「防衛装備移転三原則」を一部改正 大幅緩和で護衛艦や戦闘機の輸出等も可能に(4月21日)
- 日本の防衛
2026-4-21 12:05
防衛省は令和8年4月21日(火)10時15分、「防衛装備移転三原則」等の一部改正について公式サイト上で報告し、関連資料を公開した。
今回の改正で完成品の移転制限が大幅に緩和し、従来の5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)から、審査と管理を厳格に行うことにより殺傷能力のある戦闘機・護衛艦・潜水艦を含む全ての完成品が移転可能となった。
以下にプレスリリースと3つの資料を転載する。なお資料の掲載は、3、1、2の順とした。
「防衛装備移転三原則」等の一部改正について
政府は、本日、国家安全保障会議及び閣議において、「防衛装備移転三原則」及び「防衛装備移転三原則の運用指針」を一部改正いたしましたのでお知らせいたします。
防衛省としては、今般、改正した「防衛装備移転三原則」等の下で、官民一体となって防衛装備移転を推進してまいります。
関連資料
資料1 防衛装備移転三原則
資料2 防衛装備移転三原則の運用指針
資料3 防衛装備移転三原則・運用指針の見直し(概要資料)
資料3 防衛装備移転三原則・運用指針の見直し(概要資料)





資料1 防衛装備移転三原則
平成26年4月1日 国家安全保障会議決定・閣議決定
令和5年12月22日 一部改正
令和8年4月21日 一部改正
政府は、防衛装備の海外移転については、昭和42年の佐藤総理による国会答弁(以下「武器輸出三原則」という。)及び昭和51年の三木内閣の政府統一見解によって慎重に対処することを基本としてきた。このような方針は、我が国が平和国家としての道を歩む中で一定の役割を果たしてきたが、一方で、共産圏諸国向けの場合は武器の輸出は認めないとするなど時代にそぐわないものとなっていた。また、武器輸出三原則の対象地域以外の地域についても武器の輸出を慎むものとした結果、実質的には全ての地域に対して輸出を認めないこととなったため、政府は、個別の必要性に応じて例外化措置を重ねてきた。このような中、平成26年4月1日、防衛装備の海外移転に係るこれまでの政府の方針につき改めて検討を行い、これまでの方針が果たしてきた役割に十分配意した上で、新たな安全保障環境に適合するよう、これまでの例外化の経緯を踏まえ、包括的に整理し、明確な原則として本原則を定めた。その後、「国家安全保障戦略について」(令和4年12月16日国家安全保障会議及び閣議決定)を踏まえ、一部改正を行ったところである。今般、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している状況を踏まえ、更に一部改正を行うこととした。
我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本原則を堅持してきた。他方、現在、我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。そして、我が国が位置するインド太平洋地域は安全保障上の課題が多い地域であり、この地域において、我が国が、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、同盟国・同志国等と連携し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を実現し、地域の平和と安定を確保していくことは、我が国の安全保障にとって死活的に重要である。
これらを踏まえ、我が国は、平和国家としての歩みを引き続き堅持し、また、国際社会の主要プレーヤーとして、同盟国・同志国等と連携し、国際協調を旨とする積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びインド太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、一方的な現状変更を容易に行い得る状況の出現を防ぎ、安定的で予見可能性が高く、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化することとしている。
