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小泉防衛大臣が空自 横田基地及び海自 横須賀基地視察後に臨時会見 全自衛隊員とともに果たす使命「国防」について言及(10月25日)

  • 日本の防衛

2025-10-28 09:01

 令和7(2025)年10月25日(土)14時48分~14時58分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は航空自衛隊 横田基地及び海上自衛隊 横須賀基地視察後に海上自衛隊 横須賀地区 吉倉岸壁で臨時記者会見を行った。
 大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

大臣からの発表事項

空自 横田基地・海自 横須賀基地視察について

 本日、空自横田基地、そして海自横須賀地区を視察いたしました。いずれも、自衛隊と米軍が緊密に連携して日々のオペレーションを行う、我が国防衛の中枢であります。横田基地では、航空総隊司令部の視察を通じて、「日本の空」を脅威から守るミッションがいかに難しいか、実感することができました。私が着任直後に起こった北朝鮮の弾道ミサイル発射、そして、ロシアの爆撃機による我が国領空付近での飛行をはじめ、空からの脅威への対応は、最重要課題の一つです。そして、ここ横須賀地区と、これから向かう船越地区は、護衛艦や哨戒機による我が国周辺の警戒監視から、中東における情報収集活動に至るまで、海上自衛隊の様々な任務の司令塔です。横須賀地区では、最新鋭の護衛艦「くまの」を視察いたしました。「くまの」は、「もがみ」型護衛艦の2番艦であり、オーストラリアへの移転手続を進めている護衛艦のベースとなるものです。凹凸が少なく傾斜しているという特徴的な外観からも分かるように、優れたステルス性を持つとともに、徹底した省人化を実現しており、従来の護衛艦の半分の約90名の乗員で運用が可能であります。先ほど現場の方から、オーストラリアサイドから、仮に自分の自分の娘を、子供を乗せるとしたら、この「くまの」に乗せれば、「もがみ」に乗せれば、より命は守られるかもしれないと。こういったエピソードも紹介していただき、改めて、私自身ですね、防衛大臣としても、防衛外交を通じて、トップセールスを強化をしていきたい。 そういうふうに思いますし、この海上自衛隊で勤務をする一人一人の隊員に対して、誇りをもって、隊員の命と家族の命を守っていく、その思いを新たにしたところであります。まさに我が国の防衛産業が有する優れた技術力が結集した、最新鋭の護衛艦であるということを強く実感しました。横須賀は、私が生まれ育った故郷であります。本日、国防を担う防衛大臣としてこの地に立ち、改めて身の引き締まる思いです。私は防衛大臣として、常に全自衛隊員の先頭に立ち、隊員とともに「我が国を守る・国防」という崇高な使命を果たしてまいります。

記者との質疑応答

地元・横須賀基地視察、防衛装備の海外移転について

記者
大臣、今日生まれ育った横須賀にお戻りになられてですね、横須賀基地を視察されたと思います。特にこの地元っていう点について改めて御感想をいただければというふうに思います。あともう一点ですね、言及ありましたけれども、「もがみ」型の護衛艦である「くまの」を今日視察されてですね、こういう防衛装備についてですね、海外の装備移転について今後どのように取り組んでいかれるか、お考えをお聞かせいただければと思います。

