ノースロップ・グラマンの無人偵察機MQ-4Cトライトン、北極海上空で航法装置の能力を実証
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2024-10-7 10:40
米国の防衛大手企業ノースロップ・グラマンは令和6(2024)年9月28日、無人偵察機MQ-4Cトライトンが「北極線以北の高緯度での運用」のための航法装置の実証を成功させたと発表した。発表内容の全文は以下の通り。
ノースロップ・グラマンのMQ-4Cトライトン、北極海上空で航法装置の能力を実証
デッドホース(アラスカ州)–2024年9月19日–ノースロップ・グラマン社(NYSE:NOC)のMQ-4Cトライトンは、北極域において重要な情報収集・警戒監視・偵察・ターゲティング(ISR&T)といった能力を提供するコミットメントを果たすべく、北極線以北の高緯度で運用するための航法装置の実証を成功させました。先進的なテクノロジー設計によって開発されたトライトンは高度15,000m(50,000フィート)以上で24時間以上にわたって任務を遂行できる能力を持つ唯一の自律型高高度滞空型無人機(HALE)です。
・アラスカのデッドホースから行われたテストフライトにおいて、トライトンは北極点から約180km圏内まで飛行し、ノースロップ・グラマンが独自開発した航法装置、ミッション・マネジメントコンピュータ、アップグレードされた運用フライトプログラムを用いて、北極圏においてトライトンの航法能力の実証に成功しました。
・テストフライトを行なったトライトンは5時間の飛行中、航法データを収集しました。テストフライトは米国とカナダの領空内で行われました。
・このテストフライトではさらに、地上設置のGPSとの連携と北緯70度以北に所在する滑走路からのオペレーションを可能にするイニシャライゼーション手順の実証も行いました。
・高高度滞空型無人機として、北極圏の風域のはるか上空を飛行します。中高度においてミッションの遂行を制約する距離とスピードのインパクトを避けることができるトライトンは、北極域での様々なミッションの遂行に適しています。
専門家のコメント
ノースロップ・グラマン社グローバルサーべランス部門担当バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャーのジェーン・ビショップは次のように述べています。「厳しい極寒の環境でのフライトオペレーションでの航法の前には、他にはない様々な挑戦が立ちはだかります。ノースロップ・グラマンの今回のデモンストレーションは、そのようなチャレンジングな環境においてもトライトンがその能力を発揮できることを明確に示すものです。」
米海軍トライトンプログラムのマネージャーであるジョシュ・ゲール大佐は次のように述べています。「脅威と環境において他の地域とは異なる独特な北極圏は今日ますます重要な作戦の舞台となっています。我々は米国と海外のカスタマーのために、そのようなミッション環境をサポートする準備が整っています。」
詳細
今回のテストフライトは、2023年6月にアラスカ湾上空で行われた同種のデモンストレーションに続くものです。ノーザン・エッジ2023演習においては、トライトンのレーダーは、荒れた海において安全な距離から、兵器誘導に用いることができるレベルの精度で目標を探知・追跡・撮像するという比類のない能力を実証しました。
同盟国が洋上警戒監視無人機の取得オプションを検討している中で、これらのデモンストレーションは、チャレンジングな環境におけるトライトンの運用能力を証明するものです。北極圏においては、航法だけでなく警戒監視オペレーションも強風と荒れた海によって困難なものになります。トライトンの運用高度は15,000m(50,000フィート)以上であり、悪天候の空域よりも高い高度での運用が可能です。運用高度が3,000〜9,000m(10,000〜15,000フィート)程度に制約される中高度無人機は悪天候の影響を受けます。トライトンの除氷と氷結防止の能力が、北極という極限の環境における任務即応性とオペレーション遂行能力を確実なものにしています。
米海軍とオーストラリア空軍向けに開発・製造されたマルチ情報収集機MQ-4Cトライトンは、洋上哨戒・SIGINT・捜索救助を含む様々なミッションをサポートします。トライトンは、中高度無人機システムよりも高い高度を飛行し、より長時間の滞空性能を有します。またリアルタイム・マルチ情報収集センサーによるオペレーションも可能です。それによりトライトンは飛躍的に大量のミッション情報を送信することができます。
ノースロップ・グラマン社についてノースロップ・グラマンは、航空宇宙と防衛技術分野におけるグローバルなリーディングカンパニーです。時代を切り拓く弊社のソリューションは、カスタマーが世界と繋がり、また世界を守るために必要な能力を提供し、人類の探究の境界を広げています。カスタマーの最も困難な問題を解決するという共通の目的を原動力として、弊社の従業員は可能性の限界に日々挑戦しています。
(以上)
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