こうした我が国の安全保障上の目標を達成する上で、防衛装備の海外への移転は、特にインド太平洋地域における平和と安定のために、力による一方的な現状変更を抑止して、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出や、国際法に違反する侵略や武力の行使又は武力による威嚇を受けている国への支援等のための重要な政策的な手段となる。そして、防衛装備の適切な海外移転は、国際平和協力、国際緊急援助、人道支援及び国際テロ・海賊問題への対処や途上国の能力構築といった平和への貢献や国際的な協力(以下「平和貢献・国際協力」という。)の機動的かつ効果的な実施を通じた国際的な平和と安全の維持の一層積極的な推進に資するものであり、また、同盟国である米国及び同志国等との安全保障・防衛分野における協力の強化、ひいては地域における抑止力の向上に資するものである。近年の厳しさを増す安全保障環境の下にあって、同盟国・同志国等のニーズに応じた防衛装備移転の推進を通じ、我が国との相互運用性の向上を伴う形で同盟国・同志国等の抑止力・対処力を強化することにより、我が国にとって望ましい安全保障環境を創出することはますます重要性を増している。また、より多くの同志国等が我が国と共通の装備品を運用することは、生産・維持整備基盤を共有し、様々な事態において相互に支援を行うことを可能とする。
さらに、防衛装備の高性能化を実現しつつ、費用の高騰に対応するため、国際共同開発・生産が国際的主流となっていることに鑑み、防衛装備の適切な海外移転は、いわば防衛力そのものと位置付けられる我が国の防衛生産・技術基盤の維持・強化、ひいては我が国の防衛力の向上に資するものである。また、継戦能力確保の重要性が増す中にあって、防衛装備移転の推進により、共通の装備品を運用する同志国等を増やし、強固な防衛産業を保持し、拡大することは、有事に必要な継戦能力を支える生産能力を国内で確保する上でも大きな意義を有する。
他方、防衛装備の流通は、国際社会への安全保障上、社会上、経済上及び人道上の影響が大きいことから、各国政府が様々な観点を考慮しつつ責任ある形で防衛装備の移転を管理する必要性が認識されている。その際、経済安全保障の観点も踏まえ、技術等に関する我が国の優位性、不可欠性の確保等にも留意する必要がある。
以上を踏まえ、我が国としては、国際連合憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念及びこれまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持しつつ、次の三つの原則に基づき防衛装備の海外移転の管理を行った上で、官民一体となって防衛装備の海外移転を進めることとする。また、武器製造関連設備の海外移転については、これまでと同様、防衛装備に準じて取り扱うものとする。
1 移転を禁止する場合の明確化
次に掲げる場合は、防衛装備の海外移転を認めないこととする。
①当該移転が我が国の締結した条約その他の国際約束に基づく義務に違反する場合、
②当該移転が国際連合安全保障理事会の決議に基づく義務に違反する場合、又は
③紛争当事国(武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国際連合安全保障理事会がとっている措置の対象国をいう。)への移転となる場合
2 移転を認め得る場合の限定並びに厳格審査、国会への通知及び情報公開
上記1以外の場合は、移転を認め得る場合を次の場合に限定し、透明性を確保しつつ、厳格審査を行う。具体的には、防衛装備の海外移転は、平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合、同盟国たる米国を始め我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国(以下「同盟国等」という。)との国際共同開発・生産の実施、同盟国等との安全保障・防衛分野における協力の強化並びに装備品の維持を含む自衛隊の活動及び邦人の安全確保の観点から我が国の安全保障に資する場合等に認め得るものとし、仕向先及び最終需要者の適切性並びに当該防衛装備の移転が我が国の安全保障上及ぼす懸念の程度を厳格に審査し、国際輸出管理レジームのガイドラインも踏まえ、輸出審査時点において利用可能な情報に基づいて、総合的に判断する。
また、我が国の安全保障の観点から、特に慎重な検討を要する重要な案件については、国家安全保障会議において審議するものとする。特に、自衛隊法(昭和29年法律第165号)上の武器(弾薬を含む。)に該当する完成品については、国家安全保障会議においてその移転を認め得ると判断した上でその旨を公表したときは、国会にこれを通知するものとする。
