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《レポート》サーブ・ジャパン、新代表のもと日本市場への本格関与を表明(2026年5月14日)

  • 特集

2026-5-23 10:05

2026年5月、スウェーデンの防衛企業サーブ社の日本法人による、メディア・ブリーフィングが開催された。代表取締役の宇梶 慧(うかじ・あきら)氏によるプレゼンテーションをお届けする。

 2026年5月14日(木)、スウェーデンの防衛企業サーブの日本法人であるサーブ・テクノロジーズ・ジャパンが都内でメディア・ブリーフィングを開催した。

 日本人として初めて代表取締役 兼 カントリーマネージャーに就任した宇梶 慧(うかじ・あきら)氏のほか、2名が登壇して、報道向けのプレゼンテーションを実施した。

 在日スウェーデン大使館の防衛駐在官ミカ・イハライネン中佐は、スウェーデンが国防予算をGDP比3.5%から将来5%へ引き上げる方針であること、全国民向けの有事対応パンフレットを配布していること、NATO加盟後の演習強化などを紹介。「戦争状態でも平和状態でもない」という自国首相の発言を引きながら、強固な防衛産業基盤の維持こそ抑止力の根幹であると訴えた。

 宇梶氏は、1984年の84ミリ無反動砲の納入から40年以上にわたる日本との歩みを振り返りつつ、装備品の供給者から戦略的パートナーへの昇華を図る新戦略「サーブ3.0」を提示。東京の新拠点を足がかりに、日本市場での存在感を高める方針を打ち出した。装備品では高等練習機T-7A、早期警戒管制機グローバルアイ、無人機搭載用の早期警戒レーダーポッド(U-AEW)などを提案候補として挙げた。

写真:編集部

 そしてサーブ・オーストラリア社から来日したアンディ・キーオ氏は、日本企業の海外展開を支援する「サーブ3.0 ゲートウェイ」構想の第1弾として、「もがみ」型護衛艦のオーストラリア輸出を支援できることを表明、日豪防衛協力への貢献を強調した。

 以下に、宇梶氏によるプレゼンテーションの全篇を掲載する。

レガシーから新時代へ──新たなフロンティアの幕開け 宇梶 慧 氏プレゼンテーション

 皆様こんにちは。ただいまご紹介に預かりました。サーブ日本法人、サーブ・テクノロジーズ・ジャパン代表取締役 兼 カントリーマネージャーの宇梶 慧(うかじ・あきら)と申します。本日はご多用のところ、私どものメディア・ブリーフィングにお集まりをいただきまして、大変ありがとうございます。

写真:編集部

 本日は、戦後、最も厳しい安全保障環境下にあると言われているこの日本において、将来の安全保障、人々の安全と社会の安心を守っていく、そのためにサーブが果たせる役割とは何なのか、そしてその役割を果たしていくために必要な進化とはどういったものなのか、サーブの今後の戦略と見通しについて、ご説明を申し上げたいと思います。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 具体的には、まずサーブのご紹介をさせていただきまして、次に我々どもが40年にわたり日本で歩んできた、その成長の軌跡と歴史、また市場環境と地政学的背景を踏まえた上で、最後に、本日の主題でありますところの、我々が「サーブ3.0」と呼んでいる新たな次世代の防衛ビジョン、サーブの日本における戦略のプロジェクトについてご説明を申し上げたいと思います。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 これから皆様には、しばらくの間、私のお話に付き合っていただくわけではありますけれども、全編を通じて重要な要素を先に3つお伝えをしたいと思います。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 ひとつめが繰り返しになりますけれども、「サーブ3.0」進化するサーブとその新戦略でございます。
 ふたつめが新たな戦略的価値を創出する「北欧防衛ソリューション」。これは我々サーブが誇る、北欧の防衛思想に基づいた性能、機能を誇るソリューションと技術のご紹介でございます。
 また、最後にこれが最も重要で、かつ代表としての私の一番の重点事項でもありますけれども、共創が生み出す次世代の抑止力、防衛協力の新たな地平というパートナーシップ・ファーストに基づいた、サーブの日本の防衛産業とのお付き合いの仕方についてということになります。

