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防衛技術のブレイクスルーを目指す新組織「防衛イノベーション科学技術研究所」(DISTI)が発足

  • 日本の防衛

2024-10-4 10:26

 令和6(2024)年10月1日(火)、防衛装備庁において、これからの防衛装備品開発にかかわる2つの研究所が発足した。

 そのひとつが「防衛イノベーション科学技術研究所」(DISTI:Defense Innovation Science & Technology Institute)だ。公式サイトでは「様々な可能性を有する科学技術の探索、従来の常識を覆すブレークスルーへの挑戦、科学技術の迅速な活用まで、防衛イノベーションにつながる取り組みを実施します」と概要を説明しており、その特徴として、① 社会を大きく変える防衛イノベーションの創出、② 外部人材の積極活用、③ スピード重視、を挙げている。

防衛イノベーション科学技術研究所のロゴマーク 写真:Jディフェンスニュース

 同日、東京・渋谷区の恵比寿ガーデンプレイスタワー内に創設されたオフィスにおいて開所式が開かれ、木原稔(きはら・みのる)防衛大臣、松本尚(まつもと・ひさし)防衛大臣政務官、高見康裕(たかみ・やすひろ)防衛大臣補佐官らが臨席した。

オープニングセレモニーのテープカット。中央の背の高い人物が木原防衛大臣、その手前が松本政務官、奥が高見補佐官 写真:Jディフェンスニュース

 オープニングセレモニーの後、木原大臣は片山泰介(かたやま・たいすけ)所長以下、居並んだ所員に向けて次のように訓示を述べた。

「本日、ここに防衛イノベーション科学技術研究所を新設しました。

 劇的なスピードで進化する科学技術は、社会のあり方を根本から変え、また、戦闘の様相も大きく変化させています。 我が国としては、一層厳しさを増す安全保障環境の中、こうした社会や科学技術の変化に機敏に対応し、先を見据え、他国に侵略や威嚇されない国力を確保していくことが必要です。このためには、 防衛当局者だけでなく、企業、大学、研究機関等の英知を結集し、クリエイティブな発想で 先端技術を見聞きし、育て、社会実装につなげていかなければなりません。

 本研究所は、これらを行う役割を担っています。諸外国では、社会を大きく変える革新的な技術が、軍による科学技術への投資から生まれてきています。我が国ではこれまでこうした流れは必ずしも十分ではありませんでしたが、この研究所が安全保障分野における産学官連携のハブ拠点となることを目指してほしいと思っています。

 今回、学界、産業界等の各界で顕著な活躍をされておられる多様な方々に、プログラムマネージャー、いわゆるPMとして来ていただくことになりました。PMの方々を含め、ここで勤務される皆さんには、ぜひとも産学官の多方面と連携し、挑戦的な目標にリスクを取って果敢にチャレンジし、 従来の常識を覆すブレイクスルーを実現していただきたいと思っています。

 諸外国にも、ぜひ目を向けてください。 現在、諸外国でも防衛イノベーションに関する組織が続々と立ち上がっています。

 今回、米国の国防イノベーションユニット、DIUの東京オフィスを本研究所に併設することで現在調整しています。これは協力の促進であると同時に、競争でもあります。革新的な先端技術をいかにして発掘し、社会実装や防衛装備につなげていくか。先駆者であるDIUに教えを請いながらも、またDIUを含む諸外国とも切磋琢磨しながら、取り組んでいっていただきたいと思います。

 すべてが初めての取り組みであり、様々な障害も多々あるだろうと思います。しかし、決して、小さくまとまることなく、失敗を恐れずに果敢に挑戦し続けてください。ブレークスルーはそこから生まれます。

 皆さんの活躍が社会を変え、そして歴史を変えていくことを祈念して、私の言葉といたします。」

「常識を覆すブレイクスルーを実現していただきたい」と訓示を述べた木原防衛大臣 写真:Jディフェンスニュース
訓示を聞く所員。多くの優秀な外部人材がプログラムマネージャーとして招かれたという 写真:Jディフェンスニュース

 また、防衛装備庁は同日付けで防衛イノベーション科学技術研究所の公式ページを新たに公開し、公式Xにおいても以下の通り報告した。

防衛装備庁X

 10月1日、防衛装備庁は防衛イノベーション科学技術研究所を創設し、オープニングセレモニーに木原防衛大臣、松本防衛大臣政務官、高見防衛大臣補佐官が出席しました。
 イノベ研では、従来の常識を覆すブレークスルーへ挑戦し、防衛イノベーションの実現を目指します。

(以上)

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