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内倉空幕長が年頭の挨拶「F-35Bの部隊建設をはじめ部隊の新編など」

  • 日本の防衛

2025-1-2 18:12

 航空自衛隊は令和7(2025)年1月1日(月)、内倉浩昭(うちくら・ひろあき)航空幕僚長の年頭の挨拶を、公式サイト上で公開した。

 以下に全文を掲載する。

航空幕僚長 挨拶

 航空自衛隊ホームページをご覧の皆様、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。旧年中の航空自衛隊の各種活動に対するご理解、ご支援に深く感謝いたします。

 昨年、創設から70周年を迎えた航空自衛隊は、近い将来、「航空宇宙自衛隊」となることを含めた新章を綴るため、本日力強く一歩を踏み出しました。

 年頭に当たり、改めまして、昨年の元日に発生した能登半島地震及び9月の奥能登豪雨災害による犠牲者の方々のご冥福をお祈りしますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。現地では、輪島分屯基地をはじめ各隊員が一丸となって、関係自治体や各自衛隊と連携しながら、住民の皆様の一時受入れ、捜索救助活動、給水・給食支援、巡回診療等に献身的に従事いたしました。今は地域の皆様と共に、復旧・復興に懸命に取り組んでおります。

 さて、国際社会は、ロシアによるウクライナ侵略や混迷の度合いを深める中東情勢により、地政学的な不安定化やエネルギーや食糧供給の混乱といった未曽有の試練に直面しています。我が国周辺では、夏以降、中国軍機、ロシア軍機による領空侵犯が相次いで生起し、両国爆撃機による共同飛行も二日連続で行われました。その間も北朝鮮が弾道ミサイル等を断続的に発射するなど、我が国の安全を脅かし、重大な懸念を与えるような活動が度々確認されましたが、航空自衛隊の各部隊は、冷静、的確かつ毅然と対応いたしました。また、中東情勢の悪化に伴いイスラエル、レバノン共和国から邦人等の輸送を実施するため、継続的・断続的に待機しています。

 このような緊迫した国際情勢の中にあっても、欧州各国の空軍等が相次いで来日し各基地で共同訓練を実施しました。参加者は、「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分である」との共通認識の下、共同訓練や様々な交流を通じて戦術技量を向上させ相互理解と信頼を深化させました。また、70周年記念行事の一環として開催した空軍参謀長等招へい行事においては、10名の参謀長等を含む19か国、20名の代表が東京に集結し、「自由で開かれたアジア太平洋」の実現の意義、重要性について認識を共有するとともに結束を実感することができました。

 本年は、防衛力整備計画5カ年の中間年となります。F-35Bの部隊建設をはじめ部隊の新編など、防衛力の抜本的強化を推し進めるとともに、防衛協力・交流を通じて、同盟国や同志国との相互運用性や連携の向上を図り、抑止力と対処力の強化に取り組んでまいります。

 航空自衛隊は、今年も空の守りと宇宙空間の安定利用を担う日本代表として、各種任務を実直に遂行してまいります。引き続き航空自衛隊に対し、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 ホームページをご覧の皆様におかれましても、本年が、平穏で幸多き年となることをお祈りしております。

令和7年1月1日 航空幕僚長 空将 内倉 浩昭

(以上)

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