豪州汎用フリゲート3隻の契約を締結 「もがみメモランダム」に署名、日豪防衛相が共同声明(4月18日)
- 日本の防衛
2026-4-20 11:36
防衛省は令和8(2026)年4月18日(土)に、オーストラリア・メルボルンにおいて小泉進次郎(こいずみ・しんじろう)防衛大臣がリチャード・マールズ豪州副首相兼国防大臣と日豪防衛相会談を実施したと発表した。両大臣は豪州汎用フリゲートの最初の3隻に係る契約締結を確認するとともに、日豪防衛協力に関する協力覚書(「もがみメモランダム」)に署名した。
以下に防衛省が公表した会談の概要、協力覚書、および共同声明(19日発表)を転載する。
(お知らせ)日豪防衛相会談等の概要

1 日豪防衛相会談
令和8年4月18日、午前10時55分(現地時間)から約50分間、メルボルン市内において、小泉防衛大臣はマールズ豪州副首相兼国防大臣と「戦略的防衛調整枠組み(FSDC)」の下で日豪防衛相会談を実施しました。両大臣はオーストラリアの国家防衛戦略の発表や豪州汎用フリゲートに係る契約締結等を踏まえ、日豪防衛協力を更に強化することを確認しました。
2 「くまの」艦上式典


同日、小泉防衛大臣とマールズ豪州副首相兼国防大臣は、メルボルンに停泊中の海上自衛隊護衛艦「くまの」艦上において、豪州汎用フリゲートに係る契約締結及び関係当局間文書の署名を記念する式典に出席しました。本式典において、両大臣は日豪防衛協力に関する協力覚書(「もがみメモランダム」)への署名を行い、本事業を日豪官民一体となって推進していくことを確認しました。
日本国防衛大臣とオーストラリア連邦副首相兼国防大臣との間のオーストラリア汎用フリゲート事業に関する協力覚書(「もがみメモランダム」)
1.小泉進次郎日本国防衛大臣とリチャード・マールズ・オーストラリア連邦副首相兼国防大臣は、2026年4月18日、オーストラリア・メルボルンにおいて会合した。両大臣は、オーストラリア汎用フリゲートの3番艦までの建造契約の締結を、この重要な事業における意義深い節目として、心から歓迎した。
2.両大臣は、「もがみ」型護衛艦の能力向上型の能力に関する協力が、両国のパートナーシップの深さを反映していることを確認した。このモメンタムを維持し、引き続き両国が官民一体となって緊密に協力しながら、オーストラリア海軍汎用フリゲート3番艦までの納入に関して協働していく決意を改めて確認した。また、両大臣はオーストラリア国内での維持整備基盤や建造能力の構築に向けた日本の支援を改めて確認した。
3.また、両大臣は、本年が日豪友好協力基本条約署名50周年にあたることを踏まえ、この歴史的な成果を基礎として、インド太平洋地域の平和と安定を支えるために必要な相互運用性の向上に資する優先的な能力分野において、産業協力の一層深化させることを含め、日豪間の防衛パートナーシップを更に強化していく意図を改めて確認した。
本覚書は、2026年4月18日にメルボルンにおいて、日本語及び英語による正本2通に署名され、いずれの文書も同等の価値を有する。
日本国防衛大臣 小泉 進次郎
オーストラリア連邦副首相兼国防大臣 リチャード・マールズ
日豪防衛相会談共同声明 2026年4月18日、オーストラリア・メルボルン
小泉進次郎日本国防衛大臣及びリチャード・マールズ豪州副首相兼国防大臣は、メルボルンにおいて、日豪防衛パートナーシップの発展について議論を行うとともに、豪海軍の能力強化に向けた我々の共通の取組における重要な節目を確認した。
我々は、豪州の「2026年国家防衛戦略」の発表を歓迎し、それぞれの防衛戦略を支えるための実りある情報共有へのコミットメントを再確認した。我々は、我々の共通の利益を保護する取決めを通じて地域の安全保障を維持し、恐怖や力ではなく、権利とルールに基づく地域を形成するため、パートナーと協力することが日本と豪州の共通の責任であることを確認した。我々は、日豪協力が、平和で安定し、繁栄した地域を確保する上で不可欠であることを認識した。
我々は、中東情勢について意見交換を行い、紛争の解決と、ホルムズ海峡における妨げがなく安全な航行の確保のため、当事者間で交渉を継続する必要性を強調した。また、我々の地域を含め、重要物資の妨げのない流通を確保することの重要性を強調した。我々は、民間人の保護及び国際人道法の遵守を求め、国連平和維持要員を殺害し、レバノン南部における人道支援要員のリスクを著しく高めた行動を非難した。我々は、米国が仲介したイスラエル政府とレバノン政府との間の停戦合意を歓迎するとともに、ヒズボラを含む全ての紛争の当事者が停戦合意を遵守することを求めた。地域の平和と安定の実現に向け重要な貢献である。我々は、レバノンの主権及び領土的一体性の尊重と、ヒズボラの非武装化とともに、紛争の終結に関する誠実な交渉が優先されることを期待した。我々は、長期的な安定に向けた対話、外交及び事態の沈静化を目的とする国際的努力への支持を再確認した。