Saabのご紹介

 それではまず、サーブのご紹介をさせていただきます。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 サーブは、第二世界大戦が始まる前夜、今日のように社会の不安が少しずつ色を濃くしていった1937年に、北欧の地スウェーデンで設立されました。創業以来、我々のミッションは、人々と社会の安全を守るということで、当然、北欧のスウェーデンに生を受けて産声を上げた企業ではありますけれども、今日現在はスウェーデンのみならず、日本を含めた世界30か国において、お客様とユーザー様に選ばれて事業展開をしてございます。

 また、そうした事業を支える一人一人、サーブのメンバーは「トラスト〜信頼」と「ドライブ〜挑戦」ですね。そして、「エクスパティーズ〜熟練」のこの3つをコアバリューに添えて、世界各国でお客様のご支援をさせていただいております。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 では、そういったサーブが各地域、各国のお客様に選ばれた理由は何だったでしょうか。そう考えたとき、私が常に思っておりますのは、我々の機能・性能・ソリューションの素晴らしさはもちろんですけれども、選ばれた理由の根底にあるのは、北欧流のリアリズムに根差した、我々独自のアプローチだったのではないかと思っています。特に実践最優先の設計思想、これは先ほども、武官がコンバット・プルーブンであるとおっしゃってましたけれども、加えてミッションドリブンであるとか、ミニマルなデザインをベースにした使いやすい装備品、加えて、リソース制約がある中、人も十分いない、お金もない中で、運用負荷の最小化を追求したデザインコンセプト。

 また、それらを各国のお客様に最適な形でお届けするためのパートナーシップ・ファースト。繰り返しになりますが、ここはサーブが最も大切とするところです。
もちろん、ソリューションやサービスの機能や性能についても、触れないわけにはなりません。サーブの強みは525品目、戦闘機から潜水艦、火砲、弾薬に至るまで、すべてをカバーする圧倒的な総合技術力と、欧州の安全保障最前線で培われた信頼性、そして何よりも、北欧流のものづくりに支えられた独創的でイノベーティブなものづくり。この3つが我々サーブの強みを支えている要素というふうに考えております。

日本における歩みと展望

 続きまして、日本における歩みと展望に入らせていただきます。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 サーブが初めて日本の地を踏んだのは、今から約40年前、1984年のことでした。その年、我々は84ミリ無反動砲という製品を、初めて国内の豊和工業様という企業とライセンス生産を通じて、当時の防衛庁に納入をさせていただきました。その後、90年代からおおむね2020年にかけての約30年においては、日本拠点の設立を実現し、その後ゆっくりではありますが着実に、国内の各種パートナー様と一緒にパートナーシップを通じて、我々の製品ポートフォリオを拡大してまいりました。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 余談ですが、私が初めてサーブと仕事を一緒にしたのは、2011年、社会人になって4年目のことでございました。なので、こうして今日この場に立って、歴史についてサーブの人間として語らせていただくのは大変感慨深いものがございます。

 そして、サーブは、2020年になって、一つの大きな戦略的転換と成長の機会を得ます。これがスウェーデン政府のインド太平洋地域への注力です。当時、ウクライナ紛争、ロシア・ウクライナ危機があったことの結果によって、スウェーデンはインド太平洋地域への重点戦略を外交方針として採用します。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 その結果、我々サーブも、インド太平洋地域の事業活動の強化をしなければならないという方針を採用し、その後、2022年から25年の3年間、たった3年の間に、我々は本社直属のカントリーマネージャーを日本に派遣し、今まで駐在事務所だったサーブの拠点を正しく株式会社にして、サーブ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社を作っていく。そしてその中では、私も含めてですけれども、日本人を採用して人材を増やして、会社としてしっかりと日本をお支えできる体制を作っていく、そういったことを続けてまいりました。

 そして2026年からは、我々が「サーブ1.0」「2.0」として続けてきた歩みのその先に、次なるステージとして「サーブ3.0」を我々は始めたいと思っています。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

「サーブ3.0」については、この後ご紹介申し上げますけれども、ひとつの重要なポイントは、この日本における新たな展開、それを代表する戦略拠点の開設であります。

 これまでサーブとお付き合いのあられる方は当然ご存知と思いますけれども、サーブはこれまで小さなオフィスでやってまいりました。しかしながら、この2026年、我々は新拠点をオープンし、さらなる事業戦力の拡大に努めています。これはしかしながら、単に我々のオフィス機能の拡大拡張ではなく、新拠点は産官学、メディアの皆様とのコラボレーションの、我々のパートナーシップのハブになり、かつ日本市場へのコミットメント、特に長期的なコミットメントを象徴する戦略であります。

