小泉防衛大臣が記者会見 自民党大会での陸自隊員による国歌斉唱、防衛装備移転三原則改正ほか(4月14日)
- 日本の防衛
2026-4-16 08:14
令和8(2026)年4月14日(火)08時51分~09時01分、小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣は、参議院別館3階防衛省政府控室において閣議後会見を行った。
大臣からの発表事項はなく、以下のとおり記者との質疑応答が行われた。
記者との質疑応答
防衛装備移転三原則と運用指針の改正案について
記者 :
昨日、自民党の会議で政府の防衛装備移転三原則と運用指針の改正案が会長一任となり、今日にも政審、総務会とかかる見通しです。近く政府のほうでも正式決定となると思いますけれども、改めて大臣の受け止めと今後の大臣の国内装備品のトップセールスに向けた方針や意気込みをお願いします。
大臣 :
近いうちに、防衛装備移転の制度の見直しが実現すれば、同盟国・同志国の抑止力・対処力の強化のみならず、我が国のより力強い防衛生産・技術基盤の構築につながるものであり、ひいては、我が国自身の抑止力の強化に資するものと考えています。
安全保障環境が厳しさを増す中、今やどの国も1か国のみでは自国の平和と安全を守ることはできません。いざというときに同盟国・同志国と共に助け合うことができる関係を築かなければなりません。これまでは、地域のパートナーから我が国の高い技術力を有する装備品の期待が示されても、これに応えることが困難でしたが、今後は防衛装備移転を通じて、我が国の安全と地域と国際社会の平和と安定に一層寄与することができると考えています。
また、地域のパートナーと共通の装備品を運用することにより、相互運用性の向上、強靱なサプライチェーンの構築や、地域における維持・整備基盤の向上などの実現を目指します。このような観点から、我が国はもちろんのこと、地域にとっての望ましい安全保障環境を構築することにつながるよう、私自身、防衛装備品について、各国に対するトップセールスを一層強化していきたいと思います。
自民党大会での陸上自衛隊音楽隊による国歌斉唱について
記者 :
12日の自民党大会で、陸上自衛隊音楽隊の歌手の方が国歌斉唱をされました。自衛隊法が制限する政治的活動に当たるのではないかという指摘が出ていますが、これについて防衛省・自衛隊としての見解をお伺いします。また、あわせて、大臣の12日の関連X投稿が削除されていますが、これについてもなぜ削除したかなどの見解をお尋ねします。
大臣 :
4月12日に開かれた自民党大会において、陸上自衛官が国歌を歌唱したことについては承知をしています。当該自衛官は、職務ではなく、私人として、関係者からの依頼を受けて、国歌を歌唱したものと聞いています。
また、お尋ねの政治的行為の制限との関係については、自衛隊法第61条第1項において、隊員の政治的行為の制限について定められていますが、国歌を歌唱することが政治的行為に当たるものでもなく、今回の件は、自衛隊法違反に当たらないと認識しています。
また、御指摘の私のXの投稿の取消しにつきましては、投稿後、念のため事実関係等を確認するため、一旦、その投稿を取り消すこととしたものです。いずれにしても、今回の国歌斉唱、国歌を歌唱することは政治的行為には当たらないと、自衛隊法違反にも当たらないと認識をしています。
記者 :
今の関連で2点よろしいでしょうか。Xの削除について、事実関係の確認でということを今おっしゃっていたと思うのですけれども、これは事実関係の部分の確認が取れたら、また投稿するという理解で良いのでしょうかというのが1点と、2点目が自衛隊法違反には当たらないということだったと思うのですけれども、この参加自体が自衛隊の政治的中立性のところについて疑念を呼ぶものだというふうにお考えにはならないかという、この2点について、すみません、お願いします。
大臣 :
まず、今回の国歌斉唱自体が、今回、政治的行為に当たることはない、自衛隊法違反にも当たらないというふうに認識をしています。
また、私のXについては、今回の件で、私が確認をしたところ、組織の中で、自衛隊・防衛省の中で、服務の方にも確認をしたと、そういったことも聞いています。ただ、一方でですね、今回、私にそれが上がっていなかったということもありますので、きっと隊員からすれば、私まで含めてですね、そういった報告があった上での判断だというふうに思ったと思うのですよね。ですから今回、そういった報告体制、そういったことについても私は改善点があると思いますので、そこはしっかり徹底させます。
投稿については、隊員に様々な負担がかからないように、これは削除したほうが良いだろうと、そういった判断をしたものです。
記者 :
報告がなかったというのは、この件について投稿するという、その全体のことについての報告がなかったという。
大臣 :
いやいや、全く違います。そうではなくて、ここの自民党大会に国歌斉唱で出席をする、若しくは依頼をする、依頼がされていると、こういったことについての報告がなかったということです。
記者 :
なのでXも削除にもなったということですか。
大臣 :
