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中谷防衛大臣が臨時会見 佐賀駐屯地の開設やオスプレイ配備などについて(9月7日)

  • 日本の防衛

2025-9-10 10:17

 令和7(2025)年9月7日(日)12時10分~12時25分、中谷 元(なかたに・げん)防衛大臣は陸上自衛隊佐賀駐屯地隊庁舎2階野整備隊会議室で臨時会見を行った。本会見は、陸上自衛隊佐賀駐屯地開設記念行事後に行われたもの。
 大臣からの発表事項と記者との質疑応答は以下のとおり。

大臣からの発表事項

 本日、陸上自衛隊の佐賀駐屯地開設記念行事に出席しまして、ここにおいて実際に勤務することになる隊員、並びに地元の関係者の方々、大勢出席していただきまして本日に至ったこと、大変感慨深く思っております。
 この佐賀駐屯地の開設とオスプレイ配備につきましては、私自身10年前にちょうど防衛大臣をしておりまして、深く関わってきております。10年前に山口知事にこのオスプレイの受入れのお願い、また、佐賀市長、議会、関係者方、そして漁協組合の皆様方にも御挨拶でですね、オスプレイの移駐について、お願いをしたことがありましたが、あれから10年経ちました。
 今回の開設記念行事に出席しまして、この目で実際にですね、駐屯地が設営をされ、そして、ここで働く隊員たちと接することができましてですね、感無量でございます。この開設・移駐につきましては、特に地元の自治体、そして関係者の多くの理解と協力があったからこそだということでありまして、本日も多くの関係者の方々にも御出席いただいてですね、祝意を賜り、そして、御理解と御支援も表明いただきました。改めて、関係者の皆様に敬意を表するとともに、感謝・御礼を申し上げたいというふうに思っております。
 この駐屯地の意義でありますが、先ほども述べましたけれども、日本を取り巻く安全保障環境、非常に複雑で困難な状況にあります。特に南西地域、これの防衛体制の強化。これは喫緊の課題でありまして、この佐賀駐屯地の開設並びに陸上自衛隊のオスプレイの配備・移駐、これは我が国の防衛にとっても極めて重要なことでございます。特に、この相浦駐屯地、そして近傍に所在をします、水陸機動団の部隊との一体的な運用ができるようになります。また、南西を含む島嶼防衛、これの体制強化に際しまして、我が国としての抑止力と対処力、これを高める上でですね、ここは大変大きな意義をもつものであります。
 そして、オスプレイのもつ優れた機動力・展開能力、これは災害派遣並びに急患輸送の観点からも非常に有益でございます。先ほどオスプレイに搭乗いたしましたけれども、本当に機能性とですね、柔軟性に富んでおりまして、垂直モードで上昇したかと思えばですね、飛行モードに変わってですね、非常にスピードアップした移動ができます。それから機体の安全性、これを私は身をもって感じました。非常に安定した運用がされているということでございまして、特に今日は御来賓の皆様も多くおられましたので、そういう方々にもですね、実感として感じ取っていただいたのではないかというふうに思っております。
 そして、隊員の皆さんにも訓示で話をしましたけれども、まず安全に、そして確実にですね、業務をこなしてほしい。そして、今、自衛隊に対する非常に高い期待と信頼に応えられるようにですね、全力で職務に取り組んでいくことを期待をいたします。
 今日は朝早起きをしまして、佐賀駅周辺のホテルからですね、維新広場とか、紡績工場のあったところの公園に行きましたら、近くの住民の方からですね、突然ですね、オスプレイ来てくれてありがとう。自衛隊頑張ってください。というような激励をいただきましたけれども、やはり地元の皆さんの信頼、それから御支援・御理解が第一でございますので、しっかりと部隊に運用をしていただいて、佐賀を愛し、佐賀に愛される駐屯地を目指してもらいたいなというふうに思っております。

記者との質疑応答

オスプレイ体験搭乗の感想や同機の運用について

記者
 先ほど冒頭発言にもあったんですけれども、先ほどの体験搭乗を終えまして、飛行中に気づいたことなどの感想をお伺いいたします。また、今回の搭乗が大臣にとって初めてであれば搭乗の前後で印象が変わったことなどもあわせてお伺いいたします。
 また、8月12日にオスプレイ全17機の配備が完了いたしまして、本格的運用が始まって間もなく1か月を迎えます。佐賀駐屯地でオスプレイを運用するに当たって現在の所感を、こちらもあわせてお聞かせください。

大臣
 非常に安定性がありました。それから騒音ですね、意外と静かにですね、普通のヘリと同じようなですね、レベルでありました。それから、非常に柔軟性がありまして垂直に離陸したと思ったら、急速に飛行モードで移動できるということでありますので、非常に能力が高いと。そして、有用性、いろいろなタイプ、いろいろな状況にですね、それぞれの飛行ができると。それから、安全性ですね。それも確認をさせていただきました。
 今回の配備につきましては、先ほど申しましたが、南西地域を含む島嶼防衛能力、これの強化を実現してですね、我が国の抑止力と対処力、御承知のとおり、北朝鮮のミサイルの能力が上がってきておりますし、中国の軍拡が進んでですね、いろいろな海警とかですね、また無人機とかですね、非常に幅広く活動が広がってきておりますけれども、こういった我が国を防衛する意味においてもですね、抑止力と対処力を高めていく上でもですね、極めて重要な意義をもつものでございます。
 それと、もちろん災害、患者さんが発生した時の移動、急患輸送ですね、こういうところにも利用がされますし、佐賀の皆様にとってもですね、安全・安心につながるような対応をしていただけるのではないかなというふうに思っておりますので、これから部隊も活動していきますけれども、先ほど言いましたけれども、佐賀を愛し佐賀に愛されるですね、部隊になるということを期待をいたしております。
 今日は大臣政務官として、金子容三(かねこ・ようぞう)政務官も来ておりましたので、一言印象をお願いします。

