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DSEI Japan 2025 短報──GCAP(次期戦闘機)ブース

  • 日本の防衛

2025-5-25 11:00

2025年5月22日から21日まで、千葉県の幕張メッセで開催された、日本で唯一の統合型防衛・セキュリティ展示会「DSEI Japan 2025」。主要な出展ブースの展示内容を、個別にお届けしよう。竹内 修 TAKEUCHI Osamu

 GCAP(GlobalCombat Air Programme/グローバル戦闘航空プログラム)は、日本、イギリス、イタリアの3か国が、航空自衛隊のF-2戦闘機と、イギリス、イタリア両空軍のユーロファイター戦闘機を後継する新たな有人戦闘機を共同開発するプロジェクトだ。

GCAPブースの中央に展示された大型模型。2024国際航空宇宙展で展示されたものと同じものが展示された 写真:竹内 修

 GCAPが発表された2022年12月以降、日本では、2023年3月に開催された「DSEI JAPAN 2023」と、2024年10月に開催された「2024国際航空宇宙展」で、GCAPに関する展示が行われている。今回の展示はそれに続く3回目だ。

GCAPブースの全景。計画の順調な進展を受けて、展示面積はDSEI JAPAN 2023と国際航空宇宙展を上回った。広すぎる展示ブースのなかで、去年と同じ模型、大型モニター、旗だけが目立っていた。今回、情報を得たければ、隅の展示を見に行って話を聞く必要があった 写真:Jウイング編集部

 今回展示された大型模型は国際航空宇宙展のものと同一だが、計画の進展を受けて、DSEI JAPAN 2025のGCAPブースはDSEI JAPAN 2023や2024国際航空宇宙展を上回る約200㎡に達しており、現在3か国が共同開発を進めているエンジンのカッタウェイ模型と、搭載が予定されている先進統合センサーシステム「ISANKE」と、統合通信システム「ICS」のコンセプト展示も行われた。

日本のIHI、イギリスのロールス・ロイス、イタリアのアヴィオ・エアロが共同で開発を進めているエンジンの、カッタウェイ模型の展示。情報を表示した透明板の奥に、模型の実物がある 写真:Jウイング編集部
ISANKEとICSのコンセプト展示。説明にあたっていた三菱電機は、ISANKEとICSの採用により、GCAPで開発される有人戦闘機は、戦闘で発生する不確定要素、いわゆる「戦場の霧」を晴らすことに大きく寄与するものになるとの見通しを述べていた 写真:編集部 ※公開後、画像を見やすいものに更新しました

 GCAPの進展についてはあまりリリースがないが、現在は昨年12月に合意されたGCAPのための共同事業体となる3か国企業の合弁会社設立に向けて調整が進められているところで、設計の進展について説明係の方に聞くと、機体、エンジン、アビオニクスの3つそれぞれにおいて日英伊3か国の企業が技術者を出して話し合いを進めているとのことであった。

モニターに表示されたGCAPのタイムライン。2020年の英伊の協力開始から2070年以降へと続く運用寿命を示したもの。2025年の現在は、2024年12月のGIGO(GCAP国際政府機関)設立および合弁企業設立合意の右にある。“主にこれまでのタイムライン” であり、2035年の就役開始以前にある、この先の細かなことは示されていない 写真:編集部
竹内 修TAKEUCHI Osamu

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書に『最先端未来兵器完全ファイル』、『軍用ドローン年鑑』、『全161か国 これが世界の陸軍力だ!』など。

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