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第11回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)を実施(9月5日、オーストラリア)

  • 防衛省関連

2024-9-9 12:12

 防衛省は令和6(2024)年9月5日(木)18時30分、オーストラリアを訪問中の上川陽子(かみかわ・ようこ)外務大臣及び木原 稔(きはら・みのる)防衛大臣がメルボルンにおいて、現地時間11時20分(日本時間:同日10時20分)から約2時間にわたりリチャード・マールズ・オーストラリア連邦副首相 兼 国防大臣及びペニー・ウォン・オーストラリア連邦外務大臣との間で、第11回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)を実施したことを公表した。

 概要は以下のとおり。なお、同協議開催後、共同声明が発出された。

第11回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)の開催

 現地時間9月5日午前11時20分(日本時間同日午前10時20分)から約2時間、豪州・メルボルンにおいて、木原稔防衛大臣及び上川陽子外務大臣は、リチャード・マールズ・オーストラリア連邦副首相兼国防大臣(The Hon. Richard Marles MP, Deputy Prime Minister and Minister for Defence of the Commonwealth of Australia)及びペニー・ウォン・オーストラリア連邦外務大臣(Senator the Hon. Penny Wong, Minister for Foreign Affairs of the Commonwealth of Australia)との間で、第11回日豪外務・防衛閣僚協議(「2+2」)を実施したところ、概要は以下のとおりです。なお、同協議開催後、共同声明が発出されました。

1 総論

 冒頭、上川大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に共に取り組む豪州は、いまや日本の安全保障に不可欠な存在であり、今後も安全保障協力をたゆみなく強化し、新しい次元に引き上げていくことが必要であ る旨述べました。さらに、木原大臣は、日豪は価値観と戦略目標を完全に共有しており、日豪協力の次なる段階として、平素から緊急事態に至るあらゆる状況での自衛隊と豪軍が実効的に連携する態勢を構築し、米国と共に実践的な抑止力・対処力を強化していきたい旨述べました。

2 インド太平洋地域の安全保障環境

 日豪双方は、インド太平洋地域の安全保障環境について率直な意見交換を行い、戦略認識を深く共有していることを確認しました。その上で、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて先導的役割を果たしていくことで一致しました。

(1)東シナ海及び南シナ海における力又は威圧により現状変更を試みるいかなる一方的な行動にも強く反対することを再確認しました。また、最近の中国軍アセットによる日本の領域における活動について、深刻な懸念をもって議論しました。南シナ海については、中国による危険で威圧的な行動の強化を含む、最近の情勢に深刻な懸念を表明するとともに、地域の安定を損なう可能性のある威圧的行動に反対することで一致しました。また、台湾海峡の平和と安定の重要性について一致しました。

(2)北朝鮮による 核・ミサイル活動や露朝軍事協力の進展、拉致問題を含む北朝鮮への対応について、連携を確認しました。

(3)東南アジア諸国及び太平洋島嶼国について、戦略環境の変化や各国の優先事項を踏まえ、日豪で連携して、地域の安定と繁栄を確保するために取り組んでいくことで一致しました。

3 安全保障協力

(1)全般
 日豪双方は、2022年に発出した「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に沿って、あらゆる国家手段を取り込みつつ、日豪の戦略的協力・安全保障協力をたゆみなく深化させていくことで一致しました。
 日豪双方は、米国との協働を含め、共同で 抑止力を強化し、相互運用性を高め、両国の安全保障政策をより緊密に連携させ ていくことで一致しました。

(2) 特別なパートナーシップの強化
 日豪双方は、日豪経済安全保障対話の活用を含め、経済安全保障分野での
連携を強化することで一致しました。
 日豪双方は、 外国による情報操作の影響についての共同の理解を発展させること及び社会の強じん性を構築するために市民社会、メディア、学術界の支援方法を議論することを通じたものを含め、戦略的コミュニケーション、ナラティブ、外国による情報操作への対抗における二国間協力を強化する ことで一致しました。
 日豪双方は、サイバー政策協議を通したサイバー協力の強化や、外交当局の情報責任者間の対話の促進、機密情報の共有に関する議論の深化を含む情報セキュリティ協力を強化することで一致しました。
 この他、日豪双方は、ニューカレドニアにおける協力を念頭に不測の事態における第3国からの自国民退避における連携を強化することで一致しました。
 また、上川大臣から、WPSの完全な実施に向けた連携の重要性を指摘し、TICAD閣僚会合をはじめとする様々な機会を捉えてWPSを提起してきていることを紹介しました。これに対してウォン外相から、上川大臣のリーダーシップに敬意を表する旨発言がありました。

(3)インド太平洋における安全保障・連結性・繁栄を促進する協力
 日豪双方は、東南アジア諸国との海洋協力や、日本のOSAを含む、太平洋地域の安全・安定のための取組の連携で一致しました。
 日豪双方は、「日豪太平洋デジタル開発イニシアティブ」を立ち上げ、太平洋地域の連結性とデジタル強靭性の強化のために連携していくことで一致しました。併せて、地域における海底ケーブルに関し連携することを確認しました。

(4)運用協力・共同訓練、先進能力・技術協力
 日豪双方は、運用面の協力の範囲・目的及び形態(SOF)の重要性を再確認し、更に洗練させることで一致しました。日豪双方は、日豪円滑化協定(RAA)を活用し、運用・共同訓練を通じて二国間の運用能力・相互運用性を強化することで一致しました。 また、日本の統合作戦司令部(JJOC)の今後の設立を踏まえ、両国の統合司令部間における連絡官の相互派遣を歓迎しました。
 日豪双方は、日本のスタンド・オフ防衛能力を活用した反撃能力と豪州の長距離打撃力との協力を深化することで一致しました。
 その他、日豪双方は、情報戦に関する能力向上に関して協力することで一致
しました。 また、技術分野において協力することで一致しました。更に、AUKUS第2の柱における先進能力プロジェクトに関する協力の機会について、AUKUS諸国(豪英米)と日本で引き続き協議することで一致しました。

(5)日米豪協力、インド太平洋の防衛・安全保障協力
 日豪双方は、豪州国防当局の人員の日米共同情報分析組織(BIAC)への参加を歓迎し、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)協力における日米豪連携を拡大することを確認しました。
 日豪双方は、日米豪で、F-35の相互展開を含めた航空協力の連携やネットワーク化された防空ミサイル防衛アーキテクチャに関する協力を進めること、また、豪米の戦力態勢協力活動への日本の参加を拡大させることを再確認しました。
 この他、日豪双方は、日米豪印の協力強化や、フィリピン、太平洋島嶼国、韓国などとの連携強化を確認しました。

写真:外務省
写真:外務省
写真:外務省
写真:外務省

(以上)

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