さらに、国家安全保障会議で審議された案件については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)を踏まえ、政府として情報の公開を図ることとする。
3 目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保
上記2を満たす防衛装備の海外移転に際しては、適正管理が確保される場合に限定する。具体的には、原則として目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることとする。ただし、平和貢献・国際協力の積極的な推進のため適切と判断される場合、部品等を融通し合う国際的なシステムに参加する場合、部品等をライセンス元に納入する場合等においては、仕向先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とする。
以上の方針の運用指針については、国家安全保障会議において決定し、その決定に従い、経済産業大臣は、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)の運用を適切に行う。その上で、運用指針は、安全保障環境の変化や安全保障上の必要性等に応じて、時宜を得た形で改正を行う。
本原則において「防衛装備」とは、武器及び武器技術をいう。「武器」とは、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)別表第1の1の項に掲げるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるものをいい、「武器技術」とは、武器の設計、製造又は使用に係る技術をいう。
政府としては、国際協調を旨とする積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定のために積極的に寄与していく考えであり、防衛装備並びに機微な汎用品及び汎用技術の管理の分野において、武器貿易条約の履行及び国際輸出管理レジームの更なる強化に向けて、一層積極的に取り組んでいく考えである。
資料2 防衛装備移転三原則の運用指針
平成26年4月1日 国家安全保障会議決定
平成27年11月24日 一部改正
平成28年3月22日 一部改正
令和4年3月8日 一部改正
令和5年12月22日 一部改正
令和6年3月26日 一部改正
令和8年4月21日 一部改正
防衛装備移転三原則(平成26年4月1日閣議決定。以下「三原則」という。)に基づき、三原則の運用指針(以下「運用指針」という。)を次のとおり定める。
(注)用語の定義は三原則によるほか、6のとおりとする。
1 防衛装備の海外移転を認め得る案件
防衛装備の海外移転を認め得る案件は、次に掲げるものとする。
(1)平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する海外移転として次に掲げるもの(平和貢献・国際協力の観点から積極的な意義がある場合に限る。)
ア 移転先が外国政府である場合
イ 移転先が国際連合若しくはその関連機関、国連決議に基づいて活動を行う機関、国際機関の要請に基づいて活動を行う機関又は活動が行われる地域の属する国の要請があってかつ国際連合の主要機関のいずれかの支持を受けた活動を行う機関である場合
(2)我が国の安全保障に資する海外移転として次に掲げるもの(我が国の安全保障の観点から積極的な意義がある場合に限る。)
ア 米国を始め我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国との安全保障・防衛協力の強化に資する海外移転であって、次に掲げるもの
(ア)自衛隊法上の武器(弾薬を含む。以下同じ。)に該当しない完成品に係る防衛装備の海外移転
(イ)自衛隊法上の武器に該当する完成品に係る防衛装備の海外移転(国際共同開発・生産に係る防衛装備をパートナー国に移転する場合又はライセンス生産品に係る防衛装備をライセンス元国からの要請に基づき提供する場合(ライセンス元国からの更なる提供を含む。)以外のものにあっては、我が国から移転された防衛装備を国際連合憲章の目的と原則に適合する方法で使用することを義務付ける国際約束を我が国と移転先国との間で締結している場合に限る。)
