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木原防衛大臣、中国軍機の領空侵犯や普天間飛行場の移設などの質問に回答(8月30日)

  • 防衛省関連

2024-9-3 10:05

 令和6(2024)年8月30日(金)10時59分~11時11分、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室において閣議後会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

日豪防衛相会談と日豪「2+2」の実施予定について

大臣 :日豪「2+2」及び日豪防衛相会談の実施についてでございます。私は、諸般の事情が許せば、9月4日水曜日に予定されております日豪防衛相会談、そして、翌5日木曜日に予定されております日豪「2+2」(外務・防衛閣僚協議)への出席のため、豪州を訪問いたします。
 豪州との「2+2」は、2022年12月に東京で実施して以来、約2年ぶりであり、防衛相会談は、今年5月にハワイで実施して以来ということになります。我が国と豪州は、価値観、戦略目標を完全に共有しており、防衛協力についても、戦略連携、共同訓練・運用協力、装備・技術協力などあらゆる分野に拡大をしているところです。今回の会談では、地域情勢について両国の認識を共有するとともに、日豪間の安全保障・防衛協力の更なる進展に向けて具体的な議論を行う予定となっております。

記者との質疑応答

中国軍機による領空侵犯について

記者 :先日の中国軍機の領空侵犯の関係で、長崎県が防衛省にこういった事案が発生した場合にですね、情報提供するように求めているんですけれども、こういった要求に対する対応について教えてください。

大臣 :長崎県の方から、8月26日の中国軍機による領空侵犯に関連しまして、速やかな情報提供等について御要望というのがあったところであります。防衛省としましては、今般の長崎県の御要望も踏まえて、引き続き、関係自治体の皆様と意思疎通を図りつつ、丁寧な説明や速やかな情報提供に努めていくという考えでございます。

記者 :今の中国の領空侵犯について御質問なんですけれども、昨日、中国の呉謙報道官が中国メディアからの質問に対して、中国と日本は外交ルートを通じて意思疎通を図っており、中国はこれまでも常に各国の主権を尊重していると、過度な解釈をしないよう望むというようなことを強調しておりました。その昨日の報道官会見についての大臣の受け止めをよろしくお願いいたします。

大臣 :29日に中国国防部の定例記者会見でのコメントというのは承知をしております。日本政府としましては、引き続き、外交・防衛双方のルートで中国側に対し、本事案が発生した原因を含め、然るべき説明を求めているところでありまして、これ以上のやり取りの詳細についてはお答えするということはこの場では差し控えますが、様々なレベルで意思疎通というものを行っているところであり、これからも行ってまいります。
 防衛省としては、中国の軍事動向に対して、引き続き強い関心をもって注視するとともに、警戒監視及び対領空侵犯措置に万全を期してまいります。

中国軍機の領空侵犯に関する中国側の説明について

記者 :領空侵犯についてお伺いします。中国側に経緯ですとか、理由の説明を求めていると、大臣おっしゃっておりましたけれども、明確な説明というのは来ているのかというのを教えてください。また、防衛省として、最新の分析状況、可能な範囲でもしお分かりなら、それも教えてください。

大臣 :8月26日に発生した事案というのは、領空侵犯であり、我が国の主権に重大な侵害であるだけでなく、安全を脅かすものであり、前回も申し上げましたが、全く受け入れることはできません。同日中にですね、中国政府に外交ルートで極めて厳重に抗議するとともに、再発防止というのを強く求めたところではあります。
 その後、中国外交部は、27日及び28日の定例記者会見で、いかなる国の領空にも侵入する意図はない旨を述べたものと承知をしております。政府としては、引き続き、外交・防衛双方のルートで中国側に対し、発生原因を含めて、然るべき説明というのを求めているところでありますが、様々なレベルでですね、意思疎通というものは行っているところです。
 また、当該中国軍機の行動の意図とか目的ということについてはですね、これについては確固たることをお答えすることは困難でありますが、中国軍の軍事動向というのを注視をしながらですね、強い関心を持って、これからも注視するとともに、警戒監視、そして対領空侵犯措置に万全を期すということに現時点は尽きるというふうに判断をしております。

記者 :今のに関連して、防衛当局としてもですね、様々なレベルでというふうにおっしゃいましたけれども、それ大臣御自身も含めてということなのか、あるいは内局なのか部隊なのか、どういったレベルを含んでいるというふうに理解すればよろしいでしょうか。また、ホットラインは使用してらっしゃるんでしょうか。

大臣 :様々なレベルでというのは、もちろん、日中の防衛当局間においては、海空連絡メカニズムというのがございます。その中には、内容としては、日中防衛当局間のホットラインというのを開設をしているわけであります。
 そして、外交ルートというのは、そういったホットライン等にも加えてですね、今回については、防衛政策局長が国防武官に対して極めて厳重に抗議を行うなど、そういった大使館でのルートもありますし、詳細なやり取りについては、お答えすることは差し控えますが、あらゆるレベルにおいて、発生した原因を含めて然るべき説明を引き続き求めているということになります。
 正に、私ども然るべき説明を求めているということは、そういう意思疎通ができているということでもありますし、報道官もですね、そういう趣旨のことを、日本側とのコミュニケーションのことを言っているのではないかと思います。再発防止に向けて、あるいは今回の原因究明に向けて、私どもとしてもしっかりとした説明をですね、引き続き求めていくということになります。

普天間飛行場の名護市辺野古移設について

記者 :普天間飛行場の名護市辺野古移設について伺います。沖縄防衛局は、沖縄県と続けていた護岸工事や環境対策の事前協議を終了すると伝えました。
 承認権限を持つ沖縄県が協議の継続を求めているにもかかわらず、一方的に協議を打ち切るのは、私人と同じ立場で埋め立て承認を得たとする沖縄防衛局の従来の主張と矛盾しないでしょうか。また、20日に着工したA護岸以外の護岸についても今後は協議しない考えでしょうか。

大臣 :A護岸を含みます大浦湾側の工事に係る実施設計協議等につきましては、沖縄防衛局において、沖縄県との間で協議を開始したのは昨年の9月でございました。したがって、約1年近くにわたって協議を行ったことになります。
 この間、沖縄県側からの質問等に対して、迅速かつ丁寧に対応をしてきたものであります。実際には、7回の質問で249にわたる事項について御質問いただき、協議というものは十分に行われたものというふうに承知しております。
 したがって、8月20日からの工事に着手する旨というのを事前に通知した上でですね、同日から工事に着手したものと、沖縄防衛局からそういうふうに報告を受けたわけでございます。防衛省としては、引き続き、普天間飛行場の一日も早い全面返還というのを実現するために、自然環境であったり、あるいは住民の生活環境にも十分に配慮しながら、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。

記者 :今回着手した護岸以外の護岸についての協議についてはいかがでしょうか。

大臣 :申し上げましたようにですね、今回私どもは、実施設計協議について昨年9月から始めた協議の中におきまして、実際には他の護岸、この大浦湾側の工事にかかる実施協議、A護岸を含むということでありますから、他の護岸というのも全部含まれると、そういう認識であります。今回その協議をですね、十分に行われたと、そういう認識でございます。

(以上)

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