日本の市場環境と地政学的背景

 続きまして「サーブ3.0」の背景をご説明させていただくために、市場環境と戦略的な背景に触れたいと思います。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 なぜ「サーブ3.0」を2026年から、今年から始めるのか? その背景は当然、地政学的なものにドライブされています。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 最上段のものは、グローバルな安全保障環境の構造的変化への対応ということで、ここは皆様ご承知の通りですけれども、グローバルな起爆剤は当然、ウクライナ紛争でありますし、あるいはもしかしたら、米州大陸を中心とする米国の戦略的シフト、加えて、様々なアクターの政治的成熟度が増して、経済的連関が強くなるにつれて増してくる、インド太平洋情勢の複雑化と緊迫化、こういったところが見られます。

 しかしながら、何が具体的に個別に起きているかということは、それほど重要ではないのかもしれません。一番重要なのは、結論として、日本はもはや現状維持が許される環境にはない。日本は変わらなければいけないし、日本は、そして、変わりつつあるんだというところに対する認識です。

 そういった日本は、当然政府はこういった変化を承知をしており、すでにいくつかの重要な変化が、歴史的な転換が見られています。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 わかりやすいものとしては、防衛予算の増大、戦後、GDP 1パーセント、昔はGNP 1パーセントと呼ばれていたこのキャップが取り外され、日本は今、防衛予算を2倍、そしてそれ以上に伸ばしていく方針が示されています。また、反撃能力の獲得を通じた戦略的抑止への転換。加えて、それらを通底する課題としてあるのは、自衛隊員各員の処遇の問題もそうですけれども、その基底にある労働人口の減少と少子高齢化、そういった社会の構造の変化も忘れることはできないでしょう。

 そういった中で、防衛の戦略、防衛省自身の取り組みとして、我々が今日本で見ているのは、重要なものとしては3つあると思われます。ひとつは安保3文書の策定と改定、戦後なかった、我々の国家安全保障に関わる戦略指針の策定であります。加えて、防衛産業の振興、維持拡大についても、政府は真面目に取り組まれる意向を示されておりまして、特に最近は防衛装備品の海外移転に関わる5類型の撤廃を通じた海外市場への国内企業のアクセスもサポートをしておられます。

 加えて、国としては当然、域内の安定化と日本の国防、防衛については、その基軸、コーナーストーンとなる日米安全保障同盟を維持しつつ、しかしながら、域内の安定性を面で支える、覇権主義的な国に対してチームとして当たっていく。この考えのもとに、日本国は同盟国、同志国との安全保障協力の深化をインド太平洋地域において促進しております。

 その中で、日本の戦略的自立を支えるためにサーブが果たすべき役割、これは何なのか。我々は基盤的要因としてこの3つを考えています。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 ひとつは持続可能な防衛力構築。これは防衛装備品の価格高騰や人口減少、そういったリソース制約の中で有効性を最大に発揮できる装備品・技術を提供すること。

 ふたつめは、共創を通じた防衛産業技術基盤の強化。これは我々が市場として日本に何かを提供申し上げるだけではなくて、日本の企業や産業基盤、サーブの活動を通じて、そういったところがしっかり醸成され強化されて、日本企業も海外企業も両方がウィンウィンになれるような施策の推進。ここがパートナーシップ・ファーストという我々が最も大切にする話なんです。

 そしてさらには、その具体的な取り進めの一つとして、我々は日本国内における協業だけではなく、海外における日本企業の活動のご支援というものも積極的に進めたいと考えております。

Saab 3.0:次世代の防衛ビジョン

 続きまして、本日の主題であります「サーブ3.0」次世代の防衛ビジョンについてです。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン
出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

「サーブ3.0」の特徴、あるいは方針を一言でご説明申し上げると、「戦略的拡大」ということになろうかと思います。我々はまず、東京の新拠点設立に代表される事業強化、事業機能の強化を通じ、日本国政府のやりたいことをお支えできる体力づくりをまず進めております。

 また、自分のことですので、なかなか声を大にして言いづらいところもございますが、ローカライゼーションの促進ということで、日本人の現地人材の経営幹部を採用することで、意思決定の速度を早めつつ、かつ日本の商慣習や文化、風土を理解した、より深いレベルでのパートナーシップを思考していく。