(ウ)部品に係る防衛装備の海外移転
(エ)修理等の役務の提供
(オ)法律に基づき自衛隊が実施する物品又は役務の提供に含まれる防衛装備の海外移転
イ 自衛隊を含む政府機関(以下「自衛隊等」という。)の活動(自衛隊等の活動に関する外国政府又は民間団体等の活動を含む。以下同じ。)又は邦人の安全確保のために必要な海外移転であって、次に掲げるもの
(ア)自衛隊等の活動に係る、装備品の一時的な輸出、購入した装備品の返送及び技術情報の提供(要修理品を良品と交換する場合を含む。)
(イ)公人警護又は公人の自己保存のための装備品の輸出
(ウ)危険地域で活動する邦人の自己保存のための装備品の輸出
(3)国際法に違反する侵略や武力の行使又は武力による威嚇を受けている国に対する防衛装備(自衛隊法上の武器及びその技術情報を除く。)の海外移転
(4)誤送品の返送、返送を前提とする見本品の輸出、海外政府機関の警察官により持ち込まれた装備品の再輸出、外国政府や外国企業との調整段階における技術情報の提供等の我が国の安全保障上の観点から影響が極めて小さいと判断される場合の海外移転
2 海外移転の厳格審査の視点
(1)個別案件の輸出許可
個別案件の輸出許可に当たっては、1に掲げる防衛装備の海外移転を認め得る案件に該当するものについて、
▪仕向先及び最終需要者の適切性
▪当該防衛装備の海外移転が我が国の安全保障上及ぼす懸念の程度
の2つの視点を複合的に考慮して、移転の可否を厳格に審査するものとする。特に、自衛隊法上の武器に該当する完成品に係る防衛装備の海外移転については、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国に対して行われるもの(国際共同開発・生産に係る防衛装備のパートナー国への移転及びライセンス生産品に係る防衛装備のライセンス元国からの要請に基づく提供(ライセンス元国からの更なる提供を含まない。)を除く。)を原則として認めないこととし、我が国の安全保障上の必要性を考慮して特段の事情がある場合に限り海外移転を認め得ることとする。ただし、グローバル戦闘航空プログラムの完成品については、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国への移転を認めない。
仕向先の適切性については、平和貢献・国際協力の観点や我が国の安全保障の観点から積極的な意義があるかなど、仕向国・地域が国際的な平和及び安全並びに我が国の安全保障にどのような影響を与えているか等を踏まえて検討し、最終需要者の適切性については、最終需要者による防衛装備の使用状況及び適正管理の確実性等を考慮して検討する。特に、自衛隊法上の武器に該当する完成品に係る防衛装備の海外移転については、仕向国・地域において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているか否かを含めた国際的な平和及び安全への影響、仕向国・地域と我が国の安全保障上の関係、周辺国との関係を含む仕向国・地域の安全保障環境、輸出管理体制等を考慮して、慎重に検討する。
また、安全保障上の懸念の程度については、移転される防衛装備の性質、技術的機微性、用途(目的)、数量、形態(完成品又は部品か、貨物又は技術かを含む。)並びに目的外使用及び第三国移転(以下「第三国移転等」という。)の可能性等を考慮して検討する。特に、自衛隊法上の武器に該当する完成品に係る防衛装備の海外移転については、我が国の防衛力整備や自衛隊の運用に与える影響を含む我が国の安全保障環境への影響等を考慮して、慎重に検討する。
なお、最終的な移転を認めるか否かについては、国際輸出管理レジームのガイドラインも踏まえ、移転時点において利用可能な情報に基づいて、上述の要素を含む視点から総合的に判断することとする。
(2)第三国移転等に係る事前同意
第三国移転等に係る事前同意に当たっては、事前同意を与える相手国にとっての安全保障上の意義等を考慮しつつ、(1)における
▪仕向先及び最終需要者の適切性
▪当該防衛装備の第三国移転等が我が国の安全保障上及ぼす懸念の程度
の2つの我が国の視点を複合的に考慮して、事前同意の可否を厳格に審査するものとする。
3 適正管理の確保
