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観閲式で初披露された、対ドローン車載型レーザー兵器──技術シンポジウム2024速報

  • 日本の防衛

2024-11-14 11:50

今年も東京・市ヶ谷で開かれた、防衛装備庁が主催する「技術シンポジウム2024」(11月12〜13日)。注目の展示を紹介しよう。稲葉義泰 INABA Yoshihiro

 防衛装備庁の「技術シンポジウム2024」において、装備開発官(陸上装備担当)が「車両搭載高出力レーザ実証装置の研究試作」という展示を行った。

写真:編集部(以下同じ)

「車両搭載高出力レーザ」は、平成30(2018)年度から開始された「指向性エネルギーシステムに関する研究」(平成30~令和7年度)から派生する形で、令和3(2021)年度に開発がスタートしたもの。現在、防衛装備庁が実施している、2つの高出力レーザシステムの研究試作のうちの一つである(もうひとつは、こちらの電機駆動型高出力レーザシステム)。

 陸上自衛隊が運用する重装輪回収車をベースとする車両に、レーザ装置に加えて発電機や操作要員用のスペースまでを一体化した、自己完結型のシステムとなっている。製造は三菱重工が担当している。

 レーザ装置の 出力は10キロワットで、これを使用した試験で小型無人機を撃墜した映像も公開された。

 さらに、先日実施された「自衛隊70周年記念観閲式」では、実車が初公開された。今後、同車の機能限定版が陸上自衛隊に試験的に導入され、これを用いてレーザー兵器の運用方法を研究するとのことだ。

 また、担当者によれば、弾頭部分の規格さえ統一できれば、これまでミサイル製造には参画してこなかったさまざまな企業から、弾頭部に搭載するモノについての提案を受けることができるというメリットもあるという。

稲葉義泰INABA Yoshihiro

軍事ライターとして自衛隊をはじめとする各国軍や防衛産業に携わる国内外企業を取材する傍ら、大学院において国際法を中心に防衛法制を研究。著者に『「戦争」は許されるのか 国際法で読み解く武力行使のルール』『“戦える”自衛隊へ 安全保障関連三文書で変化する自衛隊』(イカロス出版)などがある。

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