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中谷防衛大臣が4月6日に臨時会見 自衛隊海上輸送群の新編行事への出席などについて

  • 日本の防衛

2025-4-9 10:00

 令和7(2025)年4月6日(日)13時10分~13時20分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、海上自衛隊 呉地区で自衛隊海上輸送群新編行事後の臨時会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

発表事項

自衛隊海上輸送群の新編行事への出席について

大臣
本日、海上自衛隊の呉地区において自衛隊海上輸送群の新編行事に出席をしまして、隊旗の授与を行うとともに、これから新たな部隊を担っていく隊員諸君に激励をさせていただきました。今、非常に世界的に大変厳しい安全保障環境が続いておりまして、南西地域への機動展開能力の強化はですね、我が国の防衛における喫緊の課題です。南西地域に機動的に展開できるのは、船の確保、これは自衛隊の長年の課題でありましたが、この統合運用によって、大量に輸送することが可能となります。今般、新編された自衛隊海上輸送群には、本日引き渡された輸送艦「にほんばれ」をはじめ、大小様々な島々への輸送が可能となりまして、各種船舶、これが配備されることになります。海上輸送群の新編により、南西地域等へのより迅速かつ確実な機動展開が可能となります。自衛隊海上輸送群は、「共同の部隊」として設立をされるということで、新たな時代の統合運用の一翼を担うということになります。海上輸送群は大臣直轄でありまして、実際の任務に当たる際は、統合作戦司令官の指揮の下で、全自衛隊の輸送の任務の任に当たることになります。隊員諸君には、防衛省・自衛隊に対する国民の高い期待、信頼にしっかりと応えられるようにですね、全力で職務に精励されることを期待します。私も艦内を見学をいたしましたけれども、非常にデジタル化をされ、また、ハイテク化によってですね、非常に安全性や機能性も向上し、かつ省人化をしておりますので、少ない隊員でもですね、運用が可能となります。また今回の船でビーチング、砂浜に上陸をするこということで小さな島にも上陸しやすくなるということで、車の卸下などが可能になってくるということで非常にこういった能力が向上してるということを感じました。

記者との質疑応答

海上輸送群の新編のへ期待と課題などについて

記者
海上輸送群は、南西防衛の強化に向けて、沖縄の離島にアセットを運ぶために発足されましたが、今回の新編に期待すること、新編を踏まえてもなお、有事の際の輸送力には課題があるとされていますが、JJOCも発足し、輸送力の統合運用の訓練など、今後どのように取り組んでいくか聞かせてください。また、海自隊員の深刻な人手不足で大半が陸自隊員で構成されており、慣れない海上での運用できるか不安視する声もありますが、大臣の考えをお聞かせください。

大臣
島嶼防衛に万全を期するとするならば、全国各地から島嶼部に部隊や装備品、これを迅速かつ継続的に輸送するための機動展開能力、これの強化が必要であります。そこで各種船舶を活用して、大小様々な島に輸送を行う能力を持つ海上輸送群というのは、非常に輸送力を補うものといたしまして、自衛隊の機動展開能力を大きく向上させるものと期待をしております。今後、海上輸送群において、あらゆる事態に対応できるように、各自衛隊との様々な訓練を行い、そして自衛隊の統合輸送能力を向上させていく考えであります。この海上輸送群の所属となる陸上自衛官については、令和元年度より海上自衛隊の術科学校、また部隊において、必要な知識・技能の習得を行っているところでありまして、部隊や装備品等の輸送に関する海上での活躍に万全を期しているわけでございます。本日、隊員と接しましたけれども、隊員の目もですね、非常に輝いていまして、非常に使命感と責任感に充実していたというのが印象でした。

記者
この度新編された海上輸送群は呉に基地を置いていますが、南西諸島の防衛力強化の観点から設立されたという背景もあり、今後、南西諸島に拠点を設ける考えはありますでしょうか。また、拠点を設けない場合、離島間輸送を担う主に小型のLCUの運用など、どのようにしてくお考えか伺います。

大臣
今般の海上輸送群の新編に当たりましては、中型級船舶(LSV)、これを運用する部隊と、小型級船舶(LCU)、これを運用する部隊を、部隊の練度向上の観点から、海上自衛隊の主要な艦艇部隊が配備をされている呉地区で新編したところであります。そして、このうち、LCUを運用する部隊については、港の係留能力等を勘案して、令和7年度中に呉地区から海上自衛隊の阪神基地内に移転をする計画となっております。そして、令和8年度以降の具体的な体制については、現在検討中でありますが、お尋ねの南西地域への配備の有無も含めて、現在申し上げる段階にありませんけれども、いずれにしましても、南西地域を含む我が国の防衛を万全にするという観点から、適切な配備場所を検討してまいりたいと考えております。

日本製鉄呉地区跡地における複合防衛拠点計画について

記者
防衛省がですね、日本製鉄呉地区跡地で計画されている防衛拠点整備に当たりまして、地元自治体の広島県と呉市の同意は必須だとお考えでしょうか。また、同意のプロセスはですね、4者協議の場になるのでしょうか。

大臣
日鉄の呉地区の跡地における多機能な複合防衛拠点につきましては、先日3月の31日に、広島県、呉市、日鉄、防衛省、いわゆる4者協議を開催いたしました。この協議では、昨年7月に呉市と呉市議会からいただいた7項目の要請を踏まえたゾーニングについて、防衛省から説明をしたところであります。今後につきましては、まずは地元の皆様で御議論をいただくものであります。なお、4者協議につきましては、ゾーニングをお示しをすることを目的として開催してきたものでありますので、今回の開催でその役割は終えたものと認識をしております。いずれにしましても、防衛省としましては、引き続き、地元自治体の皆様に対して、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

記者
複合防衛拠点のゾーニングを踏まえた基本検討の結果はいつ頃示されますでしょうか。また、将来的に岸壁などを米軍と共有されることは想定されていますでしょうか。

大臣
今回お示しをしたゾーニング、これを基に今後、具体的な施設の配置、規模などを決めるための基本検討を行う予定でありますが、この具体的な時期、内容につきましては、現時点でお答えすることができる段階にはありません。また、呉地区における多機能な複合防衛拠点は、あくまで自衛隊の活動拠点として整備をするものでありまして、米軍と共同使用する計画は現時点ではありません。いずれにしましても、防衛省としては、呉地区における多機能な複合防衛拠点の整備は、地元経済の活性化にも貢献することが出来ると考えておりまして、引き続き、丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに考えております。

(以上)

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