日本からフィリピンへ次なる移転装備は「あぶくま」型護衛艦など 共同プレスステートメントと共同声明(5月5日)
- その他
2026-5-8 10:15
防衛省は令和8(2026)年5月5日(金)21時00分、同日マニラにおいて実施された小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣とフィリピンのギルベルト・テオドロ国防大臣の防衛相会談を受けて、会談の合意事項をまとめた両大臣連名の共同プレスステートメントを発表し、装備移転に特化した内容の両大臣連名の署名入り声明を発表した。

両文書を以下に転載する。
日・フィリピン防衛相 共同プレスステートメント
2026年5月5日、小泉進次郎防衛大臣とギルベルト・テオドロ国防大臣は、マニラにおいて防衛相会談を実施した。
両閣僚は、日・フィリピン円滑化協定の発効や日・フィリピン物品役務相互協定の署名をはじめ、両国間の運用面における連携が大きく進展していることを歓迎した。また、両閣僚は日本とフィリピンが継続的に実施してきた人道支援・災害救援分野における共同訓練に加え、今般、円滑化協定を適用して米比共同訓練「バリカタン26」において自衛隊が実動訓練を実施していることは、日・フィリピン両国の運用面での連携の深化を象徴するものであるとの認識を共有した。さらに、両閣僚は「バリカタン26」に加え、海上協同活動等の、日米比及び日米豪比等の多国間での訓練活動において、引き続き着実な進展が見られることを歓迎した。
両閣僚は、東シナ海及び南シナ海における、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対することを改めて表明するとともに、日本の尖閣諸島周辺における領海侵入や領空侵犯を含め、日本周辺の海空域における中国による威圧的な活動の規模及び頻度の増大について、深刻な懸念を表明した。また、両閣僚は中国によるフィリピンに対する危険かつ威圧的な活動の強化を含む、南シナ海における情勢に関する深刻な懸念を共有した。
両閣僚は、地域情勢が緊迫化する中、両国間で情勢認識を共有することが重要であるとの共通認識に基づき、両閣僚の指示の下、防衛当局間において地域情勢について意見交換が深められていることを歓迎するとともに、今後もこうした議論を継続していくことを確認した。
また、両閣僚は、両国の連携が両国の国家強靭性(レジリエンス)にとって極めて重要であるとの認識を共有した。両閣僚は、閣僚級対話の下、防衛大臣級、次官級及び両国防衛当局の実務者レベルにおいて、政策、運用、装備・技術協力を含む既存及び新規のプラットフォームを統合的に機能させる意図を確認した。これは、両国間の政策対話及び防衛面の協働を統合的・包括的な形で、さらに拡大・深化させていくことを目的とするものである。その上で、両国の安全及び地域の平和と安定を確保するため必要な場合には、日本とフィリピンが協議を実施することで一致した。
また、両閣僚は、特に海洋状況把握能力向上のため、両国の運用面を含む連携強化と拡大を急ぐ必要があることで一致し、その実効性を一層高めるため、情報共有の制度的枠組みを含め、関連する制度を迅速に構築するとともに、両国及び地域の抑止力に資する新たな取組を特定し、これを両国で進めていくことで一致した。両閣僚は、防衛装備・技術協力がこうした取組の一つであることを確認するとともに、今般の日本政府による防衛装備移転三原則及び運用指針の改定を歓迎しつつ、防衛装備・技術協力のさらなる推進に関する日・フィリピン防衛相の声明に署名した。
両閣僚は、二国間での連携に加え、日米比、日米豪比、ASEAN等の多国間における防衛面の協働を強化していくことで一致した。
高市内閣総理大臣とマルコス大統領の力強いリーダーシップの下、両閣僚は「自由で開かれた太平洋(FOIP)」の下における具体的な二国間および多国間の取組を強化していくとの揺るぎない決意を表明した。
防衛装備・技術協力のさらなる推進に関する日・フィリピン防衛相の声明
1.小泉大臣は、今回の防衛装備移転三原則及び運用指針(以下「三原則」)の改正について説明するとともに、これまで日本が一貫して地域と世界の平和と安定に貢献してきたこと、新たな装備移転制度はこのような一貫した取組の一つとして、パートナー国の抑止力・対処力強化等を通じ、地域の平和と安定を強化するものであることを強調し、このような趣旨を実現するためフィリピン側との具体的な連携と協働をさらに拡大・深化していくことについて、日本側の明確な意図を表明した。
2.テオドロ大臣は、地域と世界の平和と安定に一貫して貢献してきた日本の取組を改めて支持し、今般の日本側の三原則の改正がこうした日本の貢献をさらに強化していくものとして歓迎した。さらに、本改正を踏まえ、両国間の防衛面での連携と協働をさらに強化していくことへの期待を表明した。
3.両大臣は、新たな三原則も踏まえ、両国の安全と地域の平和と安定を確保するため必要な協力を行っていくことのコミットメントを表明し、情報共有の制度的枠組みの追求を含め、特に海洋安全保障分野において両国間の防衛面の協働を統合的・包括的な形で、さらに拡大・深化させていく決意を共有した。
4.両大臣は、上記3.の一環として、フィリピン側の要請も踏まえ、TC-90及び「あぶくま」型護衛艦を含む防衛装備品の移転を以下の方向で議論していくことを決定した。
(1)両国の防衛面での協働に資する装備品を特定し、当該装備品そのものの移転だけではなく、比海軍への当該装備品に係る教育訓練及びその運用を持続するための維持整備分野に係る支援、軍種間の運用面での連携並びに情報共有及び移転後の装備品の適切な管理の在り方を含め、新たな三原則の下で、日比防衛協力の一環としての包括的な装備協力を実現するための議論を行う。
(2)上記についての議論を行うため、両大臣のリーダーシップの下、両国防衛当局の政策、運用、装備部門を含むワーキンググループを設置する。
5.両大臣は、日本及びフィリピンが戦略的パートナーとして、防衛当局間において両国の連携を強化し、米国及びその他のパートナーと緊密に協力するとともに、インド太平洋地域の平和と安定の実現に取り組む意図を改めて確認した。
日本国防衛省のために
日本国 防衛大臣 小泉 進次郎
フィリピン共和国国防省のために
フィリピン共和国 国防大臣 ギルベルト・テオドロ
(以上)
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