート降下作戦に係る資格の期限が切れてしまうおそれがあり、部隊の即応性を維持させる関係から、このタイミングで実施する緊急の必要性があったとの説明を受けており、防衛省としては、今回の訓練を例外的な場合であるとしたアメリカ側の判断は、日米合意に沿ったものと理解をしています。これ以上のアメリカ側とのやり取りの細部についてはお答えを差し控えますが、いずれにしても、アメリカ側に対し、訓練の実施に当たり、公共の安全に妥当な考慮を払うとともに、周辺地域への影響を最小限にとどめるよう引き続きしっかりと働きかけてまいります。
4月12日に迎える「普天間返還合意30年」について
記者 :
もう1点、今週日曜日12日で、30年となる普天間返還についてお伺いします。防衛省は、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を進めています。一方で、普天間の返還期日が明示されておらず、仮に辺野古が完成しても、普天間が返還されないのではないかとの見方もあります。大臣の御見解をお伺いいたします。
大臣 :
普天間飛行場をめぐる問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去することです。普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければなりません。これは、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。私自身、今年1月に普天間飛行場を視察し、市街地に位置して住宅や学校に囲まれた飛行場の危険性を、改めて強く認識したところです。本年1月の日米防衛相会談も含め、日米間で累次にわたり確認してきているとおり、辺野古移設が唯一の解決策です。この方針に基づいて、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、危険性を除去することにつながると考えています。普天間飛行場の具体的な返還時期については、完成後における部隊の移転などのプロセスを考慮した上で決定されるものですが、提供手続完了後、早期に普天間飛行場の全面返還が実現できるよう、引き続き、アメリカと緊密に連携してまいります。その上で、返還時期や見通しを地元の皆様にお示しすることは、大変重要なことであると考えています。可能な限り速やかにお示しできるよう、普天間飛行場の全面返還に向けて全力で取り組んでいるところであり、辺野古への移設完了後も、普天間飛行場が返還されない、などという状況は全く想定しておりません。
(以上)
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