事実関係の確認もそうですし、このことについては、やはり報告体制も含めて改善すべきところがありますので、それが隊員の責任ではありませんから、そういった観点でしっかり組織としてやるべきことがあると、そういうふうに思います。
記者 :
分かりました。ありがとうございます。
記者 :
関連で、その報告がなかったということですけれども、その自衛隊の中の上司に対しては報告があって、それを出席了承されていたということでしょうか。
大臣 :
今回、服務のほうにそういった話が上がり、そこでの判断だと聞いています。ただ、やはりこちらまで含めてですね、その報告が上がるべきだったと思いますので、そういった報告が上がるように改善を徹底させたいというふうに思います。
記者 :
報告が上がった場合は、その出席を認めていたのでしょうか。
大臣 :
仮定の質問にはお答えすることは控えますが、やはり様々な御指摘をこのように受けている中で、そのことが隊員個人に対してですね、私人として参加したとはいえ、行くことは、私としては隊員を守るという大臣の責任からも避けなければならないというふうに思いますので、これはしっかりと改善を徹底させたいと思います。
米公文書に関する報道について
記者 :
米海兵隊CH-53D大型輸送ヘリの岩国基地配備に向けた2000年8月の日米協議の中で、日本政府側が、沖縄側が普天間飛行場の県内移設を受け入れる重要な前提を損なうとして反対していたことが、米公文書の中で明らかになりました。この記述から、日本政府が米軍普天間飛行場の県内移設にこだわる姿勢が見て取れると思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
また、これまで政府は沖縄に海兵隊を置く理由として、空地一体運用の必要性を説明してきましたが、改めて現時点で空地一体運用をどう認識しているのか、お伺いいたします。
大臣 :
報道は承知していますが、日米間のやり取りについて、逐一お答えすることは差し控えます。
その上で申し上げれば、我が国に所在するアメリカ海兵隊の即応性・機動性を保ち、迅速な初動対応を可能とするためには、陸上部隊と航空部隊を地理的近傍に所在させ、陸上部隊を迅速に輸送できる態勢を整えておくことが必要であり、こうした観点から、普天間飛行場が有するオスプレイなどの運用機能は、沖縄に残す必要があります。
また、民主党政権下の平成22年当時も、アメリカ側からは、海兵隊の航空部隊と、これが支援・連携する陸上部隊から一定の距離以上に離れると運用に支障を来すことについて説明を受けております。普天間飛行場をめぐる問題について、辺野古移設が唯一の解決策であるという点は、日米両政府間でも繰り返し確認しています。この方針に基づき、着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながると考えています。
今後とも、地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、基地負担の軽減を図るため、引き続き、政府として全力で取り組んでいきたいと思います。
自衛官が制服で政党会合に出席することについて
記者 :
先ほどの自民党大会への自衛官の出席について、朝日さんの質問にちょっとお答えになられてなかったと思うのですが、特定の政党の会合にですね、私人とはいえ、自衛官が制服を着て出席する、ステージ紹介をされるということが、政治的活動と取られかねないという懸念はないのでしょうか。
大臣 :
制服についてはですね、常時着用義務というものがありますので、制服を着て私人としても行動すると、こういったことについては問題がないと承知をしています。
なので、最終的に今回の党大会の出席についての是非と、こういったことについてはですね、法的な面から言えば、昨日鈴木幹事長も申していましたし、私も申し上げたように、国歌斉唱をすること自体が、政治的行為には当たらず、そして自衛隊法違反にも当たらないと、こういったことで整理をしています。
ただいずれにしても、自衛隊の活動に対して、国民の皆様から理解を得るという観点で、例えば今回のように、この会合に依頼を受けていますとか、そういったことについて、報告が十分、中で上がってこなかったと、このことについては、やはり、その在り方について改善が必要だろうというふうに思いますので、しっかりと部内で徹底させたいと思っています。
記者 :
あと1点、ごめんなさい。依頼の件ですけれども、今回その歌唱として登壇された自衛官に直接依頼があったのか、それとも陸上自衛隊に対して依頼があったのか、そちらどのような整理になっていますでしょうか。
大臣 :
私が現時点で確認をしているのは、イベント会社の方から依頼があったというふうに聞いていますが、詳細については、最後はこれは自民党大会での企画とか、準備のことだと思いますので、そちらの方にも確認もいただきたいというふうに思います。
記者 :
部隊としては依頼は受けていないということですか。
大臣 :
私が聞いているのは、これ私人としての活動ですが、イベント会社からの依頼があったというふうに聞いています。
(以上)
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