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木原防衛大臣、日伊・日英伊・日英防衛相会談後の臨時会見(7月23日)

  • 防衛省関連

2024-7-25 11:11

 令和6(2024)年7月23日(火)14:18~14:30(現地時間)から、英国を訪問中の木原稔(きはら・みのる)防衛大臣は、コンラッドロンドン・セントジェームズにおいて、日伊、日英伊、日英防衛相会談の実施後のぶら下がり会見を行った。
 防衛省が24日(水)に発表した内容の詳細は以下のとおり。

大臣からの発表事項

大臣 :日英伊防衛相会合、日英防衛相会談、日伊防衛相会談、3つの会談の実施について申し上げます。

 まず、日英伊防衛相会合でございますが、ヒーリー英国防大臣の就任に祝意を伝えるとともに、強固な安全保障・防衛パートナーシップを深化させるべく、日英伊の次期戦闘機共同開発を共に成功へと導いていきたい旨述べました。また、日英伊防衛相間で、安全保障環境が一層厳しさを増す中で、地域の平和と安定を守ることの重要性を再確認し、本年内のGCAP政府間機関、GIGOの立ち上げに向けて諸準備を進めるとともに、2035年の初号機配備というスケジュールの達成に向け、引き続き強くコミットしていくことで一致をいたしました。

 次に、日英防衛相会談についてでございます。労働党政権成立後初の二国間会談の機会を捉えまして、ヒーリー大臣の国防大臣就任に対する祝意を改めてお伝えをし、アジア及び欧州における最も緊密な安全保障上のパートナーとして、日英間での連携を一層深めていくことで一致をしました。また、安全保障分野における日英間の協力の進展を確認するとともに、2025年に計画されている英空母打撃群のインド太平洋地域への展開を含め、英国がインド太平洋地域への関与を一層強化していることを歓迎いたしました。

 最後に、日伊防衛相会談であります。クロセット大臣とは昨年12月に東京で対面の協議を行って以来となりましたが、先月、6月の物品役務相互提供協定、ACSAの交渉開始など、近年ますます日伊関係が強化されていることを歓迎するとともに、両国関係の一層の深化及び「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、日伊間のあらゆるレベルで意思疎通を続けるほか、大臣間でも一層緊密に連携していくことを改めて確認いたしました。

記者との質疑応答

GIGOの設立と初代トップの人選について

記者 :2024年度中としていたGIGOの設立時期について、本日の会合で具体的な時期の見通しなど議論されたのであればお聞かせください。また、初代トップの人選についても、話題に上がっていたら教えてください。

大臣 :GIGOにつきましては、本日の会合において、私とヒーリー英国防大臣、クロセットイタリア国防大臣の間で、本年、2024年内の立ち上げに向けて諸準備を進めることで一致したところです。また、GIGOの初代首席行政官の人事について、本日の会合においては議論はありませんでしたけれども、引き続き、その人事については調整中です。その上で、GIGOの初代首席行政官というものは、GIGOの立ち上げとGCAPの将来を左右する重要な役割を果たすものと考えておりまして、国際的な協力の経験を有し、指導力に秀でるなど、英伊の期待を裏切ることのないベストな人材を私の責任で選出していく考えであります。

次期戦闘機の共同開発について

記者 :私も次期戦闘機についてお伺いします。イギリスのメディアは、イギリスの新政権が、この次期戦闘機の共同開発を見直す可能性があると報じています。事実関係と、今日の会談でその話題が出たのかどうか教えていただけるでしょうか。

大臣 :英国の新政権になりましたので、その戦略防衛見直しについて行われると承知をしております。本日の会合でも話題とはなりました。日英バイ会談において、先方からですね、今後のプロセスについて説明があったというところであります。
 次期戦闘機の共同開発という問題に関しては、私とヒーリー英国防大臣、クロセット伊国防大臣の間で、安全保障環境が一層厳しさを増す中で、地域の平和と安定を守ることの重要性を再確認し、本年内のGCAP政府間機関GIGOの立ち上げに向けて諸準備を進めるとともに、2035年の初号機配備というスケジュールの達成に向けて、引き続き強くコミットしていくことで一致をいたしました。したがって、直接御質問にストレートに答えるとするとですね、御懸念のようなことはなかったということでございます。