大臣
私の地元横須賀に防衛大臣として、このように戻ることができたことは、私としても大変嬉しく、そしてまたその重責をひしひしと感じているところでもあります。この横須賀は今目の前にいる隊員の皆さん、この皆さんを支えるだけではなくて、これからの時代を担っていく、次の時代の自衛隊員と、学生も含めて、生徒も含めて育成をされている、そんな町でもあります。将来、この次世代の若者たちが自衛隊に入ってよかった。そして、自衛隊の魅力を感じて、自分のやりがいを生きがいを、そして働きがいを生かすのは、自衛隊という職場があるんだと、生き方があるんだと、こういうふうに思ってもらえるように、自衛隊・防衛省の取組、そして活動というものを今まで以上に発信を強化して、私は一人でも多くの方に自衛隊の姿を届けていきたいというふうに思っています。また、防衛装備移転、これについても御指摘がありましたが、防衛装備移転は国際法に違反する侵略を受けている国、例えば、ロシアによる侵略を受けているウクライナなどへの支援のほか、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出するためにも重要な政策的手段です。今般のオーストラリアへの護衛艦の移転をはじめ、同盟国・同志国との間で防衛装備・技術協力が拡大していますが、これは日本の装備品の高い技術力に対する世界からの期待の表れです。この期待に応えることは、国際秩序の平和と安定につながるものであり、私自身、防衛外交を展開する中で、トップセールスを強化していきたいと考えています。国際秩序が大きく揺らぐ中、防衛装備移転を更に推進していくための制度面の施策にも、スピード感をもって取り組むことが重要です。今般、自民党と日本維新の会との間で合意をされた5類型の撤廃という重みを踏まえ、防衛省・自衛隊として、防衛力の変革、そして防衛装備移転の拡大による防衛と経済の好循環を実現すべく、その必要性をしっかりと説明をするとともに、関係省庁と検討を行っていく考えです。

調整中のヘグセス長官との日米防衛大臣会談、迫る27日の米トランプ大統領来日について

記者
小泉大臣は昨日の記者会見で、日米防衛大臣会談を調整中と御説明されました。会談が実現した場合、大臣として具体的にどのようなことを提起し、議論する必要があるとお考えでしょうか。また来週トランプ大統領が来日した際、横須賀を視察する計画があるとされていますが、これを今後の日米関係におけるどのような機会にされたいとお考えますでしょうか。

大臣
今ヘグセス長官との会談については、具体的な調整を行っているところだということは御理解をいただきたいと思います。詳細については適切なタイミングで公表をさせていただければというふうに思います。そして今回横須賀という私の故郷で、このように現場の視察をさせていただきました。横須賀という町は、戦前は旧帝国海軍の町でもあり、戦後は日米同盟の象徴で、今は次の時代に不可欠なサイバーセキュリティ、このサイバー防衛の人材育成の拠点にもなっている場所でもあります。そういった地元は私にとっては、今のこの防衛大臣の礎を築いてくれていると思っていますので、そういったことをしっかりと自分の胸にもちながら、ヘグセス長官と個人的な信頼関係を構築をして、私からは、お会いをする機会があったら、その時に日本の日米同盟を強化すること、そして日本が独自の自前の防衛力をしっかりと強化をしていくコミットメント、意思をしっかりとお伝えすることが重要なことではないかと感じています。

高市総理の所信表明演説での戦略三文書の見直し等について

記者
昨日ですね、高市総理が所信で戦略三文書の見直しと、あと防衛費、政府目標前倒し措置について表明されました。今後の取組の方針についてお聞かせいただきたいのと、今後総理から細かい指示を受けるなど、直接お話をする機会などありますでしょうか。加えて総理はスピードを上げて取り組んでいくという意思を強調されましたけれども、これについての受け止めをお聞かせください。

大臣
昨日、高市総理から、政府として、一層急速に厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、まずは現在の取組を加速すべく、現行の国家安全保障戦略に定める「対GDP比2%水準」について、補正予算と合わせて、今年度中に前倒して措置を講じること、その上で、安全保障環境の急速な変化に適切に対応し、強い覚悟をもって、我が国の独立と平和、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、国家安全保障戦略をはじめとする戦略三文書の来年中の改定を目指し、検討を開始することについて方針が示されました。これを受け、早速同日、防衛省内で、防衛力変革推進本部を開催して、今後の防衛力の強化の在り方について、議論を開始をしました。現行の国家安全保障戦略に定める「対GDP比2%水準」の前倒しや、新たな戦略三文書の検討について、今後のスケジュールや、その具体的な内容については、政府全体で検討を進める中で具体化をしていきますが、総理も、「決断と前進の内閣」として、「意思決定をしたら、前に進んでいく。それもスピードを上げて進んでいく」と、こういうふうに仰っておられます。我が国を取り巻く安全保障環境が日増しに厳しさを増す中、私としても、防衛力の変革は一刻の猶予も許されない、こうした思いをもって、総理のお考えと同じく、スピード感をもって検討を進めて、そして決断をしていくと、そういうふうに考えています。

(以上)

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