我々は、東シナ海及び南シナ海情勢に関する深刻な懸念を改めて表明した。我々は、力又は威圧によるものを含む、緊張を高め、地域の平和と安定を損なうあらゆる一方的行動にも強く反対することを改めて確認した。我々は、南シナ海における不法な海洋権益に関する主張、係争地形の軍事化及びその他の危険かつ威圧的な行動に強く反対した。我々は、中国軍および中国のその他の海上部隊による、不安全でプロフェッショナルでない行動の事例について懸念を表明した。我々は、国連海洋法条約(UNCLOS)に反映されている国際法に従った、航行及び上空飛行の自由、適法な海洋の利用、妨げられない商業活動並びに海洋に関する紛争の平和的解決を堅持することの重要性を改めて強調した。我々は、2016年の南シナ海に関する比中仲裁判断が最終的かつ紛争当事国を法的に拘束するものであることを改めて表明した。
我々は、台湾海峡の平和と安定の重要性が地域及び国際的な安全と繁栄にとって不可欠であることを再確認し、一方的な現状変更の試みに対する強い反対を改めて表明した。我々は、威圧や武力行使に訴えることではなく、対話を促す。
我々は、日豪の共通の同盟国である米国、並びにインド、インドネシア、ニュージーランド、フィリピン及び韓国を含む主要なパートナー、更にASEANなどの地域機構と協力し、地域の強靱性を強化するとともに、包摂的で強靱な「自由で開かれたインド太平洋」を堅持する決意を改めて表明した。また、米国との三国間パートナーシップが、地域における抑止力と安定の強化に重要な貢献を果たしていることを強調した。我々は、日米豪防衛協議体(Trilateral Defence Consultations)など既存の閣僚級枠組みを通じた緊密な連携を継続し、防衛協力を深化させていくことにコミットした。
我々は、太平洋のパートナーを支援するとともに、太平洋主導の機関及び優先事項の尊重及びそれらとの緊密な協力を通じて、地域の強靱性を強化していくことへのコミットメントを再確認した。我々は、豪州、日本及びフィジーによるフィジー陸軍第3歩兵連隊本部庁舎の再建計画に関する協力の発表を歓迎し、太平洋における地域の安全保障、能力構築及び協力強化に対する我々の共通のコミットメントを強調した。
我々は、豪州の汎用フリゲートの最初の3隻の取得に関する契約の締結及びそれに伴う細目取極及び防衛当局間取決めの署名を発表した。この機会に我々が「もがみ・メモランダム」に署名したことは、豪州の汎用フリゲートの成功裏の納入及び防衛産業協力の深化に対する我々の共通のコミットメントを表す。我々は、豪海軍の汎用フリゲートの一番艦を2029年に納入するために緊密に連携すること、また豪州国内の維持整備拠点及び艦艇建造能力を構築することへ期待を表明した。
我々は、日本のもがみ型護衛艦「くまの」による最近の豪州への展開が成功裏に実施され、3月に行われた多国間共同訓練(KAKADU)を含む海軍種演習及び豪海軍主催国際観艦式に参加したことを認識した。我々は、豪海軍隊員が最近護衛艦「くまの」に乗艦し、洋上における艦艇の運用を視察したことを含む、豪州の汎用フリゲート事業における協力の早期の成果を強調した。
我々は、近年の、自衛隊による豪州で実施される活動への参加の増加を歓迎し、将来、協力を拡大するという共通の野心について議論を行った。我々は、自衛隊の統合作戦司令部の創設以降、両国の作戦司令部間の協力が拡大していることを認識し、これが相互運用性に与える前向きな影響を認識した。我々は、米国も交えたものも含め、日本及び豪州において、共同訓練のようなより実践的かつ高度な活動を追求することの重要性を強調した。我々は、活動の更なる整合、柔軟に選択される抑止措置並びにフィリピン及び米国との海上協同活動を通じた協力の進展を認識した。
我々は、防衛産業協力全般における着実かつ前向きな進展を振り返った。我々は、「防衛物品及び役務の提供に関する覚書」の下、有人機との連携を可能とする無人機に係る取組を日豪間で正式に実施するための枠組みを構築する、MQ-28A「ゴーストバット」に関する実施取決めの最終化を歓迎した。豪州はまた、防衛装備移転三原則及びその運用指針の見直しに向けた日本の取組を歓迎するとともに、地域及び国際社会の平和と安定を確保するため、信頼できるパートナー同士が防衛装備品を提供し合うことの重要性を認識した。
我々は、豪州国防省及び日本国防衛省の間の防衛サイバーパートナーシップに係る意図表明書の署名を歓迎した。これは、我々の国益を満たすためのそれぞれの強みを利用し、我々の集団サイバー即応性・強靭性・能力の向上を可能にする。
我々は、今回の会談が今月2回目の防衛相会談で、2025年12月に設立された「戦略的防衛調整枠組み(FSDC)」の下での3回目の防衛相会談であり、防衛政策の一層の整合を支えることを確認した。我々は、日豪友好協力基本条約署名50周年という節目の年に、日豪の「特別な戦略的パートナーシップ」を更なる高みに引き上げ、防衛パートナーシップの次なる段階への道筋を示そうとする中で、これらの会談が日豪の深化した協力に係る国際社会への力強いシンボルとしていかなる役割を果たすかを考慮した。
(以上)
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