中谷防衛大臣が記者会見 米国との関税交渉、馬毛島の基地整備ほか(4月22日)
- 日本の防衛
2025-4-24 11:44
令和7(2025)年4月22日(火)08時40分~08時50分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟10階記者会見室で閣議後の記者会見を行った。
内容は、以下の通り。
大臣からの発表事項
ミャンマーの国際緊急援助活動に必要な医療資機材等の輸送の終了について
大臣 :
ミャンマー連邦共和国における国際緊急援助活動に必要な医療資機材等の輸送の終了について報告をいたします。
3月28日に発生したミャンマー中部を震源とする地震による被害に関して、4月7日、私から統合作戦司令官に対して、自衛隊機による国際緊急援助活動に必要な医療資機材等を輸送することを命じました。この命令に基づいて、4月8日に小牧基地を出発したC-130輸送機は、翌9日にマンダレー国際空港に到着をし、被災地で活動する我が国の国際緊急援助隊・医療チームに、人道支援活動に必要な医療資機材等を引渡しをしました。
その後も、C-130輸送機、1機を本邦に待機をさせつつ、現地では自衛隊の現地調整所の要員が情報収集を継続をしてまいりましたが、現地では災害に起因する患者数は当初より大幅に減少していること等を総合的に勘案をいたしまして、本日、統合作戦司令官に対して、自衛隊によるミャンマーでの国際緊急援助活動に必要な医療資機材等の輸送を終結するということを命じました。
私は、先般、ミャンマーから帰還をしましたC-130輸送機を小牧基地で出迎をしました。現地に派遣された隊員からは、ミャンマーの方々から、「国が大変なときに自衛隊が駆け付けてきてくれた」という感謝の声を聴いた、との報告を受けております。
今回の任務は、統合作戦司令部発足後、初となる国際緊急援助に関する活動でありました。ミャンマーの人々と共にあるとの観点から、任務遂行に全力を尽くして遂行してくれた隊員諸君を頼もしく、そして誇りに思います。政府全体としては、今般の自衛隊による活動終結後も、ミャンマーの人々と共にあるとの観点から、引き続き、ミャンマーの人々に直接裨益をする、できる限りの人道支援を模索をしてまいりたいと考えております。
記者との質疑応答
アメリカとの関税交渉について
記者 :
アメリカとの関税交渉についてお伺いいたします。石破総理大臣は昨日の参議院予算委員会で、「関税の交渉と安全保障の問題をリンクさせて考えるべきではなく、分けて議論していかないとおかしくなる」と述べました。これについて、大臣自身は、どのようにお考えでしょうか。
また、関税交渉と安保の問題を分けたとして、安全保障の分野で、今後、どのような議論が必要とお考えでしょうか。もう1点、駐日大使として着任するアメリカのグラス氏と、今後どのように議論していくお考えでしょうか。
大臣 :
米国の関税措置に関する日米協議については、主に経済分野の取組に焦点を当てるものであると承知しております。その上で、先週金曜日、私が会見でですね、申し上げているとおり、関税と安全保障は別の問題であるとの認識でありまして、総理も同様の認識で発言されたのではないでしょうか。
防衛分野において、先月3月30日、日米防衛相会談において、ヘグセス長官との間で、日米それぞれの防衛力の強化、また、日米同盟の抑止力・対処力の強化の取組について、切迫感をもって進めていく決意を確認をしておりまして、その共通の認識、決意には何ら変わりはありません。引き続き、ヘグセス長官をはじめ、防衛当局間で緊密な意思疎通をしていく考えであります。
また、先週18日、グラス駐日米国大使が着任をされたということで、歓迎をいたします。私としましても、日米同盟の抑止力・対処力の更なる強化に向けまして、大使と意見交換を行う機会が早急に得られるということを楽しみにしております。
第15旅団のホームページに掲載された辞世の句の解釈について
記者 :
牛島司令官の、辞世の句を平和を願う歌と解釈していることについての質問です。大臣は18日の衆院安保委で、辞世の句の中でも、特に注目する箇所として、「皇国の春に甦らなむ」という場所を挙げていました。
先の大戦は、多くの兵士や民間人が天皇の名のもとに命を落としたことから、この歌を平和の歌とするのは県民感情や、また戦争放棄を明記した憲法にもそぐわないという指摘もありますが、改めて、御自身の歌に対する解釈と、文民統制の責任を負う立場からの発言として適切だったのか教えてください。
大臣 :
御指摘は、第15旅団のホームページに掲載されている、臨時第1混成群の初代群長であります、桑江1佐の訓示について述べたものであります。
当該訓示は、沖縄県の本土復帰に伴う部隊発足時のものでありまして、沖縄の発展や沖縄県民の平和な明るい生活・福祉の向上に寄与したいとの決意が示されております。この牛島司令官の辞世の句は、この訓示の一部を構成するものであり、御指摘は4月18日の衆議院安全保障委員会における私の答弁は、こういった桑江群長の平和に係る決意も踏まえて、戦争の惨禍を二度と繰り返してはならないとの考えの下で、文民統制の主体である防衛大臣として、我が国の平和への願いを述べたものでございます。
また、この「みくに」という用語につきましては、一部新聞には、「皇国」との表記ではとの記述や指摘もあると承知しておりますが、いずれにしましても、ホームページに掲載されているとおり、昭和47年度に作成された臨時第1混成群史に掲載された、臨時第1混成群長の沖縄復帰に伴う訓示では、「御国」の「み(御)」については「おん、ぎょ(御)」となっているところ、当時、臨時第1混成群では「おん、ぎょ(御)」と認識していたものであると承知をいたしております。
馬毛島で進む自衛隊基地整備に関して
記者 :
鹿児島県西之表市馬毛島で進む自衛隊基地整備に関して質問です。西之表市の隊員宿舎についてお伺いします。昨年11月より工事が中断していますが、再開の見通しをお聞かせください。また、別の場所に建設計画があるのか、お聞かせください。
大臣 :
西之表の宿舎に関しましては、令和6年3月に工事契約をして、工事を進めてきたところありますが、この工事区域内で人の頭ぐらいの大きさの石、そして空瓶、古タイヤといった地中障害物が確認をされまして、対応を検討する必要があることから、昨年11月1日から工事を一時中止をしております。お尋ねにつきましては、現在、西之表市との間で様々な調整を行っているところでございます。
ヘグセス国防長官の更迭検討の報道について
記者 :
米メディアは、ずさんな情報管理で批判を受けているヘグセス国防長官について、更迭を検討しているとみられると報じました。受け止めをお願いいたします。
大臣 :
報道については承知をしておりますけれども、その一つ一つにコメントをすることはいたしません。いずれにしましても、防衛省としましては、米国の国防省のあらゆるレベルにおいて緊密に意思疎通をしておりまして、日米同盟を更なる高みに引き上げつつ、日米同盟の抑止力・対処力を強化するための取組を進めていくという考えには変わりはありません。
(以上)
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