マールズ豪州副首相兼国防大臣と中谷防衛大臣が会談(9月5日)
- 日本の防衛
2025-9-8 17:33
防衛省・自衛隊は令和7年(2025)9月6日(土)20時30分、9月5日午後2時30分から約75分間行われた中谷防衛大臣とマールズ豪州副首相兼国防大臣の防衛相談会について公表した。
以下にリリースを引用する。
日豪防衛相会談等の概要
日豪防衛相会談
令和7年9月5日、午後2時30分から約75分間、中谷防衛大臣とマールズ豪州副首相兼国防大臣は防衛省において防衛相会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(1)中谷大臣から、「もがみ」型の能力向上型である令和6年度型護衛艦が豪海軍次期汎用フリゲートとして選定されたことは、我が国にとって「特別な戦略的パートナー」である豪州との防衛協力を更なる高みに引き上げる大きな一歩であり、心から歓迎すると述べるとともに、2026年はじめを見込む契約締結に向け、関係省庁及び関連企業と連携し、官民一体となって取り組む意思を伝え、両大臣は、日豪が緊密に連携することを確認した。また、両大臣は、本事業が日豪の相互運用性を大幅に向上させるだけでなく、インド太平洋地域の艦艇建造・維持整備基盤の向上、日豪のサプライチェーン協力の強化等、幅広い意義を有し、インド太平洋地域の平和と安定に貢献するものであることを確認した。
(2)両大臣は、それぞれの国家防衛戦略に基づき、日豪両国が防衛力の抜本的強化を着実に進めていることを認識し、厳しく複雑な安全保障環境の中で、両国が不可欠なパートナーとして、主体的に抑止力・対処力を強化するための取組を不断に検討し、進めていくことを確認した。
(3)両大臣は、「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に基づく、範囲、目的及び形態(SOF)に関する議論が進展し、具体的な方向性が導出されたことを歓迎した。両大臣はSOFの重要性を改めて強調し、導出された方向性に基づき、議論をさらに戦略的・実践的に発展させていくことで一致した。
(4)両大臣は、以下を含む日豪・日米豪の運用・共同訓練に関する進歩を歓迎し、日豪部隊間協力円滑化協定(RAA)の下で40件以上の共同訓練等が実施されている中、引き続き、RAAをはじめとする制度を活用し、日本と豪州において、米軍を含め、より実践的かつ高度な運用・共同訓練を行うことで一致した。
▪米豪主催多国間共同訓練「タリスマン・セイバー25」における過去最大規模の日本の参加、また同訓練における自衛隊による03式中距離地対空誘導弾及び12式地対艦誘導弾実射訓練を豪軍と連携の上実施
▪「オリエント・シールド」への豪州の初参加
▪地域プレゼンス派遣の一環としての、豪海軍艦艇「ブリスベン」が日本の港湾において初めてのメンテナンス支援を受ける可能性を模索する計画
▪来年7月に豪州で予定されているものを含む、日米豪3か国によるF-35訓練の過去2年間で3回目の実施
▪ISR協力の深化
(5)両大臣は、2027年の「タリスマン・セイバー27」において、初の地域の防空ミサイル防衛に関する実弾射撃を実施する意図を再確認した。
(6)両大臣は、情報共有の強化や、活動の更なる連携、柔軟に選択される抑止措置(FDO)などの現在及び将来の抑止活動に関する議論の深化を通じたものを含め、力又は威圧による一方的な現状変更を抑止するための互いの取組を歓迎した。
(7)両大臣は、昨年11月に開始された豪州の統合作戦本部(HQJOC)への日本の統幕連絡官の派遣と、今月開始された自衛隊統合作戦司令部(JJOC)への豪国防軍連絡官の派遣により、日豪作戦司令部間の連絡官の相互派遣態勢が完成したことを歓迎し、司令部間で運用調整、計画及び情報共有の強化を行う重要性を確認した。
(8)両大臣は、日米豪海軍ロジスティックス作業部会に係る文書(TOR)の署名を歓迎した。また、航空協力の深化の一環として、2か国及び3か国間の空軍種の後方分野における協力を更に模索する意図を確認した。
(9)両大臣は、「ロックド・シールズ2025」への日豪共同参加を含む、サイバー防衛協力の進展を評価した。
(10)両大臣は、対話及び部隊間交流を通じた宇宙領域における協力の重要性を再確認した。
(11)両大臣は、日豪防衛産業基盤間の防衛装備・技術協力を更に進展させる機会を追求するとともに、5月に署名された「防衛物品及び防衛役務提供に関する覚書(MoA)」により、防衛能力イニシアティブに関する二国間協力が拡大することを歓迎した。また、連携無人機(Collaborative Combat Aircraft)に関する進展を認識し、MQ-28Aに関する日豪協力の協力拡大を歓迎し、2026年度に豪州で実施される飛行試験に研修として航空自衛隊が参加する意図を確認した。
(12)両大臣は、研究、開発、試験及び評価(RDT&E)プロジェクトに関する日豪取決めを適用した「水中自律型無人機に関する日豪共同研究」の進展を歓迎した。
(13)両大臣は、8月の「日豪装備当局間審議官級協議」の初の開催を歓迎するとともに、防衛産業協力を更に深化させることで一致した。
(14)両大臣は、同志国連携の中核である日米豪防衛協力について、自衛隊・豪軍・米軍の共同能力を着実に高めることで、インド太平洋地域における抑止力・対処力を強化し、平素から緊急事態に至るまで、あらゆる状況、あらゆるレベルで実効的に連携できるようにすることの重要性を再確認した。
(15)両大臣は、共通の目的を実現するため、米国との協力およびパートナーシップネットワークの強化が重要であることを認識した。我々は、MCA(海上協同活動)をはじめとする多国間による協力活動を念頭に、主要なパートナーとより緊密に協力していくことを約束するとともに、地域の制度への揺るぎない支持を再確認した。

海上自衛隊横須賀地区視察
同日、中谷防衛大臣は、マールズ豪副首相兼国防相とともに、海上自衛隊横須賀地区を訪問し、「もがみ」型護衛艦の「みくま」を視察した。
両大臣は、「もがみ」型の能力向上型である令和6年度型護衛艦が豪海軍次期汎用フリゲートとして選定された意義について、日豪の防衛協力をさらに引き上げ、インド太平洋地域の平和と安定に貢献する旨を強調した。また、日本側の「OCEAN」の精神に則り、インド太平洋地域を大きく俯瞰しながら連携と協力を強化し、シナジーを生み出していくことの重要性を確認するとともに、同志国及び多国間の枠組みとの連携を深化させる必要性を強調した。

(以上)
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