《ニュース解説》領空侵犯に対応した戦闘機が使った「フレア」とは?
- ニュース解説
2024-9-24 15:15
2024年9月23日、北海道の北の空でロシア航空宇宙軍のIL-38哨戒機による領空侵犯が発生した。これに対応した戦闘機(千歳基地のF-15Jか)は「無線による通告及び警告に加え、フレアによる警告等を実施する等の対応を実施した」(林官房長官 談)とのこと。ここでは警告に使用した「フレア」について、手短に解説しよう。
軍用機の多く、とりわけ戦闘機は敵が発射したミサイルを回避する手段としてフレア(flare)とチャフ(chaff)を搭載している。
フレアはマグネシウムを主成分とし、空気中で激しく燃焼する火薬のようなもの(火工品)だ。射出されると発射母機のエンジン排気よりも高い温度で燃え、赤外線誘導(熱源誘導)ミサイルの照準を、自機からフレアへと向けさせることができる。
一方、チャフはアルミやプラスチックを主成分としたくずの塊で、射出されると一定時間空気中に漂ってレーダーの反射源となり、レーダー誘導ミサイルの照準をひきつけることができる。
チャフ・フレアは1発ずつ筒状のカートリッジに収められ、それが箱状のマガジンに20~30発程度装填される。軍用機はこのマガジンを複数搭載することができ、実戦では生存性を上げるため最大数のマガジンを搭載するだろうが、訓練ではフレア用とチャフ用のマガジンを各1個搭載するにとどめることが多い。
気になるのは、そのマガジンをどこに搭載しているかではないだろうか(筆者もかつてはとても気にしていた)。搭載箇所は機種によって異なるが、アメリカ製の戦闘機は胴体の下部に搭載する例が多く、欧州やソ連・ロシア製の機体では上面後部に搭載する例も珍しくない。
(以上、月刊Jウイング2023年12月号から本文などを引用)
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