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DSEI Japan 2025 速報──ロッキード マーティン【H8-200】

  • 日本の防衛

2025-5-23 08:40

2025年5月22日から21日まで、千葉県の幕張メッセで開催されている、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。今回は33か国から471社が参加している。主要な出展ブースの展示内容を、短い記事でお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 自衛隊でロッキード マーティンといえば、ステルス戦闘機のF-35が真っ先に想起されるだろうが、輸送機のC-130H(空自)やC-130R(海自)も同社の製品だ。ミサイルの分野ではAH-64Dアパッチ戦闘ヘリが積むヘルファイア対戦車ミサイルや空自のPAC-3迎撃ミサイルがあるほか、改修後のF-15Jに搭載する巡航ミサイルのJASSMの導入も決まっている。

 海上自衛隊イージス艦の頭脳に当たるイージス・システムもロッキード マーティンの製品だし、新たに建造中のASEV(イージス・システム搭載艦)用では搭載するAN/SPY-7(V)レーダーもロッキード マーティン製品だ。

 日本の護りにとって欠かせない要素を担っているメーカーといえよう。民間向けでも、スカパーJSATの通信衛星を手掛けている。

 今回の注目は、イージス・システム搭載艦(ASEV)の模型であろう。抜け駆けして(?)先にアブダビで公開されてしまったが、日本ではもちろん初公開。AN/SPY-7(V)レーダーの中核であるサブアレイ・スイートの模型は、以前の展示会に出されていたよりもリアルなものにバージョンアップした。

 F-35Aに加えて、C-130H/Rの後継を睨んでか、最新型C-130Jの模型展示もある。ミサイル製品は、PAC-3 MSE、THAAD、AGM-158B JASSM、AGM-158C LRASM、極超音速誘導弾。そしてAN/AAQ-33スナイパー目標指示ポッドが展示されている。

ロッキード マーティンのブース正面には(手前から)F-35B、C-130J、TF-50の模型が並ぶ。TF-50は日本のT-4後継機も意識している 写真:井上孝司
イージス・システム搭載艦(ASEV)の模型。艦橋構造物の外壁にある長方形の板がAN/SPY-7(V)レーダーのアンテナ・アレイ。後部煙突付近の上構に、MK46らしき機関砲搭が見えるのだが…? 写真:井上孝司
AN/SPY-7(V)の中核、サブアレイ・スイートの実大模型。AN/SPY-7(V)のアンテナ・アレイはこれを数百並べて構成されており、稼働中にひとつ抜いて、修理してまた差し込むといった整備が行える 写真:井上孝司
ロッキード マーティンが自社で開発している極超音速滑空飛翔体(HGV)のコンセプトモデル。米陸軍向けの極超音速兵器LRHW「ダーク・イーグル」の発射器に関する展示もあった 写真:井上孝司
迎撃ミサイルのTHAAD(手前)とPAC-3 MSE(奥)の実大模型。PAC-3の制御に使用するスラスタの構造がよく分かる 写真:井上孝司
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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