金子政務官
 私も初めてオスプレイに乗させていただきましたけれども、乗る前の印象とはだいぶ違いまして、大臣もおっしゃいましたけれども、騒音、音もですね、思った以上にあまり大きくないなと思いました。垂直に離陸したと思ったら、すぐに加速していくと。ここはスムースに行けてたというふうなところで、特に災害の時とか、急患輸送の時、本当に一人でも多くの命がもっともっと救われる、そういった大事な機材になるのかなというふうに私も実感をいたしたところでございます。

大臣
 ちょうど10年前にですね、私大臣の時に熊本で大震災が発生をしました。この時に、日本はなかったんですけれども、米軍がオスプレイを所有しておりまして、米軍の方からですね、災害で支援をしたいけれども、ニーズがあったら使ってくれという要請がありまして、政府で検討してですね、米軍のヘリに食料を運んでもらったり、被災地への連絡をしてもらったりですね、既に10年前にですね、オスプレイの運用をした災害対応も実施をしてきております。
 非常に能力の高い、またスピードの速いオスプレイでありますので、実際にかなり役に立てるのではないかなというふうに思いました。

9月11日から実施される日米共同訓練について

記者
 今月11日からの日米共同訓練、「レゾリュート・ドラゴン」にオスプレイが参加をいたします。この訓練におけます佐賀駐屯地配備の意義でありますとか、米軍との連携についてお伺いいたします。

大臣
 この演習は、今月の11日から25日までの間ですね、「レゾリュート・ドラゴン25」ということで、陸上自衛隊、米海兵隊等の部隊が、日米の連携強化及び共同対処能力の向上を図るということを目的としてですね、実施をされております。
 この訓練では、陸上自衛隊と米海兵隊のオスプレイ、これが鹿屋航空基地を基盤としまして、人員・物資輸送、そして患者の後送などを実施をする予定でありまして、この日米オスプレイがですね、双方参加をするということによりまして、日米連携の能力の向上が大きく期待できるというものでございます。
 自衛隊としましては、本訓練を通じまして、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化を図るとともに、訓練の実施に当たって、地元の皆様に十分配慮をした上でですね、安全に十二分に配慮しながら行っていきたいというふうに思っております。

オスプレイの飛行訓練や目達原駐屯地のヘリコプター移駐などについて

記者
 今後、佐賀駐屯地で計画されております夜間飛行でありますとか、低空飛行訓練、また目達原駐屯地からのヘリコプター移駐のそれぞれの実施時期、また佐賀市が求めています特定防衛施設関連市町村への指定に関する検討状況についても、こちらもあわせて教えていただけますでしょうか。

大臣
 今後の陸上自衛隊のオスプレイの夜間飛行訓練、また低空飛行訓練の具体的な実施時期につきましては、現時点において確たることをお伝えできないということを御理解をいただきたいと思います。その上で、この訓練を実施をするに当たりましては、訓練の規模並び地元の地域の実情等を踏まえましてですね、地元の皆様方に適切に情報提供、これを行っていきたいと考えております。
 また、目達原駐屯地に所在するヘリコプターは佐賀駐屯地に移駐する計画でありますが、その具体的な時期につきましては、佐賀駐屯地における施設整備の状況を踏まえつつですね、検討をしているところでありまして、現時点において決まったものはありません。
 次に、佐賀市の特定防衛施設関連市町村への指定につきましては、この指定はですね、環境整備法第9条の規定に基づいて、防衛施設の設置また運用が周辺地域における生活環境等にどの程度影響を与えるものであるかを考慮の上、具体的な状況を踏まえて指定をするという規定になっております。したがいまして、現在は17機のオスプレイが配備完了したところでありまして、まずはオスプレイの配備によってどのような影響があるのかですね、これしっかりと見ながらですね、検討していかなければなりませんので、この後そのようなことで検討してまいりたいというふうに思っております。

自民党総裁選の前倒しについて

記者
 自民党の総裁選の前倒しについて伺います。前倒しをめぐっては、明日実施の是非を求める書面の受付が行われます。大臣は前倒しでの実施はすべきではないし、する必要もないとの御見解でしたが、石破内閣の閣僚からも前倒しに賛成する声が上がっています。改めて、実施の是非についてどうお考えかお聞かせください。

大臣
 この点は、二度三度ですね、会見でお話をしたとおりですね、私は石破内閣の下の防衛大臣でありまして、特に自衛隊に関しましては、総理大臣が最高指揮官であります。そして、その下に防衛大臣がシビリアンコントロールしてですね、自衛隊の指揮、運用をしているわけでございますので、石破総理が総理である限りはですね、私は総理の下の防衛大臣としましてですね、しっかりとその職責を果たしてまいりたいというふうに思っております。
 したがいまして、総裁選の前倒しについてはすべきではないし、する必要もないというふうに考えております。

(以上)

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