 加えて、戦略的パートナーシップとありますけれども、サーブはこれまでの40年間、様々なものを通じて、日本の安全保障をお支えしてまいりましたが、それらはすべて、物品や役務の提供というサプライヤーの形式でなされてきたと我々は反省をしております。ここを一段昇華させて、戦略的パートナーとして、日本のナショナルなパートナーとして、しっかりと我々を認識をしていただいて、例えば、一朝事あれば、ご相談をいただけるような立場に昇華していきたい、そういったことを考えてございます。

 そういった「サーブ3.0」のコンセプトを支える戦略的転換、具体的な戦略について、我々は同様に3つの軸を、3つの柱を考えております。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 ひとつが「抑止力強化に資する戦略アセットの提案推進」であります。当然、我々が今までご提供申し上げてきた、迷彩カモフラージュ・システムですとか、潜水艦のスターリング・エンジン、84ミリ無反動砲、掃海艦・掃海艇のグラスファイバー製複合材船体、あるいは様々な訓練ですとか、情報収集機材、これらはどれひとつをとっても重要でないものはございません。どれも日本の安全保障を守る大切な装備品でございます。

 しかしながら、これから激甚化し、より脅威の度合いを増してくる我が国の安全保障環境を見据えた場合、サーブとして、そのレベルにとどまっていいのでしょうか。私はそう思いません。そこで我々は、より信頼していただけるパートナーになるために、戦略的アセット主に抑止力強化と防衛的ケイパビリティ強化の観点から、ご提案を申し上げることを決めております。これについては、後ほどもう少し詳しくご説明いたします。

「明確な産業パートナーシップ戦略の策定と協業強化」でありますけれども、これも我々は今まで、ご縁があった企業様とニーズがあるものについて、ご協力を申し上げてきました。そして40年間、素晴らしい関係を築いてまいりました。ここを一層伸ばしつつ、加えて、我々は今日から、サーブの戦略目標を達成するためにシナジーがある、サーブとご一緒いただける企業様に、積極的にアプローチをしていきたいと考えております。

 パートナーシップは一番大事な要素ですけれども、パートナーシップそれ自体では成立はしません。パートナーシップは、常にパートナーを求める2つ以上の企業の、そのマッチングであります。なので、我々はこれから日本企業様に、より積極的に、大きな声をかけてご一緒していきたいと思っております。

 そして最後に「戦略的ポジショニングの強化と認知度の向上」であります。残念ながらサーブは、この日本の防衛業界ではまだまだ知名度が十分とは言えません。過去の我々の成功から、引き続き「クルマの会社でしょう」と言われることも多くございます。もちろん、とても素晴らしい車を作ってまいりました。そしてその技術は今、防衛の装備品にしっかりと受け継がれております。

 我々は祖業から、防衛の安全保障セキュリティ企業であるという誇りを胸に、一層、市場での認知度を向上させ、また人々と社会の安全を守るという責任感とテーマに対しては、業界の関係者のみならず、今後は一般社会の方々、とりわけ学生や若年層へのイベントやスポンサーシップへの参画を通して、安全保障への取り組みや啓蒙、こういったところのお手伝いもさせていただきたいと考えております。

日本に提案していく装備品と技術

 それではここから少し、具体的な装備品や技術のお話をさせていただきたいと思います。先ほどの戦略的アセットということでありますけれども、ではどういったものを我々が考えているのか、具体的にはこの3つです。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 T-7先進パイロット用訓練システムとグローバルアイ早期警戒管制機、そしてU-AEWポッド。これは無人機搭載型の早期警戒用レーダーポッドのことでございます。

 これらは3つとも攻撃的な兵器ではございません。もちろん抑止力というのは矛と盾の組み合わせですから、長射程の誘導弾ですとか、高威力の武器というのも大事な要素になります。ただ、我々サーブは、防衛的・防御的ケイパビリティと戦略的抑止能力の強化という観点から、例えば、日本の今後の安全保障を支えるパイロットの育成ですとか、あるいは、1秒でも1分でも早く脅威を見つけて、自衛隊に対処する時間を与えるための早期警戒管制機、あるいは、少子高齢化・労働人口減少の中で、そもそも飛行機がどこまで人によって飛ばせられるのか──そういった課題に対する答えとして、無人機をベースにしたソリューション、こういったものを自衛隊様含めて日本国に提案をしてまいりたいと思ってございます。

