森下陸上幕僚長、記者会見で手榴弾投擲訓練の事故調査結果に言及(7月18日)
- 防衛省関連
2024-7-19 11:54
令和6(2024)7月18日(木)、森下泰臣(もりした・やすのり)陸上幕僚長は定例の記者会見に臨み、今年5月30日に発生した手榴弾投擲訓練の事故調査結果について言及した。
公式サイトで公表された内容はこちらの通り。
陸上幕僚長 定例記者会見
本日は私から、5月30日に陸上自衛隊北富士演習場において発生した手りゅう弾投てき訓練中の隊員死亡事故の調査結果について、お知らせいたします。
調査の結果、次の2点が事故の原因であると確定いたしました。
1点目として、手りゅう弾投てき後の位置と姿勢によっては、曲線の軌道により飛散する手りゅう弾の破片に接触する危険性があるということを、訓練参加隊員が認識しておらず、加えて、投てき後、投てき壕の前壁に依託して伏せる姿勢をとらなければならないとの認識もなかったこと。
2点目として、各級指揮官等にも前述の認識がなかったため、それぞれの職責上実施すべき、曲線軌道により飛散する破片に関する事前の教育及び予行と射撃実施間の指導が十分にできていなかったこと。
これらが今般の事件の原因であると結論づけました。
本事故を受けた再発防止策は、次の2点です。
1点目として、手りゅう弾投てき後、「前壁に身体を依託して伏せる姿勢をとる」ことを全ての陸上自衛官が統一した認識として持つよう、教範を改正します。
2点目として、手りゅう弾投てき訓練に携わる各級指揮官等が、「前壁に身体を依託して伏せる姿勢をとる」ことについて、事前の教育、予行を行うとともに、射撃実施間もその指導を行うことを通達し、徹底します。
また、一連の手りゅう弾投てき訓練の動画を作成し、各部隊において、訓練前に必ず視聴させることとします。
今回の事故は、国家国民から信頼を受けて、武器の使用を許可されている組織として、決してあってはならないことであり、また、安全管理に責任を有する隊員を含めた指導等が不十分であったことから、陸上幕僚長として、本事故を非常に重く受け止め、この先、同種事故を二度と起こすことがないよう、また、かけがえのない隊員の命を失うことがないよう、再発防止を徹底し、射撃訓練等を行う場合の安全確保を徹底してまいります。
(以上)
Ranking読まれている記事
- 24時間
- 1週間
- 1ヶ月
- オーストラリアへの「令和6年度型護衛艦」移転に問題がないことを確認
- 空自の次期初等練習機が米テキストロン社T-6に決定
- 2等陸佐の懲戒処分を発表 自衛官身分証明書を紛失(11月28日)
- 人事発令 8月1日付け、1佐職人事(陸自191名、海自56名、空自34名)
- 空自の岐阜地方警務隊が隊員を書類送致。SNSによる情報漏洩の疑い(11月29日)