防衛装備の海外移転に当たっては、海外移転後の適正な管理を確保するため、原則として第三国移転等について我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることとする。ただし、次に掲げる場合には、仕向先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とする。その場合であっても、技術的機微性が高い場合等については、原則として相手国政府に義務付けることとする。
(1)平和貢献・国際協力の積極的推進のため適切と判断される場合として、次のいずれかに該当する場合
ア 緊急性・人道性が高い場合
イ 移転先が国際連合若しくはその関連機関又は国連決議に基づいて活動を行う機関である場合
ウ 国際入札の参加に必要となる技術情報又は試験品の提供を行う場合
エ 金額が少額かつ数が少量で、安全保障上の懸念が小さいと考えられる場合
(2)自衛隊法上の武器に該当しない完成品(技術的機微性が低い場合に限る。ただし、武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国へ移転する場合を除く。)
(3)部品等を融通し合う国際的なシステムに参加する場合
(4)移転先国以外の国の輸出管理制度の下で適切に管理されている完成品に係る部品等を移転する場合
(5)部品等をライセンス元に納入又は輸入元に移転する場合
(6)他国政府又は他国企業が主導する装備品等のサプライチェーンに参画するために部品等を納入する場合
(7)我が国から移転する部品及び技術の、相手国への貢献が相当程度小さいと判断できる場合
(8)自衛隊等の活動又は邦人の安全確保に必要な海外移転である場合
(9)誤送品の返送、返送を前提とする見本品の輸出、貨物の仮陸揚げ、外国政府や外国企業との調整段階における技術情報の提供等の我が国の安全保障上の観点から影響が極めて小さいと判断される場合
仕向先の管理体制の確認に当たっては、合理的である限りにおいて、政府又は移転する防衛装備の管理に責任を有する者等の誓約書等の文書による確認を実施することとする。そのほか、移転先の防衛装備の管理の実態、管理する組織の信頼性、移転先の国又は地域の輸出管理制度やその運用実態等についても、移転時点において利用可能な情報に基づいて確認するものとする。
また、(3)から(7)までの場合において、移転する部品又は技術が、一次移転先の所在国の下で適切に管理されると評価できる場合には、当該一次移転先までをもって仕向先とし、我が国として適正な管理を確保することも可能とする。
海外移転後の防衛装備が適切に管理されていないことが判明した場合、当該防衛装備を移転した者等に対する外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下「外為法」という。)に基づく罰則の適用を含め、厳正に対処することとする。また、自衛隊法上の武器に該当する完成品の移転後の管理状況の確認に当たっては、政府又は移転する防衛装備の管理に責任を有する者等に対して必要な調査を行うこととする。
なお、我が国から防衛装備が移転された移転先が我が国の事前同意に基づき第三国移転するに当たっては、当該移転先又はその政府による当該第三国移転先に対する適正な管理の確認をもって我が国として適正な管理を確保することも可能とする。
4 審査に当たっての手続
(1)国家安全保障会議での審議
防衛装備の海外移転に関し、次の場合は、国家安全保障会議で審議するものとする。イ、ウ又はエに該当する防衛装備の海外移転について外為法に基づく経済産業大臣の許可の可否を判断するに当たっては、当該審議を踏まえるものとする。
ア 基本的な方針について検討するとき。
イ 移転を認める条件の適用について特に慎重な検討を要するとき。
ウ 防衛装備の海外移転又は第三国移転等に係る事前同意に当たって、仕向先等の適切性、安全保障上の懸念の程度等について特に慎重な検討を要するとき。
エ 同様の類型について、過去に政府として自衛隊法上の武器の海外移転又は第三国移転等に係る事前同意を認め得るとの判断を行った実績がないとき(1(2)イ又は1(4)に掲げる防衛装備の海外移転を認め得る案件を除く。)。
オ 防衛装備の海外移転の状況について報告を行うとき。
(2)国家安全保障会議幹事会での審議
防衛装備の海外移転に関し、次の場合には、国家安全保障会議幹事会で審議するものとする。イ又はウに該当する防衛装備の海外移転について外為法に基づく経済産業大臣の許可の可否を判断するに当たっては、当該審議を踏まえるものとする。
ア 基本的な方針について検討するとき。
