[国会答弁]自民党大会における陸上自衛官の歌唱、陸自中央音楽隊副隊長の同行に関する質問と答弁(5月12日)
- 日本の防衛
2026-5-14 09:30
令和8(2026)年5月12日(火)、第221回国会(特別会)に提出された「自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱及び陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の同行に関する質問主意書」に対する答弁書が閣議決定・公表された。
その質問主意書と答弁書を以下に転載する。
質問主意書
質問第40号
自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱及び陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の同行に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第74条によって提出する。
令和8年4月27日
提出者 石垣のりこ
令和8年4月12日に開催された第93回自由民主党大会において、陸上自衛官が国歌を歌唱し、当該自衛官の上官である陸上自衛隊中央音楽隊副隊長が同行していたとされる。当該副隊長の同行について、防衛省に資料を要求したところ、令和8年4月20日に回答資料が提出された。同資料には、「陸上自衛隊中央音楽隊の副隊長は、当該自衛官から同行して欲しいと相談を受け、私人として応じたと聞いている。」と記載されている。
以上を踏まえて、以下質問する。
一 当該副隊長が、「当該自衛官から同行して欲しいとの相談を受け」同行したことは事実か示されたい。
二 「当該自衛官から同行して欲しいとの相談」は、勤務時間内外及び陸上自衛隊の施設内外のいずれにて行われたか示されたい。
三 当該副隊長の同行は、公務としてではなく「私人として応じた」ものか示されたい。「私人として応じた」場合、同行は勤務時間外の行為と理解してよいか示されたい。
四 防衛省は当該副隊長の同行を「私人として応じた」と回答している。部下からの相談に基づく同行であるにもかかわらず、これを「私人として応じた」と判断した理由を示されたい。また、職務とは無関係と判断した基準を示されたい。
五 当該自衛官が当該副隊長に同行を相談した趣旨及び理由について、政府として把握しているか示されたい。把握している場合、その趣旨及び理由を具体的に示されたい。把握していない場合、前記四の判断をどのように行ったか示されたい。
六 上官である当該副隊長と部下である当該自衛官が、今回と同様に、職務上の関係ではなく私的な関係に基づき行った事案の有無について、政府は確認しているか示されたい。
七 昭和56年3月3日の衆議院予算委員会第一分科会において、「最近さまざまな団体、私たちから見れば右翼と思われるような政治団体、あるいは政治家が主宰する団体に現職の自衛官が参加しているようなケースもあるようでありますが、こういうのは防衛庁として全く自由にしているのですか。」との質疑に対し、政府は、「自衛隊法には自衛隊の隊員の政治的な活動についての制限条項もございますし、そういうものの誤解のおそれのあるようなことは慎むべきであることは論を待ちません。」と答弁した。この政府の見解に変更はないか示されたい。
八 昭和54年4月19日の衆議院内閣委員会において、山下元利防衛庁長官(当時)は、「一般的に政治目的がはっきりしている大会の出席については慎重な配慮が必要であるということは、かねがね申しておる次第でございますので、これはもうその方針で進めてまいりたいと思う次第でございます。」と答弁した。この政府の見解に変更はないか示されたい。また、第93回自由民主党大会は、同答弁における「政治目的がはっきりしている大会」に該当するか、同大会への当該自衛官及び当該副隊長の出席は、同答弁における「出席」に該当するか、政府の見解を示されたい。
九 前記七及び八の答弁を踏まえれば、自衛官が私人として政党の大会に出席する場合でも、政治的中立性等について「誤解のおそれのあるようなことは慎むべき」と考えるが、政府の認識を示されたい。
十 上官である当該副隊長と部下である当該自衛官が第93回自由民主党大会に関与することについて、問題ないと判断した理由を示されたい。
十一 当該副隊長の同行について、防衛省・自衛隊の内部で事前に検討や協議を行った事実はあるか示されたい。
十二 当該自衛官の第93回自由民主党大会における国歌の歌唱については、防衛省・自衛隊において法令との関係を含めた検討が行われていたと承知しているが、当該副隊長の同行についても同様の検討を行ったか示されたい。検討を行った場合、同行の必要性や相談の理由についてどのような確認を行ったか示されたい。検討を行っていない場合、その理由を示すとともに、同じ政党の大会に係る行為であるにもかかわらず、政府の対応が異なる理由を示されたい。
十三 上官である当該副隊長と部下である当該自衛官の同じ政党の大会への関与については、国民に組織的な関与と解釈されるおそれがあったと考えるが、政府の認識を示されたい。
