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DSEI Japan 2025 速報──RTX【H8-320】

  • 日本の防衛

2025-5-23 08:20

2025年5月22日から21日まで、千葉県の幕張メッセで開催されている、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。今回は33か国から471社が参加している。主要な出展ブースの展示内容を、短い記事でお届けしよう。井上孝司 INOUE Koji

 RTXは、アビオニクスのコリンズ・エアロスペース、エンジンのプラット&ホイットニー、レーダー・電子戦・ミサイルのレイセオンという、かつては別々の企業だった毛色の異なる事業部門を持つアメリカの複合型防衛産業。展示で目立っていたのはレイセオン部門の製品だ。

 レイセオンの製品というと馴染み深いのは、F-15のFCS(射撃管制レーダー)や、スパロー、サイドワインダー、AMRAAM、スタンダード、パトリオット、トマホークといった、各種のミサイル製品であろう。つまり、日本の護りを支える「眼」や「槍」をいろいろ手掛けているメーカーだ。しかしそれだけではなく、たとえば着艦誘導システムのJPALS(ジェイパルス)など、さまざまな防衛電子機器を手掛けているメーカーでもある。

 そのRTX社レイセオン部門は、海自のイージス護衛艦の更新を視野に入れて、AESAレーダーAN/SPY-6(V)に関する情報提供を実施している。新造艦には大型で高性能のAN/SPY-6(V)1、既存イージスDDGの交換用にはAN/SPY-1D(V)と同じ規模にまとめたAN/SPY-6(V)4、となるので、この2機種に絞り込んでの展示。

 しかし、そこにばかり注目するのはもったいない。空冷AESAレーダーの「ファントムストライク」は、いわゆる「忠実な僚機」などでの利用が見込まれる注目株だ。そのほか、誘導武器やF135エンジンといった模型展示もなされていた。

※写真をクリックまたはタップしていただくと、より鮮明な画像でご覧いただけます。

ブース正面の目立つ場所に陣取るのはAN/SPY-6(V)の模型。右が(V)1、左が(V)4である 写真:井上孝司
ホットな製品がこれ。ちょうど初の飛行試験を実施したばかりのAESAレーダー「ファントムストライク」だ。実物大模型の展示である 写真:井上孝司
RAMブロック2B艦対空ミサイルの模型。後半のロケット・モーター部が増径されている様子が分かる 写真:井上孝司
RAMブロック2Bの先端部をクローズアップ。2本突き出ているのは、敵艦が発信するレーダー電波を受信するためのアンテナ 写真:井上孝司
展示会というと常連になっているのが、この155mm誘導砲弾エクスカリバー。毎回のように出てくるのは、それだけ日本市場向けにアピールしたいということであろうか 写真:井上孝司
F-35戦闘機に搭載されているF135ターボファン・エンジンのカットモデル 写真:編集部
井上孝司INOUE Koji

1966年7月生まれ、静岡県出身。1999年にマイクロソフト株式会社(当時)を退社してフリーライターに。現在は航空・鉄道・軍事関連の執筆を手掛けるが、当初はIT系の著述を行っていた関係でメカ・システム関連に強い。『戦うコンピュータ(V)3』『現代ミリタリーのゲームチェンジャー』(潮書房光人新社)、『F-35とステルス』『作戦指揮とAI』『軍用レーダー』(イカロス出版、わかりやすい防衛テクノロジー・シリーズ)など、著書・共著多数。『Jウイング』『新幹線エクスプローラ』『軍事研究』など定期誌や「マイナビニュース」「トラベルウォッチ」などのWEBメディアにも寄稿多数。

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