イ 同様の類型について、過去に政府として海外移転又は第三国移転等に係る事前同意を認め得るとの判断を行った実績がないとき(外国政府や外国企業との調整段階における試作・試験用部品の移転又は技術情報の提供であって、相手国への貢献が相当程度小さいと判断できる場合を除く。)。
ウ 同様の類型について、過去に政府として自衛隊法上の武器の海外移転又は第三国移転等に係る事前同意を認め得るとの判断を行った実績がある仕向先に対して、新たに同様の自衛隊法上の武器を海外移転するとき(1(2)イ又は1(4)に掲げる防衛装備の海外移転を認め得る案件を除く。)。
エ 防衛装備の海外移転の状況について報告を行うとき。
(3)関係省庁間での連携
防衛装備の海外移転の可否の判断においては、総合的な判断が必要であることを踏まえ、防衛装備の海外移転案件に係る調整、適正管理の在り方において、関係省庁が緊密に連携して対応することとし、各関係省庁の連絡窓口は、次のとおりとする。ただし、個別案件ごとの連絡窓口は必要に応じて別の部局とすることができるものとする。
ア 内閣官房国家安全保障局
イ 外務省総合外交政策局安全保障政策課
ウ 経済産業省貿易経済安全保障局貿易管理部安全保障貿易管理課
エ 防衛省防衛装備庁装備政策部国際装備課
5 定期的な報告及び情報の公開
(1)定期的な報告
経済産業大臣は、防衛装備の海外移転の許可(第三国移転等に係る事前同意を含む。)の状況につき、年次報告書を作成し、国家安全保障会議において報告の上、公表するものとする。
(2)情報の公開
4(1)の規定により国家安全保障会議で審議された案件(第三国移転等に係る事前同意に係るものを含む。)については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)を踏まえ、政府として情報の公開を図ることとする。情報の公開に当たっては、従来個別に例外化措置を講じてきた場合に比べて透明性に欠けることのないよう留意する。
6 その他
(1)定義
ア 「国際共同開発・生産」とは、我が国の政府又は企業が参加する国際共同開発(国際共同研究を含む。以下同じ。)又は国際共同生産であって、以下のものを含む。
(ア)我が国政府と外国政府との間で行う国際共同開発
(イ)外国政府による防衛装備の開発への我が国企業の参画
(ウ)外国からのライセンス生産であって、我が国企業が外国企業と共同して行うもの
(エ)我が国の技術及び外国からの技術を用いて我が国企業が外国企業と共同して行う開発又は生産
(オ)部品等を融通し合う国際的なシステムへの参加
(カ)国際共同開発又は国際共同生産の実現可能性の調査のための技術情報又は試験品の提供
イ 「自衛隊法上の武器」とは、火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置等をいう(なお、本来的に、火器等を搭載し、そのもの自体が直接人の殺傷又は武力闘争の手段としての物の破壊を目的として行動する護衛艦、戦闘機、戦車のようなものを含み、部品を除く。)。
ウ 「部品」とは、完成品の一部として組み込まれているものをいう。ただし、それのみで装備品としての機能を発揮できるものを除く。
(2)これまでの武器輸出三原則等との整理
三原則は、これまでの武器輸出三原則等を整理しつつ新しく定められた原則であることから、今後の防衛装備の海外移転に当たっては三原則を踏まえて外為法に基づく審査を行うものとする。三原則の決定前に、武器輸出三原則等の下で講じられてきた例外化措置については、引き続き三原則の下で海外移転を認め得るものと整理して審査を行うこととする。
(3)対外直接投資
三原則の下で認め得るとされた防衛装備移転を伴う対外直接投資については、その認め得るとされたことを踏まえ、外為法に基づく審査を行うものとする。防衛装備移転を伴わない防衛装備関連の対外直接投資については、三原則の趣旨を踏まえて外為法に基づく審査を行うものとする。
(4)施行期日
この運用指針は、平成26年4月1日から施行する。
(5)改正
この運用指針は、安全保障環境の変化や安全保障上の必要性等に応じて、速やかに改正の要否について検討を行った上で、時宜を得た形で改正を行う。三原則は外為法の運用基準であることを踏まえ、この運用指針の改正は、経済産業省が内閣官房、外務省及び防衛省と協議して案を作成し、国家安全保障会議で決定することにより行う。
(以上)
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