英軍へのアセット防護措置の適用について

記者 :日英のバイ会談について伺います。日英の間では2023年の広島アコード、これで自衛隊による英軍へのアセット防護措置の適用の可能性を視野に、という文言が入っており、その後、当時の林芳正外務大臣が適用検討を明言していましたが、本日の日英バイ会談でアセット防護の実施については話題になりましたでしょうか。

大臣 :昨年5月に日英首脳間で発表された日英広島アコードの件でございますが、自衛隊による武器等防護の適用の可能性を視野に、日英間の活動をより高いレベルに引き上げることを確認したところ、今般の会談におきましては、自衛隊によるアセット防護措置を英国に適用することを防衛当局間で正式に合意に至った旨を歓迎いたしました。

グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)について

記者 :先程のイギリスのレビューの関係なんですけれども、ヒーリー国防大臣から具体的にですね、プロセスについて話があったということなんですけれども、どういう言及だったんでしょうか。GCAPもレビューの対象になるという言い方だったのか、あとですね、今日、確認できたということは、当面の継続を確認できたということであって、見直しの結果次第ではGCAPもどうなるか分からないということなのか、それとも、見直しはするもののGCAPについては何も変更なく継続することが確認できたということなのか、整理して教えていただけますか。

大臣 :戦略的防衛見直し、レビューについては本日の会合で話題となって、そして、先方から今後、プロセスについて説明があったところでございます。詳細については相手国との関係もあるので、あまりここで申し上げるのは控えておきますが、しかし一番関心事というのはGCAPのことだと思いますから、その点については、しっかりと確認をさせていただいて、GIGO条約もですね、締結をしてそれぞれの国で承認作業を、日本の場合は承認をされましたが、進めているそのプロセスをしっかりと踏まえて、2035年の初号機配備、これはおしりが決まっていますので、これに向けてやっていくということは確認できたということであります。

 それ以外の件についても、例えば空母打撃群なんかもですね、これはしっかりと考えていくというか、従来通りの方針でやっていくと、そして、私は昨日到着したので私は行ってませんが、ファンボローの初日の挨拶でも、首相もですね、安全保障というものは政治から切り離すというような発言もあったというふうに伺っておりますので、恐らく外交安全保障というのは政権が変わった、レビューをするとはいえですね、もちろん英国のことであり、政権交代があったのでレビューはするでしょうけれども、すみません。今のはヒーリーの発言だそうです。「安全保障というものは政治と切り離す」ということはヒーリーの発言だそうですが、そういう基本的なスタンスと言いますか、もちろん内政的なことであったり、あるいは様々な政策についてはですね、見直す中で一定程度のですね、レビューはあるものの、他国との関係においては従来の方針通りなのではないかということを、私もイタリア側もですね、それは感じとったところであります。

Q 記者 :2035年の配備ということなんですけれども、まず、タイムスケジュール的にかなり厳しいんじゃないかっていうのがこっちの専門家の方から言われているというのと、あともう一つが、輸出先ですね、具体的にどこかの国からアプローチがあるのかとかですね、あるいはもう決まっているものがあるか、そのあたりの話が今回出たのかということを教えていただけますでしょうか。

大臣 :3か国、それ以外の輸出先について、何も決まっていることはございません。そのうえで、スケジュールについては、今日改めてですね、確認をさせていただいたのは、2035年の初号機配備について、厳しい環境だからこそですね、今日3大臣間、トップレベルでの確認をさせていただく中で、そして、それを踏まえて今後、事務レベルあるいは、各企業間での作業が、我々の今回の合意に基づいてですね、着実に行われる、もし遅れそうなことであれば、そこはしっかりとねじを巻いてですね、キャッチアップをしていくということになるんだろうというふうに思っております。

以上

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