十四 小泉進次郎防衛大臣は令和8年4月17日の記者会見において、「仮に情報が上がっていれば、別の判断もあり得たと考えています。」と発言している。同発言の趣旨を示されたい。特に、「別の判断」の内容を具体的に示されたい。また、当該自衛官の第93回自由民主党大会における国歌の歌唱について、不適切であったと認識しているか示されたい。
右質問する。
答弁書
参議院議員石垣のりこ君提出自由民主党大会における陸上自衛官の歌唱及び陸上自衛隊中央音楽隊副隊長の同行に関する質問に対する答弁書
一及び三の後段について
先の答弁書(令和8年4月28日内閣参質221第35号。以下「前回答弁書」という。)十一についてにおいて、「陸上自衛隊中央音楽隊の副隊長は、当該自衛官から御指摘の「同大会」に同行してほしいとの相談を受け、勤務時間外において「同大会」に出席したものである。」とお答えしたとおりである。
二及び五について
お尋ねの「勤務時間内外及び陸上自衛隊の施設内外のいずれにて行われたか」及び「同行を相談した趣旨及び理由」については把握しておらず、御指摘の「前記四の判断」については行っていない。
三の前段及び四について
お尋ねの「基準」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、御指摘の「回答資料」において「私人として応じたと聞いている。」と記載しているとおりであり、防衛省として御指摘の「第93回自由民主党大会」(以下「党大会」という。)の前にお尋ねのように「「私人として応じた」と判断した」ものではなく、また、「職務とは無関係と判断した」ものではない。
六について
お尋ねの「職務上の関係ではなく私的な関係に基づき行った事案の有無」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
七について
昭和56年3月3日の衆議院予算委員会第一分科会における御指摘の夏目防衛庁長官官房長(当時)の答弁において示された政府の見解に変更はない。
八の前段について
昭和54年4月19日の衆議院内閣委員会における御指摘の山下防衛庁長官(当時)の答弁において示された政府の見解に変更はない。
八の後段について
お尋ねについては、特定の政党の活動を前提とするものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。
九について
お尋ねについては、一般論として申し上げれば、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第61条第1項の規定も踏まえ、個別具体的に判断すべきものと考えている。
十について
お尋ねの「第93回自由民主党大会に関与する」及び「問題ないと判断した」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「当該自衛官」の行為については、党大会の前に防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者が、自衛隊法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為には該当しないことを確認したものであり、「当該副隊長」の行為については、党大会の前に同様の確認をしたものではない。
十一及び十二について
お尋ねの「検討や協議」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「当該副隊長の同行」については、「当該自衛官」から党大会に同行してほしいとの相談を受け、勤務時間外において党大会に出席したものであり、また、党大会の前に防衛省人事教育局及び陸上幕僚監部の担当者への報告があったものではなく、これらの部局の担当者が、党大会の前に、自衛隊法第61条第1項の規定により禁止されている政治的行為に該当しないことを確認したものではない。
十三について
お尋ねの「大会への関与」及び「国民に組織的な関与と解釈されるおそれ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、前回答弁書十一についてでお答えしたとおりである。
十四について
前段及び中段のお尋ねについては、令和8年4月17日の記者会見において、小泉防衛大臣が「一般論として申し上げれば、政党の行事への自衛官の参加は、個別具体的に判断されるべきものであることから、仮に情報が上がっていれば、別の判断もあり得たと考えています。」と述べたとおりである。
後段のお尋ねについては、同月16日の衆議院本会議において、同大臣が「幹部への報告や、関係部署の情報共有について反省すべき点があったと考えており、自衛隊の活動に対する国民の理解を得る観点からも、今後は、幹部への報告や、関係部署の情報共有を徹底してまいります。」と答弁しているところである。
(以上)
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