 また、同時に戦術レベルでも、当然我々は、ご支援を継続させていただく考えでございます。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 代表的なものとしましては、ジラフ1X機動型3D多目的レーダー。これはトラックの後にも乗るサイズの、非常に小型で高性能なレーダーでございます。日本は、この国土の端端の突端に、大きなレーダーサイトがございますけれども、これからの分散運用、軌道型運用を考えれば、こういった小型のものというのはひとつ役に立つのではないでしょうか。

 また、陸海空の伝統的なドメインはもちろんですけれども、昨今取り沙汰されている“宇サ電”(うさでん)、宇宙・サイバー・電子戦の中の宇宙領域は、今後一層、防衛安全保障分野での注目度が高まる領域でございます。その中で、SSA(宇宙状況把握)、SDA(宇宙領域把握)、SC(宇宙統制)という宇宙の状況認識に関わる技術は、日本は大変高いものをお持ちであるところ、我々としては、それを防衛用途で、安全保障用途でいかに活用していくのか、そのマネージメントシステムというのをご提案していきたく考えてございます。

 加えて、島嶼防衛、離島防衛。おおむね2500以上の島嶼を持つ我が国において、海洋の高機動輸送能力というのは、非常に重要な課題でございます。ここに対して、我々が製造開発をしているCB90高速戦闘艇というのは、平時においては急病人の救助・移送ですとか、有事においては作戦活動への提供、そういったところにシームレスに使える装備品というふうに考えてございます。

日本とのパートナーシップ「サーブ3.0 ゲートウェイ」

 最後になりますけれども、パートナーシップについても、一つ具体的なところを補足させてください。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

 言葉の響きは良いものの、パートナーシップだけではパートナーシップはできません。何かを通じたパートナーシップです。ではどうするか。「サーブ3.0」の中で、我々は「サーブ3.0 ゲートウェイ」というイニシアチブを考えております。

 ゲートウェイというのは「扉」であり「門」ですけれども、サーブは、日本の国内企業様がこれから海外に出ていく際のゲートウェイとして、水先案内人として、各地域進出のご支援であったり、あるいは進出先での協業というのを進めていきたく考えております。

 我々サーブは、各国・各地域において幅広い事業実績を有する稀有な企業であり、また同じ業界の他者と比べても、世界の大陸すべてに拠点を持つという特別な企業でもあります。これは、スウェーデンの政治的中立性に立脚するところも少なくありません。

 こういった我々のインフラや実績をご活用いただいて、これからまさにいろいろな地域に、17の装備移転協定を結んだ国々に対して、国内企業様が出て行かれるに際して、我々は十分な知見と物理的なインフラを提供できるのではないかと考えております。

 その直近、一番具体的な例でありますけれども、短期的な戦略的重点としては、オーストラリアに対して、これから日本が輸出をしていく「もがみ」型改良版についてのご支援の可能性でございます。

 サーブといえば “スウェーデン企業” という印象が強い。また「スウェーデンの企業です」「北欧の防衛企業です」というふうに我々はお伝えをしてきましたけれども、本日現在、30か国以上の地域に展開する我々は、グローバル・リーディング・カンパニーの一角であり、オーストラリアについても、実は大変大きなフットプリントを有してございます。

 本日現在、オーストラリアでサーブは1000人以上を雇用し、コンバット・マネジメント・システムやその他の戦略・戦術的機材のリーディング・オーソリティであります。また、そういった機材やサービスの提供を通じて、オーストラリア国防軍の活動を40年、50年以上に亘ってお支えをしてきた実績がございます。

 そういった我々の知見は、きっとこの「もがみ」型をこれからオーストラリアで展開されていく日本企業様と日本国政府に対しても有用な価値を与えるものと考えております。加えて、そういった協業やパートナーシップを通じて得られた、この関係性を活用することで、将来的にはオーストラリア以外の国々、近隣の国や他のアジア地域の国々こういったところにも、我々は日本企業様と一緒にウィンウィンに安全保障環境の向上に資する役割を果たしていくことができるのではないかと考えております。

 本日この後でまた紹介があると思いますけれども、そういった我々の海外展開への期待感、支援の能力、そしてこのオーストラリアに関する重点的な関心を示すために、本日はサーブオーストラリアの代表である。我々のアンディ・キーオがわざわざこちらに来て、これから戦略を話してもらえることになります。

 私からの話は以上でございますので、ここからはマイクをアンディに渡したいと思います。

 皆様ご清聴ありがとうございました。

出典:サーブ・テクノロジーズ・ジャパン

(以上)

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